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© NISHI, Yasuharu
p.3
QAプロモーター
QAコンサルタント
QAコーチ
インプロセスQA
フェーズゲートQA
・ QAサービス
組織全体にQAを推進していく役割
(自分で手を出してはいけない)
開発組織に常駐せずに
QAの技術移転や技術向上を担う
開発組織に時々常駐してQAの
技術移転や品質文化の浸透をする
開発とは別組織でQAの
実業務や出荷判定を担う
開発組織に常駐しながら
QAの実業務と品質文化を担う
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© NISHI, Yasuharu
p.4
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– テスト自動化
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© NISHI, Yasuharu
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あれれ?テストって
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– イメージしやすいし、分かりやすい
• SET
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• (E2Eも含めた)テスト自動化、 CI/CDやCT(継続的テスト)のパイプライン構築、SREやMlops、自動化戦略立案など
– これもイメージしやすいし、分かりやすい
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– 本来はいらないルールを押しつけてくる人ではない
– イメージしにくいし、分かりにくい
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© NISHI, Yasuharu
p.6
TEとPEとQAのスペシャリティは全然異なる!
QAファンネルを3D化してスペシャリティを表せるようにする
• このプレゼンテーションでは、QAファンネル(2D版)を拡張した
QMファンネル(3D版)を紹介する
– スペシャリティが3つに増えたので、混同しないように3つを合わせたものをQMと呼ぶことにする
• QM = TE + PE + QA
• QMはQuality Managementのこと
© NISHI, Yasuharu
p.7
QMファンネル(3D版)
PE
→
QAファンネル(2D版)
QMファンネル(3D版)の概要
• それぞれの側面はスペシャリティ(得意技)を表す
– QM(品質マネジメント)には3つのスペシャリティがある
• TE – テストやレビュー、メトリクスの測定など製品やサービスの評価技術のエキスパート
– 検証技術と価値重視文化を担う
• PE – 様々な自動化を行うエキスパート(SETやSRE)
– 自動化・デジタル化技術とエンジニアリング文化を担う
• QA – 組織能力を高めるエキスパート
– 組織能力向上の技術と文化を担う
• スペシャリティをきちんと区別しないと、適切にスキルを高められない
– スペシャリティのバランスが悪いと、まっすぐ力強く品質向上していかない
– その一方で、それぞれのスペシャリティをサイロ化させずに融合していかなくてはならない
• それぞれのスペシャリティが別の人に割り当てられている状況でも、
他のスペシャリティのことを理解していなければ良い仕事はできない
• 深さはロール(実業務への近さ)を表す
– それぞれのスペシャリティには、5つのロールがある
• スプリット、インプロセス、コーチ、コンサルタント、プロモーター
– スプリットは2D版の「フェーズゲートQA・QAサービス」のことである
– ロールをきちんと区別しないと、適切にスキルを高められない
– ロールのバランスが悪いと、頑張っても品質が向上していかない
© NISHI, Yasuharu
p.8
TE側面のQMファンネル(3D版)
© NISHI, Yasuharu
p.9
TEプロモーター
TEコンサルタント
TEコーチ
インプロセスTE
スプリットTE
開発組織に常駐せずに
検証の技術移転や技術向上を担う
開発組織に時々常駐して検証の技術
移転や価値重視文化の浸透をする
開発とは別組織で検証の
実業務や出荷判定を担う
開発組織に常駐しながら検証
の実業務と価値提供を担う
