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機械学習と
コンピュータビジョン入門
2016年2月27日
近畿大学理工学部情報学科
波部 斉
Email: habe@kindai.ac.jp
Twitter: @habhit
2016/2/27 機械学習勉強会 1
教育システム情報学会関西支部
機械学習勉強会
本日の内容
• はじめに
• 機械学習入門
• コンピュータビジョンと機械学習
• 参考文献
2016/2/27 機械学習勉強会 2
自己紹介
• 波部 斉(はべ ひとし)
• これまでの仕事
– 道路監視向け画像処理システムの開
発(1999-2002)
– 遠隔講義システムの運用+研究
(2002-2006)
– 水中生体観測システムの研究
(2002-2006)
– コンピュータビジョン研究(1998
-)
2016/2/27 機械学習勉強会
これまでの研究事例(1)
2016/2/27 4
• 3次元情報の獲得とその利用
撮影画像
3次元形状
画像ベースカメラ
キャリブレーション
ユーザーへの提示
アーカイブ
対象の撮影
サブピクセル精度の
画像位置合わせ
3次元ビデオの
情報圧縮
凹面スクリーン上の
相互反射補償機械学習勉強会
これまでの研究事例(2)
2016/2/27 5
• 映像解析によって「人を見る」
背景差分による
移動物体の検出
人物存在事前確率の利用による
人物検出精度の向上
入力映像 人物検出
集団行動の解析
より詳細な人物状態の推定
人物間インタラクションの解析による
集団の発見
機械学習勉強会
デジタルカメラを用いた
白内障スクリーニング
いつの間にか機械学習が大流行です
Google Trend Search で「機械学習」を調べた結果
Google Trend Search で「人工知能」を調べた結果
2016/2/27 機械学習勉強会 6
Facebook が人間レベルの顔認識を
72016/2/27 機械学習勉強会
Google の自動走行車が公道を走る
2016/2/27 8
http://www.gizmodo.jp/2015/06/post_17464.html
http://www.google.com/selfdrivingcar/
機械学習勉強会
Buzzword の歴史?・・・
2016/2/27 機械学習勉強会 9
ニューメディア マルチメディア
Web2.0
ウエアラブル
ビッグデータ
ユビキタス
クラウド
IoT
機械学習 人工知能
データサイエンス
本日の内容
• はじめに
• 機械学習入門
• コンピュータビジョンと機械学習
• 参考文献
2016/2/27 機械学習勉強会 10
機械学習とは?
• 「データの集合からその法則性を学ぶ」
(データサイエンティスト養成読本:機械学習入門編より)
2016/2/27 機械学習勉強会 11
飛行機
フェリー
?
識別の場合
飛行機は
このような特徴があり
フェリーは
このような特徴がある
という法則性
機械学習とは?(続き)
• 一般に「法則性」は写像で表現できる
2016/2/27 機械学習勉強会 12
𝑓𝑓: 𝒙𝒙 → 𝑦𝑦
特徴ベクトル
𝑥𝑥1
𝑥𝑥2
𝑥𝑥3
𝑥𝑥4
⋮
𝑥𝑥𝑁𝑁
特徴抽出
識別:
0, 1, 2, …
(整数のラベル)
回帰:
実数値
異常検知:
0,1
機械学習と関連技術
• 人工知能
– 人工知能は人間の知能と同等なもの目指したシ
ステム全体を指す
– 「機械学習」∈ 「人工知能」
• パターン認識
– パターン認識は音声・画像などからスタート,
機械学習はそれらとは関係ない記号的な世界か
らスタート
– 現在ではあまり差はない
2016/2/27 機械学習勉強会 13
機械学習手法で必須になる用語
• 問題設定
– 教師あり学習(Supervised Learning)
– 教師なし学習(Unsupervised Learning)
– 半教師あり学習(Semi-supervised Learning)
• 学習結果の評価
– 汎化性能
– 交差検証
2016/2/27 機械学習勉強会 14
問題設定:教師あり学習
2016/2/27 15
飛行機
フェリー
学習データ
(𝒙𝒙𝑖𝑖, 𝒕𝒕𝑖𝑖) (𝑖𝑖 = 1, … , 𝑁𝑁)
学習データセット
機械学習勉強会
問題設定:教師なし学習
2016/2/27
16
(𝒙𝒙𝑖𝑖) (𝑖𝑖 = 1, … , 𝑁𝑁)
クラスラベルは不明
機械学習勉強会
飛行機
フェリー
問題設定:半教師あり学習
2016/2/27
17
(𝒙𝒙𝑖𝑖) (𝑖𝑖 = 1, … , 𝑁𝑁)
クラスラベルは不明
機械学習勉強会
(𝒙𝒙𝑖𝑖, 𝒕𝒕𝑖𝑖) (𝑖𝑖 = 1, … , 𝑁𝑁)
クラスラベルは既知
汎化性能
2016/2/27 18
限られた学習データを使って
汎用的な識別規則を学習できるか?
