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SSII2021 [OS1-03] エネルギーの情報化:需要家主体の分散協調型電力マネージメント
- 4. ⽬標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは︖
「すべての⼈々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的 エネルギーへ
のアクセスを確保する」
1. 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アク
セスを確保する。
2. 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再⽣可能エネルギーの割合
を⼤幅に拡⼤させる。
3. 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
4. 2030年までに、再⽣可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷
の低い化⽯燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを
促進するための国際協⼒を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネル
ギー技術への投資を促進する。
5. 2030年までに、各々の⽀援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上
国及び⼩島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての⼈々に現代的で持続可能
なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡⼤と技術向上を⾏う。
- 6. 背景︓EMSにもとめられる機能の変化
供給 = 需要 (+損失) [W] を常に一致させる
需要 供給
⼈の予測困難な消費活動に依存して変動
いくつかのタイプの発電所の組み合わせ
可制御性,経済的効率性を考慮して運⽤
現状:スマートグリッド
• 供給者がトップダウンで需要抑制(デマンドレスポンス)
従来:供給者が供給電力を制御
• 需要家は自由に使用,変動する需要と常に一致するように電力会社が供給制御
一時の需要ピークのための多大な設備投資を避けたい
新たな変動要因の増加
⇨変動そのままでは誰も使ってくれない
出⼒が変動する電源(太陽光,⾵⼒)を⼤量に導⼊したい
⇨ピークカット,ピークシフト
⇨節電,省エネ,エコ
将来:エネルギーの情報化 ⇨⾃⼰消費(地産地消)型,計画遵守型EMS
バッファとなる機器→蓄電池,給湯器(蓄熱装置)
⇨需要家が発電した電⼒を需要家間で融通=地産地消型協調的コミュニティ
- 11. FEMS実証実験サイト
• ⼩物⾼精度部品プレス⼯場
• 従業員30名
• 2011/7での契約電⼒︓144kW
• 電気機器を下記の3種に分類
• ⽣産機器
• プレス機(⾦属加⼯)
• ⼤⼩合わせて26台
• 組付機(蛍光灯⼝⾦⽣産)
• 2台
• 機能補助機器
• コンプレッサ(圧縮空気を⽣産機器へ)
• 2台
• 洗浄、すすぎ、乾燥機(製品の洗浄)
• リサイクル装置(洗浄液のリサイクル)
• 放電加⼯機(プレス機⾦型の補修)
• 環境機器
• エアコン
• メインエアコン6台
12
それぞれの種類に応じた制御や管理を⾏って⾏
く。
- 12. 実測データ例
13
• コンプレッサ
• 新:15kW
• 旧:14kW
• 洗浄・すすぎ・乾燥槽
• 8kW
• リサイクル装置
• 8kW
• 放電加⼯機
• 5kW
• エアコン
• ⼀台あたり最⼤6kW
2013/7/1 デマンドのピーク
(100kW)
消費電⼒の⼤きな機器
それぞれの機器について詳細な考察を⾏う
- 13. まとめ
14
• 過去3年の7⽉のデマンド値(W)と電⼒量(Wh)を⽐較
• EMS無し(2011)、省エネエアコン(2012)、システム導⼊(2013)
2011.7 2012.7 2013.7
デマンド値(1年間の
基本料⾦に影響)
145 kW 140 kW 100 kW
電⼒量(従量課⾦) 35,503 kWh 32,474 kWh 26,554 kWh
45 kW (31%減)
59,535円相当
8,949kWh (18%減)
137,278円相当
5 kW (3%減) 6,615円相当
3,029 kWh (8%減) 46,465円相当
• デマンド値の削減
‒ 2011年と2013年との⽐較:45kW (約31%)減→1年間で714,420円のコストカット
• 関⻄電⼒ ⾼圧電⼒BS 基本料⾦にて試算(1,323 /kW)
• 電⼒量の削減(1ヶ⽉分)
‒ 2011年と2013年との⽐較:8,949 kWh (約25%)減→137,278円のコストカット
• 関⻄電⼒ ⾼圧電⼒BS 電⼒量料⾦(夏季)にて試算(15.34 /kWh)
• (各年についてほぼ同じ⽣産が⾏われたと仮定)
- 14. 𝑡! 𝑡" 𝑡# 𝑡$ 𝑡% 𝑡& ⋯ 𝑡'(" 𝑡'(! 𝑡'
𝑚!
