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デブサミ2013【14-B-1】 3つの世界:エンタープライズ、ソーシャル/ゲーム、スタートアップ(三谷慶一郎氏)
- 2. 自己紹介
三谷 慶一郎(みたに・けいいちろう)
大学は工学部。力学計算からコンピュータに興味
日本電信電話株式会社~NTTデータ
- プログラマー~プロジェクトマネージャー
- 独自オフコン・UNIX-WS・PC
- 自社財務会計システム~金融業向けオンラインシス
テム
「ITと経営」に興味。大学院で博士(経営学)
株式会社NTTデータ経営研究所
- コンサルティング・調査
- 企業・行政機関における情報戦略立案
- CIO、IT人材育成にも関心
1
- 4. いままで
・IT活用の目的は、省力化・自動化中心
・対象は、バックオフィス業務中心
・信頼性・安全性を含む高品質を重視
・成功要因は、要求仕様収束と大規模PMの安定
的推進
・重要インフラを中心に、今後も領域としては存在
・企業、企業群だけでなく、社会全体としてのバリュー
チェイン構築もテーマとして出現
・二つのグローバル化が進む(グローバル企業への対応
とグローバルな開発リソースのマネジメント)
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC 3
- 5. 民間IT投資の伸び
(2000年価格、1995年=100)
500
450
400
米国
350
300
250
200
150
100
日本
50
0
出典:総務省 平成22年度「ICTの経済分析に関する調査」
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- 6. IT投資による生産性向上比較 (1/3)
1980年代頃の米国では、IT投資によって生産性はあまり向上してい
ない(ソローズ・パラドクス)。しかし、2000年代では、ニューエコノミー
への期待とともに大きな効果を創出している
パラドクスとニューエコノミーを経た米国 (%)
米国 1980年代 2000年代
投資 IT資本深化 0.4 0.8
労働生産性(ALP) 1.5 2.6
効果
全要素生産性(TFP) 0.4 1.0
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC ※「情報技術と経済成長」(九州大学 篠崎彰彦教授)より 5
- 7. IT投資による生産性向上比較 (2/3)
日本は、米国と正反対の状況にある。1980年代においては、IT投資
によって大きく生産性は向上している。しかし、2000年代では、ほと
んど成果が得られていない
パラドクスもないが、ニューエコノミーもない日本 (%)
日本 1980年代 2000年代
投資 IT資本深化 0.4 0.4
労働生産性(ALP) 3.7 1.5
効果
全要素生産性(TFP) 1.6 0.4
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC ※「情報技術と経済成長」(九州大学 篠崎彰彦教授)より 6
- 8. IT投資による生産性向上比較 (3/3)
・1980年代は、現場の省力化・自動化がIT導入の主
目的。現場レベルの高い日本ではICTは大きな成果を
上げていた
・2000年代以降は、新たなサービスやビジネスモデルを
構築し、企業を変革するためにITを活用する方向に変
化している
・日本では、この「付加価値向上」を目的としたIT投資が
積極的に行われていない
ITによる自動化・効率化の効用は既に刈り取ってし
まっている。このままでは、本来的なITの価値を享受で
きない
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- 10. これから
自動化・省力化 付加価値創出
IT投資
バックエン の目的
ド業務(給与・
会計処理、生産 As-Is
管理等)
フロント業
務(営業管理、
To-Be
顧客管理、経営
管理等)
IT投資
の対象
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- 11. CIOミッションの変化(経済産業省)
CIOに期待されるミッションは、従来に加えて「ITを活用して新たな
ビジネスを創造すること」も求められはじめている
ミッション(役割) 役割定義
Chief 企業内外の事実に基づく情報を組織的
情報活用による かつ系統的に蓄積、分析、活用するた
Intelligence めに、経営戦略上の各種の意思決定に
Officer 経営戦略の創造 有用な知識や洞察を生みだす仕組みを
作り、新しいビジネスを創造する
C
I Chief 部門や組織を越えてグローバル全体を
O Innovation
全社横断のビジ 横断して、ITを活かした「ビジネスモ
ネス変革 デルの変革」「ビジネスプロセスの変
Officer 革」を推進し、企業の競争力向上に貢
献する
Chief 企業グループ全体のIT活用を俯瞰
Information ITガバナンス し、業務、ISの構造と共に、企業グ
確立 ループ全体のIT部門の機能と役割を
I Officer 変革し、企業の“全体最適化”実現に
T 貢献する
部 Chief
情報システムの適切な運用や管理を行
門 Information 情報システムの い、企業内の情報システムの最適化を
長 System 最適化 実現する
Officer
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC ※経済産業省CIO育成カリキュラム策定事業報告書より 10
- 12. IT人材ケイパビリティの変化(総務省)
必要となる
ケイパビリティ
マーケティング
(情報活用によって、新サー
ビス・新製品開発を支援)
経営管理
業務改革 ノウハウ
(業務プロセスや組織・人材のケイパビリティ
向上を促進し、IT投資効果を最大化)
ITマネジメント
(組織内の全システムの 業務・組織
パフォーマンス・コスト・リスクを最適化) 管理ノウハウ
プロジェクトマネジメント
(システム開発プロジェクトを推進し求められるQCDを確保)
システム設計・開発 システム
(要件定義通りのシステムをつくる) 技術
時間
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC ※総務省情報通信審議会ICT利活用戦略ワーキンググループ資料より 11
- 13. これから
・目的は、付加価値創出。ITでしかできないことを行う。新
しいサービスを作り出す
・対象は、フロント業務中心。エンドユーザ接点を持つ
・迅速性を重視。”Quick & Dirty”
・ユーザとともに構想する「デザイン型人材」が必要
- 言語化されていない課題の発見
- 解決に向けた集合知の活用
- 評価を繰り返すことによる成熟化
新しいパラダイムへシフトしていくために、”Start up”
や”Social/Game”の世界との協調が重要
Copyright © 2013 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING,INC 12
- 15. My Recommend Next Action !
“Open,
Specialty,
Professionalism”
【Recommend books】
・「パラダイムの魔力 ―成功を約束する創造的未来の発見法」 (ジョエル バーカー)
- パラダイムの意味と意義
・「タテ社会の人間関係 –単一社会の理論-」 (中根千枝)
- 日本組織の特性
・”ITと新社会デザインフォーラム”(http://www.shin-shakai.com/)、今春出版予定
- IT産業の今後
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- 16. Developers
Summit
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