デジタル化推進に向け、今できること(PMシンポジウム2019講演資料)

デジタル化推進に向け、
今できること
「デジタル」プロジェクト経験から見えてきた次の一手
©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 2019 1
2019年9月6日
ITを
もっと価値あるものに
IT VALUE EXPERTS

講演者プロフィール
2
特定非営利活動法人 itSMF Japan 理事
経済産業省「見える化」指標、
診断スキーム構築に向けた全体会議委員
ITマネジメントに特化したコンサルティング会社を経営
企業のデジタル化の推進を
ITマネジメント変革の領域から支援
外資系ITプロバイダ → 国内系コンサルファーム → 起業
広木共郷（ひろきともさと）
株式会社 IT VALUE EXPERTS
代表取締役
©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 2019
国内外のIT系イベントに、ジャンル問わず参加し
多くの情報を収集・発信

3
ITに関わる組織と人財の能力を最大限に引き出し、
顧客企業の情報活用力を飛躍的に引き上げる
企業向け
コンサルティング
サービス
実務者向け
ネットワーキング
サービス
一般向け
インサイト提供
サービス
IT VALUE EXPERTS（IVE）紹介
ミッション
主な事業

IVEのコンセプト
様々なニーズを持つパートナーが集まり、コラボレーション
することで各自のゴールを実現する新たな組織の形を追求
4
コラボレーションプラットフォーム
共働・共栄・共助
個人事業主
会社経営者
会社員（副業）
休職者
求職者
リモートワーカー
空いた時間で
仕事がしたい
売上を
増やしたい
もっと
仕事したい
もっと柔軟に
働きたい
収入を
増やしたい

複数の働き口を持ち、
自身のニーズに応じて
働き方を選択し、
契約ベースで、
働きたい年齢まで、
納得して働く。
5
「ライフ・ワーク・チョイス」

6
新たな働き方を実践
勤務時間
勤務場所
ワーク
スタイル
就業ニーズ
（意欲）
契約
1社と雇用契約
(定年あり)
複数の会社とプロジェクト
単位で契約(定年なし)
平日9:00-17:00
ライフスタイルに応じて
勤務時間を調整
オフィスに出勤どこでも働きやすい場所で
会社が決める自分が決める
会社の都合が優先個人の意欲が優先
これまでこれから

7
代表的な提供サービス
ITマネジメントの改善を通じたITの価値向上を支援する
コンサルティングサービスを提供
IT資産管理
最適化された
ソフトウェア
資産
管理されていない
ソフトウェア資産
ITサービス・
マネジメント
（ITSM）
高パフォーマンスな
ITサービス
リアクティブな
守りのIT運用
IT組織の
デジタル化
対応
デジタル化の
原動力
としてのIT
デジタル化推進の
足かせ
としてのIT

8
代表的な提供サービス
ITマネジメントの改善を通じたITの価値向上を支援する
コンサルティングサービスを提供
ソーシング
最適なパートナー
との価値共創
ガバナンスなき
アウトソーシング
ITバリュー・
ブリッジ
確実に
経営の期待に
応える
プロジェクト
始まらない、
進捗しない、
効果が出ない
プロジェクト
サービス・
インテリジェンス
運用データ分析
による
ビジネス貢献
活用できていない
運用データ

9
イントロダクション

本日の講演内容
• デジタルをどうとらえるか？
• デジタル・プロジェクトの実際は？
• デジタル化推進の成功要因（CSF）は？
• 個人として、とるべき次のアクションは？
10

11
日本の企業や個人を取り巻く環境は
この十数年で大きく変化
背景

12
技術的要因
• 「働き方改革」の推進
• 外国人労働者の活用増加
• 対外的な政治緊張状態の持続
• 社会保障は公助から自助へ
政治的要因
経済的要因
社会的要因
企業と個人を取り巻く環境

13
技術的要因
• 対外的な政治的緊張状態の持続
政治的要因
• 低経済成長の持続
• グローバル競争の激化
• 保護主義の台頭
• 増えない給与所得
経済的要因
社会的要因

14
技術的要因
政治的要因
経済的要因
• 人生100年時代の到来
• 年功序列、終身雇用の終焉
• 労働人口の減少
• 働き方の選択肢の増加
社会的要因

15
• デジタル技術の進化
• ITのコンシューマライゼー
ションの進展
• ITは所有から利用へ
技術的要因
政治的要因
経済的要因
• 人生100年時代の到来
• 年功序列、終身雇用の終焉
• 労働人口の減少
• 働き方の選択肢の増加
社会的要因

