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公共図書館と大学図書館の
連携協力
~大学図書館の地域貢献~
東京外国語大学 学術情報課長
茂出木 理子
Twitter @modekiriko
2014年12月16日
平成26年度松山大学図書館情報学講演会
1
Twitter
歓迎
私とプレゼンテーション
茂出木 理子( もでき りこ)
趣味は、掃除とプレゼンテーション。
明るく元気なプレゼンには定評がある。
(某誌での紹介文から)
人から指摘された3つの特長
① 平易な言葉で語る
② そのわりに裏と行間がある
③ 笑顔でキツイことを言い放つ
2
本日お話ししたいこと・考えたいこと
3
図書館は何のために存在する
のか、何の役にたつのか
そのために「連携協力」は意味
を持つのか、持たないのか
アイスブレイク タイム
~図書館総合展のこと~
4
茂出木理子、古瀬義孝伊万里市民図書
館長にいきなりプレゼントをする図
※ファンによる隠し撮りなので、少々ピンボケ
図書館総合展は、公共・大学・機関・企業・大学・学校等すべて
の館種の図書館についての、最新技術・サービス・トレンド・学
術情報を紹介する、図書館界最大の展示会。
第16回(2014年)の3日間の来場者数は31,632名という史上最
高記録を達成。
「学生のための展示ブースツアー」も企画された。
公式HP情報から http://2014.libraryfair.jp/
特別付録
5
図書館総合展に登壇する
たび、私は何を言い放っ
てきたのか!
6
2007年第9回
図書館総合展フォーラム
茂出木理子発言
『修羅場も乗り切れないで
仕事したとは言えない』
7
2008年第10回
図書館総合展フォーラム
茂出木理子発言
『敵役も含めてチーム力
使えるものは全て使う』
8
2009年第11回
図書館総合展フォーラム
茂出木理子発言
『あたしをひろうとおとくです』
9
2011年第13回
図書館総合展フォーラム
茂出木理子発言
『プロのスキルとは組合せ
種類や数だけじゃ
ナンセンス』
10
2014年第16回
図書館総合展フォーラム
茂出木理子発言
『孤立するな、しかし、
つるむな』
アイスブレイク タイム
~授業と研修~
11
学ぶこと = 知識を増やすこと
学ぶこと = 「思い込み」を捨てること
つまり、アンラーニング(unlearning)
『重要なのは「教えてもらう」のではなく
「学びとる」気持ちを持っているか』
北海道大学 川村路代さん「大学図書館職員短期研修で学んだことと、研修の
心得」プレゼン資料から
図書館とは?
12
バージニア・リー・バートン著, 秋野翔一
郎訳
『坂の街のケーブルカーのメイベル』
童話館出版 2011.4
ケーブルカーずきの人たちがと
しょかんにあつまりました。
そして、ケーブルカーのとものか
いをつくり、・・・
(ケーブルカーを残すことに)「は
んたいは」がじじつや、すうじをも
ちだすと、「さんせいは」はそれ
にまけずにやりかえしました。
図書館とは?
13
アントネッラ・アンニョリ著, 萱野有美訳
『知の広場 : 図書館と自由』
みすず書房 2011.5
「優れた運営の公共図書館は、
地域のソーシャルキャピタルを
豊かにする場所なのである」
新図書館引っ越しのハナシ
14
図書館連携に関する
当たり前すぎる原則
図書館が利用者から求め
られる資料を提供するため
には、必ず図書館同士の
連携を必要とする。
統計データから見る検証
15
大学図書館ランキングで蔵書数1位
はどこだ?
蔵書数
東京大学:927万冊
東京外大: 82万冊
松山大学:114万冊
自館にない本の
要求が来たらどう
する?
余所から借りる!
