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1
大学生のメディア情報リテラシーの
直接評価に関する研究
―メディア情報リテラシーの意義と
パフォーマンス評価の開発―
2018年6月10日 大学教育学会第40回大会 (筑波大学)
飯尾 健1)・溝口 侑1)・香西佳美2)・大森俊典2)・渡邊智也3)・
平山朋子4)・小山理子5)・松下佳代6)
1) 京都大学大学院教育学研究科 2) 京都大学教育学研究科・非会員
3) 京都大学教育学部・非会員4) 藍野大学医療保健学部
5) 京都光華女子大学 6) 京都大学高等教育研究開発推進センター
発表内容
2
背景と目的
方法
結果
今後の課題
現在の情報環境における課題
3
大量の情報流通と個人による容易な発信・拡散
 信頼性の低い情報(誤報・フェイクニュース等)の氾濫
 間違った情報の拡散に手を貸してしまう可能性
 炎上
MILの定義
4
UNESCO (2011)
デジタル社会における様々なリテラシー概念を調和・統合
定義(UNESCO, 2013)
「市民があらゆるフォーマットの情報や
メディアコンテンツにアクセス・探索・理解・評価・利用・
創造・共有することができるようになるための一連の能力」
メディア情報リテラシー(MIL)の重要性 (坂本, 2017)
MILの目的と意義
5
今後目を向けていく必要のある能力
UNESCOによるMIL教育の目標 (坂本, 2014)
1. 未来の市民としての能力の育成
2. 情報とメディア・コンテンツを批判的に評価するための
基本的スキルの形成
3. 知識社会の発展と自由で独立した多元的なメディアの促進
批判的思考や積極的な市民参加・コミュニケーションを重視
「情報リテラシー教育」はOffice系ソフトの活用スキルの習得が中心
(市川ほか, 2012)
メディアリテラシーに関する授業では「情報の発信」に関する内容が
不足 (近藤, 2012)
日本の高等教育における現状
MILの評価への要請
6
育成のための診断的評価の要請(UNESCO, 2013)
状況や課題によって、MILとして求められる能力は
変化(Moeller et al., 2011)
より現実に近い状況で評価することが重要
今後の評価に向けたMILのパフォーマンス評価の
開発が必要
パフォーマンス課題+ルーブリック
パフォーマンス評価に向けた方向性①
7
UNESCO (2013)におけるMILの構成要素
Component
Access/Evaluation/Creation
Subject Matters
各Componentに4つずつ
Performance Criteria
合計113
これらを参考にルーブリックの観点を作成
パフォーマンス評価に向けた方向性②
8
歴史学的思考
(Historical Thinking) の
形成的評価
米国議会図書館の
デジタルアーカイブ
史料を用いた
記述式課題
+簡便なルーブリック
History Assessments of Thinking
(Breakstone, 2014) を参考
低負担/高次の能力を評価
診断的評価にも
活用可能 評価観点の類似性
 歴史学的知識
 証拠の評価
 証拠の活用/議論
本研究の目的
9
今後の評価に向けた示唆を得るための
MILのパフォーマンス評価の開発
UNESCO(2013)にもとづくルーブリック
特定の状況におけるMILを見るための記述式課題
発表内容
10
背景と目的
方法
結果
今後の課題
評価観点の決定
11
UNESCO (2013) の”Subject Matters”から以下を選定
SNS環境を踏まえた情報の評価・発信に関わる面に焦点
①「情報の評価」
=「収集した情報やメディア・コンテンツ、情報源や発信者について評価・真正性
の確認を行う」
②「コミュニケーション」
=「適切なツールを用いて、合法的・倫理的・効果的に情報やメディア・
コンテンツ、知識をやりとりする」
③「社会的な行動への参加」
=「自己表現・異文化間対話・民主的な参加のために倫理的・効果的・効率的に
メディアや情報の発信者と関わる」
④「モニタリング」
=「創造・発信した情報やメディア・コンテンツ、知識の影響をモニタリングする」
課題の作成方法②
12
3つの課題を作成
1問ごとに1~2の観点を評価
学生への試行
ルーブリックの
レベル・記述文の作成
課題の修正
完成
発表内容
13
背景と目的
方法
結果
今後の課題
課題の概要
14
①真正性を高めるためのストーリー設定
「『緑茶』についてのグループ学習」の中で課題に遭遇
②課題の内容
SNSのある環境での情報の評価・発信に関して
自分ならどうするか・その理由を自由記述式で解答
③評価の焦点
特定の状況で必要な行動をとることに思い至るか
なぜ必要かの理由を認識した上で行えているか
p.3 p.4~5 課題①
課題説明
p.6~8 課題② p.9~10 課題③
「情報の評価」
「コミュニケーション」
「社会的な行動
への参加」 「モニタリング」
課題の概要
15
④学習用グループSNSの設定