価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体
に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない)
QMファンネル(3D版)の側面ごとのロール
p.10 © NISHI, Yasuharu
• TEのロール
• スプリットTE
• 開発とは別組織で
検証の実業務や
出荷判定を担う
• インプロセスTE
• 開発組織に常駐しながら
検証の実業務と
価値提供を担う
• TEコーチ
• 開発組織に時々常駐して
検証の技術移転や
価値重視文化の浸透をする
• TEコンサルタント/サービス
• 開発組織に常駐せずに
検証の技術移転や
技術向上を担ったり、
組織横串での専門組織として
各開発組織と連携しながら
技術を向上し横展開する
• TEプロモーター
• 価値重視や検証技術の
方向性やビジョンを示し、
組織全体に検証を推進していく役割
(自分で手を出してはいけない)
• PEのロール
• スプリットPE
• 開発とは別組織で
自動化・デジタル化して
スピーディで効率的な業務を行う
• インプロセスPE
• 開発組織に常駐しながら
自動化・デジタル化の実業務と
エンジニアリング文化を担う
• PEコーチ
• 開発組織に時々常駐して
自動化・デジタル化の技術移転や
エンジニアリング文化の浸透をする
• PEコンサルタント/サービス
• 開発組織に常駐せずに
自動化・デジタル化の技術移転や
技術向上を担ったり、
組織横串での専門組織として
各開発組織と連携しながら
技術を向上し横展開する
• PEプロモーター
• エンジニアリング重視や
自動化・デジタル化技術の
方向性やビジョンを示し、
組織全体に自動化・デジタル化を推進していく
役割(自分で手を出してはいけない)
• QAのロール
• スプリットQA
• 開発とは別組織で
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定義や監査を担う
• インプロセスQA
• 開発組織に常駐しながら
QAの実業務と
組織能力向上を担う
• QAコーチ
• 開発組織に時々常駐して
QAの技術移転や
組織能力向上文化の浸透をする
• QAコンサルタント/サービス
• 開発組織に常駐せずに
QAの技術移転や
技術向上を担ったり、
組織横串での専門組織として
各開発組織と連携しながら
技術を向上し横展開する
• QAプロモーター
• 組織能力重視やQAの
方向性やビジョンを示し、
組織全体にQAを推進していく役割
(自分で手を出してはいけない)
ダメなロールバランスのTE組織の例 (1) 庇を貸して母屋を取られる
© NISHI, Yasuharu
p.11
TEプロモーター
TEコンサルタント
TEコーチ
インプロセスTE
スプリットTE
開発組織に常駐せずに
検証の技術移転や技術向上を担う
開発組織に時々常駐して検証の技術
移転や価値重視文化の浸透をする
開発とは別組織で検証の
実業務や出荷判定を担う
開発組織に常駐しながら検証
の実業務と価値提供を担う
価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体
に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない)
手が足りないからと
外部のテスト会社に
丸投げし続けた結果
首根っこを
握られてしまった
TE
ダメなロールバランスのTE組織の例 (2) 斧を研がない木こり
© NISHI, Yasuharu
p.12
TEプロモーター
TEコンサルタント
TEコーチ
インプロセスTE
スプリットTE
開発組織に常駐せずに
検証の技術移転や技術向上を担う
開発組織に時々常駐して検証の技術
移転や価値重視文化の浸透をする
開発とは別組織で検証の
実業務や出荷判定を担う
開発組織に常駐しながら検証
の実業務と価値提供を担う
価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体
に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない)
インプロセスTEに忙殺されて
ずっと手が打てないTE
ダメなロールバランスのTE組織の例 (3) 軽作業派遣マインド組織
© NISHI, Yasuharu
p.13
人数が少ないことを言い訳にして
プロセスと基準さえ決めて遵守させれば
品質は確保できると考え、
現場に押しつける全社品証部門
TEプロモーター