ILLによる借受け
東京大学:4,300冊
東京外大: 610冊
松山大学: 185冊
数値は『日本の図書館 統計と名簿 2013』による
ちなみに・・・
16
大学図書館全体では、年間 12万冊が
公共図書館全体では、年間200万冊が
図書館相互協力で借受けされています。
数値は『日本の図書館 統計と名簿 2013』による
「事例報告」に見る
大学図書館の連携事業
あれこれ
最低限の文献リストはつけた
ので、自分で勉強しましょう。
以上17
と、言いましても、
大学図書館関係者以外だと、
参考文献の入手に手間取る
ことでしょう・・・
18
大学図書館の連携事業
あれこれを5分間で紹介!
• 連携協定を結ぶ、地域図書館団体(〇〇図書館協議会)
• OPACシステム連携、相互貸出、返却サービス、
• 研究室図書の閲覧・貸出
• 公共図書館から大学図書館への「一括貸出」
• 図書館会員制(年会費、寄付者)貸出サービス
• 共催イベント(展示会、講演会、上映会、ビブリオバトルetc.)
• 情報リテラシー講習、レファレンスサービス
• 地域資料の収集・保存・公開
• 医学系大学図書館での地域医療情報拠点
• 大学図書館内「子ども文庫」
• 図書館業務の連携
• 職員実地研修
19
金沢大学附属図書館
「ECO学習コンクール」
20
金沢大学附属図書館では,環境関連の図書館資
料の活用を通じた地域貢献を行うため、地域の小
中学生を対象に、環境問題をテーマとした調査や
実践の結果について審査・表彰する「第3回金沢大
学附属図書館ECO学習コンクール」を実施しました。
http://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=149
2012年第1回/2013年第2回/ 2014年第3回
大学図書館の学外者に対する
典型的な広報例
21
学外の方へ
特定の資料の閲覧をご希望の場合 ← と言っているが、これ以外の場合は想定外
※当館のOPACで所蔵と在架を確認してください。
※貸出中の資料や、研究室の資料はご利用できません。
下記宛に、FAXかメールで事前にご連絡ください。
■ 問合せ先 : ****係 (Email : ****/ FAX : ****)
※ 平日17:00までにご相談ください。
※ 平日17:00以降および、土・日曜日はご質問にはお答えできない場合があります。
■ 内容 : 以下をご記入ください。
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の資料(当館OPACで検索された場合は図書ID・請求記号等)
・その他、ご利用希望日など
東京外国語大学附属図書館
http://www.tufs.ac.jp/common/library/service/customer-j.html
公共図書館の「貸出しサービス」
22
前川恒雄 『図書館員選書1
貸出し 』
日本図書館協会刊行
1982年3月初版第1刷発行
32年前の記述ですが・・・
日本の公共図書館が資料提供
という素朴で単純な機能の実現
に徹し、貸出しという原初的基
本業務がサービスの中心となり、
市民の強い支持と共感を得るこ
とができ・・・(後略)
貸出と行政効果!?
単価
2,278円
× 貸出点数 - 図書館総経費 = 税金還元
市民(学生)一人当たり税金還元
浦安市 28,780円
川崎市 9,738円
武雄市 7,949円
松山市 7,260円
東京外国語大学 3,658円
大学図書館全体 △31,082円
『日本の図書館 統計と名簿 2013』データから計算
23
図書館栄えて物書き滅ぶ
24
2001年 楡 周平「図書館栄えて物書き滅ぶ」 新潮45.Vol.20,
No.10, p.116-123
2002年 日本文藝家協会が文部科学省と文化庁に対して「公貸
権制度の導入」要望書を提出
2003年 日本図書館協会・日本書籍出版協会が公立図書館貸出
実態調査(500館に調査票 回収率85%) → 2004年3月報告書
2011年 樋口毅宏が「雑司ヶ谷R.I.P.」の巻末に、公立図書館
での貸し出しを、新刊の売れ行きに影響が大きい刊行から半年間、
猶予するよう求める一文を掲載
25
図書館ってなんだろう?
