More Related Content Similar to Infra study 2nd #1 人生100年時代の学び方,定年後の大学院生活 (20) More from Hiro Yoshioka (20) Infra study 2nd #1 人生100年時代の学び方,定年後の大学院生活3. エンジニア⼈⽣と定年後の⼤学院⽣活
• おしながき
• 下記のイベントでお話しました
• July Tech Fest 2019 2020/07/02 (再演)
https://techfesta.connpass.com/event/177160/
• 電⼦情報通信学会、東京⽀部シンポジウム「⼈⽣100年時代における研究者・技術者としての⼼構え」(オンライン開催) 2020/05/21
https://www.ieice.org/tokyo/sinpo.html#menu55
• July Tech Fest 2019 2019/12/08
https://2019.techfesta.jp/speakers#C30
• 関⻄オープンフォーラム2019 11/09
https://k-of.jp/backend/session/1254
• DevLove X 2019/6/22
https://devlove.wixsite.com/devlovex/schedule
https://www.slideshare.net/hyoshiok/10020190623-devlove-x-day-1-d7
• デブサミ2019 2/15
https://codezine.jp/article/detail/11713
• ⻑い⾃⼰紹介,⾃称「プロの酔っぱらい」が
⼤学院⽣になるまでの軌跡と学⽣⽣活のあれやこれや
• パラダイムシフト時代に⽣きる
• 脳はバージョンアップできる
3
TechLION vol. 5, 2011/12/14 https://www.slideshare.net/hyoshiok/techlion-vol5-12142011-10609606
4. 今⽇のお話
• Infra Study 2nd #1「インフラ技術者・研究者としてのキャリ
ア」
• ⼈⽣100年時代の学び⽅,定年後の⼤学院⽣活
• ⾃分を題材,エモい話.すぐに役に⽴つ話は⼀切ない
• 現役⼤学院⽣の学び⽅
• 仕事を辞めて専業学⽣になった元エンジニアの⽇々の失敗の記録
• 対象
• コロナ時代に⽣き抜くヒントを得たい⼈、⼤学で学びなおしたい⼈向
け。
• ⾼齢化社会,定年など,ネガティブな側⾯が強調されることが
多い印象
• 楽しい,⽣き⽣き,幸せなどポジティブな学⽣⽣活を紹介
4
8. わたしの学びの原点
• カーネル読書会
• 1999/4から始まったLinuxカーネ
ル界隈の勉強会
• カーネルハッカーからLinux初⼼
者まで幅広い参加者
• 不定期開催
• ビアバッシュ(ピザとビール)が
デフォルト
• オープンソースにまつわる技術的
な話題がメイン
• https://web.archive.org/web/20
111104223032/http://ylug.jp/m
odules/pukiwiki/index.php?histo
ry Internet Archive に当時の年表
があった
8
https://japan.zdnet.com/article/35012872/
ハッカーマインド⾏こう
24. ⾃⼰紹介的なIT史
• パラダイムシフト
• 起こっていることを知らない
• 起こっていることに気がつかない
• 起こったあとはアタリマエになる
• もともとはトーマス・クーンが「科学⾰命の構造」で唱えた
• ⽇本の近代史
• 明治維新(1867年)、⻄洋と出会い産業⾰命を知り、富国強兵
• 敗戦(1945年)、軍国主義をやめ平和で経済的に豊かな国を⽬指す
• コロナ禍(2020年〜)
24
28. ⾃⼰紹介的なIT史
• パラダイムシフト
• 起こっていることを知らない
• 起こっていることに気がつかない
• 起こったあとはアタリマエになる
• もともとはトーマス・クーンが「科学⾰命の構造」で唱えた
