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〜GPGPU編〜
KMC5回生 prime
KMC春合宿2018
プログラムを高速化する話Ⅱ
自己紹介
KMC-ID: prime (KMC 5 回生 )
京都大学理学部数学系 5 回生 ( 卒業確定 )
KMC での活動 :
競技プログラミング
ゲーム AI 作成
難解プログラミング言語
電子工作
37 代会計
root, 電子錠の管理 etc.
この講座の内容
GPU: コンピューターの画像処理に使われる回路
graphics processing units の略
GPGPU: GPU を用いて様々な処理を行う
General-purpose computing on GPU の略
GPU は CPU に比べて演算能力が高い
CPU に比べ数倍〜数十倍高速なことも
その性能を活かすためのテクニックを学ぶ
高速化の具体例もいくつか挙げていきます
もくじ
はじめに
その高速化、必要ですか?
GPGPU について
CUDA 入門
CPU 編の復習
GPU 特有の高速化テクニック
CPU とも共通する高速化テクニック
お断り
このスライドでは最適化 = 高速化として扱います
高速なプログラムこそ最適
サンプルは CUDA で示します
デファクトスタンダードなので
サンプルコードは
http://192.168.220.117:8000/
から見ることができます
はじめに
その高速化、必要ですか?
その高速化、必要ですか?
高速な既存のソフトウェア、ライブラリはないか
クラウドコンピューティング等金の力で殴れないか
より高速なアルゴリズムはないか
これらのことをまず検討すべき
最適化について
「細かい効率のことは忘れて、時間の 97% につ
いて考え よう。時期尚早な最適化は諸悪の根源だ。
それでも残り 3% についても機会を逃すべきでは 
ない」
- Donald E. Knuth
「プログラム最適化の第一法則 : 最適化するな。
プログラム最適化の第二法則 ( 上級者限定 ): まだ
するな。」
- Michael A. Jackson
最適化について
最適化は、コードを複雑にすることが多いので、
コード の変更やデバッグを困難にする
そのうえ、パフォーマンスに重大な影響を与える
コード は全体のうちのほんの僅かなことが多い
パフォーマンスに大きな影響を与えないコードを
最適化 してもほとんど意味がない
それでも
どうしても限界まで高速化したい場合もある
莫大な計算量で金も時間も莫大にかかるとき
ゲーム AI など高速であればあるほど有利な時
消費電力を減らしたいとき
利用できる計算資源が限られているとき
前回の目標
コンパイラ・ライブラリ・ CPU 等の高速化技術
を上手く 活用して楽に高速化する
アルゴリズムの改良
既存ライブラリ等を使用
など可能なことすべてをしても、必要な
パフォーマンスが得られない時に、最 後の手段と
して、手作業でプログラムを高速化するため に必
要なテクニックを学ぶ
今回の目標
アルゴリズムの改良
既存ライブラリ等を使用
CPU 上のプログラムの最適化
など可能なことすべてをしても、必要なパフォーマ
ンスが得られない時に、最後の最 後の手段として
、手作業で GPU プログラムを高速化するため に必
要なテクニックを学ぶ
CPU と GPU の性能比較
名前 Core i7-
8700K
Core i9-
7890XE
Ryzen
Thread-
Ripper
1950X
Geforce
GTX 
1080Ti
RX VEGA
64
単精度
(GFLOPS)
710.4 2995.2 870.4 10596.8 10436.6
倍精度
(GFLOPS)
355.2 1497.6 435.2 331.15 652.3
理論値/いずれもベースクロックでの値
CPU と GPU の性能比較
名前 Xeon Platinum
8180
EPYC 7601 Tesla V100
単精度
(GFLOPS)
4480 1126.4 14899.2
倍精度
(GFLOPS)
2240 563.2 7449.6
CPU/GPUとも1個あたりの値
理論値/CPUはベースクロックでの値
Tesla V100はベースクロック不明のため
ブーストクロックでの値
GPU はなぜ性能が高いのか?
答え:演算器をたくさん積んでいるから
CPU ではシングルスレッド性能向上等のために、
演算器以外の部分に大きく回路を割いている
GPU では演算器をたくさん積むために、それ以外
の回路は控えめになっている
このスライドのベンチマークについて
CPU は Core i7-6700K (Skylake)
GPU は GeForce GTX 1080 (Pascal)
にてそれぞれ計測を行った
備考
メンテの関係で CPU メモリはシングルチャネルで動作
GPU を接続している PCIe レーンは x8
GPU メーカーについて
主な GPU メーカーは 3 社
Intel
CPU に内蔵された GPU(iGPU) のみ製造
AMD
iGPU ・外付け (dGPU) ともに製造
NVIDIA
dGPU のみ製造
CUDA は基本的に NVIDIA の GPU でのみ使える
GPGPU の基本
CPU と GPU は物理的に異なる
別々のプログラムが走る
CPU GPU
メモリ メモリ
PCI Express/NVLink等
GPGPU の基本
CPU 用のメモリと GPU 用のメモリは別
データをやり取りするのに通信する必要がある
CPU GPU
メモリ メモリ
PCI Express/NVLink等
GPGPU の基本
GPU メモリの特徴: CPU メモリの数倍帯域が広い
GPU が利用される理由の1つ
CPU GPU
メモリ メモリ
PCI Express/NVLink等
GPGPU の基本
CPU 上のプログラムがそのまま動くわけではない
GPU 上で動くプログラムを作る必要
とはいえ、 CPU 上のプログラムとほぼ同じように書ける
GPGPU の基本
プログラムから GPU を扱う方法はいろいろある
CUDA
OpenCL
OpenACC
OpenMP (>4.0)
DirectX DirectCompute
OpenGL Compute Shader
今回はサンプルには CUDA を使う
CUDA とは
NVIDIA が開発・提供している、 GPU 向けの汎用
並列コンピューティングプラットフォーム(並列コ
ンピューティングアーキテクチャ)およびプログラ
ミングモデルである。 - Wikipedia より
CUDA C という言語を書くことで GPU 上で動く
プログラムを書くことが出来る
C++ とほぼ互換の言語
printf 等一部を除いて C++ 標準ライブラリは使えない
CUDA 入門
main.cu
#include <cstdio>
__global__ void kernel() {
printf("Hello, World!n");
}
int main() {
kernel<<<1, 1>>>();
cudaDeviceSynchronize();
return 0;
}
CUDA 入門
コンパイルするには nvcc コンパイラを使う
$ nvcc -o prog main.cu
実行
$ ./prog
実行結果
Hello, World!