16
この変化をどうとらえるか？

17
自身に影響する？
自身に影響しない？

18
ポジティブな変化？
ネガティブな変化？

19
チャンス？
ピンチ？

テクノロジーのインパクトは非常に大きい
20
一つ確かなこと
IoT
…
新規領域
AI
AR/VR Robotics
Block
Chain

テクノロジーのインパクトは非常に大きい
21
一つ確かなこと
FinTech、HRTech、EdTech・・・
Tech
既存領域への適用
〇〇 ×

22
テクノロジーの活用度が生死を分ける
指数関数的成長
（エクスポネンシャル）
突然死
線形的成長

23
デジタル化？
デジタルトランス
フォーメーション？
定義

デジタル化とは
24
参考：https://crew.bebit.co.jp/diary/20170308/
情報が、アナログ信号から
デジタル信号へ変換されること。
文字、音声など、あらゆるものを
対象とする。
物事の手続きや過程が
デジタルテクノロジーの適用によって
変革されること。
Digitization
（デジタイゼーション）
Digitalization
（デジタライゼーション）
13:00
“フィジカル” “人を介したプロセス“
デジタル化

デジタルトランスフォーメーションとは
デジタルテクノロジーの適用が、
人間社会をあらゆる面で変化させること
25
参考：https://crew.bebit.co.jp/diary/20170308/ ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 2019

テクノロジーに関することではなく、
• 製品の革新性(Product Leadership)
• 運営の卓越性(Operational Excellence)
• 顧客との緊密性(Client Intimacy)
のいずれか、
もしくはすべてをもたらす
新たなビジネスと事業運営モデルである。
26

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズをもとに、
製品やサービス、ビジネスモデルを変⾰する
とともに、
業務そのものや、組織、プロセス、
企業文化・⾵⼟を変革し、
競争上の優位性を確⽴すること
27
参考：経済産業省『DXレポート』 ©️ IT VALUE EXPERTS Inc. 2019

デジタル化できてますか？
28

デジタルトランスフォーメーション
できてますか？
29

30
「デジタル」プロジェクトの
実際
「デジタル」プロジェクトの実際

ITは蚊帳の外
31
事業部門デジタル部門
デジタル化！
IT部門
既存システムの対応で
手一杯…

32
ビジネス不在（ITのみ）
事業部門経営層
どんな成果が？？
IT部門
デジタル化だ！！

小さく始めて小さく終わる
33
PoC貧乏
コンセプト PoC パイロット本格展開
企画倒れ一部署のみで
終了
展開・
持続困難

他企業/パートナー
自社内で「頑張る」
34
情報は社外に沢山
あるのに…
経営層
デジタル
推進担当
デジタルを
業務でどう活かせるか
考えよ！
何を、どう進めれば
良いのか？

すれ違うトップと現場
35
デジタルで
新ビジネスだ！
RPAで効率化だ！
トップダウン
ボトムアップ
トップ
現場

組織の「壁」を越えない
36
A部門 B部門 C部門
AIを活用して
何かしたい
AIで業務を
効率化したい
AIを意思決定
に活用したい
A B C
コンサル /
ITベンダ
コンサル /
ITベンダ
コンサル /
ITベンダ

データが活用されない
37
活用されないデータ
既存データ新規データ
×
そもそも使えないデータ
？
×

競争優位につながらない
• 製品の革新性(Product Leadership)
• 運営の卓越性(Operational Excellence)
• 顧客との緊密性(Client Intimacy)
38
ここばかり？

デジタルトランスフォーメーションとは、
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズをもとに、
製品やサービス、ビジネスモデルを変⾰する
とともに、
業務そのものや、組織、プロセス、
企業文化・⾵⼟を変革し、
競争上の優位性を確⽴すること
39
振り返り

40
ちなみに
出典：PMシンポジウム2019 Webサイト

なぜこんなことに？
41

42
“Elephant in the room”

43
従来の考え方、アプローチで
デジタルトランスフォーメーションが
可能か？

44
Change！

45
デジタル化推進の
重要成功要因（CSF）

重要成功要因
1. 価値創出の考え方を変える
2. 壁を超える
3. ITの運営モデル（オペレーティングモデル）
を変える
46

重要成功要因
2. 壁を超える
を変える
47

価値提供から価値共創へ
48
プロバイダ（提供者）が
顧客（受益者）に
サービスを提供
ステークホルダーにとっての価値を
ワンチームで共創
プロバイダ
顧客
プロバイダ
顧客
パートナー
ネゴシエーションコラボレーション
Co-creation