26
a collection of works that were kept
handy for consultation - in other
words, its library
Casson 『Libraries in the ancient world』
Yale University Press, c2001 p.3より
翻訳L. カッソン著 ; 新海邦治訳
『図書館の誕生 : 古代オリエントからローマへ 』
刀水書房 2007.4
27
Chained book 「鎖でつながれた本」
28
自動化書庫
29
「Little Free Library」
http://www.littlefreelibrary.org/
30
NPO法人情報ステーション/株式会社情報ステーション
『船橋まるごと図書館プロジェクト』
マイクロ・ライブラリー!?
31
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
走れ東北!移動図書館プロジェクト
http://sva.or.jp/tohoku/special/ HPから
走れ!移動図書館
32
ペーパーレス公共図書館 「Biblio Tech」
http://bexarbibliotech.org/
33
Gilpin County Public Library の看板
http://www.gilpinlibrary.org/
34
Public Library of Science http://www.plos.org/
※オープンアクセスの査読付き科学雑誌
TED日本語 http://digitalcast.jp/v/17220/
ジャック・アンドレイカ: 有望なすい臓がん検査 ~
ティーンエージャーが開発
・13歳のとき親しくしてた方がすい臓がんで亡くなりました。
・インターネットを使ってすい臓がんの色んな統計を見つけま
した。その統計は衝撃的なものでした。
・ティーンの「親友」のGoogle とWikipedia を開けて 調べ始め
ました。
・こんな記事を(PLOS ONEで)見つけました。
・すい臓がんになると検出される8,000種のタンパク質を納め
たデータベースがあるという記事でした。
35
図書館ってなんだろう?
36
『未来の図書館を作るとは』 長尾真,
LRG(編). 達人出版会. 2014.6
理想の電子図書館では、知識や情報が与
えられるごとに、それが単なる増加知識とし
て記憶されるのでなく、他の既存の知識と
の間での因果関係がチェックされ、新しい因
果関係のリンクが付けられてゆくという形で
発展していくべきである。
図書館ってなんだろう?
37
図書館は、「単なるストック
場所」から「******」
の場所になる
(のかな…?)
大学図書館の使命
38
資料収集と提供を通して、学習・
教育・研究支援を行う
知の伝達から知の創出へ
学修支援
場としての図書館
公共図書館の使命
39
「図書館法」 第二条
この法律において「図書館」とは、図書、
記録その他必要な資料を収集し、整理
し、保存して、一般公衆の利用に供し、
その教養、調査研究、レクリエーション
等に資することを目的とする施設(後
略)
公共図書館ビジネス支援等
40
国立国会図書館 「地域活性化志向の公共図書館における経
営に関する調査研究」 2014.3
農業支援サービス 岩手県紫波腸町
東日本大震災を語り継ぐ 宮城県東松島市
愛知県田原市 元気はいたつ便
滋賀県東近江市 リトルプレス「そこら」
公共図書館ビジネス支援等
41
農業支援サービス 岩手県紫波腸町
東日本大震災を語り継ぐ 宮城県東松島市
愛知県田原市 元気はいたつ便
滋賀県東近江市 リトルプレス「そこら」
「元気はいたつ便」
・図書館への来館が困難な高齢者や障がい者を対象とした
福祉施設への訪問サービス。
・訪問サービス(グループ回想法、レクリエーション)と団体
貸出サービスを実施している。
公共図書館ビジネス支援等
42
p.59 <岩手県紫波腸町まとめ>
最初は、図書館はどのようなことをすれば、図書館として
の強みや役割を果たしつつ、相手の役に立てるのかというこ
とばかり考えていた。しかしいつも、連携する相手はいかに
図書館にメリットを生むか考えてくれた。
p.168<考察>
東近江市立八日市図書館の実践の中で最も驚くべきこと
は、行政部局との連携や、新規事業の起ち上げ、新たな
サービスの企画、といったことが「ふつう」「あたりまえ」のこ
ととされている点である。(中略)
もう1つ指摘しておきたい点は、市民や行政部局の職員に
図書館の活動が理解され、評価されていることである。東近
江の図書館は、単に本をレンタルする場所ではなく、自ら情
報を発信するところであるとの認識が以前からあった。
43
従来「図書館の範疇ではない」と
思われていた(思っていた)ことに
踏み込んでいくことが、これから
の連携では重要になってきてま
せんかね?
