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ASEANを巡るマクロ経済の状況
各国の知財制度整備状況
知財統計
各国特許庁間での審査協力体制
特許制度：各論
[ASEAN6] タイ、シンガポール、マレーシア、インドネ
シア、ベトナム、フィリピン
商標制度：比較](data:image/gif;base64,R0lGODlhAQABAIAAAAAAAP///yH5BAEAAAAALAAAAAABAAEAAAIBRAA7)
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- 1. ASEAN IP Seminar 日本国弁理士 加藤慎司 2015.10.15 本資料は、2015年10月15日現在の情報をもとに作成したものです。 東南アジアの知財制度は日進月歩です。 最新情報につきましては、s.kato@k-ipa.com までお問合せ下さい。
- 2. 概要 ASEANを巡るマクロ経済の状況 各国の知財制度整備状況 知財統計 各国特許庁間での審査協力体制 特許制度：各論 [ASEAN6] タイ、シンガポール、マレーシア、インドネ シア、ベトナム、フィリピン 商標制度：比較
- 4. ASEANの魅力 人口（特に若年層）の多さ、伸びしろ 海運 中国・インドに近い 親日的 AEC (ASEAN Economic Community) の発足 →域内経済の更なる統合
- 7. 知財保護の必要性 自社／競合他社の製造拠点のASEANへの移転 消費地としての爆発的な成長 模倣品対策：中国（大陸）からの流入 商標などの冒認登録防止 知財権取得による権利の「見える化」 ※韓国からASEAN地域への出願が増加傾向
- 8. 知財制度整備状況 TH SG MY ID VN PH KH LA BN MM 特許 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes No 実案 Yes No Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes No 意匠 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes No 商標 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes 登記 のみ PCT Yes Yes Yes Yes Yes Yes No Yes Yes No Hague No Yes No No No No No No Yes No Madrid Protocol No Yes No No Yes Yes No No No No
- 10. ※PCT加盟による 一時的な低下
- 13. ASEANにおける審査協力 統一特許 → 実現困難 特許条約による統一審査 → 実現困難 実体要件の統一 → 検討中だがおそらく困難 審査協力スキーム → 実現、非常に有用 ASPEC (ASEAN Patent Examination Cooperation)
- 14. ASPEC ASEAN加盟国のうち少なくとも2カ国に出願 そのうち1カ国で許可状態→他のASEAN加盟 国にASPEC申請（庁費用は無料） 原則6ヶ月以内に申請国の特許庁から何ら かの通知（許可通知又はOA）が発行される 例： SGで許可→TH, MY, ID, VN, PHで申請
- 15. JPOとのPPH 2012年3月：フィリピン（PCT-PPHも適用） 2013年6月：インドネシア（PCT-PPHも適用） 2014年1月：タイ（PCT-PPHは未適用） 2014年10月：マレーシア（PCT-PPHも適用） 2014年11月：シンガポール（Global PPH； PCT- PPHも適用） ※ベトナム：2015年10月7日 JPOとのPPH合意 →ASEAN地域の99％（件数ベース）をPPHでカバー
- 16. JPOとのPPH（統計） Office of Later Examination Starting Time National PCT TOTAL PH 2012.3 0 52 52 ID 2013.6 TBD TBD 206 TH 2014.1 108 - 108 MY 2014.10 11 4 15 SG 2014.11 30 0 30 Office of Earlier Examination = JAPAN ※Patent Prosecution Highway Portal Site をもとに作成；2014年12月現在（IDは2015年1月現在）のデータ
- 18. 国別特許出願件数 2011 2012 2013 JP 1401 2584 2938 US 502 961 1182 EU 529 1024 1170 TH 893 1068 929 Others 581 1109 1188 Total 3906 6746 7407