顧客に対する深い洞察の必要性
• 顧客は誰か？
• 顧客のペルソナは？
• 顧客の「用事（Job）」は何か？
• 提供するサービスは、
その用事をどのように解決するか？
49
ヒント
サービスデザイン手法 (カスタマージャーニーマップ、
バリュープロポジションキャンバス、ビジネスモデルキャンバスなど)

参考：既存サービスの再デザイン事例
50
主要パートナー主要な活動バリュー・
プロポジション
顧客との関係性顧客セグメント
コスト構造収益の流れ
主要なリソースチャネル
• 提供サービス
• 社外/プライベート
セミナー
• カンファレンス
• ホームページ
• 業界団体
XXXの持つ実績の
あるアセット（知見、
要員、ツール、コマ
ンドセンター）を活用
した運用の標準化、
統合化によりお客様
のインフラ運用を
最適化する
＜Initial＞
• アセスメント
• コンサルティング
• 移行
• 統合コマンドセン
ター(24×365)
• 統合ツール
• グローバル知見
• ローカルリソース
• アセスメント
• トランジション
• 運用・継続的改善
• 標準化・統合化
• 人件費（オペレータ、エンジニア、コンサルタント、
Expat）
• 施設・設備費
• ソフトウェア費
• プロフェッショナルサービス
• 研修費
• ITSMツール
ベンダー
（ServiceNow、
BMC、CA、
Hitachi等）
• 他ツールベン
ダー
• コンサルティング
会社
• 教育ベンダー
（ITIL資格研修の
み）
• 中長期的な関係性
• どんなことでも相談
できる緊密な関係性
（信頼）
【既存顧客】
• グローバルに展
開している/展開
を計画しているお
客様
• XXXグローバルの
お客様
【新規顧客】
＜Running＞
• 監視
• オペレーション
• サービスマネジメント
• サービス統合
バリューマップ顧客プロフィール
• コアビジネスへの
集中(攻めの領域へ
のリソースシフト)
• 海外市場での成長
• グローバル・サポート
• ITサービス品質改善
• 運用コストの最適化
• 効率的な運用
• マルチベンダー環境の効率
的管理
• サイロ化された運用(個別最適)
• クラウド移行が困難
• 複雑なマルチベンダー環境の管理
• 煩雑な運用業務
• 運用統合、標準化のための
リソース・ノウハウ不足
• PRISM
• Service Management
• Service Integration
• Monitoring
• Tools & Process
• オンサイト＋統合コマンドセンターに
よるグローバルサポート
• 統合ツールと高い技術力による運用
状況の可視化、最適化
• ベストプラクティス及びグローバルの
豊富な知見に基づく標準化・統合化
XXXの持つ実績のあるアセット（知見、要員、ツール、コマンドセンター）を活用して、お
客様のIT運用の見える化、最適化（統合化、標準化、効率化）を推進することにより、
お客様を「守りのIT」の管理から解放し、「攻めのIT」に注力させることが可能になる。
顧客の用事
（ニーズ）
Gain（顧客の利得）
Pain（顧客の悩み）
Gain Creator
（利得をもたらすもの）
Pain Reliever
（悩みを取り除くもの）
製品とサービス
• 運用最適化
• 運用プロセス・ツール統一
• サポートチームの一元化
• 要員の最適配置
• 冗長工数（コスト）の削減
• 煩雑な運用業務からの解放
• ハイブリッド環境のモニタリング
• クラウド移行
Value Proposition

重要成功要因
51
2. 壁を超える
を変える

文化の壁
文化はあらゆる変革において
促進要因であると同時に
阻害要因となる。
そして、多くの場合は阻害要因となる
“Culture eats strategy for breakfast!”
（ピーター・ドラッカー）
52
ヒント
• 組織変革管理（Organizational Change Management）
• 組織行動管理（Organizational Behavior Management）
• ビジネスシミュレーション（Business simulation）