「連携」のための3つのポイント
(あくまで私論)
「実態を共有する」
「相手へのリスペクト」
「簡単に分った気にならない」
44
「連携」のための3つのポイント
(あくまで私論)
批判的思考力(クリティカルシン
キング)
=熟慮的思考でいること
=フラットで柔軟であること
=アンラーンできること
45
数字で見る図書館
数字だから見えてしまうこと
数字だけでは語れないこと
典拠
文部科学省 『大学図書館実態調査結果報告』『学術情報基盤実態調査結果報告』
日本図書館協会 『 日本の図書館 統計と名簿 』
46
数字で見る大学図書館
国立
公立
私立
図書館数
計1,486館
国立
公立私立
蔵書冊数
47
計 3億2千万冊
大学図書館での図書の受入冊数 H5~H25
<全体>
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
洋書
和書
千冊
20年間で△10.2%
洋書 △50%
和書 +10%
48
大学図書館での図書の購入冊数 H5~H25
<全体>
0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
5,000,000
6,000,000
7,000,000
20年間で△15%
49
冊
大学図書館での図書の購入冊数 H5~H25
<1大学平均>
50
500
550
600
650
700
750
800
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
11,000
1大学当たりの図書購入冊数
大学数
20年間で△41.2%
大学数は+45%
冊 大学
大学図書館の予算(H5~H25)
51
1大学平均値でみると 20年間で
総経費 △33%
資料費 △33%
うち図書費 △60%
運営費 △35%
平均値で語ることは一見わかりやすいが、かえって
実態を反映しないことがある。
「就職ジャーナル」が発表し
た調査結果によると、1か月
に1冊も本を読まない大学生
は23.9%に上ることがわ
かった。 (2014年9月)
52
文化庁が実施した「国語に関
する世論調査」によれば、1
か月に1冊も本を読まないと
いう回答は47.5%に上ること
がわかった。(2014年10月)
53
大学図書館での学生貸出冊数 H5~H25
<全体>
54
2,500,000
2,600,000
2,700,000
2,800,000
2,900,000
3,000,000
3,100,000
3,200,000
3,300,000
3,400,000
3,500,000
10,000,000
12,000,000
14,000,000
16,000,000
18,000,000
20,000,000
22,000,000
24,000,000 貸出冊数(対学生)
学生数
冊
人
20年間で
学生数は +20%
学生の貸出冊数は +59%
大学図書館での学生貸出冊数 H5~H25
<学生1人当たり平均>
55
0.00
1.00
2.00
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
8.00
9.00
20年間で
6.2冊→8.1冊
冊
56
大学図書館は、
開いてきているのか?
大学図書館の公開
制度面
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
8割の大学は一般学外者利用OK
4割の大学は一般学外者貸出しOK
57
大学図書館の公開
学外者への貸出
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000
1,200,000
1,400,000
1,600,000
20年間で4.7倍
58
冊
59
3,000
5,000
7,000
9,000
11,000
13,000
15,000
17,000
19,000
21,000
大学図書館の公開
ILL(大学図書館以外への貸出)
20年間で5.3倍
冊
60
公共図書館の20年
1993年~2013年のデータ分析
図書館数 1.5倍
蔵書数 2.1倍
貸出冊数 2.1倍
登録者数 2.4倍
来館者数 1.3倍
※来館者数は2007年~2013年のデータによる
登録者1人当りの貸出冊数 △14%
来館者1人当りの貸出冊数 △16%
蔵書回転率!?
松山市 2.55回
日野市 2.28回
浦安市 1.88回
武雄市 1.08回
公共図書館全体 1.76回
東京大学 0.06回
東京外大 0.11回
大学図書館全体 0.08回 61
図書館はどのような本を所蔵しているか
大場博幸, 安形輝, 池内淳, 大谷康晴
図書館はどのような本を所蔵しているか.
