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Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 1
宇宙APIレシピ集
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
➢ ポイント
1. このレシピでは、任意のASTERデータからフォルスカ
ラー画像を作成することができます。
2. ASTERデータのうち、VNIR (可視近赤外)を利用すること
で、VNIR領域におけるASTERデータの特性を知ること
ができます。
➢ 用意するもの
1. インターネットに接続できるPC
2. ASTERデータ (参考: ASTERデータ検索・ダウンロード)
3. MultiSpec (参考: MultiSpecインストール)
➢ 操作
1. MADAS (https://gbank.gsj.jp/madas/)より、ASTERデー
タを取得します。
2. MultiSpecを起動します。
ASTERフォルスカラー画像作成①
2. ダブルクリックして、MultiSpec
を起動する
2
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
4. 上段にある (Open Image)をクリックします。
5. ASTERデータが保存されているフォルダーへ遷移します。
6. 以下のファイルを選択します。
data1.l3a.vnir1.tif
data1.l3a.vnir2.tif
data1.l3a.vnir3n.tif
7. 「開く」ボタンをクリックします。
ASTERフォルスカラー画像作成①
4. アイコンをクリックする 5. ASTERデータが保存されている
フォルダーへ遷移する
6. ファイルを選択する。
data1.l3a_vnir1.tif
data1.l3a_vnir2.tif
data1.l3a_vnir3n.tif
5. 「開く」ボタンをクリックする
3
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
8. Set Display Specifications for: ポップアップが表示されま
す。 Display欄にある配色が、以下のようになっているこ
とを確認します。
Red: 3 ← Band3 (近赤外)が赤色に割り当てられている
Green: 2 ← Band2 (赤色)が緑色に割り当てられている
Blue: 1 ← Band1 (緑色)が青色に割り当てられている
9. 「OK」ボタンをクリックします。
10.次に、Set Histogram Specifications ポップアップが表示
されます(2回目以降、画像を作成する際は、表示されま
せん)。「OK」ボタンをクリックします。
11.ASTERデータのフォルスカラー画像が表示されます。
ASTERフォルスカラー画像作成①
8. 配色を確認する
9. 「OK」をク
リックする
10. 「OK」をク
リックする
11. ASTERデータ
のフォルスカラー
画像が表示される
4
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
12.今後、作成した画像を用いて解析を行う場合、データと
して画像を保存します。
13.上段にあるProcessorからDisplay iamge…を選択します。
14.Set Display Specifications for: ウィンドウにある
Enhancement中、Min-max:をEntire Rangeに変更し、OK
ボタンをクリックします。(表示されている画像が暗くな
ります。)
15.上段にあるProcessorからReformatを選択し、Change
Image File Format…を選択します。
16.Set Image File Format Specificationsウィンドウにある
OKボタンをクリックします。
17.保存先のフォルダーへ遷移して、作成した画像をgeotiff
フォーマットで保存します。保存するファイル名を、セ
ンサ名+観測日時.tifとすると整理しやすくなります。
例: ASTER161026013944.tif
この場合、2016年10月26日01:39:44にASTERで観測さ
れたデータとわかります。
ASTERフォルスカラー画像作成①
15. Entire Range
に変更する
16. OKボタンをク
リックする
5
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
18.作成した画像を位置情報付き画像として保存します。こ
の場合、画像処理が施されているため、見た目はきれい
ですが、解析データとして扱うのは困難になります。地
図作製やウェブ制作等、画像として取り扱う作業に向い
ています。
19.上段にあるFileからSave Image To GeotIFF As…を選択し
ます。
20.保存先のフォルダーへ遷移して、作成した画像をgeotiff
フォーマットで保存します。保存するファイル名を、セ
ンサ名+観測日時.tifとすると整理しやすくなります。
例: ASTER161026013944.tif
この場合、2016年10月26日01:39:44にASTERで観測さ
れたデータとわかります。
ASTERフォルスカラー画像作成①
20. わかりやすい
命名規則を設ける
6
Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved.