飛行機
フェリー
?
機械学習勉強会
汎化性能と「過学習」
2016/2/27 19
O
真のデータ分布
(観測できない)
O
観測可能な
データ分布
どちらが良い?
機械学習勉強会
学習結果の評価方法(1)
2016/2/27 20
← 手元にある全データ
学習データをそのままテストに用いる
識別
規則
学習用データ
学習
テスト用データテスト
結果
機械学習勉強会
学習時に用いたデータとは違うデータでテストする必要がある
ただし
通常手元にあるデータの数は限られているので工夫が必要
学習結果の評価方法(2)
2016/2/27 21
← 手元にある全データ
交差検証法(以下は10分割の例:cross-validation)
識別
規則
学習用データ
学習
テスト用データテスト
識別
規則
学習用データ
学習
テスト用データテスト
識別
規則
学習用データ
学習
テスト用データテスト
結果
機械学習勉強会
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 22
どの手法を使えばよいの?
• Choosing the right estimator
http://scikit-learn.org/stable/tutorial/machine_learning_map/
2016/2/27 23機械学習勉強会
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 24
線形回帰の基本
2016/2/27 機械学習勉強会 25
O
𝑓𝑓 𝒙𝒙 = 𝒘𝒘𝑇𝑇 𝒙𝒙
入力
出力
𝒘𝒘 = argmin �
𝑖𝑖=1
𝑁𝑁
𝑦𝑦𝑖𝑖 − 𝑓𝑓 𝒙𝒙𝑖𝑖
2
線形識別の基本
2015/05/25 26
識別境界に相当する超平面
O
自動車
飛行機
𝑓𝑓 𝒙𝒙 = 𝒘𝒘𝑇𝑇 𝒙𝒙
𝒘𝒘 = argmin �
𝑖𝑖=1
𝑁𝑁
𝑡𝑡𝑖𝑖 − 𝑓𝑓 𝒙𝒙𝑖𝑖
2
正解ラベル
リッジ回帰
• 予測誤差だけでは「過学習」が起こる
– 例)ある一部の変数を無視してしまう(𝑤𝑤𝑖𝑖 = 0 )
• 特定の変数のみを極端に重視しないように制
限を与える
2016/2/27 機械学習勉強会 27
𝒘𝒘 = argmin �
𝑖𝑖=1
𝑁𝑁
𝑦𝑦𝑖𝑖 − 𝑓𝑓 𝒙𝒙𝑖𝑖
2
+ 𝛼𝛼 �
𝑗𝑗=1
𝑀𝑀
𝑤𝑤𝑗𝑗
2
正則化項
極端に大きなものが
あれば大きくなる
ロジスティック回帰
• 識別問題を「あるクラスに属する確率」を予
測する回帰問題として扱う
2016/2/27 機械学習勉強会 28
O
𝑦𝑦 = 0
𝑦𝑦 →増加
𝑦𝑦 →減少 1
1 + exp −𝑓𝑓 𝒙𝒙
あるクラスに属する確率
パーセプトロンと似てる!
ロジスティック損失
2016/2/27 機械学習勉強会 29
𝒘𝒘 = argmin �
𝑖𝑖=1
𝑁𝑁
log 1 + exp −𝑡𝑡𝑖𝑖 𝑓𝑓 𝒙𝒙𝑖𝑖 + 𝛼𝛼 �
𝑗𝑗=1
𝑀𝑀
𝑤𝑤𝑗𝑗
2
正則化項
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 30
汎化性能の高い識別面は?
