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Psychophysical functions
難波修史
Psychophysicsとは?
• 外的な刺激と内的な感覚の対応関係を測定し、定量的
な計測を志す学問。
• 課題例:よく似た2つの刺激(standard刺激 vs test刺激)間の違い
を見抜く
Beep !
Beep !!
Standard stimulus
Test stimulus
どっちが
大きい音か
な?
Psychophysical Function
• 右図(→)は課題の困難さ
(刺激強度)と反応の関連
• ピンクの線=主観的等価点
• 青の線=弁別閾
2刺激の強度が精神物
理学的に平等な点:50%
2刺激間の違いに気づ
ける強度の閾値:84%
PSE
JND
S字形
今回のデータ(Ivry, 1996)
• 参加者:8人
• 課題:異なる持続時間のBeep音の弁別(標準=300ms)
• 試行数:80試行を3ブロック
全8人の参加者のデータ
PsychoPhysical functionの分布
• 通常この機能は Gumbel or Weibull分布(?)によってモデル化
するらしい。。。(Kuss, Jakel, & Wichmann, 2005)
• 今回はαiとβiの2パラメータを使うロジスティック関数を使用
θij = 1 / 1+exp{-[α+β (xij-meanxi)]}
平均
中心化
the i =参加者 the j =刺激のペア
x =test刺激の時間
Psychophysical functionsのモデル
θij
αi βi
μασα μβ σβ
xij
rij
nij
rij ~ Binomial(θij, nij)
logit(θij) <- αi+βi (xij-meanxi)
αi ~ Gaussian(μα, σα)
βi ~ Gaussian(μβ, σβ)
μα ~ Gaussian(0,0.001)
μβ ~ Gaussian(0,0.001)
σα ~ Uniform(0,1000)
σβ ~ Uniform(0,1000)
※ r = test刺激が長い
と判断した回数
n = 試行
j intervals
i subjects
Dataの説明
• data_n = 試行回数
• data_r = 長いという判断回数
• data_rprob = r/n (さっきの全8人の参加者データのy軸)
• data_x = test刺激の音の長さ (8人データのx軸)
stan code (model)
さっきのモデル図を
表している
※Stan使用上の注意?
書いてあるとおりです
が、StanではNAを受け
付けないらしく、まず-99
にtransformingして・・・
stan(色々)のコードで回
した後に、NAに戻して
差し上げましょう
まわした結果
PSEmap(点推定)
[sub1] 329.18 [sub2] 328.11
[sub3] 262.74 [sub4] 307.75
[sub5] 297.31 [sub6] 302.36
[sub7] 287.02 [sub8] 250.26
JNDmap(点推定)
[sub1] 42.03 [sub2] 37.78
[sub3] 37.57 [sub4] 35.82
[sub5] 31.77 [sub6] 36.46
[sub7] 66.67 [sub8] 30.39
Exercise 12.1.2
• さっきの図(まわした結果)は点推定から得た単一の
S字直線だよね?
• もっとPsychometric functionの不確実性を見せてく
れないけ?
Exercise 12.1.2のコード
不確実性の表現
(※F3の計算は多分20回ほどαとβを取り出してS字直線を求め
てるものだと思います。30回以上だとout of boundsと表示され
てまわりません。
S字直線
軸の設定
この行はRaw data(?)の設定
作図のための下準備:各参加者のスペースの用意など
縦横ラベル設定
まわした結果
やったぜ
Exercise12.1.4
• JNDの事後分布を出して解釈してくれ
• 結論の確からしさが見えてくる
Exercise 12.1.4のコード
さっきとほぼ同じなので割愛:既にR上で算出したJNDを
densityで表示するだけだと思います。多分。
まわした結果
Subject 7が
いまいち!!
すまん!!!
Exercise 12.1.5
• データ1つ1つを見てください。
• すべての点がS字線に近い?
外れ値が与える影響を
考えてみよう。
例えば
こいつ
Psychological functions
under contamination
• 実験データ ≠ 完全に仮定した心理学モデルを反映
例:注意過誤(contaminant data)
Mixture model
使ってモデルから
contaminantを
除外しよう!