- 19. 国別小特許出願件数 2011 2012 2013 JP 9 11 19 US 0 1 2 EU 1 0 3 TH 1234 1364 1503 Others 98 111 82 Total 1342 1487 1609
- 20. 国別意匠出願件数 2011 2012 2013 JP 620 444 447 US 128 135 134 EU 232 240 341 TH 2513 2292 2552 Others 296 370 337 Total 3789 3481 3811
- 25. 特許制度の特徴 方式審査（記載要件含む） 方式審査クリア→公開手数料納付通知 ※早期公開の規定なし 公開後90日以内：異議申立 公開後5年以内：実体審査請求
- 26. 特許制度の特徴 出願維持年金：5年目以降から発生 無効手続：裁判所で行う 訂正：クレーム削除のみ可能（→従属項を しっかり準備しておくことが必要）
- 27. 紛争処理機関 裁判所：「知的財産権及び国際取引裁判所」（The Central Intellectual Property and International Trade Court: CIP&IT 裁判所）（1997年設置） 年間7000件程度 行政機関 商務省・知的財産局（DIP）知的財産権侵害取締調整セン ター 税関 調査・取締部（ISB） 仲裁機関 商務省・知的財産局（DIP）知的財産紛争・解決部
- 28. 審査促進方法 ASPEC ※6ヶ月以内に何らかの通知（規則） PPH／JPOのみ ※6ヶ月以内に何らかの通知（内部目標） 修正実体審査（他国審査結果の提出） ※期限について規則も内部目標もなし
- 34. 特許制度の特徴 2014年2月14日 改正特許法施行 「自己評価制度」から “Positive Grant System” へ移行、実体審査も自国で行う 博士号を有する科学者で大部分が構成され る特許調査及び審査ユニットを開設。同ユ ニットは2013年5月から出願の審査を始めて いる。 2014年2月14日以降出願された特許出願及 び移行されたPCT出願に適用
- 35. 特許制度の特徴 審査手続：Fast-track/Slow-trackの廃止 実体審査請求：36ヶ月以内 補充審査請求：54ヶ月以内 登録料納付：許可通知から2ヶ月以内 補充審査請求 ・AU, CA, JP, KR, NZ, UK, US, EPのpositive且つfinalな 結果を利用可能 ・国際出願日が2017年1月1日以降のPCT出願から適 用不可になる見込み。パリルートの場合は未だ不明。
- 36. 特許制度の特徴 審査オプション 出典： IPOS: Guide to applying for patents in Singapore (as at 30 April 2014)
- 37. 特許制度の特徴 出願維持年金 出願日から４年目以降の各年について、更新手数料を納付 しなければならない。年金は特許付与時に納付（規則５１（１）） 異議申立制度：なし 無効審判制度：あり 訂正：登録後の補正、新規事項追加禁止
- 38. 紛争処理機関 裁判所 第1審：知的財産裁判所（高等裁判所内に開設）2002年9月 19日 第2審：控訴裁判所（Court of Appeal） 民事訴訟 ＊特許権侵害に対し刑事罰の適用はない。 ＊英国法の影響 Anton Pillar Order（証拠保全） Interlocutory Injunction（仮差止命令） 仲裁機関 シンガポール国際仲裁センター（SIAC）
- 39. 審査促進方法 ASPEC PPH/Global PPH Member 出典：Patent Prosecution Highway Portal Site
- 43. 特許制度の特徴 保護対象 ・コンピュータプログラム：不可 ・治療方法：不可（ヒト以外の動物も不可） 実体審査請求、修正実体審査請求 ・原則18ヶ月以内 ・最長5年まで延長可 ・修正実体審査：AU, GB, US, EP, JP, KR, PCT
- 44. 特許制度の特徴 拒絶査定不服審判：なし、高等裁判所 異議申立：公式にはなし、書面で異議を伝え ることは可能 無効審判：なし、高等裁判所 訂正（特許後の補正）：可能
- 46. 紛争処理機関 高等裁判所、控訴裁判所：民事訴訟 税関：差し止め（著作権、商標権） 国内取引・協業・消費者保護省の法執行部 門（MDTCC）：レイド、刑事告訴
- 47. 審査促進方法 ASPEC PPH／JPOのみ、PCT-PPH可 早期審査請求（明文規定あり）
- 50. 特許制度の特徴 PCT移行期限：31ヶ月（追加料金→32ヶ月） 外国語書面出願 ・英語は可 ・30日以内にインドネシア語翻訳文を補充 国内完成発明の国内出願義務：なし
- 53. 特許制度の特徴 異議申立：あり（審査請求があれば、その後 の審査で参酌される） ※付与後異議申立はなし 無効審判：なし、商務裁判所へ 訂正制度：なし、特許後の補正不可
