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東京オープンデータデイコメント(SDGsとか行政DXとか)
- 6. 眼前の「社会課題解決」だけでいいのか?
• 問題意識
– 効率的な解決策は快適とは限らない
• 「パッセンジャーはロジスティクスではない」(東京都市大学・中島伸氏)
– 「課題解決」してもそれでいいのかと感じる事例
• 「望ましい」行動を促す中国や日本の自治体の信用スコア・ポイントによる制度
• 人が動く動機づけは何か
– 高齢化、人口減少、保育園問題、防災…等々の社会課題解決は重要だが、
未解決でも人が集まる都市はある。課題解決が魅力になるとは限らない
– 実際のところ、「社会課題」領域はビジネスになりにくい
– 「不要不急」なことがなくなると社会はつまらなくなる
– 楽しさ、カッコよさ、つながり、快適さ、成長…さまざまな魅力・インセ
ンティブを社会課題解決とともに考慮したい
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- 7. エフゲニー・モロゾフの懸念
• ソリューショニズム
– シリコンバレー発イデオロギー。エリート層を含め皆が信者
– 「選択肢も時間も財源もないから、社会の傷にデジタルの絆創膏を貼る」
– ネオリベラリズムに代わり政策立案の標準に。あらゆる分野の革命を進めるが市場制度は手つかず
• 政府パンデミック対策に見られる2種類のソリューショニズム
– 進歩的:アプリを活用すれば、人の行動を変え公益を損なわないと考える。「ナッジ」
– 懲罰的:デジタル資本主義の巨大監視インフラを使い日々の活動を制限し、背く人には罰
• 民主主義最大の脅威は「技術とプライバシー」の問題ではない
– 恐れるべきは、あらゆる問題にソリューショニズムを使うこと
– アプリ等の技術で個人行動に影響を与える方が、抽象的な政治問題と格闘し原因を取り除くより楽
– ソリューショニズム国家で想像力は縮み、 新しい社会の形を探るハッカー・起業家のやる気を削ぐ
• ソリューショニズムに打ち克つ政治を
– 「スタートアップは動きが速いが国家は非効率」という二項対立は政治の役割を制限
– 民主主義が花咲くプラットフォームがなければ「進歩/懲罰的ソリューショニズム」の二者択一に
– 「公」がプラットフォームに対し主権を持ち、ソリューショニズムを乗越える道を描くべき
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エフゲニー・モロゾフ「パンデミックを“IT政策”で乗り切る」のは大間違いです」クーリエ・ジャポン、2020年5月2日 https://courrier.jp/news/archives/198677/
(Evgeny Morozov, “The tech ‘solutions’ for coronavirus take the surveillance state to the next level” The Guardian, 2020/04/15)