2016/2/27 31
O O
マージン
機械学習勉強会
サポートベクトル
2016/2/27 32
O
𝝎𝝎
サポートベクトル
サポートベクトル
機械学習勉強会
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「マージン最大化」の効果(1)
2016/2/27 33
ノイズデータ
機械学習勉強会
「マージン最大化」の効果(2)
2016/2/27 34
最小二乗法では
すべてのデータと識別境界からの
距離が1/-1に近づくように
識別境界が求まる
間違ってしまう!
機械学習勉強会
「マージン最大化」の効果(3)
2016/2/27 35
識別境界周辺にある
サポートベクトル以外のデータは
どこにあっても影響しない
機械学習勉強会
非線形特徴写像
2016/2/27 36
𝑥𝑥
𝑦𝑦
線形分離不可能
𝑥𝑥
𝑦𝑦2
非線形
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機械学習勉強会
線形のSVM
2016/2/27 37機械学習勉強会
多項式カーネル
2016/2/27 38機械学習勉強会
RBFカーネル
2016/2/27 39機械学習勉強会
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 40
飛行機
フェリー
最近傍法
2016/2/27 41
自動車
𝒙𝒙
一番近い鋳型(template)との距離が t 未満なら
それに属するクラスに分類する
個々のデータ:鋳型(template)
機械学習勉強会
最近傍法の識別境界(1)
2016/2/27 42機械学習勉強会
最近傍法の識別境界(2)
2016/2/27 43機械学習勉強会
k 最近傍法
2016/2/27 44
飛行機
フェリー
自動車
𝒙𝒙
近傍の4個の鋳型のうち
もっとも多いクラス→飛行機
機械学習勉強会
k 最近傍法の識別境界 (k=3)
2016/2/27 45機械学習勉強会
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 46
アンサンブル学習
• 三人寄れば文殊の知恵
• 複数の弱学習器を組み合わせて高い性能を得
る
– 弱学習器:単独での性能は良くないが後に述べ
るような性質をみたす学習器
2015/05/11 47
バイアス・バリアンスと学習器の複雑さ
𝐸𝐸 𝑌𝑌 − ̂𝑓𝑓 𝑥𝑥
2
𝑋𝑋 = 𝑥𝑥 = 𝜎𝜎2 + Bias2 ̂𝑓𝑓 𝑥𝑥 + VarT
̂𝑓𝑓 𝑥𝑥
2015/05/11 48
上田修功:統計的機械学習入門,2011より引用
アンサンブル学習とバリアンス
• 複数の学習器を組み合わせると分散が小さく
なる
2015/05/11 49
平均をとると真の値に近くなる
自由度大の弱学習器が良い
Adaboost
• それまでの学習でうまくいっていなかったも
のの重みを増して学習する.
2015/05/11 50
ランダムフォレストとは?
• アンサンブル学習
– 複数の決定木(弱識別器)の結
果をあわせて識別・回帰・クラ
スタリングを行う
• バギング
– 入力学習データからのランダム
サンプリングを繰り返して弱識
別器を構成
2015/05/25 51
ランダムフォレスト
• 高速・シンプル・わかりやすい・精度も良い
• 大量データを用いた学習に適している
バギング
• 教師データ集合全体から個々の決定木の学習
に利用する教師データをランダムに選ぶ
– 重複を許す(w/ replacement)
– 使われないデータがあっても良い
• ブートストラップサンプル
• バギング(bootstrap aggregating)
2015/05/25 52
𝑆𝑆
𝒗𝒗1, 𝑡𝑡1
𝒗𝒗3, 𝑡𝑡3
𝒗𝒗4, 𝑡𝑡4
𝒗𝒗2, 𝑡𝑡2
𝒗𝒗1, 𝑡𝑡1
𝒗𝒗3, 𝑡𝑡3 𝑆𝑆1 𝒗𝒗3, 𝑡𝑡3 𝑆𝑆2
𝒗𝒗4, 𝑡𝑡4
𝒗𝒗3, 𝑡𝑡3
𝒗𝒗4, 𝑡𝑡4
バギングのイメージ
2015/05/25 53
母集団の分布が
不明なデータ
元の分布に
即した識別
テスト
• 与えられた入力を全ての決定木に入力して統合
2015/05/25 54
𝒗𝒗
𝑝𝑝1(𝑡𝑡|𝒗𝒗) 𝑝𝑝2(𝑡𝑡|𝒗𝒗) 𝑝𝑝𝑇𝑇(𝑡𝑡|𝒗𝒗)
𝑝𝑝 𝑡𝑡 v =
1
𝑇𝑇
�
𝑡𝑡=1
𝑇𝑇
𝑝𝑝𝑡𝑡(𝑡𝑡|𝒗𝒗) • 多数決
• 積をとる場合もある
並列化可能!!