CUDA 入門
CPU から呼ばれる GPU 側の関数(カーネル)には
__global__ をつける
戻り値の型は void でなければならない
計算結果を CPU 側に伝えたい時はポインタを使う
CPU 側から呼び出す時は kernel<<<1, 1>>>(); のように
三重山括弧を付けて呼び出す(数字の意味は後で)
CPU から呼ばれる CPU 側の関数には __host__
省略可能
GPU から呼ばれる GPU 側の関数には __device__
CUDA 入門
カーネルは呼び出したら計算が終わるのを待たずに
制御が戻ってくる
GPU 側の計算がすべて終わるまで待つのに
cudaDeviceSynchronize 関数を使う
CUDA 入門
変数 a, b の和を計算するコードを書く
デバイス (GPU) 側コード
__global__ void kernel(int * a, int * b, int * c) {
*c = *a + *b;
}
CUDA 入門
ホスト (CPU) 側コード
int a = 1, b = 2;
int *a_d, *b_d, *c_d;
cudaMalloc((void**)&a_d, sizeof(int));
cudaMalloc((void**)&b_d, sizeof(int));
cudaMalloc((void**)&c_d, sizeof(int));
cudaMemcpy(a_d, &a, sizeof(int), cudaMemcpyHostToDevice);
cudaMemcpy(b_d, &b, sizeof(int), cudaMemcpyHostToDevice);
kernel<<<1, 1>>>(a_d, b_d, c_d);
int c;
cudaMemcpy(&c, c_d, sizeof(int), cudaMemcpyDeviceToHost);
std::cout << c << std::endl;
CUDA 入門
GPU と CPU のメモリは違うので、 GPU 側メモリ
を使いたいときには明示的に確保する必要がある
CPU 側から cudaMalloc 関数を使う
CPU-GPU 間でデータをコピーする必要がある
CPU 側から cudaMemcpy 関数を使う
CPU→GPU の転送には cudaMemcpyHostToDevice
GPU→CPU の転送には cudaMemcpyDeviceToHost
を指定する
cudaMemcpy は同期的に実行されるので
cudaDeviceSynchronize は必要ない
例題:行列同士の積
N 行 M 列の行列 A と M 行 K 列の行列 B の積
を計算する
備考:既に高速なライブラリが存在
あくまで例題
(aij )(bij)=(∑k=0
M
aik bkj)=(cij)
例題:行列同士の積
簡単のため、行列は 1 次元配列として確保
A, B, C をそれぞれ N*pitch1, M*pitch2, N*pitch3
個の長さを持つ配列とする
pitch はコンピューターにとってキリの良い数
cudaMallocPitch 関数がやってくれる
1 2 3
4 5 6
7 8 9
1 2 3 4 5 6 7 8 9
A
pitch1
例題:行列同士の積
CPU 上で素直に動かすコード
for (size_t i = 0; i < N; ++i) {
for (size_t j = 0; j < K; ++j) {
for (size_t k = 0; k < M; ++k) {
mat3[i*pitch2 + j] +=
  mat1[i*pitch1 + k] * mat2[k*pitch2 + j];
}
}
}
例題:行列同士の積
サンプルコード デバイス (GPU) 側
__global__ void matmul_kernel_ver1(
const float * const mat1, const float * const mat2, float * const mat3,
const size_t pitch1, const size_t pitch2, const size_t pitch3,
const size_t size1, const size_t size2, const size_t size3) {
for (size_t i = 0; i < size1; ++i) {
for (size_t j = 0; j < size3; ++j) {
for (size_t k = 0; k < size2; ++k) {
mat3[i*pitch3 + j] += mat1[i*pitch1 + k] * mat2[k*pitch2 + j];
}
}
}
}
例題:行列同士の積
サンプルコード ホスト (CPU) 側
mat1_d 等は GPU メモリのアドレス
matmul_kernel_ver1<<<1, 1>>>(
mat1_d, mat2_d, mat3_d,
pitch1, pitch2, pitch3,
size1, size2, size3);
例題:行列同士の積
10 100 1000 10000
0.01
0.1
1
10
100
1000
10000
100000
1000000
CPU(naive)
CPU(optimized)
GPU(naive)
行列のサイズ
実行時間(ms)
例題:行列同士の積
55 倍になった!!!
例題:行列同士の積
55 倍になった!!!(実行時間が)
GPU を使えば速くなるとはなんだったのか
GPGPU の高速化の大前提
並列化しろ!