𝑚"
⋮
𝑚)
連携制御EoDのための⽣産スケジューリング
プロセス処理数
順序性制約
型抜き
𝑠!,# ∈ {機器𝑚#がとり得る状態}
リソース
4kW
5kW
3kW 4kW 4kW
6kW
5kW
4kW 4kW 6kW 5kW 8kW 6kW 5kW 3kW 2kW
6kW
共起性制約
⽣産実⾏機器数𝑀
塗装 ・・・ 組⽴て
> > >
- 15. 整数計画問題定式化
• ⽬的関数︓最⼤デマンド値の最⼩化
Min. 𝑧
S. t. 𝑧 − )
!!"# !$% &%
#!
)
'
)
(
𝑒',(𝑥!!,',( + 𝑒*+ 𝑅!! + 𝐸!!
,+-
≥ 0
• 順序性制約
S. t. ∀𝑖, 𝑐, 𝑞%, 𝑞. ∶ 𝑛/,0",! ≥ 𝛼/,0",0#
𝑛/,0#,!
S. t. ∀𝑖, 𝑐, 𝑞%, 𝑞. ∶ 𝑛/,0",! = 𝛼/,0",0#
𝑛/,0#,!&%
• 納期制約
S. t. ∀𝑐, 𝑞, 𝑖 ∶ 𝑛/,0,! ≥ 𝑁/,0,!
全ての制約式を線形記述
数理計画ソルバで解く
30分平均の
消費電⼒
リソース供給機器の電⼒
(共起性制約)
制御変数:
機器の状態
計画からずれた場合は,部分
的に再計算
- 21. スマート化の段階
• レベル0︓データ計測
• センサの設置など
• レベル1︓データ集約,⾒える化
• ネットワーク化,IoT化
• 複数箇所,種類のデータを時系列にまとめる
• 可視化(グラフ,マップなど)
• レベル2︓蓄積,分析
• ⼿動解析
• ⾃動解析
• レベル3︓最適化(⾃動化)
• ERPや,⽣産管理システムとの統合
22
安価な端末やインフラが増えてきた
IoT対応センサ
マイコン
クラウド基盤
- 22. スマートファクトリー
23
Society 5.0 = Industry 4.0 に対応したスマートファクトリーとは?
ポイントは,サイバーフィジカル
難しく考えない
物理的対象の動きや相互作⽤をデータ化して解析する
⼯場において重要な対象とは?
1.ひと:⼈の動き
2.もの:部品,製品の動き
3.機械:設備機器,⼯作機械の動き
4.環境
⽣産管理
EMS
稼働率の改善
資源管理
MFCA
マテリアルフローコスト会計
動線解析,改善
割り振りの最適化
スキル向上,⼈事計画
これらの相互作⽤を読み解くことが⼤事
⼈流解析、動線解析、⾃動運搬ロボなど、
ビジョンや機械学習技術のの果たすべき役割は⼤きい
- 28. まとめ
• 需要化主体の分散型エネルギーマネージメント
• まずは、需要家向けEMSの普及
• 特に⼯場や事業所
• 必要なのは電⼒削減だけではない、スマートマネージメント
• 中⼩⼯場では、EMSだけでも効果が釣り合う場合も多い
• 次の段階は総合的なスマート化
• ⼈、もの(部品、製品)、機械の動きのデータ化、解析が重要
• 特に⼈の動きが重要
• ビジョンの果たす役割は⼤きい
• 需要化間電⼒融通
• ポストFITとして、需要化単位で余った電⼒を有効活⽤
• 電⼒カラーリング