三表連動モデルを解説するセミナ－

1. 三表連動モデリング（基礎）

2. 1
本講座の目的
(1) PL, BS, CFの三表が連動するシミュレーションモデルをつくる
✔ BS＝バランスシート、CF＝キャッシュフロー
✔ 売上を変えると、利益→CF→BSまで連動して変わる
✔ それによって、必要な現金残高をシミュレーションできる
(1) 前提
✔ 今回は、エクセルを使った財務モデリングというテーマです
✔ BS, CFの基本的な知識（売掛金って何？など）は理解済み
という前提で進めますので、ご注意ください

3. 2
BS, CF 項目の考え方
(1) ビジネスモデル上、重要な項目
✔ 設備投資
✔ 減価償却
✔ 借入金 など
(2) 金額の大きい項目（変動額ふくむ）
✔ 売上債権（売上と連動）
✔ 買掛金は今回パス（時間の都合）
✔ 有価証券評価差額金
(3) 金額の大きい項目
✔ ディテールにこだわりすぎない

4. 3
BS

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BS
(1) 有価証券評価差額金＝投資その他、として資産・負債バランス
(2) 固定資産＝資産合計－投資その他、とする

6. 5
CF

7. 6
CF
今年の株主資本－前年の株主資本 ＝ 当期純利益－配当
⇒ 配当（※） ＝ （今年の株主資本－前年の株主資本）－当期純利益
※
配当や借入金返済などは、
キャッシュが出て行くので、
キャッシュフロー上マイナスとなる

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CF
今年の固定資産＝ 前年の固定資産＋設備投資－減価償却
⇒ 減価償却 ＝ 設備投資－（今年の固定資産－前年の固定資産）
※ただし、設備投資はキャッシュフロー上マイナスなので、頭に「－」

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PL

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PL
(1) 利率＝支払利息÷（前年と今年の借入残高の平均）
→ 仮に、今年の借入残高もしくは前年との平均にすると、循環参照エラーが発生します。
その場合は、、、、、本研修では割愛しますが、ご参考までに対応策を次頁に掲載したします。

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ミニマムキャッシュモデル
仮に、今年の借入残高もしくは前年との平均にすると、循環参照エラーが
発生します。
➢ 「OK」を押して、循環参照を作成して下さい。
（設定方法は次頁参照）
➢ 「ヘルプ（H)」を押すと、右のポップアップが出
て、循環参照の詳細説明を確認することがで
きます。

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ミニマムキャッシュモデル
Excelの「ファイル」から「オプション」選択し、下記のように設定して下さい。

13. 12
シミュレーション前提条件
(1) 設備投資・売上
✔ 買収後に、追加の設備投資を実施し、41年で償却
✔ 継続的な設備投資については、設備投資額＝減価償却額とする
(2) 現金、配当、借入／返済
(1) 将来の現金残高は、13/3の現金残高を維持（ミニマムキャッシュ）
(2) 当期純利益と同額を翌期に配当
(3) 上記以外のキャッシュフロー増減額を新規借入or返済で調整

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設備投資／減価償却
設備投資
実績← →予測
2012/3 2013/3 2014/3 2015/3 2016/3 2017/3 2018/3
Y-1 Y-2 Y-3 Y-4 Y-5
設備投資額（年間） 百万円 23,209 28,729 29,156 33,967 32,168 33,145 39,450
前年のゲスト売上 百万円 254,218 261,987 291,559 339,667 321,682 331,455 394,498
前年のゲスト売上に対する比率 % 9.1% 11.0% 10.0% 10.0% 10.0% 10.0% 10.0%
買収後の新規設備投資額（年間） 百万円 0 0 300,000 0 0
設備投資額（累計） 百万円 963,360 992,089 1,021,245 1,055,212 1,387,380 1,420,525 1,459,975
2006年度以前 百万円 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A

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シミュレーション前提条件
(1) 設備投資・売上
✔ 買収後に、追加の設備投資を実施し、41年で償却
✔ 継続的な設備投資については、設備投資額＝減価償却額とする
(2) 現金、配当、借入／返済
(1) 将来の現金残高は、13/3の現金残高を維持（ミニマムキャッシュ）
(2) 当期純利益と同額を翌期に配当
(3) 上記以外のキャッシュフロー増減額を新規借入or返済で調整

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現金残高

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シミュレーション前提条件
(1) 設備投資・売上
✔ 買収後に、追加の設備投資を実施し、41年で償却
✔ 継続的な設備投資については、設備投資額＝減価償却額とする
(2) 現金、配当、借入／返済
(1) 将来の現金残高は、13/3の現金残高を維持（ミニマムキャッシュ）
(2) 当期純利益と同額を翌期に配当
(3) 上記以外のキャッシュフロー増減額を新規借入or返済で調整

