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なぜ、いま情報デザインなのか?
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Takahito Kamihira
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Adobe MAX Japan 2017 教育セッションにおける上平のスライドです。
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なぜ、いま情報デザインなのか?
1.
上 平 崇
仁 |Takahito KAMIHIRA 2017 11.28 なぜ, いま情報デザインなのか? Adobe MAX Japan 2017 教育セッション
2.
教育者 / 研究者
/ 実践者 文化のぶつかる潮目を漂いながら, 生きています | Takahito KAMIHIRA 1972年鹿児島県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了。 グラフィックデザイナー、 東京工芸大学芸術学部助手を経て、2004年より 専修大学ネットワーク情報学部勤務。現在はデザイン系プログラムを統括し,教 授/学部長補佐を務める。2015-16年にはコペンハーゲンIT大学インタラクショ ンデザインリサーチグループ客員研究員として、北欧のCoDesignを研究。 ・人間中心設計推進機構 評議委員,同認定専門家 ・株式会社ACTANT デザインパートナー ・産業技術大学院大学 人間中心デザイン履修プログラム「デザイン態度論」講師 ・2012経産省インフォグラフィックス事業「ツタグラ」アドバイザリーボードetc
3.
1995年に情報デザインの授業を受け、 2000年から情報デザインの教育に関わってきた 20年ほどの経験を元にお話しします。
4.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか?
5.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか? 1 2 情報デザインという言葉をめぐって われわれは、なにを準備できるか?
6.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか? 1 2 情報デザインという言葉をめぐって われわれは、なにを準備できるか?
7.
201720071997 パーソナル コンピュータ Windows 95 Macintosh スマートフォン iPhone(2007) ハードウェア/ ソフトウェア技術 携帯電話 個人ホームページ SNS IoT (Web
2.0) (IT革命) モバイル コンピュータ 東日本大震災 リーマンショック 大学に情報系学部 開設ラッシュ(2000) 教科「情報」開始(2003) 各種アプリ 情報デザインの勃興(2001-2007頃) デザイン思考ブーム(2009-2015頃) コミュニケーションメディア Flash 衰退 Web 衰退 VR, VUI ロボット/ AI (イマココ)
8.
1、人々が情報を発信する手段を持ったことへの大きな期待 (IT革命による、情報発信の民主化) 情報デザインという言葉 ◎デザインの対象が、「モノ」から「コト」に変化 当時、情報はコトの総称だった ◎情報デザインに関する国際会議「Vision Plus 7」(1999)が契機
9.
情報デザイン―分かりやすさの設計 情報デザインアソシエイツ、グラフィック社 2002 Vision Plus 7において行われた議論が 源流となり、後日まとめられた書籍
10.
1、人々が情報を発信する手段を持ったことへの大きな期待 (IT革命による、情報発信の民主化) ◎デザインの対象が、「モノ」から「コト」に変化 当時、情報はコトの総称だった ◎情報デザインに関する国際会議「Vision Plus 7」(1999)が契機 2、その後、新しい領域にはならなかった。 ◎デザインが向かったのは、「情報」の先にある「経験(Experience)」 ◎IT業界では「UIデザイン」「UXデザイン」「サービスデザイン」などが定着 ◎スマフォやSNSの普及に伴い、閲覧コンテクストが激変。 情報デザインという言葉
11.
12.
消費情報量は、情報の摂取限界と解釈できる。
13.
理解のスペクトル by Nathan
Shedoroff 「それは情報ではない」MdN 2001より
14.
理解のスペクトル by Nathan
Shedoroff 「それは情報ではない」MdN 2001より
15.
理解のスペクトル by Nathan
Shedoroff 「それは情報ではない」MdN 2001より
16.
理解のスペクトル by Nathan
Shedoroff 「それは情報ではない」MdN 2001より
17.
3、「情報」が増えすぎて、摂取限界を越える(2005年~) ◎SNS以降、スピードや扇情性が優先される方向に。 ◎「発信する側」と「受け取る側」の文脈の大きな溝。 人は「見たいモノを見る」(フィルターバブル問題) 4、「情報」と「デザイン」の問い直し(2011年~) ◎情報化することは目的そのものではなく、必ずしも人を「幸せ」にしない。 悩みの総体は変わらない。 ◎社会に対する問題発見・解決として、より本質に近い「Design」が 求められるようになった。 情報デザインという言葉
18.
Design カッコイイもの 美しいもの デザイン。 「Design」の本当の意味 ?
19.
Design?“moving from existing
situations to preferred situations” (Simon 1969) “Designは、「現在の状況から好ましい状況に移行する」ものだ” Designとはなにか? ありものをただ消費するのではなく、生きるために 自分たちの生活を変えていく活動.(主体的活動) なんらかの困りごとを捉え直し, よりよい解を生み出す活動.(問題発見・問題解決) 1 誰もが見過ごしてきたものに意味を見いだし, 豊かなストーリーを生み出す活動.(価値創造) 2 3 これらの活動を、「情報」の領域から 取り組んでいくのが「情報デザイン」
20.
