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2017年大学教育学会発表スライド「大学生の学術情報リテラシーの評価とその習得傾向の検討―Can-Do tableの開発を通じて―」

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2017年大学教育学会発表スライド「大学生の学術情報リテラシーの評価とその習得傾向の検討―Can-Do tableの開発を通じて―」

  1. 1. 大学生の学術情報リテラシーの評価と その習得傾向の検討 ―Can-Do tableの開発を通じて― 2017年6月11日 大学教育学会第39回大会 (広島大学) 飯尾 健 (京都大学) 1
  2. 2. 発表内容 2 背景と目的 方法 結果 考察 まとめ 今後の課題
  3. 3. 背景と目的① 学術情報リテラシーとは 高等教育での学習に必要と考えられる情報活用能力 (国立大学図書館協会, 2015) 3 課題を認識し、その解決のために必要な情報を探索し、入手し、得ら れた情報を分析・評価、整理・管理し、批判的に検討し、 自らの知識を再構造化し、発信する能力 (国立大学図書館協会, 2015)  大学における学習成果の達成に不可欠 「主体的な学習」に求められる授業外の探究活動・事前学習  大学卒業後の社会生活・市民生活に必要 ジェネリックスキルの基盤となる能力 (長澤, 2016) 課題の 認識 探索 入手 評価 管理 知識と 統合 活用 発信
  4. 4. 背景と目的② 問題の所在 4 学術情報リテラシー教育の現状と課題 大学図書館による取組の定着 (井上, 2012) 文献探索法・データベース の利用法にとどまる (茂出木, 2014) 日本における学生の学術情報リテラシーの習得傾向の把握が必要 (井上, 2012) ⇒学術情報リテラシー教育に必要な点・教授法への示唆 海外での先行研究 Head & Eisenberg (2010) 等 学習に関する情報探索で「困難を感じる点」について質問紙調査 先行研究の課題  「できない」点と同時に「できる」点も見る必要  定義に即した多様な側面を尋ねる必要
  5. 5. 背景と目的③ Can-Do table への着目 質問紙調査から学術情報リテラシーにおけるCan-Do table を作成し、 学生の学術情報リテラシーの習得傾向を把握する 5 質問紙調査 段階的評価 Can-Do tableの作成 学術情報リテラシー の各側面において 「~できる」形式の 具体的な行動を問う 記述文を作成 リッカート尺度で 学生に回答を求める 潜在ランク理論により 回答結果から学生を 有意味な段階に分ける 段階に分けることで、 1点刻みの得点では 不可能な能力と 評価結果の対応関係を 記述することができる (荘島, 2010) 能力達成に至る道筋を 段階的に示す記述文の 表 (松宮・荘島, 2009) 視覚的に能力や傾向を 把握できる 段階的評価の結果から 各段階に記述文を 割り当てる
  6. 6. 方法 6 記述文の作成 3ランク(仮に設定) カ テ ゴ リ ー サ ブ カ テ ゴ リ ー 質問項目・項目コード 例: D2-2 「著者名、タイトル、発行年 などの条件を複数組み合わせて 文献を探すことができる」  カテゴリー×ランクの表を作成  先行研究から学術情報 リテラシーの各側面を同定  仮にランクを設定  各マス目に合う記述文を作成  図書館員・学生対象に予備調査  ランクの吟味  内容の修正・削除・統合 合計41の記述文が完成 (付表①) 調査の実施 実施: 2016年6月15~16日 方法: インターネット調査 対象: 全国の4年制大学の学生 248名 男/女=132/116 1~4年次=66/66/56/60 記述文41項目について4件法 (「よくあてはまる」~ 「全くあてはまらない」) で回答
  7. 7. 結果① 因子分析 7  1因子構造 (主因子法)  各サブカテゴリー・ ランクを等しく含む  測定精度の高い項目 を選別 構成概念妥当性・ランク3の項目数 のバランスを考慮 MAP BIC 固有値 factor1 0.0081 -1337 8.72 factor2 0.0077 -1327 1.69 factor3 0.0092 -1236 1.19 factor4 0.0107 -1155 1.05 factor5 0.0129 -1065 1.02  1次元性の検証 潜在ランク理論を用いる前提条件  MAP・BIC・固有値の値から 1次元性を確認 ⇒27項目で分析を行う 項目コード 因子負荷量 項目コード 因子負荷量 項目コード 因子負荷量 H1-1 .65 B2-1 .59 H2-1 .51 C1-1 .64 B1-1 .59 H3-1 .49 E1-1 .63 H2-2 .59 G3-1 .47 F1-1 .62 D2-2 .59 C1-2 .47 I1-1 .62 H1-2 .57 F2-2 .45 E2-1 .62 A2-1 .56 E3-1 .43 I2-1 .62 I2-2 .55 D2-1 .39 D1-2 .60 D1-1 .53 G2-1 .39 A3-1 .60 E2-3 .53 C3-2 .28
