http://www.roppongiartnight.com/2015/programs/387/

1. 日本のメディアアートシーン
久保田晃弘
多摩美術大学/ARTSAT

3. メディアアートの閉塞感

8. アート
エンターテインメント
• アイドル
• 広告
• ゲーム

11. １．美術界がラッセンを無視した理由：
純粋美術はラッセンの属するインテリア・アートを一段と下に
見ていた。アートの美意識を理解しない層に支持されていて、
大きなマーケットを獲得していることへの反発があった。また、
芸術には必ずあるはずの作家の自己の投影がない「空っぽ」の
作品としてラッセンを排除していた。ラッセン以前にも美術界
は古くは藤田嗣治、岡本太郎、草間彌生、バブル期にはヒロ・
ヤマガタ等に対して無視の態度をとってきた。

12. ２．ラッセンの作品への評価：
マーク・マッカイやロバート・ネルソンなどのマリンアートの
模倣であって彼のオリジナルではない。同じ素材（イルカ、ク
ジラ、星、波など）の組み合わせを替えて使い回す自己反復が
顕著である。特徴は圧倒的な情報量と人工的な空虚さである。
「調和」「エコ」「静寂」「浄化」などのイメージを散りばめ
ることでリラクゼーション効果を発揮している。ラッセンはい
わばアロマキャンドルである。

13. ３．日本人がラッセンを愛した理由：
バブル期に豊かになった市民は百貨店で自宅の装飾用に絵画や
インテリア・アートを買うようになった。それはアールビバン
(株)がヒロ・ヤマガタやラッセン展示会を地方都市で巡回し
て売りまくる素地となった。ラッセンの作品は、過剰であり、
大衆的である。リアルで過剰な演出がバブル期の人々の心性と
符合した。見た目がカラフルでわかりやすい、専門知識がなく
ても理解できる。1作品を1000枚単位で刷る大量生産によって
全国で強引に売りまくった。

14. ４．ラッセンのプライベート：
ハワイの工房に100人の従業員を雇って作品を制作している。
公式サイトでの肩書きは画家、詩人、作家、音楽家。ラッセン
が愛好するものとして海、サーフィン、高級車、有名ブランド
品、美食、マウイの豪邸などの徹底した成金趣味。彼が出して
いるCDアルバムの収録10曲のうち自作は2曲のみで他の8曲は
カバーである。しかし、自作を装っているところにラッセンと
いう人物の本質が窺える。

15. インテリア・アート
公募団体展
現代美術

16. エンターテインメント
文化庁メディア芸術祭
メディアアート

17. メディアアートと技術

18. 反環境としての芸術
反技術としての芸術

19. 外部性・他者性
メタ性

20. メディアアートと自由

21. オリンピック
原発
憲法・政治
戦争

22. メディアアートの典型例
exemplar

23. メディアアートとしか
呼び得ない作品