富士市役所では、災害発生時の対策として、業務に利用するシステムやデータを、データセンターへ集約する活動を行ってまいりました。しかしながら、発災直後のデータセンターとの通信確立が困難なことが予測されるため、オンプレミスにＯｐｅｎＳｔａｃｋ環境を導入し、業務継続性を高めることと致しました。本日は、私たちのＯｐｅｎＳｔａｃｋの利用法のお話をさせていただきます。

1. 富士市役所のOpenstack利用法
- 2017.10.20 RED HAT FORUM TOKYO 2017 -
富士市役所 総務部情報政策課 深澤安伸

2. このスライドは からダウンロードできます。
http://www.slideshare.net/fukasawa_jp/

3. 目次
1. 富士市の概要
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？
3. Openstackが必要な理由
4. 富士市のIaaS基盤の概要
5. これからの使い方
6. まとめ

4. 1. 富士市の概要
1.1. 宣伝
1.2. 富士市役所の概要

5. 1.1. 宣伝(その1)
•場所
•静岡県東部地区
•人口
•255,060人（平成29年4月1日現在)
•ホームページ
•http://fujishi.jp/
1. 富士市の概要

6. 1.1. 宣伝(その2)
•かみのまち
•トイレットペーパーの生産量 34.2% (平成27年)
•紙全体 9.3% (平成27年)
•製紙会社51社 59工場 (平成29年)
1. 富士市の概要

7. 1.1. 宣伝(その3)
•公式ウェブサイト・富士じかん
•http://fujishi.jp/
•Twitter
•http://twitter.com/fujishi_jp
•Facebook
•http://facebook.com/FujiCity
1. 富士市の概要

8. 1.2. 富士市役所の概要
•拠点数
•市内約150か所
•職員数
•2,584人（平成29年4月1日現在)
•アカウント数
•4,000人超（議員・非正規職員等)
1. 富士市の概要

9. 2. 大規模災害が発生した時、自治体は？
2.1. サーバーはオンプレミス設置が一番？
2.2. サーバーはDC設置が一番？
2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい

10. 2.1. サーバーはオンプレミス設置が一番？
2.1.1. サーバーはオンプレミスで
2.1.2. 災害発生！電気は足りますか？
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？

11. 2.1.1. サーバーはオンプレミスで
•サーバーは庁舎内に設置
• インターネット公開系
• インターネット閲覧系
• LGWAN接続系
• マイナンバー利用事務系
•端末はシンクライアント
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.1. サーバーはオンプレミス設置が一番？

12. 2.1.2. 災害発生！電気は足りますか？
•発電容量が足りない
• 全部のサーバーを動かせない
• 燃料調達が難しい
• 照明など最低限で運営
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.1. サーバーはオンプレミス設置が一番？

13. 2.2. サーバーはDC設置が一番？
2.2.1. DCへ引っ越そう！
2.2.2. ついでにIaaSもDCに構築
2.2.3. 災害発生！DCと通信できない
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？

14. 2.2.1. DCへ引っ越そう
•電力問題の解消
•保守停電の課題もクリア
•予想外に便利
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.2. サーバーはDC設置が一番？

15. 2.2.2. ついでにIaaSもDCに構築
•仮想マシンの動的配置
• スピード感のある対応
• ライフサイクルの吸収
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.2. サーバーはDC設置が一番？

16. 2.2.3. 災害発生！DCと通信できない
•データは大丈夫
でも
•システムが全く使えない
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.2. サーバーはDC設置が一番？

17. 2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい
2.3.1. 通信は最大2週間使えない
2.3.2. 使いたいものリスト(BCPチェックリスト)
2.3.3. 2週間を乗り切るためには
2.3.4. オンプレミスにもIaaSを導入
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？

18. 2.3.1. 通信は最大2週間使えない
•困る内容は？
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい

19. 2.3.2.使いたいものリスト(BCPチェックリスト)
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい
• リストアップ
• システム名
• データ名
• 端末台数

20. 2.3.3. 2週間を乗り切るためには
•オンプレミスに仮想デスクトップ環境があれば…
•オンプレミスにデータの複製があれば…
•オンプレミスにサーバーの複製があれば…
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい
IaaSをオンプレミスにも導入しよう

21. 2.3.4. オンプレミスにもIaaSを導入
•災害時の業務継続を可能に
2. 大規模災害が発生した時、自治体は？ - 2.3. 大事なものはどんな場面でも使いたい

22. 3. Openstackが必要な理由
3.1. Openstackに事前に用意しておくもの
3.2. 限りある資源を有効活用するため
3.3. 災害時の切り替えのながれ
3.4. 業務を停滞させない

23. 3.1. Openstackに事前に用意しておくもの
•災害時使用サーバーの複製(毎日夜間に実行)
•災害時使用データの複製(毎日夜間に実行)
•災害時使用デスクトップの準備（オーケストレーション）
3. Openstackが必要な理由
通常時（日中）は停止