主な機械学習手法
• 線形識別/回帰
– リッジ回帰
– ロジスティック回帰
• サポートベクトルマシン
• 最近傍識別
• アンサンブル学習
– アダブースト
– ランダムフォレスト
• ニューラルネットワーク
2016/2/27 機械学習勉強会 55
ニューラルネットワークの進展
• 線形分離できない問題にも対応
• 効率的な学習アルゴリズムの提案
• より複雑な構造に
→深層学習(Deep Learning)
2016/2/27 56
入力層 隠れ層 出力層
多層パーセプトロン
機械学習勉強会
深層学習(Deep Learning)
• 学習の中に特徴抽出の枠組みをもっている
– 従来:特徴抽出 → 識別/回帰
– これから:それらを統合した枠組み?
• 画像識別のコンペで(ILSVRC2012)でぶっち
ぎりの一位になって有名に
2016/2/27 57
GoogleNet
機械学習勉強会
本日の内容
• はじめに
• 機械学習入門
• コンピュータビジョンと機械学習
• 参考文献
2016/2/27 機械学習勉強会 58
コンピュータビジョン
2016/2/27 59
物体の位置
3次元形状等
実世界
カメラ
理解
コンピュータ
ビジョン
提示
コンピュータ
グラフィックス
プロジェクタ/
ディスプレイ
計算機
機械学習勉強会
コンピュータビジョンのタスク
• 3次元復元
– ステレオ計測
– 大規模構造物の計測
• 物体検出
– 人物などの対象検出
• 位置合わせ
– パノラマ画像生成
2016/2/27 機械学習勉強会 60
コンピュータビジョンの歴史(私見)
2016/2/27 機械学習勉強会 61
ルールベース,単純な対象
http://www.cvl.iis.u-tokyo.ac.jp/class2004/
事例ベース,複雑な対象
機械学習との関係が密接になっている
画像認識の流れ
2016/2/27 62
飛行機
フェリー
自動車 飛行機
フェリー
自動車
特徴抽出 学習
機械学習勉強会
代表的な研究事例
• 顔検出&人検出
• 人物姿勢推定
2016/2/27 機械学習勉強会 63
実例1:顔検出
2016/2/27 64
白領域の画素値の
平均から
黒領域の画素値の
平均を引く
大きな値 小さな値機械学習勉強会
顔検出に適したフィルタの学習
2016/2/27 65
大量の学習データ
どの形・位置の
フィルタが顔検出に
適しているかを学習
顔画像
それ以外
機械学習勉強会
フィルタを用いた顔検出
2016/2/27 66
入力画像
𝑣𝑣1 𝑣𝑣2 𝑣𝑣3
統合
機械学習勉強会
顔検出・顔認識(1)
• デジカメ・スマホなどで広く用いられる
2016/2/27 67
https://www.youtube.com/watch?v=fBqOSEOdDKI
機械学習勉強会
カット
実例2:人物検出
2016/2/27 68
クラス1:人物データ
クラス2:人物以外のデータ
機械学習勉強会
人物検出での問題点
• 姿勢や模様・色にはバリエーションがある
• 模様/色は多種多様なので利用できない
→ 顔検出手法の利用は難しい
• 輪郭形状には「ある程度」の規則性がみられ
る
2016/2/27 69
人物の「見え方」の変化
機械学習勉強会
HOG特徴量
• Histogram of Oriented-Gradients
– 方向付きの明度勾配のヒストグラムを利用
• 物体の大まかな形状が表現可能な特徴量
• 人物や車などの記述に利用されている
70
藤吉弘亘, "Gradientベースの特徴抽出 - SIFTとHOG -", 情報処理学会 研究報告 CVIM 160, pp. 211-224, 2007.