  8. 8. 結果② 潜在ランク理論による分析 8  項目参照プロファイル (Item Reference Profile: IRP) を算出 「ランク別の得点の期待値」(荘島, 2010)  記述文の所属ランク =2.5点 (4件法の中点) を初めて超えたランク 相馬・清水 (2016) より  情報量規準よりランク数を3に決定  3ランクでのIRPを算出  数値から記述文を各ランクに割り当て  記述文の内容から各ランクの解釈 ⇒Can-Do tableの作成 (付表②) 項目コード Rank 1 Rank 2 Rank 3 I1-1 2.63 3.04 3.50 C1-1 2.61 2.98 3.47 H1-1 2.55 2.95 3.40 D2-2 2.55 2.97 3.36 D1-2 2.58 2.88 3.33 E1-1 2.51 2.87 3.38 H1-2 2.54 2.89 3.33 I2-1 2.51 2.95 3.33 H2-1 2.51 2.89 3.32 I2-2 2.53 2.85 3.31 E2-1 2.48 2.82 3.23 A2-1 2.47 2.81 3.24 B1-1 2.48 2.75 3.22 D1-1 2.47 2.77 3.22 C1-2 2.47 2.81 3.13 A3-1 2.42 2.80 3.19 H3-1 2.49 2.82 3.08 F1-1 2.36 2.72 3.25 F2-2 2.40 2.75 3.06 H2-2 2.36 2.72 3.09 B2-1 2.34 2.67 3.08 E3-1 2.39 2.68 2.93 G2-1 2.39 2.67 2.85 G3-1 2.34 2.63 2.92 E2-3 2.26 2.59 2.98 D2-1 2.35 2.51 2.86 C3-2 2.13 2.38 2.54
  9. 9. 結果③ Can-Do tableにおける各ランク 9 ランク1 (10項目)  ほとんどが情報検索・引用に関する項目  評価は1項目のみ  いずれも情報活用の際の基本的で個別に独立した能力 ⇒情報探索・評価・活用に関する基礎的かつ個別的な知識・スキルを有する ランク3 (1項目)  より専門的な調査・探究に踏み込んだ項目が所属  他の項目でも高い自己評価を行っている ⇒高いレベルでの情報活用スキルを有し、より専門的な調査・研究に 必要な学術情報リテラシーを備えている ランク2 (16項目)  情報課題の認識・情報の統合・活用の項目が出現  情報検索や引用・評価では複数のスキルを組み合わせた項目 ⇒認知的・複合的な情報活用スキルを有し、大学での学習成果を達成するために 必要な学術情報リテラシーを備えている
  10. 10. 結果④ 学術情報リテラシーの習得傾向 10 ランクの上昇につれ、特徴ごとに学術情報リテラシーを順序的に習得する形に 基礎的・個別的 認知的・複合的 領域専門的 習得=易 個別的に習得・指導可能なもの 習得=難  高次の認知的能力 (評価・活用等) が必要なもの  複数のスキルを組み合わせたもの Head & Eisenberg (2010) の裏付け 「学生は高次の認知的能力 (=情報課題の認識・情報の評価等) に困難を感じる」 図書館員の想定と学生の実態とのずれ 調査前後による記述文の所属ランクの 変化 (計12項目) から 基礎的なスキル 領域を問わない内容 高次の認知的能力を要求 複合的なスキル ランク低 ランク高 図書館員 均一に習得 学生 習得に偏り
  11. 11. 考察 11 背景=学生の学習における情報探索方略  Google中心の情報探索方略に依存 (Head & Eisenberg, 2010)  大学での学習に対応した情報探索方略への移行に困難 (Head, 2013)  最小限の労力で情報を入手できるような課題設定 (Warwick et al., 2009) 少数の使い慣れた情報リソースに依存 エキスパートとして幅広い情報探索を行う図書館員との認識の相違 学生の情報探索方略を変える学術情報リテラシー教育の重要性 考えられる方策  アクティブラーニングの導入・連携  ライティング/キャリア教育での図書館員との連携 (手嶋他, 2008)  科目関連指導 (長澤, 2013) 授業内容と分断した 文献探索法 データベースの利用法 探究過程に埋め込まれた 情報課題の認識 情報の精査・吟味