デザインの主戦場は、経営の中枢部へ “CEOがデザインを重要視すると、急速な向上を起こせる” (John Maeda, Design
in tech report 2015)
21.
https://www.wantedly.com/projects/69978
22.
23.
人々の行動が変われば、必要な仕事も変わっていく。 今の時代、「情報」は誰もが日々扱う入り口だからこそ、 すべての人が情報デザイン能力を身につけることは不可欠。
24.
いいデザインは、人の気持ちや行動を変える。 さらに・・・
25.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか? 1 2 情報デザインという言葉をめぐって われわれは、なにを準備できるか?
26.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか? 1 2 情報デザインという言葉をめぐって われわれは、なにを準備できるか?
27.
ある情報科教諭の一週間 我々は、 激務の日々の中で、 いかに学び、 変化していけるか?
28.
教育の場における「情報デザイン」再考 グラフィカシー デザインのやりかた デザイン的な態度 資質・能力の「三つの柱」 知識・技能 何を知っているか、何が出来るか 思考力・判断力・表現力等 知っていること、できることを どう使うか? 学びに向かう力、人間性等 どのように社会・世界と関わり、 よりよい人生をおくるか 三つの階層にわけられる 具体的 抽象的
29.
空間的な事象を概念化し、地図、チャート、プラン、 写真、画像、図解、グラフ等、視覚的な要素を用いて表現する能力 言語と同様に基本的な文法は多くの人々で共有しているので、 訓練・習得は可能。(英国は中学の「地理」学習の中で既に必修) グラフィカシー Design :木村博之(Tube Graphics)
30.
いわゆる「デザイン思考」などの問題発見・創造的解決プロセス 時間的な制約は大きいが、なんとか学べる z半径3m 自分の身のまわり 知っていること 半径 100m以内 手軽に調査に行ける距離 知ってるようで知らないこと 半径 100m以上 フィールドワーク 意識的に調べることで 知れること デザインをどうやるか? Level1
Level 2 Level 3 ◎「忘れ物」をしない ためのデザイン ◎普段食べているものを デザインの眼で分解する ◎ランチに関わる問題 ◎部活やクラブ活動 コミュニティのための デザイン ◎地域社会の問題 ◎新しいサービスなど
31.
「マインドセット」など、人の行動や価値判断を決定づける能力 学ぶのはけっこう難しいが、指導者にはこれが必須 デザイン的な態度 “不確実性・曖昧性を受け入れる” “遊び心をもってものごとに息を吹き込む” “制約を力に変える” など、スキル以外にも目に見えにくい専門性がある 「デザイン態度(Design Attitude)の概念の検討とその理論的考察」安藤・八重樫(2017)
32.
「グッドムービー」問題と、「ナイスパーティ」問題 なにが「よい」かの解は、あらかじめ準備されていない。 不確実な意思決定に向き合わなければならない。
33.
例えばどんなことを学ぶのか
34.
「学校や部活動を紹介するWebページを作ることを 通して、見やすく、使いやすく、内容が的確に伝わる Webページとはどのようなものかを考えてみよう。」 その際、情報を整理しルールに従ってデザインするこ との有用性を実感するようにする。 学習活動(課題設定)の例
35.
リーフレットデザイン課題例(画面内の情報の優先順位を考える)
36.
グラフィックデザインにおける優先順位や 見せ方のセオリーは、紙のサイズという制約のもとで、 「固めて止める」コンテクストで発達してきたもの。 ウェブデザインはもっと動的なコンテクストであることに注意。
37.
とある部活の ウェブサイト Web制作技術 HTML5, CSS, JS… どんな風に記述するのか? どんな環境の上で見れる ようにするのか? プラットフォーム ネットワーク,OS,ブラウザ,
デバイス 作り手側 受け手側 だれが更新 するのか? どんなコンテンツを 届けたいのか? 記事は誰が 書くのか? 手軽なSNSじゃ だめなのか? 届けることによって どうしたいのか? 誰に届けたい のか? どんな文脈で 見にいくのか? いかに関わりあいを つくるのか? 分かりやすいとは どういうことか? 誰にとって 見やすいのか? どんなふうに 見て回るのか? 何を知りたいのか?
38.
1:デザインの本当の意味を理解しておきましょう。 その上で学校の中を捉え直して、デザインで できることを考えてみましょう。 どんなことを準備できるのか?:まとめ 2:止まった状態ではなく、動いている文脈の中で 考えるトレーニングをしてみましょう。
それはきっと、変化する世界の中で我々自身が 生き延びるスキルにつながるはずです。
39.
なぜ、いま「情報デザイン」なのか? 1 2 情報デザインという言葉をめぐって われわれは、なにを準備できるか?
40.
P r e
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