参考：組織変⾰のフレームワーク
53
危機意識の創出推進チームの形成ビジョンの策定ビジョンの伝達
ビジョンに基づいて
行動するための
メンバーへの
「権限の付与」
即効性のある成果
の計画立案および
実現
改善の確立とさら
なる変革の創出
変革の制度化
管理者だけでなく、
メンバーも危機感を
持っているか？
変革を実現できる組
織体制になっている
か?権限は与えられて
いるか？
組織変革のビジョン
は明確か？
組織変革のビジョン
は組織内に確実に伝
わっているか？
管理者だけでなく、
メンバーに対しても
変革の権限が与えら
れ、それが認識され
ているか？
クイックウィンの
計画がたてられてい
るか？（無理な計画
になっていないか）
一度の活動で満足せ
ず、次の活動が実施
されているか？
組織内において活動
が定着化、自律化す
るための制度が整っ
ているか？

ヒント
組織の壁
54
• IT と事業部門
• 開発と運用
• 親会社と子会社
• 自社とベンダ
• 顧客とプロバイダ
etc
• コラボレーションツール(SNS、チャットなど)
• Value Stream Mapping（VSM）
• “大部屋”

参考：デジタル化推進組織
55
Icons: Created by modifying http://openpptguy.com/ja/ (Licensed under CC BY 4.0)
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

ヒント
マインドの壁
56
タイプA タイプB
• マインドを変える vs 望ましいマインドがある人と働く
行動様式
情報入手方法
情報の扱い
失敗に対する態度
リスク選好
不確実性を
可能な限り排除する
不確実性を受け入れる
十分に考えてから実行走りながら考える
社内で探す社外に出て探す
情報は外に出さない
外部に発信して
フィードバックを得る
失敗しないようにする早く（失敗して）学ぶ
タイプA タイプB

参考：越境する
57

重要成功要因
58
2. 壁を超える
を変える

新たなオペレーティングモデル
©️ IT VALUE EXPERTS Inc.
2019
59
参考：”ITIL4 Foundation”
Demand Engage
Obtain & Build Deliver &
Support
Design &
Transition
Products &
Services
Plan
Improve
Value
サービス・バリューチェーン

オペレーティングモデルを変える
60
既存の運営
モデル
（Mode1）
デジタル
運営
モデル
（Mode2）

オペレーティングモデルを変える
61
肉体改造
サービス
統合
リソース/予算
既存の運営
モデル
（Mode1）
デジタル
運営
モデル
（Mode2）
新たなケイパビリティ獲得・育成

既存の運営モデルの肉体改造
62
肉体改造
サービス
統合
既存の
運営モデル
（Mode1）
デジタル
運営
モデル
（Mode2）
新たなケイパビリティ獲得・育成 • ITビジネスマネジメント
（需要、ポートフォリオ、予算）
• データガバナンス
• IT資産管理（SAM）
• サイバー・セキュリティ
ケイパビリティ強化
（筋力をつける）
• 高度な自動化（AIOps）
• GRSCソーシング
• Globalソーシング
• Robotソーシング
• Selfソーシング
• Crowdソーシング
スリム化
（ぜい肉を減らす）
リソース/
予算

63
• Agile
• DevOps
• Lean
• Scrum
• SAFe
• VSM
• Cloud
• CI/CD
• SRE
etc
“アジャイル” ケイパビリティ
肉体改造
サービス
統合
既存の
運営モデル
（Mode1）
デジタル
運営
モデル
（Mode2）
リソース/
予算

64
サービス統合
対処すべき状況
• マルチ・サービス
• マルチ・プラットフォーム
• マルチ・ベンダー
• マルチ・モーダル
強化すべきケイパビリティ
• サービス統合管理(SIAM™)
• サービス監視・可視化
• マルチクラウド管理
• ベンダ管理(契約管理)
• ライセンス管理
etc
肉体改造
サービス
統合
既存の
運営モデル
（Mode1）
デジタル
運営
モデル
（Mode2）
End to Endでのサービス統合
リソース/
予算

65
最後に

まとめ
• 日本の企業や個人を取り巻く環境は、
この十数年で大きく変化しており、
テクノロジーが組織や個人に与えるインパクトは
非常に大きくなってきている
• 企業は、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいるが、
実態としてうまくいっていないケースが多い
• デジタルトランスフォーメーションの推進のためには、
「価値創出の考え方を変える」「壁を超える」
「ITの運営モデル（オペレーティングモデル）を変える」
ことが必要
66

個人としてとるべき次のアクション

個人として
PMとして

“あなたの”サイロを壊そう！

変えられるところから
変えてみよう！

or disrupted…

Thank You!!
連絡先：info@iv-experts.co.jp
Website：https://www.iv-experts.co.jp/
SNS(Facebook/Twitter)：
@ITVALUEEXPERTS
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