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ユーザ規模の変化に応じた
最適なUX設計とは
Sansan株式会社
峰松 隆太郎
1
アジェンダ
1.自己紹介
2.サービス紹介
3.UX設計の事例
4.まとめ
2
自己紹介
• 峰松 隆太郎(みねまつ りゅうたろう)
• 佐賀県出身
• 東京工業大学大学院 生物プロセス専攻 修了
• Sansan 新卒4年目
• 最初は法人向け名刺管理サービス Sansan の運用
コンサルタント
• 2016年よりプロダクトマネージャー
3
Sansan株式会社の紹介
4
Sansan株式会社の紹介
設立:2007年6月
従業員数:300名くらい
事業内容:クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売
法人向け 個人向け
今日はこっちの話
5
法人向け名刺管理サービス Sansan の特徴
• 全社員で名刺を共有
• オペレータによる正確なデータ化
• 同じ人物の名刺をまとめる名寄せ機能
ここからが本題
ユーザ規模の変化に応じた
最適なUX設計とは
事業の成長に伴う
プロダクトを取り巻く環境の変化
9
入社当時(2014年)と現在の比較
導入社数:2,000 ➜ 6,000
1契約あたりの最大ユーザ数:1000くらい ➜ 数万
利用するユーザ:営業を中心としたフロント職 ➜ 全社員
2014年 現在
10
ケース1:同僚名刺検索
データ量の増加を考慮して設計しないと
期待するUXが提供できない
名刺を共有するサービスである
Sansanにとっての超重要機能
11
ケース1:同僚名刺検索
ユーザ規模の拡大により
検索機能を追加
12
ケース2:手動名寄せの候補件数表示
名寄せとは:同一人物の複数の名刺をまとめること
➜ これにより同一人物の情報が泣き別れせず一元化される
Sansan株式会社
営業部
山田賢治
Sansan株式会社
マーケティング部
山田賢治
ABC株式会社
営業部
山田賢治
システムが
自動で名寄せ
ユーザが手動で名寄せ
(これをやってほしい)
13
ケース2:手動名寄せの候補件数表示
14
ケース2:手動名寄せの候補件数表示
目的:手動名寄せの促進
当時の課題:名寄せ候補があることにユーザが気づかない
解決策:名寄せ候補数を出してユーザに気づかせる
15
ボツ案
課題:パフォーマンス
候補なし
候補あり
データ量の多い企業では候補件数の取得に時間がかかる
➜候補のあり/なしで文言を出し分けるのが難しい
データ量が増えると候補数が取得できない可能性がある
➜()の中がいつまでたっても表示されない
候補なし
16
最終的に採用した案
• 候補あり/なしの文言を統一
• リマインド一覧と配置を入れ替え
• バッチ形式にすることでタイムアウト問題に対応
候補あり
17
結果
2017/4/1 2017/4/8 2017/4/15 2017/4/22 2017/4/29 2017/5/6 2017/5/13
手動名寄せをしたユーザの数
リリース!
18
ケース3:メールでのコミュニケーション
登録後に1番最初に送っているメールで、
Sansan で何が実現できるかをユーザに伝えるもの
19
ケース3:メールでのコミュニケーション
営業以外のユーザも
増えている中では適切ではない
20
まとめ
• 事業の成長に伴い、設計時にケアすべきことが変わる
• 規模の増加 ➜ 検索性の低下、パフォーマンスを考慮し
た設計
• ユーザ層の変化 ➜ 訴求メッセージの最適化
21
ただし、
捨てる判断も重要です
22
番外編:メッセージ(β)
紹介を依頼
同僚Sansan
• 2017年3月にリリース
• 名刺を紐付けて同僚にメッセージを送れる
• 共有した名刺を活用してもらうための機能
23
番外編:メッセージ(β)
メインターゲット(キーマンを紹介してほしい営業マン)
に使ってもらうことにフォーカス。訴求文言も営業向け。
24
まとめ
• 事業の成長に伴い、設計時にケアすべきことが変わる
(規模の増加やユーザ層の変化など)
• リリースまでの時間が伸びたり訴求文言が抽象的になる
などの一面もある
• 案件のターゲットと目的次第では捨てる判断も必要
ご清聴ありがとうございました。

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