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静電気による爆発、火災の 発生機構とその対策


静電気による爆発、火災の 発生機構とその対策

Explosion, fire caused by the static electricity

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静電気による爆発、火災の 発生機構とその対策

  1. 1. 静電気による爆発、火災の 発生機構とその対策 2020年12月5日 ク コンサルティングクレイン テクノ Crane techno. 1
  2. 2. 1章:静電気による引火、爆発 1.静電気による爆発、引火件数 2.静電気爆発の条件 3.粉体の静電気による引火条件 4.主な可燃物質の爆発範囲と最小着火エネルギー 5.サイロでの放電メカニズム 6.清掃,洗浄時時の帯電防止 7.金属容器の帯電 8.ホースの静電気対策 9.フレキシブルコンテナの静電対策 10.静電気と酸素濃度 2
  3. 3. 1.静電気による爆発、引火件数: 日本国内の静電気関連火災件数(1991年~2010年) ⇒消防庁 火災年報より 3 年間 約100件の静電気火災が発生している。
  4. 4. 静電気による爆発、引火工程別発生件数 厚生労働省の災害調査資料(1989~2004)に基づく分析 4 粉体摩擦に関連した火災が約50%発生。
  5. 5. 5 燃焼の三要素が同時に満たされたときに爆発が発生し、怪我、死に至る。 可燃物 支燃物静電気 爆発 コロナ放電 ブラシ放電 火花放電 沿面放電 空気 酸素 ガス 蒸気 粉塵 ミスト 2.静電気爆発の条件
  6. 6. 3.粉体の静電気による引火条件: プラスチックス樹脂、穀物および金属等の可燃性粉体が粉じん爆発を起こした例は たくさんあります。この粉じん爆発が発生する条件は、粉体の粒径が100μm程度以 下でかつ粉じんの濃度が数10(g/ m3)程度以上になることです。粉じんの着火に必 要な最低のエネルギーこれを、最小着火エネルギーといいます)は、およそ20(mJ) 程度ですので、かなり大きく帯電しないと静電気放電で着火することはありません。 しかし、最近では、粒径が数μmまたは1μm以下(サブミクロンともいいます)の 粉体がたくさん製造されており、中には最小着火エネルギーが数(mJ)あるいは1 (mJ)以下のものもありますので、このような場合には、可燃性ガス・蒸気と同様の 注意が必要です。主な粉体の最小着火エネルギーを次の表に示します。 6 粉塵の最小着火エネルギーはおよそ20(mJ)程度
  7. 7. 4.主な可燃物質の爆発範囲と最小着火エネルギー 7 粉体名称 最小着火エネルギー (mJ) 爆発下限濃度(g/m3) ナイロン 20 30 エポキシ樹脂 9 20 フラン樹脂 10 25 ポリエチレン 10 20 ポリスチレン 40 15 ポリプロピレン 25 20 小麦 40 40 小麦でんぷん 25 25 砂糖 30 35 硫黄 15 35 マグネシウム 20 20 アルミ二ウム 10 30 チタン 10 45 ケイ素 80 100
  8. 8. 5.サイロでの放電メカニズム: 一般にプラスチックス樹脂、殻物類の粉じんが爆発するに必要な最小着火エネル ギーは20mJ程度です。このような比較的大きなエネルギーを放出する静電気がサ イロで発生する機構として図に示すように次の四つが挙げられます。 (1)雷状放電 帯電した粉じんがサイロの空間で自ら形成した電界によって空気が絶縁破壊を起こ し、粉じん中を稲妻のように放電が走るものです。雷状放電の発生には、少なくと も直径3m、容積80m3の空間に帯電粉じん雲が形成される必要があるといわれてい ます。 (2)沿面放電 サイロの内壁がガラス等の絶縁物で薄く覆われていると、静電気が蓄積しやがて絶縁 破壊とともに非常に大きな放電が絶縁物の表面に発生します。 絶縁層にピンホールという小さな穴があれば、この放電が起こった証拠と考えられ ます。 (3)コーン放電 比較的粒径が大きく、かつ、絶縁性の高い粉体が、帯電して急速にサイロに供給さ れると、円錐状に堆積した表面で大きな放電が発生します。この現象は、比較的小 さな容器でも観測されます。 (4)火花放電 サイロの内部にボルト、ナット等の金属製物体が絶縁状態で存在すると、静電誘8
