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オープンプロセスで変える調達改革
- 2. 自己紹介
• 高木祐介(たかぎゆうすけ)
• 肩書
• Code for Japan(CFJ) 副理事。株式会社自動処理代表取締役。
• オープンナレッジファウンデーションジャパン(OKFJ)技術顧問。
• オープンビジネスソフトウェア協会副理事。
• 略歴
• 2002年中堅SIerにて勤務の後、大手ヘッドハンティング会社にて情
報システム部門の立ち上げ、新規事業構築などに携わる。2010年
に株式会社自動処理設立。
• 中央官庁様向けに主にオープンガバメント政策関連コンテンツの
開発に携わり、約40の官庁調達にプロジェクトマネージャとして
関わる。
• 現在はCFJが調達サポートを行っている福島県浪江町のタブレット
事業の中で調達に係る仕様書や評価表の作成、評価のサポート、
契約法務、開発プロジェクト支援を行っている。
• 1980年生まれ、33歳。香川県出身。
- 4. 公官庁のIT調達の課題①
• 専門性の高いIT調達担当がいない
• 1~3年で交代し、IT調達担当者ノウハウが蓄積されない。
• ソフトウェア見積もり、代替え可能なソリューションの把
握が難しい。
→ノウハウ不足により対案が出せない為、
提案内容の良し悪しを検討する事が難しい。
また見積もりや調達内容(仕様書作成)
について、概要のみ記載した発注や、
業者に作業を丸投げするような状況が
数多く発生している。
(ベンダーロックインの発生?)
• 中小企業参入が難しい
• 支払いが(基本的に)全額後払い
• 予算措置から入札までのリードタイムが1年
• 基本的に単年度契約の為、毎年競争にさらされる。
→大手企業しか参入が難しく、
入札で競合が発生しにくい
「情報システムに係る契約における競争性、予定価格の
算定、各府省等の調達に関する情報の共有等の状況につ
いて」(平成23年11月報告、各府省等、随時報告)
平成20 年度から22 年度までの間における
各府省の情報システムの契約について
• 随意契約の平均落札率は98.6 %
• 競争契約の半数以上が1者応札で、
平均落札率は96.0 %
• 2者以上の応札者がある場合は
平均落札率70.1%
※落札率=予定価格に対する落札額の割合。
→競争がない為、ほぼ予定価格で
購入しているケースが多く存在する。
競争が効かない事で
25%ほどサービスを高く
購入している可能性がある。
発注側に対案を出
せる人員が必要
- 5. 公官庁のIT調達の現状①
• 大手企業による省庁の分割・独占。
大手10グループで全体のシェアの8割を占める。
オープンで競争の効く
調達を実施すべき。
※経済産業研究所『政府調達制度とITシステム“ITゼネコン”を育てたのは誰か(H13年)』
http://www.rieti.go.jp/jp/events/03020501/pdf/kishimoto_p.pdf
• 情報システムに係る政府調達市場規模は
IT市場全体の約15%の約9,988億円(H26年度)
≒ 概算で約1500 億円のコスト削減の可能性あり
※IT戦略本部「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」(平成26 年度分)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/yosan/26siryou_1.html
※IDC Japan国内製品別IT市場予測を発表
http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20140808Apr.html
Aグループ,
34%
Bグループ,
10%
Cグループ,
9%
10グループ以
外, 21%
その他6グルー
Dグループ,
6%
プ, 20%
情報システムに係る
政府調達シェア
- 6. 公官庁のIT調達の課題と現状②
• 利用率が低いケースがある
• 河北新報東北のニュース/避難者に配布のタブレット端末、高
齢者敬遠飯舘村
• 約1億2000万円をかけて全世帯に計約230
0台を配った。同年12月の1カ月間に約730
台は1度も使われなかった。使用実績のある15
70台の中でも日常的に使われているのは約8
00台(約34.7%)にとどまる。
• 「自動車保有関係手続のワンストップサービスの利用が低調となっているた
め、サービスの運用方法等の改善を図るよう意見を表示したもの」
(平成19年度、国土交通省等、意見表示、背景金額約52億7,200万円(国土
交通省負担分))
• 17年から20年までの新車の新規登録件数
約350万件中、約2万3,000件(利用率0.67 %)
そのうち、個人の利用件数は計59 件利用者目線のサービス
を実施すべき。
- 10. 〜自己紹介〜
吉永隆之(よしながたかゆき)
2014年7月から浪江町役場勤務。
Code for Japan フェロー。
NTTコムウェアにて8年、アクセンチュアにて
2年間、通信事業者向けの業務システムの構築
に携わる。
2014年4月、フェロー募集前夜にCode for
Japan関さんに出会い、Code for Namieへの参
加を決意。同年6月退職。
妻を東京に残し、浪江町タブレット配布プロ
ジェクトのプロジェクトリーダーを務める。
1980年生まれ、33歳。
- 31. 調達評価について
• 評価・調達の際に重要だったポイント
• 初年度費用と翌年度費用について
• 想定開発期間と稼働時間について
• 代替え可能な廉価サービスについて
・・・などなど
• 問題があった提案について
• 仕様を満たしていない
• 体制図に入っているのに、稼働時間が確保されていない
• 提案してあるのに見積もりに入っていない。
・・・などなど
- 32. 現時点での成果報告
• ヒアリングからのペルソナ作成
• アイデアソンにて、事業アイデアを募集
• 参加者420名アイデア770アイデア
• ハッカソンにてプロトタイプを作成
• 14アプリ開発
• アイデアソンハッカソンの優秀アイデアから
調達仕様書を作成
• 主要6機能を中心に仕様書を作成
• 調達を実施
• 調達実施
• 入札参加者7者→ 富士通が落札
• 契約実施
• 開発開始← イマココ
次の機会には開発成果物をご紹介できると思います。