GPGPU の高速化の大前提
GPU は並列演算に特化したハードウェア
並列化しないと性能が出ない
例題:行列同士の積
行列積の定義
結果の行列 C の i, j に関して依存なく並列化出来る
各スレッドに固有の i, j を割り当て、要素数分並列化
GPU では 100 万スレッドでも容易に走らせられる
ハードウェアスレッドのおかげ
(aij )(bij)=(∑k=0
M
aik bkj)=(cij)
例題:行列同士の積
デバイス (GPU) 側 ( 引数部分は省略 )
const size_t i = blockIdx.y * blockDim.y + threadIdx.y;
const size_t j = blockIdx.x * blockDim.x + threadIdx.x;
if (i < size1 && j < size3) {
for (size_t k = 0; k < size2; ++k) {
mat3[i*pitch3 + j] +=
mat1[i*pitch1 + k] * mat2[k*pitch2 + j];
}
}
例題:行列同士の積
ホスト (CPU) 側
size_t bv = (size1+threadsPerBlock-1) / threadsPerBlock;
size_t bh = (size3+threadsPerBlock-1) / threadsPerBlock;
dim3 block(threadsPerBlock, threadsPerBlock);
dim3 grid(bh, bv);
matmul_kernel_ver2<<<grid, block>>>(
mat1_d, mat2_d, mat3_d,
pitch1, pitch2, pitch3,
size1, size2, size3);
例題:行列同士の積
ホスト (CPU) 側
size_t bv = (size1+threadsPerBlock-1) / threadsPerBlock;
size_t bh = (size3+threadsPerBlock-1) / threadsPerBlock;
dim3 block(threadsPerBlock, threadsPerBlock);
dim3 grid(bh, bv);
matmul_kernel_ver2<<<grid, block>>>(
mat1_d, mat2_d, mat3_d,
pitch1, pitch2, pitch3,
size1, size2, size3);
例題:行列同士の積
カーネル呼び出しの三重山括弧の中で並列度を指定
する
1 ブロックあたり 8*8 スレッドを、
bv*bh ブロック同時に走らせる
各スレッドで同じプログラムが実行される
SIMT(Single Instruction Multiple Thread) という
自分がどのスレッドかは threadIdx, blockIdx で知れる
例題:行列同士の積
10 100 1000 10000
0
0.01
0.1
1
10
100
1000
10000
100000
1000000
CPU(naive)
CPU(optimized)
GPU(naive)
GPU(parallel)
行列のサイズ
実行時間(ms)
例題:行列同士の積
とりあえず 6000 倍速くなった
まだ CPU で最適化したものに比べると遅い
行列のサイズが大きいとき
このあといろいろな方法で高速化していく
GPGPU で高速化するには
並列化する
CPU と共通の高速化テクニック
GPU 特有の高速化テクニック
これらを組み合わせて高速化する
CPU 編の復習
キャッシュの活用
キャッシュに収まるように工夫することで高速化
ビット演算の活用
ビットレベルの並列性を生かして高速化
SIMD(single instruction multiple data) 命令の活用
1 つの命令で複数データを処理して高速化
CPU 編の復習:キャッシュの活用
メインメモリは遅い
アクセスに数十〜数百 cycle かかる
帯域も CPU の演算能力に対して十分でない
CPU コアに近いキャッシュを利用
容量は小さいが高速
L1 〜 L3 など容量と速度により階層化されている
CPU 編の復習:キャッシュの活用
具体的なテクニック:
局所的なメモリアクセス
SoA なデータ構造
ストリップマイニング
ブロック化
CPU 編の復習:ビット演算の活用
ビット演算とは
2 進数の 0/1 列を操作する演算の総称
ビット論理積
ビット論理和
ビット排他的論理和
ビット否定
ビットシフト
ビット操作用のその他の命令
加減乗算命令を使うことも
CPU 編の復習:ビット演算の活用
なぜビット演算は高速なのか?
ビット演算命令自体が高速
一度にビット幅分並列実行できる
メモリ使用量を減らしてキャッシュヒット率の向上
ビット配列:
整数等の配列を 0/1 の配列として利用するテクニック
CPU 編の復習:ビット演算の活用
ビット列への操作を行う様々なテクニックが存在
特定ビットの操作・マスク
popcount ・ハミング距離
立っている一番上・下のビットを求める
立っているビットを走査する
ビット列の並びを反転する
部分集合の列挙
ビット列の一部をスワップ
magic bitboard
CPU 編の復習: SIMD 命令の活用
SIMD 命令とは:
1 つの命令で複数のデータに対し一括で処理を行う命令
A[0] A[1] A[2] A[3]
B[0] B[1] B[2] B[3]
SIMD幅
+
A[0]+B[0] A[1]+B[1] A[2]+B[2] A[3]+B[3]
CPU 編の復習: SIMD 命令の活用
1 命令で複数データを処理できるので高速
注意点・テクニック:
メモリアラインメントを合わせたほうが良い
メモリアクセスが律速になりやすい
条件分岐をマスクを用いてベクトル化する
単純な SIMD にならない場合は水平可算やシャッフル
CPU 編の復習: GPGPU 編との関連
これらのテクニックは GPGPU でも有効
キャッシュ: GPU のキャッシュは小さいが有効
ビット演算: CPU 同様速い
SIMD 命令: GPU は大体 SIMD アーキテクチャ
NVIDIA の GPU の構造
GPU は複数の SM(Streaming Multiprocesser) からなる
各 SM は複数の CUDA Core からなる
GPU
SM
CUDA
Core
CUDA の実行単位
1 個以上のスレッドからなる「ブロック」
1 個以上のブロックからなる「グリッド」
CPU からはグリッド単位で実行する
1 ブロックあたり 64 スレッド、
1 グリッドあたり 100 ブロックなら
64*100=6400 スレッドが走ることになる
SM の構造
CUDA Core の組が複数と、 L1 Cache, Shared
Memory などからなる(関係ない部分は省略)
L1 Cache
Shared Memory
GPU の性能と SM
GPU の性能は SM の数とクロックとメモリ帯域等
で決まる
GPU SMの数
GTX1080Ti 28
GTX1080 20
GTX1070Ti 18
GTX1070 15
GTX1060 10
GTX1050Ti 6
GTX1050 5
GT1030 3
SM とブロック
1 つのブロックに入っているスレッドは必ず同じ
SM の中で実行される
1 つの SM は 1 つ以上のブロックを同時に実行する
