静電気による爆発、火災の発生機構とその対策
- 16. 2章:帯電防止対策の基本
目次
1. 帯電防止とは?
2. 接地
・・・・2.1 アース線
・・・・2.2 リスト&フットストラップ
・・・・2.3 静電靴、導電靴
3.導電化
・・・・3.1 導電性床&導電性シート
・・・・3.2 導電性素材
・・・・3.3 帯電防止スプレー
4.加湿と静電気
・・・・4.1 相対湿度と静電気帯電量
・・・・4.2 加湿の利点、欠点
・・・・4.3 加湿の問題点
・・・・4.4 加湿の改善
5.シールド
6.除電器
・・・・6.1 電圧印加式除電器の原理
・・・・6.2 電圧印加式除電器の種類
・・・・6.3 除電器のメンテナンス
・・・・6.4 自己放電式除電器
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- 29. 3.2 導電性材料
ESD (静電気放電) 対策の為に 床、作業デスク、包装材、ツールなどに静電気対策用に導電性材
料が用いられることがある。導電性材料として色々あるがその導電性 (抵抗率) によって 大きく
いくつかに分類することができる。表面抵抗率による分類の1つは、次のようなものである。
この分類では抵抗率の幅が非常に大きい (同じ分類の中で 100,000倍もの差がある) こともあり、
一概には言えないものの
導電性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こす可能性があるほど 高い導電性
(低い抵抗) を持つもの
静電気拡散性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こすことなく、 かつその帯
電を比較的すみやかに消散させられる程度の導電性を持つものの、 静電場を遮蔽できるほどの
導電性は持たないもの
帯電防止 (静電気防止) ―― それ自身の帯電をある程度防止できる程度の導電性は持つものの、
帯電した物体の静電気をすみやかに消散させられるほどの導電性はないもの
分類 表面抵抗率の範囲(単位:Ω/sq)
導電性 ~105 Ω/sq
静電気拡散性 105~109 Ω/sq.
帯電防止 109~1014 Ω/sq.
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導電性材料の分類は導電性、静電気拡散性、帯電防止の三つがある。
*sqはsquare(平方)