ICT_CONNECT_21 技術標準WG 連続セミナー7 学習要素リスト 石坂

1. 学習要素リストの技術的背景
2018.11.19
ICT CONNECT 21
石坂芳実

2. 2

3. 3

4. 相互運用性 (Interoperability)
システムや製品が、他のシステムや製品と、ユーザーが特
別な努力をすることなく連携する能力。相互運用性は，標
準の実装によって実現する。
(IEEEの定義)
Interoperability is the key!
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5. 相互運用性の意義
1. 利用者にとっての使い勝手の向上
2. 共通の意味で捉えることができる学習に関するデータの
蓄積と分析の実現
3. さまざまなコンテンツやツールを組み合わせて構成する
学習者中心のフレキシブルなデジタル学習環境
(NGDLE : Next Generation Digital Learning
Environment) の実現
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6. Next
Generation
Digital
Learning
Environment
6

7. 相互運用性 (Interoperability)
相互運用性の実現には、
やり取りされるデータの規定
と、
データのやり取りの方法の規定
が必要
前者は教育制度や文化に依存し、
後者は国際的に共通であることが望ましい
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8. データモデル、ボキャブラリ、データ標準
学習、教育、研修のための技術情報を扱うISO/IEC JTC1 SC36では、8つある
WGのうち、最初のWG1の担当がボキャブラリ
WG1 ボキャブラリ
WG2 協調、知的技術
WG3 学習者情報
WG4 学習管理
WG5 品質保証
WG6 プラットフォーム、サービス、仕様統合
WG7 文化、言語、利用者機能対応
WG8 学習分析
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9. データモデル、ボキャブラリ、データ標準
• 各国の教育で、例えば教科があることは共通しているが、教
科の名前は必ずしも共通ではない
 イギリス : 英語、数学、理科、地理、歴史、デザイン・
技術、コンピューティング、…
 日本 : 国語、算数、理科、社会、音楽、体育、総合的な
学習の時間、…
• 学校ID, 学習者ID, 校種ID, 科目ID, 授業ID, ...
• 評価の観点、成績、出欠、...
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10. 海外の教育に関するデータ標準の例
USのCommon Education Data Standard (CEDS)
https://ceds.ed.gov/
• P-20W (未就学児童教育から企業内研修まで) のすべての教育分
野を対象にした、用語統一の連邦プロジェクト
• 連邦政府、州の教育省、教育委員会、標準化団体、企業、大学の
研究者など100名以上の代表が集まって検討
• Data Modelと呼ばれる膨大な量の用語のリストを整理して公開
欠席の理由とそのコード、大学の役職名、2文字の州の略称、…
• 現在バージョン7.1
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11. 海外の教育に関するデータ標準の例
イングランドのCommon Basic Data Set (CBDS)
https://www.gov.uk/government/publications/common-
basic-data-set-cbds-database
• 教育省が規定して公開
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12. データモデルとしてのカリキュラム
• 教育内容や身に着けるべき素養を列挙し
• 学年や教科ごとに構造化して整理し
• IDを付与して
• 誰でもアクセスできるように公開する
• 学びの地図の番地
• 人が理解できること、機械が理解できること
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13. USの例 : Common Core State Standards
• 州によってバラバラだったカリキュラムを統合する目的で、次の2
組織がサポートして成立した全米の統一基準
 National Governors Association (NGA : 全米州知事会)
 Council of Chief State School Officers (CCSSO : 州教育長
協議会)
• 当初は英語 (English language arts) と数学 (Mathematics)
• 2種類の基準
 College and career readiness standards : 高校卒業段階
 K-12 スタンダード : 各学年
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14. USの例 : Common Core State Standards
• カリキュラムの作成と並行して、全米州教育技術ディレクター協
会 (SETDA : State Educational Technology Directors
Association) が技術的な検討を行い、Granular Identifiers and
Metadata for the Common Core State Standards (以下GIM-
CCSS) を作成
• “標準のコンセプトや構造的な整合性を保ちながら、関係者のさま
ざまニーズに対応して、コモンコアのデジタルにおける長期的な
実装を促進する”
• 州をまたがるアセスメントの整合性、教材や研修のデジタルな統
合
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15. USの例 : Common Core State Standards
• XMLでの表示方法は、全米の未就学児教育から企業内教育までの
すべての教育で使われるボキャブラリを収集、整理して公開して
いる、Common Education Data Standards (CEDS) のスキーマ
に従っている
• 日本の校務支援システムに相当する生徒情報システム (SIS :
Student Information System) 間でデータをやり取りする規格で
ある SIF (Schools Interoperability Framework) も同じ方法に
依っている
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16. CCSSのステートメントの例 (学習要素に相当)
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http://www.corestandards.org/Math/Content/4/OA/A/1/