Warp
ブロックの中では 32 スレッドごとに塊を作る
Warp という
Warp の中ではスレッドは基本的に同じ命令を実行
SM の中の CUDA Core の組が同時に動いて実行
各スレッドが SIMD の各レーンに対応するようなもの
Volta アーキテクチャだとちょっと違う
ブロック内のスレッド数が 32 で割り切れないと
余った演算機は休んでしまう
スレッド数は 32 の倍数が望ましい
Warp
スレッド
1
スレッド
2
スレッド
3
スレッド
4
スレッド
5
スレッド
6
… スレッド
32
命令A 命令A 命令A 命令A 命令A 命令A 命令A 命令A
命令B 命令B 命令B 命令B 命令B 命令B 命令B 命令B
命令C 命令C 命令C 命令C 命令C 命令C 命令C 命令C
命令D 命令D 命令D 命令D 命令D 命令D 命令D 命令D
GPGPU で性能を出すコツ
GPU 特有のテクニック
CPU-GPU 間の通信を抑える
コアレスアクセス
シェアードメモリ・コンスタントメモリの活用
同時マルチスレッディングと Occupancy
ワープ内分岐を抑える
ストリームによるタスク並列化
●
CPU-GPU 間の通信を抑える
CPU-GPU 間の帯域はそれほど広くない
PCIe3.0x16 で 16GB/s
CPU-GPU 間の通信をなるべく少なくする
CPU GPU
メモリ メモリ
PCI Express/NVLink等
コアレスアクセス
メモリアクセスは Warp ごとにまとめられる
A B C B A B C A
A B C
(A, B, Cのアドレスが離れていたら)
3回のメモリアクセスになる
コアレスアクセス
近い場所にアドレスが固まっている場合、1つの 
メモリトランザクションにまとめられることがある
アクセスがまとめられると、メモリトランザクションが
減り、性能が向上する
コアレスアクセス
32 バイト単位等 GPU にとってキリのいい単位の
中に、一つのワープからのメモリアクセスが
複数ある場合、ひとつのトランザクションに
まとめられる
Warp
64 68 72 76 80 84 88 92 9660 アドレス
例題:二次元配列のコピー
二次元配列の内容をコピーする
cudaMemcpy2D で出来るが、例題ということで…
cudaMallocPitch で確保した二次元配列
幅 width, 高さ height, ストライド pitch
例題:二次元配列のコピー
縦にコピーと横にコピーで比較する
例題:二次元配列のコピー
1000 10000 100000
0.01
0.1
1
10
100
1000
GPU(column-major)
GPU(row-major)
width = height
実行時間(ms)
例題:二次元配列のコピー
横にコピーするとコアレスアクセスになるので高速
縦にコピーするとコアレスアクセスにならず低速
シェアードメモリの活用
各ブロック内でしか読み書きできないメモリ
容量は小さいが低遅延 & 広帯域
うまく使えれば高速化
例題:行列同士の積
シェアードメモリを使って高速化する
そもそもなぜ行列積の性能がでなかったか?
メモリ帯域の制限があるから
メモリ帯域と演算能力
GTX1080 の演算能力は約 9TFLOPS
1 秒間に 9 兆回計算できる
実際には 4.5 兆回の積和算 (A*B+C) ができる
foat は 4byte 、積和算は 3 つの値を読み込む
単純に考えると 4bytes*3*4.5T/s=54TB/s 必要
一方メモリ帯域は 320GB/s
全然足りない!
例題:行列同士の積
行列が N 行 N 列の正方行列とすると、
読み込む必要があるのは A, B それぞれ N^2 個
計算する必要があるのは約 2*N^3 回
うまくキャッシュ出来れば、高速化出来る
ここではブロック化という方法を使う
例題:行列同士の積
答えの行列 C の i 行 j 列を計算するとき、
= ×
cij ai1
b1 j
1回の積和算に2回読み込み
例題:行列同士の積
同時に i+1 行 j 列を計算すると、
= ×
cij ai1
b1 j
2回の積和算に3回読み込み
ci+1 j ai+11
例題:行列同士の積
列に関しても同じことをすると、
= ×
cij ai1
b1 j
4回の積和算に4回読み込み
ci+1 j ai+11
cij+1
ci+1 j+1
b1 j+1
例題:行列同士の積
今回は 8x8 のブロック化を行う
64 回の積和算に 16 回の読み込みで済む
コアレスアクセスのため、ループ 8 回分の
読み込みを一度に行う
= ×
ループ8回分
8
ループ8回分
8
8
8
例題:行列同士の積
サンプルのため端数処理は省略
__shared__ float localA[threadsPerBlock][threadsPerBlock];
__shared__ float localB[threadsPerBlock][threadsPerBlock];
float tmp = 0.0;
for (size_t k = 0; k < size2; k += threadsPerBlock) {
__syncthreads();
localA[threadIdx.y][threadIdx.x] = mat1[i*pitch1 + (k + threadIdx.x)];
localB[threadIdx.y][threadIdx.x] = mat2[(k + threadIdx.y)*pitch2 + j];
__syncthreads();
for (size_t k2 = 0; k2 < threadsPerBlock; ++k2) {
tmp += localA[threadIdx.y][k2] * localB[k2][threadIdx.x];
}
}
mat3[i*pitch3 + j] = tmp;
例題:行列同士の積
__syncthreads 関数
ブロック内で同期をとる関数
ブロック内のすべてのスレッドがここに到達する
まで待機する
すべてのスレッドがシェアードメモリに書き込み
終わるのを待っている
例題:行列同士の積
同期をとらないと
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリから
読み込み
シェアードメモリから
読み込み
意図した動作
スレッドA スレッドB
例題:行列同士の積
同期をとらないと
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリから
読み込み
シェアードメモリから
読み込み
スレッドA スレッドB
例題:行列同士の積
同期をとらないと
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリへの
書き込み
シェアードメモリから
読み込み
シェアードメモリから
読み込み
意図しない動作
スレッドA スレッドB
←まだ書き込みしていない
ところにアクセス
例題:行列同士の積
10 100 1000 10000
0
0.01
0.1
1
10
100
1000
10000
100000
CPU(optimized)
GPU(parallel)
GPU(shared memory)
行列のサイズ
実行時間(ms)
例題:行列同士の積
数倍高速化、 CPU よりも速くなった
とはいえ、理論性能からするとまだまだ
シェアードメモリのバンクコンフリクト
シェアードメモリにはバンクという概念がある
