More Related Content
Similar to ビジネス機会の特定 ~オープンイノベーションに必要なこと~ (大企業の新事業) (20)
ビジネス機会の特定 ~オープンイノベーションに必要なこと~ (大企業の新事業)
- 1. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 1
10/1/2015
本荘修二
本荘事務所代表 多摩大学客員教授
ウェブサイト http://www.honjo.biz/
ビジネス機会の特定
~オープンイノベーションに必要なこと~
KAIKAオープンイノベーションLab
- 2. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 2
Who am I?
• 本荘事務所 代表(新事業を中心とした経営コンサルティング)
• 多摩大学大学院 客員教授(実践アントレプレナーシップ)
• 大企業、ベンチャー企業、他数社のアドバイザー
• 500 Startups、Founder Institute、Open Network Lab、始動イノベー
ターなどのメンター
• 日本マーケティング協会誌編集委員など
現在
過去
• リーマン・ブラザーズ証券 投資銀行本部 SVP(プリンシパル投資)
• General Atlantic LLC 日本代表(IT特化の米国投資育成会社)
• CSK/SEGAグループ 大川会長付、グループ戦略室マネジャー
• Computer Sciences Corporation, Ca. (James Champyのリエンジニアリング部隊)
• ボストン・コンサルティング・グループ(東京)
学歴
• 早稲田大学アジア太平洋研究科 博士(学術:国際経営)
• ペンシルベニア大学 経営学修士
• 東京大学 工学部(金属工学科)
- 3. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 3
Who am I?
• 本荘事務所 代表(新事業・イノベーション
などの経営コンサルティング)
• 多摩大学大学院客員教授(実践アントレ
プレナーシップ)
• 500 Startups Japan、NetService
Ventures Groupなど日米の大企業やベ
ンチャーのアドバイザー
- 5. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 5
著作の例
大企業のウェブは
なぜつまらないのか
【顧客との対話に取り組む時機と戦略】
ダイヤモンド社
[2007/2/17]
コカ・コーラパークが挑戦する
エコシステム・マーケティング
企業と消費者のつながり方が、劇的に変わる
ファーストプレス
[2009/11/12]
- 6. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 6
4つの示唆
• サービス
• カルチャー
• スタートアップ
• 生き方
ザッポスCEO
トニー・シェイ著
「ザッポス伝説」
原題“Delivering Happiness”
NY Timesチャート1位
- 9. • 500 Startups
• Founder Institute
• Startup Weekend
• Open Network Lab
• Docomoイノベーションビレッジ
• BRIDGE
• TEDxTokyo yz
• SPARK!
• 福岡、鯖江、八戸、徳島、京都、大阪
ほか
Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 9
コミュニティ
づくり
メンター
地域の応援
- 10. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 10
みなさんオープンイノベーションを
勉強しているそうですが、
- 11. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 11
P&Gの事例を知っていますか?
- 12. P&G 本荘修二 で検索すると
• コネクト+デベロップでイノベーションを量産するP&G:
Dr.本荘の Thought & Share:オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/honjo/2012/11/pg-6f1d.html
• 自主参加のSNSでは不十分?P&Gイノベーションネッ
トの問題解決力|本荘修二の実践講座! 社員を動かす
ウェブ|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/5983
• アウトソーシングを超えた社外との共創!P&Gのオープ
ン・イノベーション大作戦|本荘修二の実践講座! 社員
を動かすウェブ|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/6655
Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 12
- 13. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 13
では、はじめましょう。
- 14. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 14
スタートアップの時代
- 15. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 15
あと10年で「消える職業」「無くなる仕事」
- 16. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 16
商業銀行のビジネスの3割は
スタートアップ(Fintech)にとって代わられる
- 21. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 21
クーポン共同購入サイト 2010年
クーポン共同購入サイト数
0
20
40
60
80
100
120
140
4 5 6 7 8 9 10 11
• 4月のPikuから7か月で100サイトを超えた。
出所:256hax (2010年11月4日現在、日本)
- 23. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 23
では、WHAT=何をやるかについて
考えてみよう。
- 24. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 24
なぜ頭のいい人も
新事業で大ゴケするのか?