TEコンサルタント
TEコーチ
インプロセスTE
スプリットTE
開発組織に常駐せずに
検証の技術移転や技術向上を担う
開発組織に時々常駐して検証の技術
移転や価値重視文化の浸透をする
開発とは別組織で検証の
実業務や出荷判定を担う
開発組織に常駐しながら検証
の実業務と価値提供を担う
価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体
に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない)
そもそも技術的な要諦が分からない上に、
独立TEは何も分かっていないと反発したり
やらされ感まみれになって
実効的な施策が一切機能しない開発内TE
お客様にサービスするという
聞こえのよい逃げの思想で
言われたことしかやろうとしない独立TE
スペシャリティのバランスはとても大事
• TE・PE・QAはクルマの両前輪と後輪のようなもの
– FR(後輪駆動)で前輪が操舵輪で後輪が駆動輪であることをイメージして欲しい
• TE・PE・QAのバランスが悪いと、うまく進まない
– 両前輪のバランスが悪いと蛇行してしまって、真っ直ぐ進まない
– 後輪が弱いと、前に進まない
• 両前輪・後輪のバランスを取るには
3つのスペシャリティを全て分かっている
プロモーターロールが必要
– 3つまとめると「QMプロモーター」になる
© NISHI, Yasuharu
p.14
TE:
価値重視
文化
PE:
エンジニアリング
文化
QA:
組織能力向上
文化
スペシャリティの融合の例
• プロモーターロールは特にスペシャリティの融合が大事になる
– プロモーターロールは、価値観を提示し、方向性やビジョンを示し、組織全体に推進していく役割
• 自分で手を出してはいけない
• TEの価値観は価値重視、PEの価値観はエンジニアリング重視、 QAの価値観は組織能力重視
• 例) E2Eパイプライン構築:3つのスペシャリティが融合していないと「デジタルチョコ停」が起こる
– PEを考慮したTE
• パイプラインを止めないように短くシンプルなテストケースを設計する
– PEを考慮したQA
• 「自動化ビリティ」(制御性・観測性や冪等性など)を高めるような開発をしたがる組織にする
– TEを考慮したPE
• テストタイプやテストの変更頻度、実行頻度、実行速度などでパイプラインを分けた方がよいかどうかを検討する
– TEを考慮したQA
• デリバーする価値を保証できるようなテストを選んで自動化するように組織に能力を高める
– 「自動化ハイ」や「カバレッジハイ」に自分たちで気付ける組織に向けていく
– QAを考慮したPE
• 自動化・デジタル化に及び腰なチームには手取り足取りハンズオンするところから始める
– QAを考慮したTE
• シフトレフトに積極的なチームにはテストとレビューのバランスをどんどん見直していく
© NISHI, Yasuharu
p.15
スペシャリティを区別するとキャリアの方向性も見えてくる
p.16 © NISHI, Yasuharu
PEに習熟すると…
エンジニアリング文化を体現し
自動化・デジタル化の技術を
修得することができる
デベロッパーや
エンジニアリングマネージャー
へのキャリアも
考えられる
QAに習熟すると…
組織能力重視の文化を体現し
個人や組織の力を高める技術を
修得することができる
スクラムマスター
へのキャリアも
考えられる
TEに習熟すると…
価値重視の文化を体現し
価値を検証する技術を
修得することができる
プロダクトマネージャー
へのキャリアも
考えられる
※やりくり上手になるので
プロジェクトマネージャー
へのキャリアも考えられる
まとめ
• QA系のロールと、QAとテストとSETのスペシャリティ(専門性)を整理するために
QMファンネル(3D版)をつくった
– QM = TE + PE + QA
– ロール = (スプリット, インプロセス, コーチ, コンサルタント, プロモーター)
• ロールバランスの悪い例を紹介した
– 庇を貸して母屋を取られる / 斧を研がない木こり / 軽作業派遣マインド組織
• スペシャリティのバランスについて述べた
• スペシャリティの融合の例を紹介した
– 例) E2Eパイプライン構築:3つのスペシャリティが融合していないと「デジタルチョコ停」が起こる
• TE/PE/QAのキャリアの方向性について述べた
– TE → プロダクトマネージャー
– PE → デベロッパー・エンジニアリングマネージャー
– QA → スクラムマスター
• この後はパネルディスカッション!