バンク毎に 1 回に 1 個のメモリアクセスしかできない
バンクは 32 個ある
バンクコンフリクトなし
1回のアクセスでOK
シェアードメモリのバンクコンフリクト
各ワード (4byte) は順番に各バンクに割り振られて
いる
バンク
0 1 2 3 4 5 6 7
ワード
0 1 2 3 4 5 6 7
ワード
32 33 34 35 36 37 38 39
ワード
64 65 66 67 68 69 70 71
…
シェアードメモリのバンクコンフリクト
バンクコンフリクトするとコンフリクトの回数
メモリアクセスが必要になり、遅くなる
アクセスパターンに気をつけてコンフリクトを
回避すると高速化出来る
バンクコンフリクトあり
最大3回アクセス必要
シェアードメモリのバンクコンフリクト
アクセスパターンに気をつけてコンフリクトを
回避すると高速化出来る
バンクコンフリクトなし
バンクコンフリクトとパディング
バンクの数が 4 だとして説明する
二次元配列に縦にアクセス
するなど、 4 個飛びで
アクセスすると、
バンクコンフリクトする
0 1 2 3
0 1 2 3
0 1 2 3
0 1 2 3
バンクコンフリクトとパディング
末尾にパディングを入れると、バンクコンフリクト
を回避できる
__shared__ T ary[N][M+1]; 0 1 2 3 0
1 2 3 0 1
2 3 0 1 2
3 0 1 2 3
コンスタントメモリの活用
各 SM にコンスタントキャッシュがある
コンスタントメモリが使えるとき
GPU から値を書き換えない
64KB 以内
Warp 内で同じ値を使うときに高速になる
そうでないときはあまり速くない
シェアードメモリ同様うまく使えれば高速
π などの定数を格納するのに使える
同時マルチスレッディング
1 つの SM は複数のワープを持つ
それらのワープのうち、実行可能なものを選んで 
実行する
SMワープ
同時マルチスレッディング
1 つの SM が複数の Warp を持つ
それらの Warp のうち、実行可能なものを選んで 
実行する
SM実行
同時マルチスレッディング
同時マルチスレッディングによって、ある Warp の
命令が終わるのを待っている間に他の Warp を実行
するなどして、命令のレイテンシを隠蔽できる
レイテンシをなるべく隠蔽するために、なるべく
たくさんの Warp を同時に走らせたい
同時に走らせられる Warp 数は、ハードウェア上
のリソースにより制限されている
同時実行できる Warp 数の制限
SM 内で共有されるリソース
レジスタファイル
シェアードメモリ
例えば GTX1080 ではシェアードメモリは 96KB/SM
1Warp あたり 10KB なら同時実行できるのは最大 9Warp
1 ブロックあたりシェアードメモリの使用量を S 、
レジスタファイル使用量を R 、ブロックあたりの
Warp 数を W とすると
min(64, 32*W, 96K/S, 256K/R)Warp 同時実行可能
Occupancy
実際に同時実行可能な Warp 数 /64( 最大値 ) を
Occupancy (占有率)という
Occupancy を高めるのが効率を上げる方法の1つ
スレッド当たりシェアードメモリの使用量を減らすなど
ブロックサイズ・グリッドサイズの調整
ブロックサイズにより Occupancy が変わってくる
通常は 128 〜 256 スレッドが良いといわれている
グリッドサイズは SM の数より十分多くなるように
各 SM をたくさんのブロックで占有するため
Warp 内分岐を抑える
Warp 内で分岐する・しない両方のスレッドがある
場合、両方のパスをマスク付きで実行する
分岐前
分岐しない
分岐する
Warp 内分岐を抑える
「分岐しない」パスを実行しているとき、
「分岐する」スレッドの演算器はずっと休んでいる
逆に、「分岐する」パスを実行しているとき、
「分岐しない」スレッドの演算器はずっと休んでいる
演算器が休んでいる分、効率が落ちる
Warp 内分岐を抑える
各スレッドでバラバラに分岐すると更に酷いことに
Warp 内分岐を抑える
すべてのパスを実行するとその分時間がかかる
できるだけ Warp 内で分岐する・しないを統一
例題: N-Queen
N*N のマス目上に N 個のクイーンを互いに効きが
ないように置く場合の数を求める
Q \
ー ー ー Q
Q /
/ Q
\ | / Q
ー ー Q ー ー ー
Q / | \
/ | \ Q
| Q \
Q |
N=4: 2通り
N=6: 8通り
例題: N-Queen
縦の効きを考えると各列に置けるクイーンは 1 個
同様に、各行に置けるのも1個
斜めの効きを考えなければ
組み合わせは n! 通りある
1 列ずつ決めていって、
可能な解を探索できる
バックトラックという
|
ー Q ー ー Q ー
|
|
|
Q
ダメな例
例題: N-Queen
探索するとき、既に置いた駒の位置を記憶しなくて
も、効きだけ持っておけば探索できる
効きも、右、右上、右下
だけ持っておけば良い
効きをビット列で管理
ビット演算で処理できる
/ /
/ Q ー ー ー
Q ー ー ー ー ー
\ / \
☓ \
Q ー ー ー ー
例題: N-Queen
CPU( シングルスレッド ) 版
uint64_t solve(int N, int depth = 0,
uint32_t left = 0, uint32_t mid = 0, uint32_t right = 0) {
if (depth == N) return 1;
uint64_t sum = 0;
for (uint32_t pos = (((uint32_t)1 << N) - 1) &
~(left | mid | right); pos; pos &= pos-1) {
uint32_t bit = pos & -pos;
sum += solve(N, depth+1,
(left | bit) << 1, mid | bit, (right | bit) >> 1);
}
return sum;
}
例題: N-Queen
再帰的に探索する
Q ×
×
Q ×
×
Q ×
Q ×
Q ×
×
Q ×
Q ×
×
Q ×
×
例題: N-Queen
再帰的に探索する
×
Q ×
×
Q ×
×
Q ×
Q ×
Q ×
Q ×
Q
Q
Q
Q
例題: N-Queen
GPU 版では並列化のため、数列分展開したものを
並列に解き、最後にその合計を求めることにする
Q
Q
Q
Q
Q
Q
1通り 1通り 0通り
例題: N-Queen
CPU 版も同様に並列化出来る
コードは省略
例題: N-Queen
GPU 版
__global__ void kernel(const int N, const int depth,
const uint32_t * const left_ary, const uint32_t * const mid_ary,
const uint32_t * const right_ary, uint64_t * const result_ary,
const size_t size) {
int index = threadIdx.x + blockIdx.x * blockDim.x;
if (index < size) {
result_ary[index] =