➢ まめちしき
ASTERは、可視域(ヒトが認識できる色の幅)から、熱赤外ま
での領域をカバーしています。それぞれの領域で、地表から
の反射光や放射熱を観測します。
しかし、ASTERには、ヒトが青色として認識できる光を観
測することができません。このため、疑似的に色を割り当て
ます(フォルスカラー)。この時、近赤外を観測するBand3は、
植物からの強い反射光をとらえます。Band3を赤色に割り当
てることにより、植物が覆う地表(植生域)が赤く表示されま
す。このため、植生域と非植生域(植物に覆われていない地
表)を視覚的に区別することが容易になります。
ASTERフォルスカラー画像作成
ASTERの観測帯と
解析対象物を比較
した
各バンド(観測帯)と配色の違いにより、
画像の見え方が異なる
ASTERの可視近赤外から短波長赤外までのバンド(観測
帯)と緑葉と枯葉の反射スペクトルを比較した表。
Band3 (近赤外)の観測域で、葉からの強い反射をとら
えることがわかる。
7

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ASTERFalseColorImage1

  • 1. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 1 宇宙APIレシピ集
  • 2. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. ➢ ポイント 1. このレシピでは、任意のASTERデータからフォルスカ ラー画像を作成することができます。 2. ASTERデータのうち、VNIR (可視近赤外)を利用すること で、VNIR領域におけるASTERデータの特性を知ること ができます。 ➢ 用意するもの 1. インターネットに接続できるPC 2. ASTERデータ (参考: ASTERデータ検索・ダウンロード) 3. MultiSpec (参考: MultiSpecインストール) ➢ 操作 1. MADAS (https://gbank.gsj.jp/madas/)より、ASTERデー タを取得します。 2. MultiSpecを起動します。 ASTERフォルスカラー画像作成① 2. ダブルクリックして、MultiSpec を起動する 2
  • 3. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 4. 上段にある (Open Image)をクリックします。 5. ASTERデータが保存されているフォルダーへ遷移します。 6. 以下のファイルを選択します。 data1.l3a.vnir1.tif data1.l3a.vnir2.tif data1.l3a.vnir3n.tif 7. 「開く」ボタンをクリックします。 ASTERフォルスカラー画像作成① 4. アイコンをクリックする 5. ASTERデータが保存されている フォルダーへ遷移する 6. ファイルを選択する。 data1.l3a_vnir1.tif data1.l3a_vnir2.tif data1.l3a_vnir3n.tif 5. 「開く」ボタンをクリックする 3
  • 4. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 8. Set Display Specifications for: ポップアップが表示されま す。 Display欄にある配色が、以下のようになっているこ とを確認します。 Red: 3 ← Band3 (近赤外)が赤色に割り当てられている Green: 2 ← Band2 (赤色)が緑色に割り当てられている Blue: 1 ← Band1 (緑色)が青色に割り当てられている 9. 「OK」ボタンをクリックします。 10.次に、Set Histogram Specifications ポップアップが表示 されます(2回目以降、画像を作成する際は、表示されま せん)。「OK」ボタンをクリックします。 11.ASTERデータのフォルスカラー画像が表示されます。 ASTERフォルスカラー画像作成① 8. 配色を確認する 9. 「OK」をク リックする 10. 「OK」をク リックする 11. ASTERデータ のフォルスカラー 画像が表示される 4
  • 5. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 12.今後、作成した画像を用いて解析を行う場合、データと して画像を保存します。 13.上段にあるProcessorからDisplay iamge…を選択します。 14.Set Display Specifications for: ウィンドウにある Enhancement中、Min-max:をEntire Rangeに変更し、OK ボタンをクリックします。(表示されている画像が暗くな ります。) 15.上段にあるProcessorからReformatを選択し、Change Image File Format…を選択します。 16.Set Image File Format Specificationsウィンドウにある OKボタンをクリックします。 17.保存先のフォルダーへ遷移して、作成した画像をgeotiff フォーマットで保存します。保存するファイル名を、セ ンサ名+観測日時.tifとすると整理しやすくなります。 例: ASTER161026013944.tif この場合、2016年10月26日01:39:44にASTERで観測さ れたデータとわかります。 ASTERフォルスカラー画像作成① 15. Entire Range に変更する 16. OKボタンをク リックする 5
  • 6. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. 18.作成した画像を位置情報付き画像として保存します。こ の場合、画像処理が施されているため、見た目はきれい ですが、解析データとして扱うのは困難になります。地 図作製やウェブ制作等、画像として取り扱う作業に向い ています。 19.上段にあるFileからSave Image To GeotIFF As…を選択し ます。 20.保存先のフォルダーへ遷移して、作成した画像をgeotiff フォーマットで保存します。保存するファイル名を、セ ンサ名+観測日時.tifとすると整理しやすくなります。 例: ASTER161026013944.tif この場合、2016年10月26日01:39:44にASTERで観測さ れたデータとわかります。 ASTERフォルスカラー画像作成① 20. わかりやすい 命名規則を設ける 6
  • 7. Copyright 2017. Japan Space Systems. All Rights Reserved. ➢ まめちしき ASTERは、可視域(ヒトが認識できる色の幅)から、熱赤外ま での領域をカバーしています。それぞれの領域で、地表から の反射光や放射熱を観測します。 しかし、ASTERには、ヒトが青色として認識できる光を観 測することができません。このため、疑似的に色を割り当て ます(フォルスカラー)。この時、近赤外を観測するBand3は、 植物からの強い反射光をとらえます。Band3を赤色に割り当 てることにより、植物が覆う地表(植生域)が赤く表示されま す。このため、植生域と非植生域(植物に覆われていない地 表)を視覚的に区別することが容易になります。 ASTERフォルスカラー画像作成 ASTERの観測帯と 解析対象物を比較 した 各バンド(観測帯)と配色の違いにより、 画像の見え方が異なる ASTERの可視近赤外から短波長赤外までのバンド(観測 帯)と緑葉と枯葉の反射スペクトルを比較した表。 Band3 (近赤外)の観測域で、葉からの強い反射をとら えることがわかる。 7