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当期純利益
営業外費用（その他費用）はゼロ、税率は30.9%
減価償却額は、キャッシュフロー計算書より参照
PL
実績← →予測
2012/3 2013/3 2014/3 2015/3 2016/3 2017/3 2018/3 2019/3
Y-1 Y-2 Y-3 Y-4 Y-5 Y-6
売上 百万円 360,060 395,526 443,634 425,649 435,421 498,465 515,245 532,997
ゲスト売上 百万円 261,987 291,559 339,667 321,682 331,455 394,498 411,278 429,030
ゲスト単価 円 10,336 10,601 10,927 11,291 11,377 12,074 12,410 12,759
投資額（累計）に対する比率 100万分の1% 1.07% 1.07% 1.07% 1.07% 0.82% 0.85% 0.85% 0.85%
来園ゲスト数 千人 25,347 27,503 31,084 28,491 29,135 32,672 33,141 33,625
周年記念によるゲスト増加 千人 0 0 3,000 0 0 0 0 0
震災によるゲスト減少 千人 1,500 0 0 0 0 0 0 0
来園ゲスト数（非季節要因） 千人 26,847 27,503 28,084 28,491 29,135 32,672 33,141 33,625
投資額（累計）に対する比率 1000分の1% 2.79% 2.77% 2.75% 2.70% 2.10% 2.30% 2.27% 2.24%
その他売上 百万円 98,073 103,967 103,967 103,967 103,967 103,967 103,967 103,967
費用 百万円 293,137 314,059 334,554 335,095 342,927 352,401 360,828 364,691
人件費 百万円 51,324 55,715 62,792 58,522 60,836 69,332 71,455 73,640
従業員数 人 16,562 19,076 21,137 19,374 19,812 22,217 22,536 22,865
来園ゲスト数に対する比率 1000分の1% 65.3% 69.4% 68.0% 68.0% 68.0% 68.0% 68.0% 68.0%
1人あたり人件費 千円 3,099 2,921 2,971 3,021 3,071 3,121 3,171 3,221
前年からの増加 千円 153 (178) 50 50 50 50 50 50
減価償却 百万円 15,738 29,156 33,967 39,485 40,463 46,767 48,445
既存投資分 百万円 15,738 29,156 33,967 32,168 33,145 39,450 41,128
新規投資分 百万円 0 0 0 7,317 7,317 7,317 7,317
その他費用 百万円 241,813 242,606 242,606 242,606 242,606 242,606 242,606 242,606
営業利益 百万円 66,923 81,467 109,080 90,554 92,494 146,064 154,417 168,306
営業外費用(1)
百万円 11,634 600 1,387 0 0 0 0 0
支払利息 百万円 1,858 1,673 1,387 0 0 0 0 0
利率 % 1.12% 1.12% 1.12% 1.12% 1.12% 1.12% 1.12%
その他費用 百万円 9,776 (1,073) 0 0 0 0 0 0
税金等調整前当期純利益 百万円 55,289 80,867 107,693 90,554 92,494 146,064 154,417 168,306
法人税等 百万円 23,183 29,383 33,320 28,017 28,618 45,192 47,777 52,074
法人税率 % 41.9% 36.3% 30.9% 30.9% 30.9% 30.9% 30.9% 30.9%
当期純利益(2)
百万円 32,106 51,484 74,373 62,537 63,876 100,872 106,640 116,232

19. 18
配当（キャッシュフロー計算書）
前年の当期純利益と同額
（注） 本シミュレーションでは、前年当期純利益＝配当（つまり配当性向100％）と単純化しておりますが、皆様が実際に取組まれる案件におい
ては、将来のCF計画（例：増設等の再投資、借入返済など）や制約条件（例：利益剰余金の額など）を踏まえて、より精緻な配当計算モデルを
組むこともご検討下さい。

20. 19
シミュレーション前提条件
(1) 設備投資・売上
✔ 買収後に、追加の設備投資を実施し、41年で償却
✔ 継続的な設備投資については、設備投資額＝減価償却額とする
(2) 現金、配当、借入／返済
(1) 将来の現金残高は、13/3の現金残高を維持（ミニマムキャッシュ）
(2) 当期純利益と同額を翌期に配当
(3) 上記以外のキャッシュフロー増減額を新規借入or返済で調整

21. 20
キャッシュフロー増減額を借入・返済で調整するには
(1) 現金残高を固定 → キャッシュフロー合計はゼロ
(2) 最後は借入金の増減で調整 → 財務キャッシュフローは最後に計算
①
②
③
④

22. 21
BS
営業CF計算には、BSの数値が必要
⇒ 借入金「以外」の項目を埋める（財務CFは最後に計算するので）
（注） 本シミュレーションでは、現金を固定して借入金を変動させておりますが、実際の案件では、借入金を返済計画に基づいて設定し、現金
を変動させる場合もあります。その場合は、現金を最後に計算しますので、現金「以外」の項目を埋めることになります。

23. 22
財務CF
財務CF ＝ CF合計 － 営業CF － 投資CF

24. 23
借入金の増減
借入金の増減 ＝ 財務CF合計 － 配当 － 資本金の増減

25. 24
借入金の増減
借入金の増減 ＝ 財務CF合計 － 配当 － 資本金の増減

26. 25
最後にバランスチェック
資産合計－負債合計－純資産＝ゼロ、であれば左右バランス