solve(N, depth, left_ary[index], mid_ary[index], right_ary[index]);
}
}
例題: N-Queen
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
0
0
0.01
0.1
1
10
100
CPU(naive)
CPU(parallel)
GPU(naive)
N
実行時間(s)
例題: N-Queen
GPU 版は CPU のシングルスレッド版よりは速いが
マルチスレッド版よりは遅い
例題: N-Queen
再帰 + ループで解いていた
ループの終了条件で分岐している
しかも、分岐したあと再帰でさらに分岐する
例題: N-Queen
再帰的な分岐で演算器が休んでいる
分岐
更に分岐
例題: N-Queen
解決方法
再帰をやめ、自前でスタックを持ってエミュレート
スタックはシェアードメモリに置ければベスト
アクセスが高速なので
容量制限で置けないときはローカルメモリに置く
例題: N-Queen
solve 関数
__host__ __device__ uint64_t solve(int N, int depth = 0,
uint32_t left = 0, uint32_t mid = 0, uint32_t right = 0) {
if (depth == N) return 1;
uint64_t sum = 0;
for (uint32_t pos = (((uint32_t)1 << N) - 1) &
~(left | mid | right); pos; pos &= pos-1) {
uint32_t bit = pos & -pos;
sum += solve(N, depth+1,
(left | bit) << 1, mid | bit, (right | bit) >> 1);
}
return sum;
}
例題: N-Queen
スタックで持つべき状態
depth, left, mid, right, pos の 5 つ
再帰とループと同じことを1つのループで実現する
各ループで、
pos から 1bit とり、スタックに新しい状態を push
pos から取れるビットがなければ pop
スタックが空になったら終了
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0001
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0001
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
3 0b0010 0b1011 0b0010 0b0100
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
3 0b0010 0b1011 0b0010 0b0100
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
4 0b1100 0b1111 0b0011 0b0000
3 0b0010 0b1011 0b0010 0b0000
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
4 0b1100 0b1111 0b0011 0b0000
3 0b0010 0b1011 0b0010 0b0000
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
++Count
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
3 0b0010 0b1011 0b0010 0b0000
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
2 0b1000 0b1010 0b0100 0b0000
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
例題: N-Queen
例
depth left mid right pos
スタックが空になったので終了
例題: N-Queen
ソースコードの全体は
https://github.com/primenumber/nqueen
例題: N-Queen
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
0.0001
0.0010
0.0100
0.1000
1.0000
10.0000
100.0000
CPU(naive)
CPU(parallel)
GPU(naive)
GPU(optimized)
N
実行時間(s)
ストリームによるタスク並列
CUDA ではストリームという機能を用いて、タスク
(カーネルやメモリ転送)並列の並列化ができる
ストリーム
ストリームごとにキューがあるイメージ
各キューの前のタスクが終わると次のタスクが実行
ストリーム1
ストリーム2
タスクA タスクB タスクC
タスクD タスクE タスクF
GPU
ストリーム
ストリームを作るには cudaStreamCreate 関数
ストリームのキューが空になるまで待つには
cudaStreamSynchronize 関数
ストリームを削除するには  
cudaStreamDestroy 関数
メモリ転送とカーネル実行の並列化
カーネルを複数のストリームに分割すると、メモリ
転送とカーネル実行を同時に行える
メモリ転送(HtoD) メモリ転送(DtoH)カーネル実行
HtoD DtoHカーネル
HtoD DtoHカーネル 高速化
メモリ転送とカーネル実行の並列化
メモリ転送を非同期に行うには
cudaMemcpyAsync を使う
その際、ホスト側のアドレスには cudaMallocHost
で確保したアドレスを渡す
カーネルをあるストリームで実行するには、三重山
括弧の第 4 引数にストリームを渡す
メモリ転送とカーネル実行の並列化
cudaStream_t str[3];
for (int i = 0; i < 3; ++i) {
cudaStreamCreate(str + i);
cudaMemcpyAsync(a_d + n*i, a_h + n*i, sizeof(int) * n,
cudaMemcpyHostToDevice, str[i]);
kernel<<<1024, 256, 0, str[i]>>>(a_d + n*i, b_d + n*i, n);
cudaMemcpyAsync(b_h + n*i, b_d + n*i, sizeof(int) * n,
cudaMemcpyDeviceToHost, str[i]);
}
for (int i = 0; i < 3; ++i) {
cudaStreamSynchronize(str[i]);
cudaStreamDestroy(str[i]);
}
GPGPU で性能を出すコツ
CPU にも共通する部分があるテクニック
ソフトウェアパイプライニング
レジスタブロッキング
アトミック命令
ソフトウェアパイプライニング
for (int i = 0; i < n; ++i) {
A(i);
B(i);
}
各 i に対し A(i), B(i) に依存関係があるとする
A(i) と A(i+1), A(i+2),... 、 B(i) と B(i+1), B(i+2),...