  9. 9. サイロ内の静電気放電: 9 サイロでの放電の種類は4つ
  10. 10. 6.清掃,洗浄時の帯電防止: 有機溶剤タンクの洗浄、清掃時は帯電対策として長柄ブラシの対策、溶剤の導電化、 作業方法などの対策を実施します。 毛の材質はプラスチックスのタイプ以外を使用します(一般に、プラスチックスタ イプは絶縁性てあり静電気が発生しやすい)。 また、長柄部分は木製を使用し、デッキとの接続に使用されている金具は絶縁金属 となり誘導帯電を受けるので、金属金具の無いものを選ぶことです(木製ネジな ど)。 同様に、デッキ部、長柄部を金属製にするならば、これらを確実に接地しなければ なりません。次に、溶剤は帯電性が小さく、かつ、できるだけ引火点が高い溶剤を 使用することです。 適切な溶剤がないとき、トルエンなどに帯電防止剤を数ppm添加して導電化する方 法があります。また、作業方法は溶剤を仕込んだ後、静置(2~3分)してから洗浄 し、できるだけ軽くこするようにします。なお、さらなる安全対策としては、タン ク内に窒素ガスなどの不活性ガスを封入してします。 10
  11. 11. 7.金属容器の帯電: 金属容器の帯電によって火災などが発生する危険の程度は、可燃性液体・溶剤の種 類、金属容器の大きさ(静電容量であらわす)によって異なります。 いま金属容器の大きさを18リットル石油缶、溶剤の種類を炭化水素系の有機溶剤 (例えば、メタノール)とすると、危険な帯電電圧は、おおよそ5kV (キロボル ト)になります。一般に、金属容器が大きくなるほど、静電容量が大きくなるので、 例えば、200リットルのドラム缶の場合の危険な帯電電圧は、2kv前後になります。 ただし、安全管理の上では、前記の石油缶、ドラム缶の危険な帯電電圧は事業所ご とに安全率を見込んで決めることが良い。なお、可燃性液体、溶剤などを充填する ときの金属容器の帯電電圧、v(kv)は、静電電圧計、表面電圧計などで簡単に測 定できます。 11
  12. 12. 8.ホースの静電気対策: 静電気放電による災害を防止するための第一は絶縁性のプラスチックスホースを使 用しないことです。現在、カーボンブラック、導線性繊維を混入した導電性のホー スが市販されていますのでこれに交換するとよいでしよう。 やむをえずプラスチックスホースを使用するのであれば、プラスチックスホースの 外表面に機械的耐久性のある金属線を数cm (2~2.5cm)のピッチでらせん状に巻き 付け、これを確実に接地することが必要です。これは、導線性ホースと同じ帯電防 止効果があるわけではありませんが、帯電物体の近くに遮蔽用の接地金属を置くと、 遮蔽効果によって帯電電位の低下及び放電に関与する面積・体積が減少し、着火に 結びつくような放電が防止されます。 ただし、これを使用するとき、万一接地がはずれるようなことがあると、むしろ大 きな静電気放電が発生し、災害対策が逆効果になります。また、らせん状に巻き付 けた金属線がとぐろを巻いたり、つづら折りになったり、プラスチックスホースの 操作などによって断線しないように、使用基準によって接地します。 12
  13. 13. ホースの静電気対策事例: 13 基本は導電性ホースを使用 金属細線に よる遮断 金属細線に よる遮断
  14. 14. 9.フレキシブルコンテナの静電対策: フレキシブルコンテナから粉体を排出する際に粉体の種類や状態によっては高いレ ベルの静電気が発生します。 これによって、作業者が電撃を受けたり、反応容器内の可燃性ガス蒸気に着火し爆 発事故を起こした例があります。このような事故を防止するために、帯電防止加工 をしたフレキシブルコンテナを使用してください。なお、帯電防止加工品は、接地に よって静電気を大地へ逃がすという方法を採用しているので作業中は、必ず接地を してください。もし、接地をしないと、放電時のエネルギーが一般のフレキシブル コンテナよりも大きくなり、かえって危険となる場合もありますので注意が必要で す。 14