日本図書館情報学会誌 . 2012, vol.58, no.3.p.139-154
【手法】 2006年上半期に刊行された書籍全
点(35,159点)を対象に、国立国会図書館、全
国公立図書館(4,477館)、大学図書館(1,234
館)での所蔵状況を調査
62
図書館はどのような本を所蔵しているか
【分析】 無作為抽出した5,046点を対象
※全点分析ができなかったのは、公共図書館蔵
書の情報抽出の問題発生のため
・所蔵率
国立国会図書館 87%
公共図書館群 82%
大学図書館群 59%
・「専門」カテゴリの書籍の所蔵率 どこも 8割
・複数図書館間でのカバー率、重複率、包含率63
再び、図書館ってなんだろう?
64
そこに書架があるからだ…
図書館はなぜ本を置くのか
65
■ 芥川賞作家、楊逸(やん いー)さんから伺った話
「日本の大学に在籍していたとき、たまたま大学図書館で文化大革命の本を
見つけ読んだ。泣きたくなるほどの衝撃を覚えた。中国人としての自分を見つ
め直すきっかけにもなった。」
自分にとって、耳障りのいい、同調できる本を読むだけでは、思考は広がら
ない。深まらない。多様な本が図書館にある意味はここにあるのでは?
参照:茂出木理子.平成20年度京都大学図書館機構第3回講演会講演記録
http://hdl.handle.net/10083/35018
■ 本の読み方ひとつで、子どもは変わる!菅谷明子さんに聞く「読み方」「学
び方」 http://toyokeizai.net/articles/-/51296
「読書の目的は、自分がまったく体験したことのないことや、持ったことのない
感情に触れることで、思考や共感の幅を広げていくことです」
Libraries Change Lives
66
2013-2014米国図書館協会会長のバーバラ K.
ストリプリングさんの講演から
図書館の重要性は、本や情報がただあるこ
とではない。
リアルな世界との橋渡しをすることにある。
あくまで、主役は図書館ではなく、市民。
図書館(員)が何をしたいかより、その地域コ
ミュニティが何を望んでいるかで事業・サー
ビスを行う。
Libraries Change Lives
67
米国図書館協会 「Libraries Change Lives:Declaration
for the Right to Libraries」
日本語訳 『暮らしは図書館で豊かになる 図書館権利宣言』
http://www.ala.org/advocacy/declaration-right-libraries-downloads
個の自己実現を応援する図書館
識字教育と生涯学習を支援する図書館
家族の絆を深める図書館
機会の平等を保障する図書館
地域を創る図書館
国の礎を築く図書館
最先端の研究や学術活動を支援する図書館
人と人との相互理解を手助けする図書館
文化資産の保全に貢献する図書館
新しいサービスを立ち上げる際に
図書館員として重要な6つのこと
68
ピッツバーグ・カーネギー図書館長
メアリー・F・クーパーさんの発言から
① 地域のコミュニティの状況をデータで客観的に把握すること
② 地域のコミュニティのニーズやウォンツを肌身で感じ取り自
分の確信にかえること
③ 新しいサービスに関する資料やツールの整備
④ 図書館のみで提供できない資源については他機関に協力
を要請すること
⑤ 適切に計画書をまとめあげること
⑥ 困難に直面しても諦めずに熱心に説明・実行し、できるだ
け早い段階で成果を見せること
典拠 「地域活性化志向の公共図書館における経営に関する調査研究」 p.197
まとめにかえて
69
現在あるいは、これまでの
サービスの延長線上で考え
ていくだけで良いのか?
図書館は、本業・使命を見失ってはいけないが、
同時にアンラーンが必要だと思います。
だって、「図書館は成長する有機体」だもん!