The latent assignment approach
for contaminants
• 心理実験でのデータは研究対象として仮定した心理的過程と異なる
“contaminants”が偏在する。
• そういった“contaminants”が解釈を歪める可能性
• A general latent assignment approach for contaminantsで興味
深い心理的プロセスをより具体的に明らかに出来る!
• 2値であるzijで反応の性質を決定 (z = 0,αとβによる心理モデル
z = 1,一様分布のπijによる別のモデル
new !!!
including contaminant processモデル
θij
αi βi
μασα
μβ
σβ
xij
rij
nij
rij ~ Binomial(θij, nij)
θij ← if zij=0,
1/1+exp{-αi+βi (xij-meanxi)}
if zij=1, πij
Φ-1(φi) ~ Gaussian(μφ, σφ)
zij ~ Bernoulli(φi)
πij ~ Uniform(0,1)
αi ~ Gaussian(μα, σα)
βi ~ Gaussian(μβ, σβ)
μα,β,Φ ~ Gaussian(0,0.001)
σα,β ~ Uniform(0,1000)
σΦ ~ Uniform(0,3)
j intervals
i subjects
φi
μφ
σφ
πij
zij
Model code
※プロビット変換など
で行き詰まってしまい、
理解できませんでした。
ごめんなさい。
まわした結果
contaminant
process(■
Figure12.7 (gray = psychophysical
without contaminant
JND推定精度up
Modeling contamination イイネ!
• コワイ本の中では外れ値を除外して推定しただけ?
• このapproachのいいところは
それだけではない!!
• 研究対象として仮定した心理的過程
と異なる“contaminants”が偏在する。
外れ値とはいっていない!
Bandit問題(Zeinfuse and Lee,2010)
• 一連の選択肢から選択 → 各試行毎に報酬or失敗のFB
例:どうすれば3つのパチンコで最も報酬を獲得できる?(所持金3万)
目的:限られた試行回数の中で、一連の選択肢の中から選
択し、得られる報酬を最大化すること
×3万円
×1万円 ×1万円 ×1万円 ×2万円×5千円 ×5千円
一台必中型 全台均等型 良い台選択型
Zeinfuse and Lee(2010)でのデータ
• Steyvers et al(2009)の451人のデータから47人分
• 課題:20個のBandit問題(15試行4選択肢
※お詫び・・・具体的なデータがないのとCodeを再現する
理解力がなかったため、Stanによる実例はありません。
申し訳ありません。
考えられるヒューリスティック
• Win Stay Lose Shift(WSLS:勝てばそのまま、負ければ変更)
• Random strategy(動機付け0の参加者:適当に選択;1/4)
• Same strategy(動機付け0の参加者:ひとつの選択肢に固執)
見たいもの!:MWSLS
Contaminant:MRAND, MSAME
各ヒューリスティックの確率
Pr(dk,g,t = i|MWSLS) =
Pr(dk,g,t = i|MRAND) = ¼
Pr(dk,g,t = i|MSAME) =
γ if dk,g,t = i(stay) and rk,g,t = 1
1-γ if dk,g,t = i and rk,g,t = 0
1/3(1-γ) if dk,g,t ≠ i and rk,g,t = 1
1/3γ if dk,g,t ≠ i and rk,g,t = 0
0.95 if i = i*
0.05 otherwise
γ = 報酬後,同じ選択
を選ぶ確率(WSLS用
のパラメータ)
bandit problem decision-makingモデル
Θk,g,t
γ
φ
η
rk,g,t-1
dk,g,t
※ dk,g,t = 問題gの試
行tにおける参加者k
の選択
rk,g,t-1 = 先行試行の
報酬の有無
t trials
g games
zk
k subjects
Θk,g,t =
If zk = 1, Pr(dk,g,t = i|MWSLS)
If zk = 2, Pr(dk,g,t = i|MRAND)
If zk = 3, Pr(dk,g,t = i|MSAME)
zk ~ Categorical(φ,(1-φ)η,(1-φ)(1-η))
φ=WSLSモデルを
使用したbase rate
η=WSLSモデルを
使用しなかった
base rate
結果
両方のContaminan
を含んだモデルは
WSLSを他よりも反映
3種類の
パターン
ありそう。
X軸:報酬が無かったときに別の
選択肢を選んだ割合
Y軸:報酬が得られたときに同じ
選択を選んだ割合

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