  15. 15. 10.静電気と酸素濃度: 可燃物が燃焼するためには助燃剤として酸素が不可欠です。逆に言えば、酸素濃度 を低下させれば着火源の存在する場所でも可燃性物質の爆発が防止でき、安全に取 り扱うことができます酸素濃度を下げるためには窒素や二酸化炭素のような不活性 ガスを供給する設備が必要です。目標とする酸素濃度は、取り扱う物質によって異 なります。具体的な値は、表を参考にしてください。 15 危険性区分 爆発限界酸素 濃度(%) 管理酸素濃度 指標 可燃性物質の例 1 0 0 分解爆発性物質 (エチレンオキシド、シラン) 2 0-4 <1 Si - H結合をもつシラン誘導体 3 4-8 <2.5 水素,一酸化炭素,二硫化炭素, 硫化水素,アセチレン,水素,一 酸化炭素等を多量に含む混合ガ ス 4 8-12 <5 大多数の有機化合物,有機粉じ ん 5 >12 <8 アンモニア,一部のハロゲン化 有機化合物 【可燃性物質の種類と管理酸素濃度指標】
  16. 16. 2章:帯電防止対策の基本 目次 1. 帯電防止とは? 2. 接地 ・・・・2.1 アース線 ・・・・2.2 リスト&フットストラップ ・・・・2.3 静電靴、導電靴 3.導電化 ・・・・3.1 導電性床&導電性シート ・・・・3.2 導電性素材 ・・・・3.3 帯電防止スプレー 4.加湿と静電気 ・・・・4.1 相対湿度と静電気帯電量 ・・・・4.2 加湿の利点、欠点 ・・・・4.3 加湿の問題点 ・・・・4.4 加湿の改善 5.シールド 6.除電器 ・・・・6.1 電圧印加式除電器の原理 ・・・・6.2 電圧印加式除電器の種類 ・・・・6.3 除電器のメンテナンス ・・・・6.4 自己放電式除電器 16
  17. 17. 1.帯電防止とは? 静電気トラブルを回避するには、静電気そのものの発生を抑えるか、もしくは静電 気が発生しても帯電しないようにするしかない。物体同士が接触または剥離すると 静電気は発生する、たとえ同じ材質同士でも表面状態などによっては静電気が発生 する。摩擦を少なくしたり、接触面を小さくしたりすることで静電気の発生を少な くすることはできるが、無くす事はできない。 したがって静電気が発生しても、過剰な電荷をアースへ流したり、電位が上昇しな いようにしたり、中和したりする方法がトラブルを解消する対策となる。 対策方法には主に接地、加湿、導電化、遮蔽、イオンによる中和等がある。 帯電防止⇒静電気を発生させない、帯電させない 17
  18. 18. 2. 接地による除電対策 接地は静電気除去の最も基本的な対策である。地球(アース)は巨大な導体であり、 地球上どこでも同じ電位で、電荷の無限の供給源かつ吸収源である。 電線などを使って、地球と電気的に接続することを『接地』という。他にも「アー ス」、「グラウンド」、「FG」ともいう。 又、帯電する材料を導電化できれば,その材料の一端を接地することによって容易 に電荷を除去することができる。 接地は金属など電荷が流れるものに対しては効果があるが、絶縁体では効果が期待 できない。図11に接地による帯電防止効果の目安を示した。 接地とは電気回路の一部分を大地(地球)に接続すること 18
  19. 19. 【除電対象物が導体の場合~金属等の接地】 金属 鍍金した樹脂 金属メッキ 導電材混入材料 図12 地接地の接続部の導電性に留意(腐食、接触不良、外れ) 19
  20. 20. 【除電対象物が不導体の場合~樹脂等の接地】 樹脂 *参考:導電性クロスを使用に場合 電荷流れない 導電性クロスを拭いた部分 の静電気は流れ去る。 *拭いた後、導電性クロスを離すと接触、 摩擦、剥離により新たな接触帯電が発生。 新たな接触帯電が発生 図13 20 樹脂等では接地は効果がない。
  21. 21. 2.1 アース線 接地には、雷電流を大地に安全に流す為の落雷防止用接地、感電防止を目的とした 電気機器の保安用接地(感電防止用接地)等色々あり、その目的により接地抵抗が 決められています。 いずれも大地の表面が零電位であることを利用したものですが静電気対策の接地は、 摩擦や誘導により発生した静電気を大地に漏洩させ、静電気の蓄積(帯電)を防ぎ、 物体の電位を大地と同電位または最小の電位差にすることを目的とします。 静電気帯電防止を目的とした接地は、保安用接地と異なり常に1MΩ未満を満足す れば、その目的を満足します。したがって静電気対策のために実施する接地も特別 の工夫をする必要がなく、大部分の場合は保安用接地と兼用できます。 *参考:A種(第1種)接地の場合は10Ω以下 21 樹脂等では接地は効果がない。
  22. 22. IC半田付け作業 落雷防止用接地 感電防止用接地 静電気破壊防止用接地 A種(第1種)接地の場合は10Ω以下 静電用接地の場合は1MΩ未満以下図14 22 静電用接地の場合は1MΩ未満以下 【接地の種類】