- 55. 紛争処理機関 民事 第1審：地方商務裁判所 第2審：高等裁判所 最終審：最高裁判所 刑事 国家警察本部、管轄する州・県・都市警察 水際差止 税関（著作権、商標権） ※ある国の市場で特許権者によって既に販売されているものを 輸入する行為（並行輸入）は特許権侵害罪にならない。
- 58. 出典： NOIP IP Annual Report 2014
- 59. 特許制度の特徴 存続期間 特許：出願日から20年（延長なし） 実用新案：出願日から10年 意匠：出願日から15年 実用新案： ・実体審査あり ・「周知性」（Unless it is common knowledge）
- 60. 特許制度の特徴 PCT移行期限：31ヶ月 外国語書面出願 （副長官の許可を得て）英語・日本語で提出可→3ヶ 月以内にベトナム語翻訳文を補充。PCT国内移行時も 同様。日本語出願の場合、英語翻訳文の提出を求め られることもある。 国内完成発明の国内出願義務：なし
- 62. 特許制度の特徴 出願公開：優先日から19ヶ月目 実体審査請求 特許：優先日から42ヶ月以内 実用新案：優先日から36ヶ月以内 実体審査の期間（119条） 出願公開から18ヶ月以内又は審査請求から18ヶ月以内 の何れか遅いほう（実際には遅れる）
- 63. 特許制度の特徴 異議申立：公開日～特許付与日までいつで も可能 無効審判：あり 訂正制度：あり（クレームの減縮可能）
- 64. 紛争処理機関 行政救済措置：侵害判断は鑑定機関が行う。 １）ベトナム知的財産研究所 ２）知的財産局（NOIP） 商標及び意匠：行政、民事、刑事の3通りの手段、 行政手続がもっとも効果的 特許訴訟：直近5年で1件のみ（ベトナム企業間）
- 65. 審査促進方法 ASPEC PPH（JPOとの間で開始予定） 審査結果の提出： EU/US/JP/CA/RU/UK/SE/AT/KR/DE/CN ※早期審査請求は受付停止中
- 68. 特許制度の特徴 PCT移行期限：30ヶ月（追加料金→31ヶ月） 外国語書面出願：日本語不可 国内完成発明の国内出願義務：なし
- 71. 特許制度の特徴 異議申立：なし 無効審判：あり（取消請求；61条） 訂正制度：あり（形式的かつ事務的性質の誤 り；58条）
- 72. 紛争処理機関 裁判所 第1審：地域裁判所（Regional Trial Court: RTC）又は特別商業裁判所 第2審：控訴裁判所（Court of Appeals: CA） 最終審：最高裁判所（Supreme Court） 民事訴訟 証言録取（デポジション）、当事者尋問 ディスカバリー制度はない 裁判所は特許の有効性判断をすることができる。 刑事訴訟 民事訴訟と同時に提起可能 国家警察（PNP）、国家捜査局（NBI）…侵害捜査
- 74. 審査促進方法 ASPEC PPH：JPO, USPTO, KIPOの審査結果利用可 他国審査結果の提出
- 75. 商標制度の各国比較 タイ シンガポール マレーシア インドネシア ベトナム マドプロ 未加盟 加盟 未加盟 未加盟 加盟 多区分 出願 不可（庁費用 は商品数に基 いて計算） 可 不可 可（1区分内 に11個以上 の指定商品 →追加料金） 可（1区分内に6 個以上の指定商 品→追加料金） 異議 申立 付与前 （90日） 付与前 （2ヶ月；延長 可） 付与前 （2ヶ月；延 長可） 付与前 （3ヶ月） 付与前 （公開から登録ま で） 不使用 取消 3年（使用意思 でも可） 5年 3年 3年 5年 特記 事項 ・委任状： 公証必要 ・指定商品：細 かい規定必要 ・連続商標 ・委任状不要 ・Statutory Declaration: 公証必要 （商標ごと） ・ライセンス 登録：法上は 義務だが手 続が未整備 ・方式審査後出 願公開 ・日本語のみか らなる商標は原 則識別力なし ※日本弁理士会 e-ラーニング資料をもとに改変
- 76. 商標制度の各国比較 フィリピン ブルネイ カンボジア ラオス ミャンマー マドプロ 加盟（2012） 未加盟 未加盟 未加盟 未加盟 多区分 出願 可 可 不可 不可 N/A 異議 申立 付与前 （30日；延長可） 付与前 （90日） 付与前 （90日） なし N/A 不使用 取消 3年 5年 5年 5年 N/A 特記事項 ・使用宣誓、使 用宣言 ・図形商標の説 明必要 ・ブルネイ の代理人要 ・英語出願可 ・タイやベトナム の代理人可 ・英語出願可 ・タイやベトナ ムの代理人可 ・委任状 公証・領事 認証必要 ※日本弁理士会 e-ラーニング資料をもとに改変
- 77. 付録：ミャンマー連邦共和国 【現行商標制度】 登記法に基づく「登録」（農務省登記局） Declaration of Ownership of Trademark 提出 Cautionary Notice（新聞広告）事実上必須 【商標法施行後】 2016年? AEC, TRIPS 先願主義による「出願」を受理 旧法による「登録」は、新法施行から3年間の うちに「出願」に移行できる