- 25. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 25
当初のプランのままでは生き残れない
• (米国で1・2を争うベンチャーキャピタル)
KPCBが投資したスタートアップの7割以
上が、投資時のビジネス・プランAとは異な
るプランBに転換(あるいは消滅)。
- 26. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 26
「ほとんどのビジネスプランは最初の
顧客ミーティングで粉砕される」
スティーブ・ブランク
- 27. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 27
現実のチャンスをつかまえる
Opportunity Recognition
- 28. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 28
ビジネス機会の特定 Opportunity Recognition とは?
• 多くの人が見逃すあるいはチャンスとしてとらえない
ものを、起業家はとらえる
• 種(アイデアや技術)からビジネスへと形作っていって
こそ本当のビジネス機会となる
• 事業機会の種を発見・創造するところからビジネス・コ
ンセプトを形作り、前に進めるかの評価・判断をする
ところまでの活動。
– 新事業におけるファジー・フロントエンドとも言われる前
工程
• ビジネスの種の創造・発見→機会の選定→ビジネス
機会の開発→意思決定
Opportunity
Recognition
問題意識
欧米の起業家精神研究での最注目テーマ
スクリーニング
ではない
- 29. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 29
起業家のORプロセス
研究者 準備 シーズ創造
事業機会
形成 評価・決定
Long and McMullan
(1984) pre-vision point of vision
事業機会の
洗練
推進への
意思決定
de Koning(1999)
市場のニー
ズ、十分に使
われていな
い資源を、
把握する
特定の市場と
具体的な資源
の組み合わ
せを見出す
新しい結合を
創造し、ビジ
ネスコンセプ
トの形にする
Singh, Hills, and
Lumpkin(2000)
初期の新しい
アイデア
潜在的な新し
い事業機会
新事業を始
める決定
Ardichvili, Cardozo
and Ray(2001) 知覚 発見と創造 開発 評価
Lumpkin, Hills and
Shrader(2001)
準備 孵化 洞察 洗練 評価
Discovery Formation
• よいアイデアは、実現性のある事業機会へと形
成されなければならない。(Lumpkin, Hills and Shrader
2001) 。
- 30. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 30
日本のスタートアップ・・・なぜ失敗する?
• 種から一足飛びに事業化
• 市場との適合性やビジネスとしての設計が不十
分
• 拙速さゆえに失敗し、軌道修正を余儀なくされる
が、失われた時間と経営資源は大きい
Initial Marketing Mistakes and Business failure:
Case Analysis on Information Technology Ventures
(presented at 2003 Entrepreneurship and Marketing Conference in Chicago)
- 31. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 31
「企業が売ろうと思っているものを
顧客が買うことはほとんどない。」
ピーター・ドラッカー(創造する経営者)
- 32. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 32
• よいアイデアも、そのままでは価値はない。
事業機会をとらえるビジネスに練り上げね
ばならない。
- 33. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved.
外部
展望
創造 決定獲得 形成
市場
繰り返し
組織によるビジネス機会特定(OR)のフレームワーク
ORの進め方
• ビジネス機会のシーズを創る「創造」、要素を探索し選別する「獲得」、ビジネスコンセプトを
つくる「形成」、資源配分や再検討などの意思決定をする「決定」の、4つの活動からなる。
「展望」に基づいて、各活動、そして全体が機能する。
• 各活動とも、市場や外部とやりとりし連携する。
• リニアではなく、各活動が相互に連携し、全体的に繰り返したり、部分的に反復する。
• 展望:この方向で新たな柱や新事業を追求し
たいという指針。具体的行動につながるもの。
• 創造:ビジネス機会のシーズの創造。アイデ
アや、シーズとなる(追加開発等を必要とす
る)技術など。
• 獲得:重要な要素の獲得。能動的に探索し獲
得したり、受け皿として提案を受付け、取捨
選択する。技術等だけでなく、人材を含む。
• 形成:得られたシーズを、ビジネスコンセプト
として形作る。多くの場合、新結合を考案し、
検討、検証を試みる。
• 決定:形成されたビジネスコンセプトを評価し、
前に進めるか、却下するか、修正を求めるか
等の意思決定をする。様々な関係者が参加。
組織による戦略主導のOR
- 34. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 34
ビジネス機会特定(Opportunity Recognition)
のフレームワーク
外部
展望
創造 決定獲得 形成
市場
繰り返し
- 36. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 36
大企業Opportunityのタイプ
• 小さなものが多く、大企業の次の柱にはならない
• ボトムアップ偏重では戦えなくなってきた。
– これまではボトムアップでも本塁打が出ていたが、、、
• 追いつき追い越せの時代
• 大型長寿商品がまだ多かった
• 自前主義でも戦えた
– 計画できない!?