70
【参考文献リスト】
1. 前川恒雄. 貸出し(図書館員選書;1). 日本図書館協会. 1982(ISBN:4820482017)
2. L. カッソン著, 新海邦治訳. 図書館の誕生 : 古代オリエントからローマへ. 刀水書房. 2007(ISBN:978-4887083561)
3. 菅谷明子. 未来をつくる図書館 : ニューヨークからの報告(岩波新書 新赤版 837). 2003(ISBN: 4004308372)
4. ノエル・エントウィスル著; 山口栄一訳. 学生の理解を重視する大学授業. 玉川大学出版部. 2010 (ISBN:978-4472404191)
5. 大場博幸. 図書館の実態を数字で把握する 図書館はどのような本を所蔵しているか. ず・ぼん. 2014, no.19. p.2-51
6. 飯澤文夫. 本の街の大学 : リバティアカデミー公開講座による地域連携. 図書の譜. 2014, no.18. p.1-12
7. 関口千登世. とびだそう!大学図書館はもっともっとできる. 薬学図書館. 2013, vol. 58, no.2. p.112-115
8. 市川美智子. 愛知医科大学と公共図書館の連携による地域貢献. 大学図書館研究. 2013, no.99. p.4-23
9. 折井匡, 小島浩子, 郷原正好. 信州大学附属図書館における地域連携. 現代の図書館. 2013, vol. 50, no.1. p.42-49
10. 菅原聡, 長谷川豊祐. 神奈川県内の大学図書館における地域連携. 大学図書館研究. 2013, no.99. p.1-13
11. 市村櫻子. 東京大学柏図書館の地域社会への貢献. 大学図書館研究. 2013, no.99. p.24-32
12. 中井孝幸. 利用行動からみた「場」としての図書館に求められる建築的な役割. 情報の科学と技術. 2013, vol.63, no.6. p.228-234
13. 長澤多代. 主体的な学びを支える大学図書館の学修・教育支援機能:ラーニングコモンズと情報リテラシー教育を中心に. 京都大学高等教
育研究. 2013, no.19. p.99-110
14. 伊藤幸江. 学生の利用のために今ここでできること. 大学図書館研究. 2012, no.94. p.39-48
15. 大場博幸, 安形輝, 池内淳, 大谷康晴. 図書館はどのような本を所蔵しているか. 日本図書館情報学会誌 . 2012, vol.58, no.3. p.139-154
16. 永田治樹. 図書館とインフォメーション・コモンズ. 情報管理. 2010, vol.53, no.7. p.370-380
17. 米澤誠. 大学図書館の社会連携・地域連携活動. リスン. 2008, no.137. p. 10-13
18. 津村光洋, 大井津明子. 鳥取大学医学図書館における公共図書館協力用図書の提供. 鳥取大学生涯教育総合センター研究紀要. 2008,
no.5. p.59-65
19. 伊藤哲谷. 社会の共有財産としての図書館. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.1-14
20. 板谷茂. 広島大学図書館の社会貢献事業. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.15-20
21. 藤倉恵一. 文教大学越谷図書館における学外開放. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.21-31
22. 吉井良邦, 北克一. 大阪市立大学学術情報総合センターにおける図書市民利用制度の実施事例. 大学図書館研究. 2006, no.6. p.32-40
23. 廣岡康久. 法政大学図書館の社会連携. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.41-48
24. 古賀実生. 千葉経済大学総合図書館における地域開放状況と地域連携について. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.49-53
25. 白木俊男, 森田正. 鳥取大学附属図書館における社会貢献の現状. 大学図書館研究. 2006, no.76. p.54-61
26. 鈴木均. 貸出至上主義の先に何があるのか. 21世紀社会デザイン研究. 2002, no.1. p.101-105
27. 楡周平.図書館栄えて物書き滅ぶ. 新潮45. 2001, vol. 20, no.10. p.116-123
28. 相賀昌宏.図書館と出版社の協力関係の発展を考える. 図書館雑誌. 2003, vol.97, no.9. p.644-645
29. 石井昂.鶏を殺さないで欲しい. 本の雑誌. 2014, no.370. p. 20-21
30. 日本図書館協会、日本書籍出版協会『公立図書館貸出実態調査2003報告書』2004
http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/report0403.pdf
31. 戸田あきら. 蔵書の重複分析による公共図書館ネットワーク効果の研究. 図書館界. 1995, vol.47, no.1. p.2-12
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