  23. 23. 2.2 商品化事例 リストストラップ、フットストラップ 非常に帯電しやすい人体の電荷を大地(アース)逃すには、人体は導体に近いので、 接地がとても有効的な手段になります。 人体の接地するツールとして「リストストラップ」があります。 リストストラップとは、人体より発生する静電気が、作業中に製品に悪影響を与え ないよう作業者の皮膚を接地することで、人体の電位を逃す為のツールです。静電 気防止を行う上でリストストラップは必ず着用するべきです。 EPA (静電気放電保護区域)を構成する静電気管理製品の最も重要で、古くから使 用されているものがリストストラップです、大航海時代( 15世紀末から17世紀中 頃)には火薬の運搬車にはチェーンが取り付けられていたという記録もあります。 23 リストストラップは人体の電位を逃す為のツールです
  24. 24. リストストラップ フットストラップ 保護抵抗として通常1MΩ の抵抗が入っている。 カフ。 図15 24 リストストラップは感電防止の為に保護抵抗がある。
  25. 25. 2.3 導電靴(静電靴) 静電気帯電防止靴(以下「静電靴」といいます。)は,人体に帯電する静電気を靴 底を通して漏洩させる構造をもった靴をいいます。 静電靴の用途としては, ①爆発,火災,電撃のような事故および災害の防止 ②電子素子の破壊などの生産障害の防止 の2種類の用途があります。 静電靴は靴底のゴムやウレタンの材質に導電性物質をブレンドして、人体の静電気 を床に漏洩させる特長を有します。 静電靴、静電シューズの仕組みは図17の構造になっており、中底から靴底を経て アースする構造の為、内部構造の改造及び絶縁性中敷のご使用は厳禁です。 25 静電靴は人体に帯電する静電気を靴底を通して漏洩させる。
  26. 26. 図17 26 静電靴の内部構造の改造及び絶縁性中敷のご使用は厳禁です。 【静電靴の構造】
  27. 27. 3. 導電化 帯電する材料を導電化できれば,その材料の一端を接地することによって容易に電荷 を除去することができるから,導電化は重要な帯電防止手法である導電化の方法とし ては,材料の表面を導電化する方法と,体積内部を導電化する方法に分かれる。 1)表面導電化 金属皮膜の形成:化学めっき,真空蒸着,スパッタリングなど 導電性塗料:塗料に導電性材料の微粉を混入 表面の親水化:界面活性剤 2)体積導電化 高分子材料の体積的な導電性を増すための最も一般的な方法は,導電性材料を高分子 材料中へ混入することである。導電性材料としては,金属粉,カーボンブラック, カーボン繊維などが用いられる。 27 材料を導電化すると容易に除電することができる。
  28. 28. 3.1 導電性床&導電性シート 人が歩行することにより床と靴との間に静電気は発生し、人体に溜まり、静電気 トラブルが発生します。 静電気管理を行う上で、管理領域の床帯電は、移動する人間や機器類に静電気を 発生させる大きな要因となります。床の静電気防止管理を大きく2つに分けると、 まず、“作業者との接触においての帯電を抑制する考え方と、発生した電荷を穏 やかに拡散する接地の考え方”があります。 【図19 床の静電気発生 モデル】 28 床帯電防止には帯電抑制と接地拡散の方法がある。
  29. 29. 3.2 導電性材料 ESD (静電気放電) 対策の為に 床、作業デスク、包装材、ツールなどに静電気対策用に導電性材 料が用いられることがある。導電性材料として色々あるがその導電性 (抵抗率) によって 大きく いくつかに分類することができる。表面抵抗率による分類の1つは、次のようなものである。 この分類では抵抗率の幅が非常に大きい (同じ分類の中で 100,000倍もの差がある) こともあり、 一概には言えないものの 導電性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こす可能性があるほど 高い導電性 (低い抵抗) を持つもの 静電気拡散性 ―― 帯電した物体が接触した場合に激しい ESD を起こすことなく、 かつその帯 電を比較的すみやかに消散させられる程度の導電性を持つものの、 静電場を遮蔽できるほどの 導電性は持たないもの 帯電防止 (静電気防止) ―― それ自身の帯電をある程度防止できる程度の導電性は持つものの、 帯電した物体の静電気をすみやかに消散させられるほどの導電性はないもの 分類 表面抵抗率の範囲(単位:Ω/sq) 導電性 ~105 Ω/sq 静電気拡散性 105~109 Ω/sq. 帯電防止 109~1014 Ω/sq. 29 導電性材料の分類は導電性、静電気拡散性、帯電防止の三つがある。 *sqはsquare(平方)