– 鼓舞しても必死になる人が減ってきた、、
• もう担当者の情熱待望論だけでは困難
– ボトムアップのみでは貧乏人の子沢山に
- 37. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 37
日本の大手企業におけるORの課題
• 日本の大手企業におけるORに関わる課題
– 基本的な課題:新事業ならびに柱創造型新事業を相対的に
重視してはいない企業が過半数
• 短期的な業績のプレッシャーと事業部制による分権が背景。
• ビジネスモデルの転換など、ドラスティックな施策が必要との認
識は共通であり、ORは重要。
• 現状のORプロセスの問題
– 展望が欠けている点や、獲得、形成などの活動が弱い点、プ
ロセスの流れが短絡する等の問題が、多く指摘された。
• ORプロセス導入の課題
– トップマネジメント、外部性の受容などの課題が大きい。
– 組織の連携不足あるいは既存組織内で動けないといった問
題、ORに適した人材不足の問題も挙げられた。
- 38. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 38
日本の大手企業における根本的な課題
• 新事業への取り組み
– 重視していない企業が多いが、
– トップマネジメント主導の全社的な柱創造型のORは不可欠
• 企業戦略と展望
– 企業戦略が積み上げ式で形式的との指摘
– 自社の戦略を構築し、展望を提示するべき
• 展望は高度あるいは先進的である必要はない
• ORプロセス導入への条件
– 推進の動機づけ、結果重視、協力的な環境づくり、積極的なトッ
プマネジメントの参画
• リーダーシップ
– カリスマや特別な人間である必要はなく、実行が重要
- 39. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 39
先行研究:体制
• 新事業組織
– Leonard-BartonやChristensenをはじめ多くの研究が、既存組織の限界を
指摘し、新事業組織と既存組織を分けるべきと論じている
– しかし、完全に分離すると既存組織の資源などが活用できない
– Leifer et al. や榊原他は、ハブ型の柔軟な組織を提唱している
– Block and MacMillanは、組織の構造に正解があるとは考え難いと指摘
• ルースカプリング
– Weickは、不確実性に対応する組織の鍵としてルースカプリングを提唱
– O’Reillyが双面型組織を唱えるなど、ルースカプリングを新事業体制に
適用する議論がある。
– しかし、ルースカプリング実施のためには、全社の方向性や新事業の位
置づけなど、指針を明確に示し、浸透させることが大切である。
– 新事業対既存事業だけでなく、事業部間や事業部-研究所間、研究所
-マーケティングなど、ORに関わる様々な組織へ適用できる。
組織のルースカプリング
既存組織の影響下では新事業は難しいが、切り離すと既存の資源が利用できな
い。ゆるやかに結びつけることで、この問題を解決する。またORに関わる組織間
についても適用される。
- 40. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 40
マネジメント・チーム
ビジネス・デベロップメント その他マーケ セールス
事例研究:シスコシステムズのCDO機構
• ビジネス戦略が立案・実行でき、CTO役を兼ねるCDO
• CDO下にゆるやかに繋がったタスクフォース(初期は社内でも秘密)
• 関係部門はバーチャル・チームとして柔らかく連携し、コミュニケーションは密に
• CDOはじめビジネス・デベロップメントの幹部数名は、他部門を兼務(双面型組織
マネジャー)
CDO
CEO
CMO SVP マネジャー
バーチャル・チーム
・ロードマップ策定
特命
タスク
フォース
・各部門からの
クロス・ファンク
ショナル・チーム
バーチャル・チーム
・買収実行
CEO: Chief Executive Officer
CDO: Chief Development Officer
CMO: Chief Marketing Officer
SVP: Senior Vice President
BU: Business Unit
BU
- 43. Market Mapping
Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 43
• これを提供しているサービスもあり=Venture Scanner
• 横断的に理解したら、ここだという点を深堀する。
- 47. Copyright © 2015 本荘修二/Honjo International All Rights Reserved. 47
米国のFEI=Front End of Innovation
カンファレンスに
行ったことありますか?