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回帰モデルとして見る信号検出理論

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日本認知心理学会第17回大会「シグナルかノイズか,それが問題だ―信号検出理論の深化とモデリング―」発表資料

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回帰モデルとして見る信号検出理論

  1. 1. 回帰モデルとして見る信号検出理論 ―情動体験シグナルを見抜けるか― 広島大学教育学研究科心理学講座 難波 修史 2019年5月26日 日本認知心理学会第17回大会 シグナルかノイズか,それが問題だ―信号検出理論の深化とモデリング―
  2. 2. この発表の目的 • 回帰モデルの形でも信号検出理論における各パ ラメータが導出できることを紹介する。 • 既存のパッケージでいつでもご利用いただける ことを示す。 • 本発表のメインである回帰モデルverの信号検 出理論を適用した応用例を紹介する。
  3. 3. 信号検出理論 • 二値判断課題 (e.g., 再認課題) に用いられる。 Yes No SN分布 Hit Miss N分布 FA CR 心理量
  4. 4. 信号検出理論 • 信号検出力 (d’) や判断基準 (k)、反応 バイアス (c) などを推定できる。 Yes No SN分布 Hit Miss N分布 FA CR 心理量 d’ k
  5. 5. 本発表で紹介する例 彼女は“幸福”を示していますか?
  6. 6. 本発表で紹介する例 彼女は“幸福”を感じていますか?
  7. 7. 本発表で紹介する例 意図表情 表出要因:意図的操作 表出〇+体験× 体験表情 表出要因:情動体験 表出〇+体験〇 RQ: 観察者は情動を示す二種類の表情から 情動体験の有無を正確に見抜けるか
  8. 8. 手続き ※情動の種類:幸福・ 嫌悪・悲しみ・驚き
  9. 9. 回帰モデルとして見る 信号検出理論の話
  10. 10. 必要道具①:回帰モデル (一般線形モデル) • Y = β0+β1*X • 従属変数Yと独立 変数Xの間の関係 を記述する式 • β0 = 切片:X=0 • β1 = 傾き:Xの影響 Y = 3 + 0.5*X β0 = 切片 β1 = 傾き
  11. 11. 必要道具②:プロビット変換 • プロビット変換 = 0-1の確率pを実数値zに 変換 (Rouder & Lu, 2005) Yes No =p(Yes) Φ(z) Φ-1(p) 二値変数 標準正規分布 μ = 0, sd = 1
  12. 12. 必要道具③:一般化線形モデル • 一般線形モデル =従属変数Yが正規分布に従う • 一般化線形モデル =従属変数Yが別の分布に従う • やり方(ざっくり) ~ Normal(β0 + β1*X, sd) Φ( )
  13. 13. 回帰モデル的に記述 • Y = φ(β0+β1*X) • Y = 体験ある・なしの判断 (確率p) • X = 提示された表情(意図 = 0 or 体験 = 1) 回帰モデル (一般化線形モデル) 信号検出理論
  14. 14. 体験なしの場合 (X = 0) • Y0 = φ(β0+β1*0) = φ(β0) • Y0 = 意図表情に対する体験あり反応 = FA (DeCarlo, 1998:k= zCR = -zFA) → φ-1(FA) = β0 = -k 回帰モデル (一般化線形モデル) 信号検出理論 意図表情 =N分布 体験あり:FA 体験なし:CR 判断基準:k ある参加者 (a) の場合
  15. 15. 体験ありの場合 (X = 1) • β0 = zFA • Y1 = 体験表情に対する体験あり反応 = HR = φ(β0 +β1*1) • zHR = zFA + β1 • β1 = zHR – zFA • ところでd’ = φ-1(HR) – φ-1(FA) (Stanislaw & Todorov, 1999) 回帰モデル (一般化線形モデル) ゆえにβ0 = -k, β1 = d’ 信号検出理論:回帰モデルでも計算可能
  16. 16. 古典的なSDT vs 回帰モデルSDT 1 crit 2 dprime 古典的SDT 回帰モデルSDT (概ね) 一致!
  17. 17. なにがうれしいの? 1. 個人ごとのd’計算→算出されたパラメータ 平均でANOVA:この違和感を解決可能 2. 階層性を持たせる拡張が楽:単純に切片・ 傾き変量モデルにすればよい 3. 予測子の導入も同様に簡単。
  18. 18. 階層モデル • 切片 (判断基準: k) や傾き (信号検出力: d’) が 参加者ごとに異なるという仮定 → ありそう • FAが小さいほど、信号検出力も大きく (Familiarity effect:+) or FAが小さいほど信号 検出力が大きくなる (mirror effect:-) と いったように切片と傾きの間に相関を仮定 → ありそう
  19. 19. 予測子の導入 • 知りたいこと=条件ごとの違い (本発表ではbetween) → 回帰モデルなら単純に独立変数 (条件) を増やすことで検討可能: Y = φ(β0+β1*X1+ + ) 表情の呈示方法 (i.e., 静止画 or 動画) によって 反応バイアスや信号検出力は異なるのか
  20. 20. やりたいことのまとめ 1. 個人差を含めたパラメータ推定 (階層モデル) 2. 信号検出力と反応バイアスの相関係数推定 3. 独立変数(表情刺激の呈示条件)の導入 Yi ~ Bernoulli(pi) φ(pi) = β0i+β1i*X1i+β2i*X2i+β3i*X1i*X2i [β0i, β1i]t ~ Bivariate Normal([μ0, μ1]t, Σ) i = 参加者ID
  21. 21. そうはいってもきっと難しいんやろ?
  22. 22. Rのパッケージ:brms • このパッケージを使えばなんとこれだけ!! X2 = 独立変化の追加 (1 + X1 | subject) = 切片・傾きの階層性+相関の仮定 ※(1 + X1 || subject) = 相関なし 静岡理工科大学の紀の定先生の資料がとても有用です https://das-kino.hatenablog.com/entry/2018/12/15/230938
  23. 23. 体験シグナル研究の結果 ① ② ③ ④ ①判断基準と信号検出力の分散はそこそこ ②信号検出力と反応バイアスの相関はほぼなし ③静的呈示:体験なしの判断基準傾向+信号検出力小 ④動的呈示:体験ありの判断基準+信号検出力大 ※④の係数は③の係数との和で解釈
  24. 24. 体験シグナル研究のまとめ 観察者は情動を示す二種類の表情から情動体験の 有無を動的呈示の場合により正確に見抜ける (Namba et al., 2018. Front Psychol)
  25. 25. 番外編:多段階の評定値 • 不均一の分散を持つ信号検出理論についても、 同様に回帰モデル型の表現で実装可能 https://vuorre.netlify.com/post/2017/10/16/bayesian-estimation-of-signal-detection-theory-models-part-3/ 多段階反応なので、 反応ごとの判断基準 +SN・N分布の分散 の違いアリ
  26. 26. まとめ 回帰モデル(一般化線形モデル) で信号検出理論のパラメータも 推定できちゃう!!
  27. 27. シグナルかノイズか、それが問題だ
  28. 28. 主な参考文献 • Matti 先生のHP:https://vuorre.netlify.com/tags/brms/ • DeCarlo and Lawrence (1998). Signal Detection Theory and Generalized Linear Models. Psychological Methods, 186–205. • Rouder et al. (2007). Signal Detection Models with Random Participant and Item Effects. Psychometrika, 621–642. • Wright and London (2009). Multilevel modelling: beyond the basic applications. Br. J. Math. Stat. Psychol, 439–456.

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