解答時にどのSNSを使用するか
記入する際に
このSNSを使用した行動を記述可能
自分が使用するSNSを記入しても可
普段SNSを使わない学生を考慮
教員・グループメンバーに対する
メッセージ投稿
画像・動画共有機能
課題①(p.4~5)
16
学習用資料の探索中、怪しいニュースに遭遇
「京都理化学研究所」(実在しない)が発見した
「緑茶とヨーグルトを50回混ぜて食べると記憶力が
良くなる?」というニュースについて
1. ニュースの真偽を判断するための行動とその理由を記述
期待する行動―ニュースの真偽を確認できる情報を探索・確認すること
(「京都理化学研究所」の実在等)
観点―「情報の評価」
情報源や発信者について評価・真正性の確認
=「真正性」の根拠を確認することで「情報源・発信者の評価」を行う
「収集した情報やメディア・コンテンツ、情報源や発信者について
評価・真正性の確認を行う」
課題①(p.4~5)
17
学習用資料の探索中、怪しいニュースに遭遇
「京都理化学研究所」(実在しない)が発見した
「緑茶とヨーグルトを50回混ぜて食べると記憶力が
良くなる?」というニュースについて
2. ニュースをメンバーに伝えるための行動とその理由を記述
観点―「コミュニケーション」
期待する行動―不確実な情報を不特定多数に拡散しない方法の利用
受け取った側が自分で情報を検証できるようURLを明記
「適切なツールを用いて、合法的・倫理的・効果的に情報やメディア・
コンテンツ、知識をやりとりする」
適切なツール=置かれた状況を理解し、伝達のために最適なものを選ぶ
合法的・倫理的・効果的=受け取った側がフェイクニュースに惑わされ
ないような伝達方法を選ぶ
課題①(p.4~5)
18
1. 2. とも行動と理由の両者を総合して評価
同じ行動でも、背景にある意図の有無でレベルが変化
1.「情報の評価」 2.「コミュニケーション」
3
2
1
直接真偽が判断できる情報を
確認する
(「京都理化学研究所」の実在等)
不完全であるが真偽を検討する
(他のニュースの参照・
自分で試す等)
真偽を判断する必要性に
思い至っていない
基準1・2を
両方満たす
基準1・2の
いずれかを
満たす
いずれも
満たして
いない
基準1
不確実な情報を多数に
拡散しないよう
意図した行動を取る
(グループSNSの利用等)
基準2
受け取った側が自分で
情報を検証できる
ような伝達方法を採る
(URLの貼付等)
ルーブリック
課題②(p.6~8)
19
学外見学中、地図アプリに不具合
不具合が判明した後にとる行動とその理由を自由記述
見学先へ歩いていると、間違った施設に到着
当初の目的地には到着したが、
その後地図アプリの不具合が原因と判明
期待する行動―自分だけの問題ではなく、他の利用する人が同様の
不都合を受けることを考え、現状を変えられるよう
アプリの開発元に不具合を報告
観点―「社会的な行動への参加」
「自己表現・異文化間対話・民主的な参加のために倫理的・効果的・
効率的にメディアや情報の発信者と関わる」
参加=自分だけでなく他の人が不都合を受けないよう、
不具合を解決するために積極的に社会(他者)に関与する
課題②(p.6~8)
20
行動と理由の両者を総合して評価
「自分だけの問題ではない」ことに思い至るかどうか、
加えて適切な行動をとれるかどうかでレベルが変化
「社会的な行動への参加」
3
2
1
不具合が自分だけの問題ではないと考えて、
地図アプリの開発会社に不具合を報告する
不具合を自分だけの問題ではないと考えるが、
最善の方法をとれていない (友人に伝える等)
自分の今後のみを捉えた行動を取り、
自分だけの問題ではないと認識できていない
(何もしない、別のアプリを使う等)
ルーブリック
課題③(p.9~10)
21
見学の帰り、鉄道事故現場に遭遇
期待する行動―情報を不特定多数に発信することの影響・プライバシーを
考慮し写真を撮らない
文字だけで情報を必要としている友人にのみ伝達
間近で救助活動が行われている状態
電車の運行が停止し、SNS等でも話題に
実際に自分の友人も情報を求めていることを確認
現場の写真を撮るかを尋ね、その後の行動と理由を自由記述
観点―「モニタリング」
「創造・発信した情報やメディア・コンテンツ、知識の影響を
モニタリングする」
モニタリング=情報が求められている状況で、自分が発信した情報に
よる他者への影響や不利益を考慮し適切な手段を選ぶ
課題③(p.9~10)
22
行動と理由の両者を総合して評価
「撮る」場合と「撮らない」場合で別のルーブリックを準備
ルーブリック「モニタリング」
3
2
1
写真を「撮る」場合 写真を「撮らない」場合
該当なし
(プライバシーへ配慮し、写真を
撮ること自体よくないと考える)
プライバシーに配慮しつつも、
写真を不特定多数に拡散する
拡散せず証拠・記録として残す
プライバシーの配慮に
思い至らず、写真を不特定
多数に拡散する
不特定多数への情報発信の影響を
認識した上で、
友人のみに情報を伝える
友人のみに情報を伝えるが、
情報発信の影響を認識していない
不特定多数に情報提供を行う