• ⽇本の近代史
• 明治維新(1867年)、⻄洋と出会い産業⾰命を知り、富国強兵
• 敗戦(1945年)、軍国主義をやめ平和で経済的に豊かな国を⽬指す
• コロナ禍(2020年〜),感染症は時々来る
29
32. 前例がなくて、変化が前提
• パラダイムシフトの時代には⾃分で動く
• ⾃分の例
• プログラマとして就職する(前例がほとんどいない)
• 転職(36歳)
• 60歳で博⼠課程の学⽣
• 変化があるのが当たり前、パラダイムシフト
• メインフレームからミニコンピュータ、ワークステーション、PC、モ
バイル
• 変化がゆっくりのものもある
• プログラム内蔵型コンピュータ(ノイマン型と呼ばれることがある)
• APIはUnix(Posix)に収斂した
33
34. 学⽣になったきっかけ
• 2018年6⽉、⼤学付属⽣産技術研究所、オープンハウス
• 教授と雑談
• ⼤学院説明会
• 先⽣に相談
• 2018年8⽉、⼊試(英語、専⾨試験、⼝述試験)
• TOEFL、参考書の過去問を解く
• 学部の教科書を⽣協で購⼊。教科書リストを⽣協でもらう
• 情報理⼯学系研究科電⼦情報学専攻過去問を解く
https://www.i.u-tokyo.ac.jp/edu/course/ice/admission.shtml
• 2018年8⽉末、会社に退職の意向を伝える
• 2018年9⽉、合格発表、定年退職、60歳
• 2018年9⽉末、⼊学
35
36. 学⽣と会社員の違い
• 学⽣、⾃由
• すべての⾏動は⾃分が決める,究極の独学者
• 考える,学ぶ必要がある
• 脳にはいい刺激になる
• 毎⽇毎⽇違う
• 会社員、環境は与えられる
• ビジネス環境,競合会社,上司、部下、同僚、⾃分が決められるものはあま
りない。
• 考える必要性が低い。考えない。
• 脳にダメージを与える
• 昨⽇と同じ今⽇。今⽇と同じ明⽇。
• 仕事ばっかりしているとバカになっちゃうよ(ヨシオカの学びの法
則)
• 脳はバージョンアップできる
37
37. コロナ時代に明らかになったこと?
(個⼈的な感想です)
• 通勤って必要なの
• 満員電⾞
• 東京に集中しすぎていない
• 出張って必要なの
• 宴会
• ハンコは重要ですね
• 仕事って何のためにやるの?お⾦のため
• やっぱとは⾔っても経済重要だよね?本当
• そーいえば,オリンピックってあったよね
• オフィスいらなくね
• 定期券無駄になっちゃた
• ⾃炊もいいね
• 読書量が減った
• 濃厚接触したい
• 旅⾏したいけどなあ
• ⾺⿅騒ぎしたい
• 引きこもりは意外と楽だ
• ⼦育てが⼤変そうだ(他⼈事)
• ネットがあれば⽣きていける
• 変化に抵抗している⼈がいっぱいいる
• インフラがすごい
• それでも学ぶのはなぜ
38
39. 論⽂を読めないということ
• 論⽂を読む,まとめて発表する
• 資料を作って説明する(ゼミ形式の輪読会)
• 時間さえあれば,誰でもできると思っていた
• ⾃分にはできない
• 読んでもわかっていないことが分かっていなかった
• 知らないことと知っていることの区別はつくと思っていた
• それがそうでもない
• 論⽂紹介の質疑応答で発覚する
• 質問される,答えようと思う,説明できない,理解していないことを初めて発⾒す
る.
• ⾃分が無⾃覚に表⾯的に読んでいたということを発⾒する
• 昔からある⽅法(輪読会)の意義を初めて知った.実感した.
• 学ぶことの奥深さを実感した.⼤変だが楽しい.
40
40. 研究者になりたい
• 学ぶから研究するへのフェーズに移⾏する必要がある
• 必要なスキルを訓練中
• 実験をする
• 計画を⽴てる,どのように計画を⽴てるか皆⽬検討がつかない
• 実験をする,どのように実験するのか皆⽬検討がつかない
• 実験結果をまとめる.どのようにまとめるか皆⽬検討がつかない
• 実験結果を発表する.どのように発表するか皆⽬検討がつかない
• 実験をすると,実験の不備,抜け,漏れがあれやこれやいっぱい出てくる.
再実験,再々実験.収束しない.
• 設定する軸,評価する軸がふらつく.