– 皆さんもぜひQMファンネル(3D版)を使ってみてくださいね
© NISHI, Yasuharu
p.17

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品質を加速させるために、テスターを増やす前から考えるべきQMファンネルの話(3D版)

  • 1. 品質を加速させるために、 テスターを増やす前から考えるべき QMファンネルの話(3D版) 西 康晴(電気通信大学) 三輪 東(SCSK) 常盤 香央里(グロース・アーキテクチャ&チームス) 山本 久仁朗(ビズリーチ) 小島 直毅(リンクアンドモチベーション) 井関 武史(エクスジェンネットワークス) 徳田 有作(JaSST関西実行委員会) 大野 泰代(オープンストリーム) © NISHI, Yasuharu p.1 SEA(ソフトウェア技術者協会) SIGSQAのメンバです
  • 2. スクラムにおけるQA系エンジニアって何だろう? © NISHI, Yasuharu p.2 QA系エンジニアのロールを整理する必要がある • スクラムにおけるQA系エンジニアとは、一体どういうロールなんだろう? – そんなロールはいらない? • スーパーマン開発者が開発もQA系ワークもカンペキにできるなら確かに理想的だが… – そんな人ばかりの組織なんてほとんどない • 実際にはQA系技術が不足していて品質向上が課題のスクラムチームも多いという噂がある – テスト専業企業に発注する(自称)スクラムも実は多い – チームの中にQA系エンジニアがいてチーム全体に品質文化を浸透させるのがよいような気はする – アジャイルの技術移転(文化やマインドセット、ムードを含む)をするアジャイルコーチがいるなら、 QA系にだってコーチはいるんじゃないかな – 某社には各スクラムチームにQA系の技術を移転するコンサルティングチームがいるらしい – QA系の技術に熱心なチームとイマイチなチームがいたりする状況では、 組織全体でどうQA系の技術を高めて浸透させていくかの戦略が必要になるよね • エンジニアとリーダーとマネジャー – エンジニアなのに、リーダーやマネジャーの仕事を兼務している場合も多い – リーダーって、一体なに? – マネジャーなのに、組織全体の品質戦略を担わされる場合もある
  • 3. QA系のロールを整理するためにQAファンネル(2D版)を作りました © NISHI, Yasuharu p.3 QAプロモーター QAコンサルタント QAコーチ インプロセスQA フェーズゲートQA ・ QAサービス 組織全体にQAを推進していく役割 (自分で手を出してはいけない) 開発組織に常駐せずに QAの技術移転や技術向上を担う 開発組織に時々常駐してQAの 技術移転や品質文化の浸透をする 開発とは別組織でQAの 実業務や出荷判定を担う 開発組織に常駐しながら QAの実業務と品質文化を担う
  • 5. 職種と職務がゴチャゴチャになっているのが現状のようだ • A社の募集要項:QAエンジニア – 企画段階からの品質改善 – 不具合分析からの開発チームへの改善策の提示 – 事業計画に沿った開発の推進とKPIの運用 • B社の募集要項:QAエンジニア – テスト設計・実行・不具合報告 – テスト計画・管理 – プロダクトの改善提案 • C社の募集要項:QAエンジニア – テストインフラの構築・運用 – テスト自動化 – テスト管理・障害管理 • D社の募集要項:テストエンジニア – テスト環境の構築 – テスト自動化 – 開発プロセスの改善 © NISHI, Yasuharu p.5 なるほどこれがQAか… あれれ?QAってテストするの? あれれ?QAって テスト自動化(SET)なの? あれれ?テストって SETだけなの?
  • 6. QAとテストとSETのスペシャリティ(専門性)を整理しよう • テストエンジニア(TE) – テストする人 • テストの実行・設計・計画・戦略立案・管理・推進など – イメージしやすいし、分かりやすい • SET – 自動化する人 • (E2Eも含めた)テスト自動化、 CI/CDやCT(継続的テスト)のパイプライン構築、SREやMlops、自動化戦略立案など – これもイメージしやすいし、分かりやすい • PE(パイプラインエンジニア)と呼んでみよう • QAエンジニア – みんなをよくする人 • チーム全体の品質向上、ふりかえり力向上&プロセス改善、フロントローディング/シフトレフト、品質戦略立案など – 本来はいらないルールを押しつけてくる人ではない – イメージしにくいし、分かりにくい • 潤滑油的な役割は組織ごとに異なる © NISHI, Yasuharu p.6 TEとPEとQAのスペシャリティは全然異なる!
