JTF2020 C5 Session

1. JTF2020に来てください。
本物の経営者目線ってやつを見せてやりますよ
July Tech Festa 2020 C5
@Clorets8lack

2. JTF2020のテーマ
「Extend Your Engineering Life!」
そもそもエンジニアリングライフとは何か？
どうしたら拡張したことになるのか？
↑エンジニアライフ
（ゼロになると死亡）

3. エンジニアのライフを拡張する
Continue 出来るシステムがあれば…
サラリーマンエンジニアとしてお金を稼ぐだけではなく、いつでも裸一貫から再スタートを
切れる。
そういう環境を作り出すことが出来ればライフを拡張できたと言ってもよ
いのでは？
↑なかなか死なない

4. エンジニアがビジネスを始めたらどうなる？

5. 今日は技術の話はしません
エンジニアが経営をやってみてどうだったのか、
何に失敗したのか
うまく行きましたという話ではないです
製品を作り、売り、何を考えたのか、失敗から何を学んだのか

6. 自己紹介
● 某半導体商社で新卒から15年程 情シスに勤務
● ヘルプデスクからDB、NWを中心としたインフラ全般を経験
● 主に海外子会社の国際インフラを担当
● 副業7年
● 独立して約1年
@Clorets8lack
略して黒ブラ

7. ビジネスにのめりこむきっかけ
● 資格取得 IPAネットワークスペシャリスト
● 勤務先のM&A
● 勤務先の先輩が4コ上に固まっており、管理職ポストの順番待ちがダルそう
● 10年後のキャリアを考えた時の違和感
何かやりたいなという漠然とした思い

8. どうやったら儲かるか考えた
● そうだソフトを書こう
○ コピーのコストはゼロ
○ 無限にスケール
● ネタはどうする？
○ 個人的な不満
○ 同じことを考えている人がいるはず
○ ソースは俺

9. ぼくがかんがえたさいきょうのサービス
社内教育用のE-learning
● 純粋な怒りによって開発を決意
● PHPで自宅開発
● フレームワーク、Git、テスト、セキュリティなどを独学
○ 覚えることが多い
● リリースまで2年かかった

10. 実際に開発したサービスの画面
● 設問に解答すると同時にア
ンケートを取る
● 問題の手ごたえを入力
○ 確信がある
○ 確信はないが選択肢は絞った
○ 全く分からなかった
○ 操作ミス

11. アンケート結果を元にサポート
● アンケートを元に適切な学習サポートが
できるよう考えた
● 確信をもって間違えるとダメージ大
● 「勘で答えた」ノイズを除去できる

12. どうだったか
● お客さんの反応がかなり悪い
● 半年営業して契約ゼロ
当然売り上げゼロ

13. サービスの失敗①
維持が難しい
・コンテンツを作るスキルの不足
・システムのことばかり考えていた
・「教育」を甘く考えていた
プロダクト/マーケットフィットの軽視
・顧客の課題を満足させる製品に仕上がっているかどうか不透明

14. サービスの失敗②
お客さんが全然つかなかった
● そもそも競争力がない
● 自信が持てない
○ システムは最低でも数年は使う仕事の道具
○ 自信のない人からは買わない
実際にやってみるまでは営業のことはわからない

15. 怒り駆動開発の限界
1. ちょっとしたことで必要以上に怒ってしまうことがある
2. 怒りは持続しない
一時の感情ではなく、本当にこの問題を最低
でも数年間かけて解決したいと思うか考えた
ほうがいい

16. 友人からの指摘
カリスマ家庭教師の元同級生に
「そのシステムに価値はない」と言われた
教育という一連のプロセスの中でE-learningは一部の効率化し
かできない。システムを使った効率化、最適化の範囲が狭かっ
た。
2年を費やしての失敗は結構ショックだった