情報提供の意図なく不特定多数に
発信する
何もせず、誰にも情報提供しない
発表内容
23
背景と目的
方法
結果
今後の課題
今後の課題
24
課題のブラッシュアップ
 学生がより切実さをもって取り組む内容
 学生のSNSの利用実態に合ったもの
 平易な説明・文章量の削減
評価観点の再吟味
 「SNSの知識」が隠れて影響している可能性
学生への評価の実施が必要
 有用性・妥当性の検討
 改善に向けたフィードバックの獲得
参考文献
25
Breakstone, J. (2014). Try, try, try again: The process of designing new history assessments. The
ory & Research in Social Education, 42(4), 453-485.
市川博・齊藤豊・豊田雄彦・本間学「高等教育における情報リテラシー教育の枠組み」『人
間生活文化研究』22, 37-38.
近藤尚「東海3県の大学におけるメディア・リテラシー授業の実態分析」『教育メディア研
究』19(1), 13-23.
Moeller, S., Joseph, A., Lau, J., & Carbo, T. (2011). Towards media and information literacy indica
tors. Retrieved from https://www.ifla.org/publications/towards-media-and-information-lit
eracy-indicators?og=81
坂本旬 (2014)『メディア情報教育学: 異文化対話のリテラシー』法政大学出版局.
坂本旬 (2017) 「「ポスト真実」とメディア情報リテラシー: 米大統領選と偽ニュース問題を
めぐって」『 法政大学キャリアデザイン学部紀要』14, 181-199.
UNESCO. (2011). Media and information literacy curriculum for teachers. Retrieved from http://
www.unesco.org/new/en/communication-and-information/resources/publications-and-c
ommunication-materials/publications/full-list/media-and-information-literacy-curriculum
-for-teachers/
UNESCO. (2013). Global media and information literacy assessment framework: Country readine
ss and competencies. Retrieved from http://www.unesco.org/new/en/communication-and-
information/resources/publications-and-communication-materials/publications/full-list/g
lobal-media-and-information-literacy-assessment-framework

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Editor's Notes

  1. さらに、課題③として、課題②の見学の帰り道、線路沿いを歩いていると鉄道事故現場に遭遇したという課題を設けました。その中で、実際に友人をはじめとする人々が、電車が止まっておりそのための情報を求めていることを状況にいれました。この中で、自分が発信する情報が与える影響を考えて、写真を撮る、情報を発信することができるか、を評価するのがこの課題の焦点です。観点としては、”Subject Matters”のうち「モニタリング」を選び、具体的な行動としては、自分が情報を不特定多数に発信することの影響を考えて、写真を撮らず文字だけで、情報を求めている友人にのみ伝達することを期待した課題となっています。
  2. 評価方法は、まず現場の写真を撮影するかしないかを2択で尋ねた後、その後の行動と理由についてそれぞれ自由記述させ、両者を総合して評価を行いました。 なお、写真を撮るか撮らないかで、ルーブリックも分かれるようにしました。撮る場合、レベル3は存在せず、レベル2は写真に加工するなどプライバシーに配慮しつつも、友人などに拡散する、レベル1は、加工などをせず不特定多数に拡散するとなります。一方で撮らない場合、レベル3は先ほど述べたような、不特定多数への情報発信の影響を認識し、友人のみに情報を伝える、レベル2は友人のみに情報を伝えるが、情報発信の影響を認識したものではないもの、あるいは不特定多数に対し、情報発信の意図を持って情報を発信するというもののどちらかになります。 レベル1では、とくに情報提供と言う意図なく情報を不特定多数に発信してしまう、あるいは逆に情報を求めている人がいるのになにもしない、というものです。