  30. 30. 導電性材料を用いた商品 30 導電パーツBOX,カーボンピンセット、導電性袋、導電性シート
  31. 31. 静電気帯電防止作業服 半導体工場で用いる服に無塵衣とか、防塵服と呼ばれるものがあります。 これは人体からでるホコリを防止するものですが、同時に静電気対策で もあります。繊維中に細かい金属繊維が織り込んであり、これが導電性 を帯びています。 そして人体が静電気を帯電しても、衣服がそれを外部に漏洩させ、帯電 しないようにし、半導体を静電気から守っているのです。 31 作業服に細かい金属繊維が織り込んであり、静電気を外部に逃がす。
  32. 32. 3.3 帯電防止剤~界面活性剤のメカニズム 静電気防止対策として、絶縁体の表面に界面活性剤をスプレーで塗布する方法があ ります。界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことをいいます。 界面には水と空気の界面、水と汚れの界面、汚れと衣類の界面などがあり、界面活 性剤はこのような境界面に働いて表面の性質を変える物質のことをいいます。界面 活性剤は洗剤や石けんなどにも使われ、水にくっつきやすい成分を持つことが特徴 です。 図22 32 帯電しやすい樹脂も界面活性剤の親水基にできた水分膜内の電子で電荷が 中和、漏洩されて電位が低くなる。
  33. 33. 4.1相対湿度と静電気帯電量 乾燥時(相対湿度:10~20%)及び湿潤時(相対湿度:65~90%)の発生要因 別の帯電量は下記のグラフが示すように圧倒的に20倍以上、乾燥時に帯電量が多く なります。 図23: 33 乾燥すると静電気が急増する!
  34. 34. 静電気帯電量の変化点は相対湿度50%付近であり、50%を切ると急激に帯電量 が高くなります。 図24: 34 静電気の変化点は相対湿度50%
  35. 35. 日本では50%を切る時期は少なく静電気が起きやすい気候ではないですが冬場に は静電気が発生しやすいと思われています、大きな原因は室内の暖房です。冬場、 外気温が低下して室内を暖房すれば気温が上昇し、それに伴いその気温の飽和水蒸 気量が上昇して相対湿度が低くなります。 次の図の例にように温度10℃、相対湿度が50%の室内の場合、暖房して気温が 25℃になると相対湿度は20%に大きく低下、静電気が発生しやすくなる。 図25: 35 日本の冬の室内は乾燥し、相対湿度が低下し、静電気が発生しやすい。
  36. 36. 5.静電気シールド~静電気遮蔽による帯電防止 帯電したモノを導体で遮蔽して静電気の影響を外部に与えないようにする静電気 方法であり、静電気シールドとも呼んでいる。 但し、この方法は帯電した電荷を除去している訳でないのでシールドされた空間か らでた帯電物は帯電したままである。 導体 導体 外部に+帯電物があっても接地しても、 しなくても導体内部の電荷はゼロ! 図27: 36 静電気シールドで外部への静電気の影響を遮断。
  37. 37. 遮蔽を利用して帯電体が外部に静電気現象の影響を与えないようにする対策用品が ある。例えば、プラスチックペレットの空気搬送で使用されるホースはプラスチック ペレットが内壁に衝突するため帯電する。ホースが帯電することによって、外部導 体へ放電するなどのトラブルが発生する。図28に帯電モデルを示す。 ホースに金属網を巻きつけて接地したり、金属製ワイヤー入りホースにしたりする ことで、帯電したプラスチックペレットの影響が外部に出ない。またホース内部の 電位の上昇が抑えられるので静電気トラブルは発生しにくくなる。図29に金属製ワ イヤー入りのホースの例を示す。 図28: 樹脂ホース 外部導体 ホースが帯電して外部導体に 放電 タイガースポリマー株式会社 クリスタルホース静電W型 図29: 37 ペレット搬送ホースに金属網を巻いてシールドして外部への放電を防止。 5.1 静電気シールド事例