  • 8. QMファンネル(3D版)の概要 • それぞれの側面はスペシャリティ(得意技)を表す – QM(品質マネジメント)には3つのスペシャリティがある • TE – テストやレビュー、メトリクスの測定など製品やサービスの評価技術のエキスパート – 検証技術と価値重視文化を担う • PE – 様々な自動化を行うエキスパート(SETやSRE) – 自動化・デジタル化技術とエンジニアリング文化を担う • QA – 組織能力を高めるエキスパート – 組織能力向上の技術と文化を担う • スペシャリティをきちんと区別しないと、適切にスキルを高められない – スペシャリティのバランスが悪いと、まっすぐ力強く品質向上していかない – その一方で、それぞれのスペシャリティをサイロ化させずに融合していかなくてはならない • それぞれのスペシャリティが別の人に割り当てられている状況でも、 他のスペシャリティのことを理解していなければ良い仕事はできない • 深さはロール(実業務への近さ)を表す – それぞれのスペシャリティには、5つのロールがある • スプリット、インプロセス、コーチ、コンサルタント、プロモーター – スプリットは2D版の「フェーズゲートQA・QAサービス」のことである – ロールをきちんと区別しないと、適切にスキルを高められない – ロールのバランスが悪いと、頑張っても品質が向上していかない © NISHI, Yasuharu p.8
  • 10. QMファンネル(3D版)の側面ごとのロール p.10 © NISHI, Yasuharu • TEのロール • スプリットTE • 開発とは別組織で 検証の実業務や 出荷判定を担う • インプロセスTE • 開発組織に常駐しながら 検証の実業務と 価値提供を担う • TEコーチ • 開発組織に時々常駐して 検証の技術移転や 価値重視文化の浸透をする • TEコンサルタント/サービス • 開発組織に常駐せずに 検証の技術移転や 技術向上を担ったり、 組織横串での専門組織として 各開発組織と連携しながら 技術を向上し横展開する • TEプロモーター • 価値重視や検証技術の 方向性やビジョンを示し、 組織全体に検証を推進していく役割 (自分で手を出してはいけない) • PEのロール • スプリットPE • 開発とは別組織で 自動化・デジタル化して スピーディで効率的な業務を行う • インプロセスPE • 開発組織に常駐しながら 自動化・デジタル化の実業務と エンジニアリング文化を担う • PEコーチ • 開発組織に時々常駐して 自動化・デジタル化の技術移転や エンジニアリング文化の浸透をする • PEコンサルタント/サービス • 開発組織に常駐せずに 自動化・デジタル化の技術移転や 技術向上を担ったり、 組織横串での専門組織として 各開発組織と連携しながら 技術を向上し横展開する • PEプロモーター • エンジニアリング重視や 自動化・デジタル化技術の 方向性やビジョンを示し、 組織全体に自動化・デジタル化を推進していく 役割(自分で手を出してはいけない) • QAのロール • スプリットQA • 開発とは別組織で プロセス・メトリクスの 定義や監査を担う • インプロセスQA • 開発組織に常駐しながら QAの実業務と 組織能力向上を担う • QAコーチ • 開発組織に時々常駐して QAの技術移転や 組織能力向上文化の浸透をする • QAコンサルタント/サービス • 開発組織に常駐せずに QAの技術移転や 技術向上を担ったり、 組織横串での専門組織として 各開発組織と連携しながら 技術を向上し横展開する • QAプロモーター • 組織能力重視やQAの 方向性やビジョンを示し、 組織全体にQAを推進していく役割 (自分で手を出してはいけない)
  • 11. ダメなロールバランスのTE組織の例 (1) 庇を貸して母屋を取られる © NISHI, Yasuharu p.11 TEプロモーター TEコンサルタント TEコーチ インプロセスTE スプリットTE 開発組織に常駐せずに 検証の技術移転や技術向上を担う 開発組織に時々常駐して検証の技術 移転や価値重視文化の浸透をする 開発とは別組織で検証の 実業務や出荷判定を担う 開発組織に常駐しながら検証 の実業務と価値提供を担う 価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体 に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない) 手が足りないからと 外部のテスト会社に 丸投げし続けた結果 首根っこを 握られてしまった TE
  • 12. ダメなロールバランスのTE組織の例 (2) 斧を研がない木こり © NISHI, Yasuharu p.12 TEプロモーター TEコンサルタント TEコーチ インプロセスTE スプリットTE 開発組織に常駐せずに 検証の技術移転や技術向上を担う 開発組織に時々常駐して検証の技術 移転や価値重視文化の浸透をする 開発とは別組織で検証の 実業務や出荷判定を担う 開発組織に常駐しながら検証 の実業務と価値提供を担う 価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体 に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない) インプロセスTEに忙殺されて ずっと手が打てないTE