17. CCSSのステートメントのXML表現
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18. 3種類の “ID”
• ステートメントコード
CCSS.Math.Content.4.OA.A.1
• URI
http://corestandards.org/Math/Content/4/OA/A/1/
• GUID
7828B4F15ABD40E19EF14DDE0EB399DF
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19. USのGIM-CCSSを利用したWebサイトの例
• BetterLesson
https://betterlesson.com/browse/common_core/standard
/189/ccss-math-content-4-oa-a-1-interpret-a-
multiplication-equation-as-a-comparison-e-g-interpret-35-
5-x-7-as-a-statement-that-35-is?from=core_child
• Education.com
https://www.education.com/common-
core/CCSS.MATH.CONTENT.4.OA.A.1/
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20. オーストラリアのカリキュラム
• 8つの科目
• 3つの教科横断項目
• 7つの一般的能力
の3次元で構成
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21. オーストラリアの例
• SCOOTLE
https://www.scootle.edu.au/
Australian CurriculumのWebサイトと連動して、オーストラリ
アの先生向けに、さまざまな公的な機関が作った教材を、単元ご
とに分類して提供
ACMNA071
Australian Curriculumの
Mathmaticsの
Numbers and Algebraの
71番目の単元
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22. 学習要素リストのID付与の検討
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要件 対応
人間が扱える長さの文字列であること 4～10桁程度が望ましい。
開発や運用コストが適切であること 日本語文字の使用はコストが高くなるため避け、ほぼすべ
ての環境で使えるACII文字で構成する。
教科や学年の変更に影響されないこと 教科や学年を意味する文字を含めない。
将来にわたるすべての教科・学年の学
習要素を網羅できること
見積もり数の100倍程度をカバーできるものにする
（学年、教科の組み合わせ＝176パターン。1パターンあたり
の学習要素が100と見積もった場合17600必要。）
他の学習要素のIDと衝突しないこと 学習要素IDの発行主体は本事業のみとし、事業内部で一元
管理する。本事業においては発行の際に既存のIDとの重複
がないかチェックする。
発行速度 IDの生成速度は重視しない。

23. 学習要素ID
• AからZのアルファベットと0から9の数字を組み合わせた6桁の
ランダムな文字列とする。
• アルファベットは大文字と小文字を区別しないが、文書での表記
は大文字を正式なものとする。
• 例えば次のような値になる。
4TAP7Q
• この組み合わせは2,176,782,336パターン存在するため、全学
習要素をカバーするのに十分であると考えられる。
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24. 小学校5年算数 学習要素名と学習要素ID
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学習要素名 学習要素ID
偶数，奇数 U0HKVI
倍数 23HIET
公倍数 1FQCS8
約数 HOD8GT
公約数 GP08QL
素数 7BW0WR
整数，小数の記数法 FMRNNC
10倍，100倍，…の大きさ 44Q7NN
1/10，1/100，…の大きさ VQV15O
小数の乗法（整数×小数） EMOU2F
小数の乗法（小数×小数） QKW65M
小数の乗法と積の大きさ J1EYLV
小数と倍（何倍かを求める計算） ICZ07N
小数と倍（比べられる量を求める計算） 06FVFJ
小数と倍（もとにする量を求める計算） OUP4TI
小数の除法（整数÷小数） CLB1W1