  38. 38. 6.除電器~イオンによる中和 除電器はコロナ放電によって空気中にイオンを生成する「コロナ放電タイプ」と、 X線などの高エネルギー線を空気中に照射することで、空気を電離させてイオンを 生成する「電離放射線タイプ」に大きくふたつに分けられる。更にコロナ放電タイ プでは針形状の電極などに電圧を印加する「電圧印加方式」と、帯砲物の電圧が上 昇すると利用する「自己放電方式」に分かれる。 又、電離放射線タイプでは光の種類によって「軟X線方式」、「紫外線方式」、 「α線力式」に分かれる。 除電器 コロナ放電 式 電圧印可 式除電器 自己放電 式除電器 電離放射 線式 軟X線除電 器 紫外線除 電器 α線除電器 図30: 38 除電器は「コロナ放電タイプ」と「電離放射線タイプ」に分けられる
  39. 39. 6.1 電圧印加式除電器の原理~コロナ放電 針形状のような尖った電極に高電圧を印加して、先端には強い電界を生じさせ る。この電界によってコロナ放電が発生し、空気中の分子がイオン化される、こ のイオンを気流や電界(クーロンカ)を用いて帯電物に供給して除電を行う。 +電極 +電極の周辺の空気がイオン化されてマイ ナス電荷を失った+イオンが発生。 マイナスに帯電された帯電物に+イオンが 近づき、電気的に中和される。 図31: e- e- e- +電極 気体分子から電子が奪われる 電子が奪われプラスイオン化した気体分子 39 コロナ放電にてイオンを発生させ、帯電物に与えて除電する
  40. 40. 2)圧縮空気(エア) 除電器に圧縮空気を供給して(エアバージ)して電極付近のノズル穴からエア を噴射させる、噴射したエアはイオンをのせて遠くまで届く。このタイプの除電器 は近距離に除電器を設置できないときや圧縮空気の力を利用してゴミやホコリを吹 き飛ばして除去するときに用いる。商品としてはガンタイプ、バータイプ等がある。 ガンタイプ除電器 バータイプ除電器 40 圧縮空気にてイオンを遠くまで飛ばす。
  41. 41. 3)ブロア(ファン) 除電器に内蔵したファンやフロアの風力によってイオンを搬送する。この夕イプの 除電器は、エア設備が必要ないこと、特別な電気工事や設置工事を必要としないこ とから、セル生産の作業台(屋台)に使用されることが多い。下図にブロアタイプ 除電器を使用する例とブロアタイプ除電器の例を示す。 ブロア除電器 使用例 ブロア除電器 41 内臓したファンでイオンを搬送
  42. 42. 3章:静電気関連の測定器 【目次】 1. 静電気の測定 ・・・・1.1静電気の測定の繰り返し精度 2. 表面電位測定器 ・・・・2.1表面電位測定器の使用時の注意点 3.帯電プレートモニター ・・・・3.1 除電時間の測定方法 ・・・・3.2イオンバランスの測定方法 4.湿度計 42
  43. 43. 1.静電気の測定 静電気障害を除くためのデータを得る目的で行われる計測は,計測対象が単純では ないだけでなく,その計測方法についても定まっていない部分がある。 静電気計測として必要な項目は ① 電荷量の計測 ② 電位・電界の計測 ③ 材料の静電気的特性に関する計測 ④ 静電気放電とその影響に関する計測 ⑤ 静電気障害対策用品の性能判定のための計測 などがある。 日本工業規格JIS C 61340-2-2で静電気の帯電特性の測定を定義、標準化していま す。 43 静電気測定はJISで一部が標準化されている。
  44. 44. 2.表面電位測定器 静電気の測定中の電荷の測定にはクーロンメータ(電流積分法)やファラデーゲー ジなどが使用されますが原始的な方法のため工場での測定には向いていません。 現在、工場で良く使用されているのが表面電位測定器です。 帯電していない導体は近くに帯電体が無い広い空間に置かれていればその電位はゼ ロである。しかし,この導体に帯電体が接近すると,導体自身に電荷が無いにもか かわらずその電位が変化する。そのため,導体の電位を測定することによって,帯 電体の電位(あるいは電荷量)を知ることができる。 表面電位測定器の原理 44 センサー(導体)の電位変化を検知して測定。 測定物 導体
  45. 45. 電位計としては、検出電極を電界方向に振動させ交流電圧を起こし、これを増幅整流して直流 に変換し読む振動容量型電位計がよく知られています。 45 検出電極を電界方向に振動させ交流電圧を発生、増幅、整流させる 振動容量型電位計がよく用いられる
  46. 46. 2.1 表面電位測定器の使用時の注意点 電位は帯電体の電荷量だけで決まらずに,その部分の静電容量に依存して決まる。静電容量は 帯電体の置かれた状態によって変化するから、測定ポイントに留意し、場所を記録する事が必 要です。 例えば,図に示すフィルムが金属ロールで搬送されている例では,A点のようにフィルムが ローラに接触している所と,B点のようにフィルムが空間にあり,その裏面が物体から離れて いる所でのフィルムの電位は大変な違いを生じる。当然A点での電位は低くなり,B点での電 位は高くなる。 46 表面電位計での測定では測定ポイントが重要であり、場所を記録する事。 図54