には依存関係がないとする
A(i), B(i) にそれなりのレイテンシがあるとすると
A(0) B(0)
A(1) B(1)
A(2) B(2)
A(3) B(3)
A(4) B(4)
ソフトウェアパイプライニング
for (int i = 0; i < n; ++i) {
A(i);
}
for (int i = 0; i < n; ++i) {
B(i);
}
とすることで
ソフトウェアパイプライニング
A(0) B(0)
A(1) B(1)
A(2) B(2)
A(3) B(3)
A(4) B(4)
ソフトウェアパイプライニング
レイテンシが隠蔽され高速化された!
命令を実行できるものから順不同で実行してくれる
(アウトオブオーダー) CPU ならあまり配慮は 
いらない
GPU は Warp 内はインオーダーで実行する
多くは同時マルチスレッディングで隠蔽される
Occupancy が上げられないときに効果あり
レジスタブロッキング
レジスタ上のデータを再利用できるようにレジスタ
にデータを置くこと
CPU でも当然有効だが、 GPU は CPU に比べて 
レジスタが豊富
ただし、レジスタは SM 内で共有される
大量に使うと Occupancy が低下する
例題:行列同士の積
シェアードメモリを使っているので既に
Occupancy は低い
ソフトウェアパイプライニングするために、
1 スレッドで 8x8 要素分の答えを同時に計算する
同時にレジスタブロッキングでメモリアクセスを減らす
ブロック全体では 64*64 のブロック化になる
4096 回の積和算に対し 128 回の読み込み
ループ 8 回分の読み込みを同時に行うことで、コアレス
アクセスにしてさらに高速化
例題:行列同士の積
ブロック化の様子
64 64
8 8
64
64
= ×
例題:行列同士の積
ソースコード
https://github.com/primenumber/matmul
例題:行列同士の積
10 100 1000 10000
0
0.01
0.1
1
10
100
1000
10000
100000
CPU(optimized)
GPU(parallel)
GPU(shared memory)
GPU(register blocking)
行列のサイズ
実行時間(ms)
例題:行列同士の積
(行列が大きいときに)更に数倍以上速くなった
N=4096 で理論値の 60% ほど
ここからさらに倍は速くならない
アトミック命令
次の操作を考える
Load A to x
x = x+1
Store x to A
操作の後 A の値は 1 増える
これを二並列で実行したら、当然 2 増えてほしい
アトミック命令
マルチスレッドで同じ場所に対して読み書きすると
Load A to x
スレッド1
Load A to y
x = x+1
y = y+1
Store x to A
Store y to A
スレッド2
アトミック命令
マルチスレッドで同じ場所に対して読み書きすると
Load A to x
スレッド1
Load A to y
x = x+1
y = y+1
Store x to A
Store y to A
スレッド2
Aの値は2増える
アトミック命令
マルチスレッドで同じ場所に対して読み書きすると
Load A to x
スレッド1
Load A to y
x = x+1
y = y+1
Store x to A
Store y to A
スレッド2
アトミック命令
マルチスレッドで同じ場所に対して読み書きすると
Load A to x
スレッド1
Load A to y
x = x+1
y = y+1
Store x to A
Store y to A
スレッド2
Aに対して2回足したはず
なのに1しか増えない!
アトミック命令
Read-modify-write などの操作を他のスレッドに 
邪魔されずに一度に行う命令
modify には加算、乗算などの処理が入る
アトミック命令
アトミック命令を使うと一貫性が保証される
Load A to x
スレッド1
Load A to y
x = x+1
y = y+1
Store x to A
Store y to A
スレッド2
Atomic
Atomic
アトミック命令
アトミック命令を使うと並列化の幅が広がる
GPU の性能を引き出すのに役立つ
一方、同じ場所に集中してアクセスすると一貫性の
保証にコストがかかり遅くなる原因に
次の例題で扱う
例題:合計値の計算
多数の数の合計値の計算を行う
5 8 3 4 2 9 1 2 6 2
合計 42
例題:合計値の計算
簡単のため、 1 〜 までの合計値を計算する
簡単に式で書けることには目を瞑る
アトミック命令で全部足してしまえば計算できる
2
M
例題:合計値の計算
デバイス側コード
__global__ void sum_vec_naive(
unsigned long long * result) {
int i = threadIdx.x +
blockIdx.x * threadsPerBlock;
atomicAdd(result, i + 1);
}
例題:合計値の計算
20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
1
10
100
1000
GPU(naive)
CPU(naive)
M
実行時間(ms)
例題:合計値の計算
CPU より遅い!