24. 3.2. 限りある資源を有効活用するため
3. Openstackが必要な理由

25. 3.3. 災害時の切替のながれ
3.3.1. 災害時使用サーバーの起動
3.3.2. 災害時使用デスクトップの生成
3.3.3. シンクライアントの接続先変更
3. Openstackが必要な理由

26. 3.3.1. 災害時使用サーバーの起動
•インスタンスの起動（業務サーバー）
•インスタンスの起動（ファイルサーバー）
3. Openstackが必要な理由 – 3.3. 災害時の切替のながれ
約5分で起動完了

27. 3.3.2. 災害時使用デスクトップの生成(その1)
•オーケストレーションを使用
3. Openstackが必要な理由 – 3.3. 災害時の切替のながれ
何分かかるか試してみました

28. 1/10 スタック画面への遷移

29. 2/10 スタック画面

30. 3/10 テンプレートの選択

31. 4/10 テンプレートファイルの選択

32. 5/10 テンプレートファイル選択後

33. 6/10 スタック起動前

34. 7/10 スタック起動中

35. 8/10 作成の完了

36. 9/10 インスタンス画面へ

37. 10/10 インスタンス確認

38. 3.3.2. 災害時使用デスクトップの生成(その2)
•オーケストレーションを使用
3. Openstackが必要な理由 – 3.3. 災害時の切替のながれ
30台を約10分で生成完了

39. 3.3.3. シンクライアントの接続先変更の実施
•集中管理する設定ファイルの再生成と適用
3. Openstackが必要な理由 – 3.3. 災害時の切替のながれ
例：○○番の端末は△△のサーバへ接続

40. 3.3.3. シンクライアントの接続先変更の実施
•ツールで紐付け
3. Openstackが必要な理由 – 3.3. 災害時の切替のながれ
約5分で完了

41. 3.4. 業務を停滞させない
•災害時環境切替への合計所要時間
3. Openstackが必要な理由
15分以内

42. 4. 富士市のIaaS基盤の概要
4.1. 役所の庁内ネットワークは結構複雑
4.2. 配線1本でIaaSをアドオンしたい
4.3. 自由に配置
4.4. 富士市が採用したIaaS基盤

43. 4.1. 役所の庁内ネットワークは結構複雑
4. 富士市のIaaS基盤の概要
管理が大変！

44. 4.2. 配線1本でIaaSをアドオンしたい
4. 富士市のIaaS基盤の概要

45. 4.3. 自由に配置
4. 富士市のIaaS基盤の概要
公開ネットワーク インターネット接続系 LGWAN接続系 番号利用事務系
・どこに ・ためす ・ふくらめる
・なにを ・ふやす ・しぼめる
・どれくらい ・けす ・とめる

46. 4.4. 富士市が採用したIaaS基盤
4.4.1. システム概要
4.4.2. スペック
4.4.3. わずか26U
4.4.4. オープンソースベースで大丈夫か？
4. 富士市のIaaS基盤の概要

47. 4.4.1. システム概要
4. 富士市のIaaS基盤の概要 – 4.4. 富士市が採用したIaaS基盤

48. 4.4.2. スペック
4. 富士市のIaaS基盤の概要 – 4.4. 富士市が採用したIaaS基盤
•vcpu 280core
•Memory 1.2T
•Storage 54T

49. 4.4.3. わずか26U
4. 富士市のIaaS基盤の概要 – 4.4. 富士市が採用したIaaS基盤
•マスターコントローラ 3台 3U
•コンピュートノード 5台 5U
•ストレージノード 3台 6U
•KVM 1台 1U
•UPS 4台 8U
•スイッチ 3台 3U

50. 4.4.4. オープンソースベースで大丈夫か？
4. 富士市のIaaS基盤の概要 – 4.4. 富士市が採用したIaaS基盤
中身が見える
大丈夫だし、逆にその方が良い
安定した活発なコミュニティがある
導入業者（パートナー）がしっかりしている
今は、「オープンソースはダメ」なんていう時代ではない

51. 5. これからの使い方
•インスタンスの生成
•担当課からの要望や、災害時用の複製
•自動化
•インスタンスの起動、停止、生成、削除
•スケールアウト
•オンプレミスIaaSとDC IaaSとの連携
•オンプレミス設置IaaSの拡張

52. 6. まとめ
業務に合わせた柔軟な対応ができる
スピード感のある取組ができる
業務継続性に貢献できる
IaaSを導入すると、
シンクライアント端末との相乗効果も◎

53. ご清聴ありがとうございました
なにかありましたらお気軽にお問い合わせください
fukasawa_yasunobu@sr.city.fuji.shizuoka.jp
http://www.slideshare.net/fukasawa_jp/