  47. 47. 1章:静電気発生のメカニズム……基本的な静電気理論 目次 1. 静電気とは? 2. 接触帯電 3. 静電誘電による帯電 4. コロナ放電による帯電 5. 人体が帯電したらどうなるか? 47
  48. 48. 1. 静電気とは? 「静電気が発生する」という言葉の意味は、本来は電気的に中性である物体の中で、 正または負のどちらか一方の極性の電荷が過剰になる現象のことである」。この過 剰な電荷そのものを「静電気」といい、そしてこの過剰な電荷が物体に蓄えられる 現象を、「静電気帯電」(単に帯電ともいう)という。さらにその過剰な電荷が空 気中に放出される現象を「静電気放電」(単に放電ともいう)という。 *静電気用語で使用されるESDとは静電気放電(英: Electro-Static Discharge) の事である。 帯電の種類は色々あるが主な帯電を説明する。 ・接触による帯電 ・静電誘導による帯電 ・コロナ放電による帯電 電荷その物を静電気、 蓄えた現象を帯電、 放出される現象を放電と呼ぶ 48
  49. 49. 2. 接触帯電 異種の物体(固体か液体)が接触してのち分離すると静電気が起きる。両物体が初 めは帯電していなくても,分離のときに電子の移動が起きて帯電する。図1は,2 つの物体が接近し,接触し,分離して帯電する過程の原子モデルの説明である。 原子はマイナス電荷の電子が軌道に存在し、原子核にはプラス電荷の陽子が電子数 と同じだけ存在するので電気的は中性を保っている。 原子には電子を放出しやすいものと電子を受け取りやすいものがあり、両者を接近、 接触させると電子の移動が起こる。 その結果、電子を受け取った原子はマイナスに電子を放出した原子はプラスに帯電 する。 異なる物体が接触⇒分離して発生する帯電を接触帯電と呼ぶ 49
  50. 50. 静電気が発生する理由~接触帯電のメカニズム プラスに帯電しやすい物質 例:ガラス、毛皮 マイナスに帯電しやすい物質 例:テフロン、塩化ビニル 接触時 電子が移動 電子が移動 電子が移動 マイナス帯電 プラス帯電 図1: 物体が接触すると電子が移動し、電子を受け取った側はマイナス、 放出した側はプラスに帯電 50 *摩擦すると静電気が発生するのは接触帯電の為
  51. 51. 帯電列(摩擦による帯電のしやすさ) テ フ ロ ン 塩 化 ビ ニ ル ポ リ プ ロ プ レ イ ン シ リ コ ン ポ リ エ チ レ ン ウ レ タ ン セ ル ロ イ ド ポ リ エ ス テ ル ア セ テ ー ト 硫 黄 金錫ニ ッ ケ ル 琥 珀 木 ・ ち り 紙 木 綿 ア ル ミ 絹鉛毛 皮 ナ イ ロ ン 人 毛 ガ ラ ス ア ク リ ル 樹 脂 人 間 ( 皮 膚 ) 空 気 プラスに帯電しやすい マイナスに帯電しやすい帯電しにくい⊕ ⊖ 空気、人間の皮膚はプラスに、テフロン、シリコンはマイナスに帯電しやすい。 51
  52. 52. 3. 静電誘電による帯電 電場の中に導体を置くと、静電気力を受けて、導体内の正電荷は電場の方向へ、負 電荷(自由電子)は電場と逆の方向へ移動します。 これが静電誘導です、誘導帯電は導体の場合に限られる。図2に導体の誘導帯電の 過程を示す。 導体に帯電体が接近すると、導体表面には帯電体の極性と逆の極性の電荷が誘導さ れ帯電体から離れた表面にはその誘導電荷と逆極性の電荷が現れる。そして導体を 接地すると、帯電体付近の表面にだけ電荷が誘導されたままになる。 これは始めから接地された導体に帯電体を近づけても同じである。次に接地を外し て帯電体を遠ざけると、導体には電荷が残り帯電した状態になる。この現象は実際 の現場でも十分に注意すべき現象である。 導体中の正電荷は電界中に置くと電界の方向に、負電荷は逆方向に移動する。 52
  53. 53. 導体電 静電気が発生する理由~静電誘導のメカニズム 図2: プラス帯電 導体を接地すると帯電 帯付近だけ電荷が残る。 帯電体 導体表面に静電誘導で 電荷が誘導される。 プラス帯電 帯電体を離し、接地を 外すと導体はマイナス に帯電する。 導体に帯電体が近づくと静電誘導が発生し、電荷が誘導される。 53