17. 失敗からの復活
● あきらめてしまうのではなく、次のアイデアを考えた
○ そもそもの動機まで立ち返る。
● 社会は役割分担
○ 自分の一番得意なことが競争力を持ったサービスになる
● 足元から見直す
○ 情シスの仕事の中に何かヒントはないか
○ 自分の詳しくない分野を想像で扱わない

18. 何をやったのか
● 得意のインフラ技術を活かしパケットキャプチャ装置を作った
● コーディング修行の成果でプロトタイプ作成はスムーズ（半年で完成）
● OSSとして開発し勤務先で導入、即ドッグフーディング
● 自宅でデバッグを続ける
常設型パケットレコーダー（ソナーマン）
現在3代目のHW
他社製品との相乗りも実現
独立して何とかやっています

19. 反省
● サービスを継続するやる気が続かなかった
● お客さんに自信をもって説明できなかった
● 外野の言うことにグラついてしまった
次期サービスでこれらをクリアする必要があった

20. この失敗から学んだこと

21. 反省点をどうやって克服したのか
● サービスを継続するやる気が続かなかった
● お客さんに自信をもって説明できなかった
● 外野の言うことにグラついてしまった
サービス継続、自信、外野からのノイズ
3点に絞ってどう克服したのかご紹介します

22. サービス継続
● 最も大きいのはサービスのネタの選択
○ コンテンツを作らない分野のサービスに切り替えた
● 営業が苦痛じゃないこと
○ ドッグフーディング済み、自慢のプロダクト
○ 自分のほうが絶対詳しい（顧客の指摘を聞く余裕がある）
○ お客さんに何を言われても平気

23. 精神を保つ
● 自分自身の不安と対峙する
○ 最初のプロダクトは開発も覚えたて
○ 機能のバグも全部潰れているか不安
○ 顧客の課題を解決した実績もなかった
最も得意なものに集中することで克服
自分が一番強いという自信を根拠に
断られても即、次に行ける強さを得た

24. 考え方を変えてみるテクニック
● 最初から自信満々だったわけではない。
● 自分よりすごい人は沢山いることは知っていた
外野からのノイズをフィルタして
自分なりに自己暗示をかける
（こじつけでも良い）

25. 例えば
目の前に顧客がいるとします。
顧客が実際にリーチできる会社、エンジニアは限られる
顧客にとって一番であることを目指せば十分
僕は「ある意味世界一」
という言葉をよく使います

26. 売れるものと売れないものの境界
モノが売れるという現象は様々なパターンがある。
信頼をベースにモノを売ってくる営業マンもいる。工夫が必要。
エンジニアリングと似ている！
売れないもの 売れるもの 売れないもの
価格→
←品質・機能
ここに滑り込めばいい

27. 1．サービス継続
2．自信
3．外野からのノイズ
これらについて改善することが出来ました

28. まとめ

29. ここまでのおさらい
1. エンジニアのライフを拡張するためにビジネスを始めた
2. WEBサービスを立ち上げ、売り上げゼロのまま潰した
3. 自分の得意な領域に絞って、反省を生かし復活した
結局経営者目線とはなんだったのか

30. 経営者目線とは
● 社会は役割分担で出来ている
● 自分の足元を固めて居場所を作る、持ち場で頑張る
● 価値を生み出しているか、もっと伸ばせないか
これが僕の考える経営者目線です

31. エンジニアがビジネスを行うとき大切だと思うもの
● 情熱
○ 行動力が大切
○ 完成すればそれは文句なしに尊い
● 時間
○ 現業の圧縮とプロダクト開発を同時に行えると良い
● バックアッププラン
○ 退路を断つのはおススメしない（例:副業からスタート）
○ 撤退基準を考えておく

32. 最後に
● エンジニアは強い
○ 付加価値の源泉が本気を出せば勝負強いのは当然
● やったことは必ず糧になる
○ たとえ失敗でも貴重な学び
○ 甦るたびライフが増えていく（イメージ）
○ ぜひプロセスを楽しんでください

33. EoF