  12. 12. まとめ 12 質問紙調査と潜在ランク理論の活用 ⇒3ランクから成るCan-Do table の開発 学生の学術情報リテラシーの習得傾向  習得易⇒情報探索・引用など  習得難⇒高次の認知的能力を要求するもの 複数のスキルを組み合わせるもの  最小限の労力を志向する情報探索方略に背景 ⇒図書館員の期待と学生の実態とのずれ 学生の情報探索方略を変える学術情報リテラシー 教育の必要性を示唆
  13. 13. 今後の課題 13 Can-Do tableの改善 (追加調査)  含める内容の再検討 (最新の知見の反映)  項目の偏りの是正  ランク3の解釈の検証 直接評価との比較・検証  あくまで自己評価にもとづく  とくにパフォーマンス評価を開発する必要 学術情報リテラシー教育の実践に向けた示唆  教授法の開発・検討  実践と効果検証
  14. 14. 参考文献① 14 • Head, A. J. (2013). Learning the ropes: How freshmen conduct course research once they enter college. (http://files.eric.ed.gov/fulltext/ED548262.pdf) • Head, A. J., & Eisenberg, M. B. (2010). Truth be told: How college students evaluate and use information in the digital age. (http://files.eric.ed.gov/fulltext/ED535166.pdf) • 井上真琴 (2012)『大学図書館の学習支援』 (http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/pub/choken/2012/17.pdf) • 国立大学図書館協会 (2015)『高等教育のための情報リテラシー基準』 (http://www.janul.jp/j/projects/sftl/sftl201503b.pdf) • 松宮功・荘島宏二郎 (2009).「ニューラルテスト理論を利用したCan−do table作 成の試み」『第37回 日本行動計量学会(於 大分大学)』, 58-59. (http://www.rd.dnc.ac.jp/~shojima/ntt/MatsumiyaBSJ09.pdf) • 茂出木理子 (2014)「学習支援としての情報リテラシー教育: これまでとこれか ら」『大学図書館研究』100, 53-64. • 長澤多代 (2013)「主体的な学びを支える大学図書館の学修・教育支援機能― ラーニングコモンズと情報リテラシー教育を中心に―」『京都大学高等教育研 究』19, 99-110.
  15. 15. 参考文献② 15 • 長澤多代 (2016)「問題解決や課題探究のための情報リテラシー教育」溝上慎 一・成田秀夫編『アクティブラーニングとしてのPBLと探究的な学習』東信堂, pp.24-45. • 荘島宏二郎 (2010)「ニューラルテスト理論―学力を段階評価するための潜在ラ ンク理論―」植野真臣・荘島宏二郎著『学習評価の新潮流』朝倉書店, pp.83- 111. • 相馬敏彦・清水裕士 (2016)「ワンランク上のブランド・コミットメントはどう 形成されるのか?: 顧客の潜在ランクへの分類と拡張版投資モデルのブランドの 適用」『マーケティングジャーナル』35(3), 75-94. • 手嶋英貴・川崎千加・小松泰信「大学一年生を対象とする学習スキル教育と キャリア教育の融合―大阪女学院大学「自己形成スキル」の試みから」『大阪 女学院大学紀要』5, 119-144. • Warwick, C., Rimmer, J., Blandford, A., Gow, J., & Buchanan, G. (2009). Cognitive economy and satisficing in information seeking: A longitudinal study of undergraduate information behavior. Journal of the American Society for Information Science and Technology, 60(12), 2402-2415.
  16. 16. ご清聴ありがとうございました 16 本日の発表スライドは、以下のアドレスからも ご覧いただけます https://www.slideshare.net/IioKen/daigakukyouikugakkai2017 e-mail: iio.ken.28u@st.kyoto-u.ac.jp

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