2016/2/27 機械学習勉強会
HOG特徴量の算出
セル
(5×5ピクセル)
勾配方向
ヒストグラム
ブロック単位で
正規化して
結合する
ピクセル単位で
明度勾配を算出
セル単位で
ヒストグラム化
ブロック単位で
正規化
ブロック
(3×3セル)
712016/2/27 機械学習勉強会
検出処理の手順(1)
学習過程
(正)人物画像 (誤)背景画像
HOG特徴量
サポートベクターマシン(識別器)
722016/2/27 機械学習勉強会
検出処理の手順(2)
検出過程
検出ウィンドウでラスタスキャンを行い,人物検出を行う.
732016/2/27 機械学習勉強会
機械学習を用いたコンピュータビジョン
• 学習データが勝負
– 顔データベース
– 人物データベース
– 苦労して大量のデータを収集
• Hand-Crafted Features
– 匠の技で設計された特徴量
– 対象に応じた特徴量を考案
2016/2/27 機械学習勉強会 74
実例3:身体部位推定
2016/2/27 75
[Shotton et al. 2011]
left
hand
right
shoulder neck
right
foot
Input depth image Visual features
• 人間の身体を31個の部位
に分割
• 入力:デプスマップ
• 出力:部位ラベル
2画素の奥行きの差
機械学習勉強会
学習データの生成
2016/2/27 76
[Shotton et al. 2011]
モーションキャプチャをベースにCGでデプスマップを生成
機械学習勉強会
身体部位推定結果
2016/2/27 77
[Shotton et al. 2011]
機械学習勉強会
機械学習を用いたコンピュータビジョン
• 学習データが勝負
– 顔データベース
– 人物データベース
– 苦労して大量のデータを収集
– 生成型のデータ収集
• Hand-Crafted Features
– 匠の技で設計された特徴量
– 対象に応じた特徴量を考案
2016/2/27 機械学習勉強会 78
CNN が大流行
• CVPR2015 (トップ国際会議)
– 約250件(約40%)が深層学習に関する研究
2016/2/27 機械学習勉強会 79
GoogleNet
機械学習を用いたコンピュータビジョン
• 学習データが勝負
– 顔データベース
– 人物データベース
– 苦労して大量のデータを収集
– 生成型のデータ収集
– 大量データを収集するプロジェクト(例:
ImageNet)
• Hand-Crafted Features
– 匠の技で設計された特徴量
– 対象に応じた特徴量を考案
2016/2/27 機械学習勉強会 80
不要になる??
最近の流れ
• CNN すごい!(ImageNetすごい!)
– データ集めるの大変・・・
– ブラックボックスなので気持ち悪い
• CNNなどの可視化の取り組み
• 数理的な解析
2016/2/27 機械学習勉強会 81
最新のトレンドについては
cvpaper.challenge
(最新のトップ国際会議論文を読むプロジェクト)や
各種勉強会のスライドが参考になる
まとめ(take-home message)
• 機械学習は 𝑓𝑓: 𝒙𝒙 → 𝑦𝑦 が基本
– 何を入力として何を出力(目標)にするかの選択が
重要
– 黎明期はほぼ自明なものばかりだった
– 深い洞察や知識がなければ得られない出力までたど
り着けば「人工知能」となる?
• データの量と質が重要
– 大量かつノイズが少ないデータがあれば嬉しい
– 目前のデータがそれを満たすものかをまず考える
– 逆に独自のデータをもっていれば強力な武器となる
2016/2/27 機械学習勉強会 82
参考文献(1)
832016/2/27 機械学習勉強会
Pattern Recognition and Machine
Learning(C. M. Bishop, 2007)
(和訳:パターン認識と機械学習,丸善出版,
2012)
参考文献(2)
2016/2/27 機械学習勉強会 84
Elements of Statistical Learning
(T. Hastie et al., 2009)
(和訳:統計的学習の基礎:データ
マイニング・推論・予測,共立出版,
2014)
Computer Vision: Algorithms and
Applications(R. Szeliski, 2010)
(和訳:コンピュータビジョン:アル
ゴリズムと応用,共立出版,2013)
参考文献(3)
852016/2/27 機械学習勉強会
わかりやすいパターン認識
(石井他,1998)
はじめてのパターン認識
(平井,2012)
参考文献(4)
2016/2/27 機械学習勉強会 86
データサイエン
ティスト養成読
本:機械学習入
門編(2015)
機械学習プロフェッ
ショナルシリーズ
(2015~)
深層学習(人工知
能学会,2015)
イラストで学ぶディー
プラーニング(山下隆
義,2015)

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