  54. 54. 誘電分極とは 絶縁体では図3のように帯電体を近づけると、絶縁体内部で電気双極子が帯電体の 方に向かって整列し分極という状態になる。この電気双極子が整列することを配向 するという。 電気双極子というのは微小距離を隔てた正負電荷の一対である。そのもの自体は電 気的に中性でかつ絶縁体なので電子の授受はないので接地を外して帯電体を遠ざけ ても分極している状態からもとに戻るだけである。したがって理想的な絶縁体は誘 導帯電しない。 図3: プラス帯電 電気双極子が配向する。 プラス帯電 接地しても変化なし。 帯電体 絶縁体 プラス帯電 帯電帯を離すと元のランダムな 状態に戻る。 分極によって不導体全体の電荷が偏ることを誘電分極と呼ぶ 。 54
  55. 55. 4. コロナ放電による帯電 物体は導体、絶縁体に関わらず、コロナ放電などで生成したイオンに接触したりする ことによって帯電する場合がある。空気清浄機がホコリやゴミを帯電させてフィル ターに吸着させるのはこの現象を利用している。図4に電気集塵の原理を示す。 集塵極 集塵極放電極図4: 尖っている金属先端などに生ずる局部的な放電。コロナcoronaは冠crownと同 義語 55
  56. 56. 5. 人体が帯電したらどうなるか? たとえばスリッパを履いてカーペットの上を歩くと、カーペットとの摩擦で帯電 したスリッパの電荷は、スリッパを介して人体に電荷を誘起させる。そして少し でも帯電すると、人体の静電容量は100ピコファラッド程度と非常に小さいの で、電位はたちまち数千ボルトから数万ボルトに上昇するのである。 しかし、人体が数千ボルトに帯電していても、そのままでいれば何も感じない。 しかし、導電性のある物体、特に接地してある導体に手を触れたりすると、高電 圧によって放電し、電撃を受けることがある。 スリッパの例でいうと、カーペットとの摩擦で底がプラスに帯電したスリッパは 静電誘導によって人体の下半身にマイナスの電荷を誘起する。一方では、スリッ パとの摩擦でマイナスに帯電したカーペットの静電誘導で絶縁性の床の下にある 地面や導電性の物体にプラスの電荷が誘起される。 人がカーペットを歩行すると数千ボルトから数万ボルトの静電気が発生 56
  57. 57. カーペット 接地体 ドアノブと指先で放電が生じ、電撃が人体に伝わる。 摩擦によりスリッパは 、カーペットは⊖に帯電する カーペットからの静電誘導により接地体は に帯電する。 ⊕ ⊕ 図9: ドアのノブを触ると数千ボルトから数万ボルトの電流が流れる 【人体の静電気発生モデル】 57
  58. 58. チェアとの摩擦による人体の帯電 オフイスや作業場で椅子に着座・離座することなどによって人体が帯電する。 現東京都立産業技術研究センターによる実験結果を紹介、実験は,図10の方法で 行われた。人は着座したまま,背当ておよび座面を摩擦したのち立ち上がり,人体 とチェアの電位を測定する。 図10: 椅子の着座、離座を繰り返すと椅子が帯電する 58
  59. 59. チェア,履物,床材に導電性材料を使用する効果が明瞭に見られる。帯電防止対策チェアは, チェア帯電電圧,人体帯電電圧ともに一般品チェアの場合よりも小さい。 これらの結果から,導電性材料を使用したチェア,履物,床材の効果があること、チェア,履 物,床材のすべてについてこのような静電気対策品を使用すべきあることがわかる。静電気対 策は,チェアであればキャスターやジョイント,靴底に導電性材料を使用することである。静 電気防止用の靴の底には,電気抵抗(リーク抵抗)が106~108Ωの拡散性領域の材料を用いる。 床には,導電性のあるタイルを使用するほか,導電マットを敷く方法がある。 画像出典先:静電気を科学する 高橋雄造 (著) 帯電防止対策椅子は帯電しにくい 59
  60. 60. 2020年12月05日 参考文献: 実務で使う静電気対策の理論と実践 静電気の基礎と帯電防止技術 著者:村田雄司 日刊工業新聞社 たのしい静電気 著者:高柳 真 静電気トラブル Q&A 監修:田畠泰幸 図解 静電気管理入門 著者:二澤 正行 工業調査会 静電気がわかる本―原理から障害防止ノウハウまで 高橋 雄造 (著) 電気機器の静電気対策 (設計技術シリーズ) 水野 彰 (監修) 60 ク コンサルティング クレイン テクノ

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