  • 13. ダメなロールバランスのTE組織の例 (3) 軽作業派遣マインド組織 © NISHI, Yasuharu p.13 人数が少ないことを言い訳にして プロセスと基準さえ決めて遵守させれば 品質は確保できると考え、 現場に押しつける全社品証部門 TEプロモーター TEコンサルタント TEコーチ インプロセスTE スプリットTE 開発組織に常駐せずに 検証の技術移転や技術向上を担う 開発組織に時々常駐して検証の技術 移転や価値重視文化の浸透をする 開発とは別組織で検証の 実業務や出荷判定を担う 開発組織に常駐しながら検証 の実業務と価値提供を担う 価値重視や検証技術の方向性・ビジョンを示し組織全体 に検証を推進していく役割(自分で手を出してはいけない) そもそも技術的な要諦が分からない上に、 独立TEは何も分かっていないと反発したり やらされ感まみれになって 実効的な施策が一切機能しない開発内TE お客様にサービスするという 聞こえのよい逃げの思想で 言われたことしかやろうとしない独立TE
  • 14. スペシャリティのバランスはとても大事 • TE・PE・QAはクルマの両前輪と後輪のようなもの – FR(後輪駆動)で前輪が操舵輪で後輪が駆動輪であることをイメージして欲しい • TE・PE・QAのバランスが悪いと、うまく進まない – 両前輪のバランスが悪いと蛇行してしまって、真っ直ぐ進まない – 後輪が弱いと、前に進まない • 両前輪・後輪のバランスを取るには 3つのスペシャリティを全て分かっている プロモーターロールが必要 – 3つまとめると「QMプロモーター」になる © NISHI, Yasuharu p.14 TE: 価値重視 文化 PE: エンジニアリング 文化 QA: 組織能力向上 文化
  • 15. スペシャリティの融合の例 • プロモーターロールは特にスペシャリティの融合が大事になる – プロモーターロールは、価値観を提示し、方向性やビジョンを示し、組織全体に推進していく役割 • 自分で手を出してはいけない • TEの価値観は価値重視、PEの価値観はエンジニアリング重視、 QAの価値観は組織能力重視 • 例) E2Eパイプライン構築:3つのスペシャリティが融合していないと「デジタルチョコ停」が起こる – PEを考慮したTE • パイプラインを止めないように短くシンプルなテストケースを設計する – PEを考慮したQA • 「自動化ビリティ」(制御性・観測性や冪等性など)を高めるような開発をしたがる組織にする – TEを考慮したPE • テストタイプやテストの変更頻度、実行頻度、実行速度などでパイプラインを分けた方がよいかどうかを検討する – TEを考慮したQA • デリバーする価値を保証できるようなテストを選んで自動化するように組織に能力を高める – 「自動化ハイ」や「カバレッジハイ」に自分たちで気付ける組織に向けていく – QAを考慮したPE • 自動化・デジタル化に及び腰なチームには手取り足取りハンズオンするところから始める – QAを考慮したTE • シフトレフトに積極的なチームにはテストとレビューのバランスをどんどん見直していく © NISHI, Yasuharu p.15
  • 16. スペシャリティを区別するとキャリアの方向性も見えてくる p.16 © NISHI, Yasuharu PEに習熟すると… エンジニアリング文化を体現し 自動化・デジタル化の技術を 修得することができる デベロッパーや エンジニアリングマネージャー へのキャリアも 考えられる QAに習熟すると… 組織能力重視の文化を体現し 個人や組織の力を高める技術を 修得することができる スクラムマスター へのキャリアも 考えられる TEに習熟すると… 価値重視の文化を体現し 価値を検証する技術を 修得することができる プロダクトマネージャー へのキャリアも 考えられる ※やりくり上手になるので プロジェクトマネージャー へのキャリアも考えられる
  • 17. まとめ • QA系のロールと、QAとテストとSETのスペシャリティ(専門性)を整理するために QMファンネル(3D版)をつくった – QM = TE + PE + QA – ロール = (スプリット, インプロセス, コーチ, コンサルタント, プロモーター) • ロールバランスの悪い例を紹介した – 庇を貸して母屋を取られる / 斧を研がない木こり / 軽作業派遣マインド組織 • スペシャリティのバランスについて述べた • スペシャリティの融合の例を紹介した – 例) E2Eパイプライン構築:3つのスペシャリティが融合していないと「デジタルチョコ停」が起こる • TE/PE/QAのキャリアの方向性について述べた – TE → プロダクトマネージャー – PE → デベロッパー・エンジニアリングマネージャー – QA → スクラムマスター • この後はパネルディスカッション! – 皆さんもぜひQMファンネル(3D版)を使ってみてくださいね © NISHI, Yasuharu p.17