５年前の研究室セミナー、お蔵入りにはなってたけど、思うところあって公開します。細部の説明は不十分なので、質問歓迎。

1. Snake scheme （仮）
2007/1/25
似鳥啓吾

2. Snake概要
 leapfrog fixed time-stepの拡張
 近接粒子ペアを検出、小さな刻みで積分
 動機：Δtはεに比例して小さくしなければいけない
のか？
 ある種の2次ネイバースキーム
 ただし刻み幅は細粗の2種に固定
 ネイバー半径も固定
 省メモリ

3. 積分法—いわゆる多重KDK
Kick, K添(h): v ← v+ a添h
Drift, D(h): x ← x + vh
Leapfrog: K(h/2)D(h)K(h/2)
多重leapfrog:
K遠(h/2)[K近(h/2n)D(h/n)K近(h/2n)]nK遠(h/2)
 分子動力学とかでは使われているらしい

4. 手続き
1. 全相互作用を計算、ついでに近傍粒子探索
2. 近距離力を計算
3. 遠距離力でキック
1. 近距離力でキック
2. ドリフト
3. 近距離力
4. 近距離力でキック (1に戻る)
4. 全相互作用計算、近傍粒子リストの更新
5. 遠距離力でキック (2に戻る)

5. 近傍粒子リストのデータ構造
粒子ごとに近傍リストは作らない
「粒子対」のリストを作っておく
 (STLのvectorのような)可変長配列が1個あ
ればよい
 struct pair {int i, j;};
std::vector<pair> pair_list;
長さ：Plummer 2k, rcrit=0.1で3000程度
 計算コストの増加は微々

6. 数値実験：わずかな追加演算で大幅に精度改善

7. Symplectic or Symmetric?
Symplecticではない
 力のsplitの仕方に一貫性が無い
 近似的にはrcritでsplit
 TreePMのような力の分解なら、Symplectic
Symmetricではない
 粒子リストが非対称
 予測子を使い対称に近いリストを構築する
ことは可能

8. 対称化してみた

9. まとめ
わずかな演算量の増加で、大幅な高精度
化
ほぼ時間対称にもできる
 反復は不要
ツリー法にも応用可能