アトミックになっている場所は並列に実行できないので
ブロック内で先に和を取り、結果を足すようにする
5 8 3 2 9 1 6 4 6 9 7 3 2 1 8 5
result
例題:合計値の計算
CPU より遅い!
アトミックになっている場所は並列に実行できないので
ブロック内で先に和を取り、結果を足すようにする
5 8 3 2 9 1 6 4 6 9 7 3 2 1 8 5
result
tmp tmp
例題:合計値の計算
同様にシェアードメモリに対してアトミック命令で
加算すると、ブロック内で並列化できない
reduction を行ってブロック内の和を得る
5 8 3 2 9 1 6 4
13 5 10 10
+ + + +
18 20
+ +
+
38
例題:合計値の計算
int i = threadIdx.x + blockIdx.x * threadsPerBlock;
__shared__ unsigned long long tmp[threadsPerBlock];
tmp[threadIdx.x] = i + 1;
__syncthreads();
for (uint32_t s = 1; s < threadsPerBlock; s *= 2) {
if (threadIdx.x % (2*s) == 0) {
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + s];
}
__syncthreads();
}
if (threadIdx.x == 0) {
atomicAdd(result, tmp[0]);
}
例題:合計値の計算
20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
0.1
1
10
100
1000
GPU(naive)
CPU(naive)
GPU(reduction)
M
実行時間(ms)
例題:合計値の計算
CPU よりは速くなった
実はまだ速く出来る
まず、シェアードメモリへのアクセスが
バンクコンフリクトしているので、それを解消する
例題:合計値の計算
int i = threadIdx.x + blockIdx.x * threadsPerBlock;
__shared__ unsigned long long tmp[threadsPerBlock];
tmp[threadIdx.x] = i + 1;
__syncthreads();
for (uint32_t s = threadsPerBlock/2; s > 0; s >>= 1) {
if (threadIdx.x < s) {
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + s];
}
__syncthreads();
}
if (threadIdx.x == 0) {
atomicAdd(result, tmp[0]);
}
例題:合計値の計算
変更前
5 8 3 2 9 1 6 4
13 5 10 10
+ + + +
18 20
+ +
+
38
⓪ ② ④ ⑥
⓪ ④
⓪
例題:合計値の計算
変更後
5 8 3 2 9 1 6 4
14 9 9 6
23 15
38
⓪ ②
⓪ ①
⓪
① ③
例題:合計値の計算
更に最適化していく
半数のスレッドは 1 回も reduction に参加しない
ブロックあたりのスレッド数を半分にする
代わりに、 1 スレッドで 2 個の和を計算する
ブロックあたりのスレッド数を固定すると、
ループを展開できる
ループの条件分岐が不要になる
例題:合計値の計算
int i = threadIdx.x + blockIdx.x * threadsPerBlock;
__shared__ unsigned long long tmp[halfOfThreadsPerBlock];
tmp[threadIdx.x] = (i + 1) + (i + halfOfThreadsPerBlock + 1);
__syncthreads();
if (threadIdx.x < 64) {
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 64];
}
続く
例題:合計値の計算
続き
__syncthreads();
if (threadIdx.x < 32) {
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 32];
__syncwarp();
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 16];
__syncwarp();
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 8];
__syncwarp();
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 4];
__syncwarp();
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 2];
__syncwarp();
tmp[threadIdx.x] += tmp[threadIdx.x + 1];
}
if (threadIdx.x == 0) {
atomicAdd(result, tmp[0]);
}
例題:合計値の計算
__syncwarp 関数
ワープ内でだけ同期を取る
その分 __syncthreads より低コスト
例題:合計値の計算
20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
0.1
1
10
100
1000
GPU(naive)
CPU(naive)
GPU(reduction)
GPU(bank conflict free)
GPU(2 number/thread)
GPU(loop unroll)
M
実行時間(ms)
例題:合計値の計算
更に数倍速くなった
アトミック命令
異なるブロック同士で同期を取る手段の1つ
他には Co-operative group
アトミック命令を使うと mutex が実装できる
基本的な演算でなくても任意の演算がほかのスレッドに
邪魔されずに実行できる
使いすぎると並列性を阻害するので注意
プロファイラを使おう
プロファイリングをすることで、どこが
ボトルネックになっているか見極める手助けになる
デバイス側までプロファイリングするときは、
nvprof または NVIDIA Visual Profler が使える
プロファイラでは各カーネルの実行時間や、
メモリ転送効率、 Occupancy などの情報を
収集できる
プロファイラの使い方等はこの講座の範囲を超える
ので省略
プロファイラを使おう
まとめ
本当に GPU による高速化が必要か考えよう
GPU でプログラムを高速化するには
並列化する
CPU と同様の高速化テクニック
GPU 特有の高速化テクニック
を組み合わせる
プロファイラを使おう
参考文献
[0] CUDA Toolkit Documentation
http://docs.nvidia.com/cuda/index.html
[1] CUDA C Programming Guide
http://docs.nvidia.com/cuda/cuda-c-programming-guide/index.html
[2] Better Performance at Lower Occupancy
http://www.nvidia.com/content/GTC-2010/pdfs/2238_GTC2010.pdf
参考文献
[3] CUDA By Example 汎用 GPU プログラミング入門
インプレスジャパン ISBN: 978-4-8443-2978-7
[4] CUDA C プロフェッショナルプログラミング
インプレス ISBN: 978-4-8443-3891-8
[5] はじめての CUDA プログラミング
工学社 ISBN: 978-4-7775-1477-9

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