• 結果を観測する
• 結果をまとめる
• グラフが描けない,図が描けない,論⽂が書けない
• 延々とできないことリスト
• ⼤学は研究者を育てる場
41
41. 酒をやめたら⼈⽣が変わった
〜〜学⽣になった
• ⼆⽇酔いがない
• 本を読む時間が増えた
• 本を読んだら⼈⽣が変わった
• ⼤学⽣になった
• 脳はバージョンアップできるということを知った
• 何かをやめると何かを得られるということを知った、体験した
• 今まで知らなかったことを知る喜びを知った、今までできなかった
ことを出来るようになる喜びを知った、⾃分には認識すらできてい
ないことに世界は満ちているということを知った
• ⼤学というのが認識すらできていなかったということを知った
42
43. ⼆度⽬の⼤学院⽣について
• ⼤学について主体的に考えるようになった
• 最初の時は何も考えていなかった
• 私学と国⽴⼤学の⽴ち位置の違いを理解した
• 東京⼤学設⽴140年、前半の70年と後半の70年
• ⼤学という社会的共通資本の意味が⾒えていなかった
• Infra Studyで講演をすることによって、それを⼗分⾔語化していないことに
気がついた。
• 働き⽅、⽣き⽅について主体的に考えるようになった
• 働きたい職場とはなにか
• ガチで働く気です
• ⼈⽣はわたしに何を求めているのか
• 博⼠課程を修了した学⽣にどのような価値があるのか?
• 「夜と霧」
44
44. ⼆度⽬の⼤学院⽣になってよかったこと
順不同
• 勉強が楽しい
• 本をいっぱい読める
• ⾃由だ
• ⾃分のやることを⾃分が
決める
• 会社員時代は、上司や会
社の意向
• 収⼊がない
• 今まで知らないことをいっぱ
い知れる
• 無知の知を知る
• 世間は優しい
• 学⽣は優遇されている
• 図書館使い放題
• Wifi使い放題
• 授業取り放題
• 研究室に⾃分の机がある
• 研究室のプリンタ使い放題
• 研究室の学⽣さんいいひと
ばっかだ
• 輪読会でいろいろ教えてもら
える
• 知らないことを聞ける
• 知らないことを知らないと⾔
える
• ⾃分のスキルの無さがよく分
かる
• 昨⽇の⾃分より今⽇の⾃分の
ほうができることが増えてい
る
• ⼈⽣で⼀番勉強している
• 60歳過ぎても成⻑を実感でき
る
• 収⼊がなくても幸せだ
• 仕事をやめて専業学⽣になっ
てよかった
• ⾒えていないものに満ちてい
るということを知った
• 酒をやめてよかった
• ⼆度⽬の⼤学⽣になってよ
かった
• 延々と続くよかったことリス
ト
45
45. ⼾惑っていること
順不同
• 60歳前後の学⽣の情報が少な
い
• 準備不⾜が⾊々あった
• 知っていればどうということ
のないあれやこれや
• 学振、奨学⾦などの制度は9
⽉⼊学には若⼲使いにくい
• 様々な仕組みが20代の学⽣を
前提としている
• インターン、就職など
• 各種奨学⾦などの年齢制限
• 学⽣としてのスキル不⾜を痛
感している
• 論⽂を読めない、読むスキル
が不⾜している
• 会社員時代は論⽂を読むという
ことをしていなかった
• 難しい問題は考えなかった
• 解ける問題しか解いていなかっ
た
• マニュアルは読めるけど、論⽂
を読むスキルとは違う
• ⾻太の参考書・教科書を読むス
キルとも違う
• 論⽂を読んで理解して、それ
をまとめるスキルが不⾜して
いる
• まとめるのに時間がかかりすぎ
て前に進まない
• 博⼠号を取ることに対する基
本的なスキルが不⾜している
• 仕事をしながら⽚⼿間に取ると
いうことは到底できない。仕事
をやめてよかった。
• 頭のコンテキストスイッチのコ
ストは⼤変⾼い
• 研究分野、志望時点のアイデ
アは今から⾒ると「素⼈のた
わごとレベル」
• この⼀年で「素⼈のたわごとレ
ベル」とわかるくらいには成⻑
した
• 無謀なチャレンジをした⾃分
を褒めてあげたい
• 実はめちゃくちゃ楽しんでい
る
• 悲壮感とか⼀切ない
46
46. ⼆度⽬の⼤学院⽣になって思ったこと
• ⼤学は何度進学してもいい.
• ⼤学は4年で卒業しなくてもいい
• ⼤学というインフラは教育機関
として完成されている
• 変化している
• もっと多くの⼈にその機能を
知って欲しい(⼀ユーザとし
て)
• 2度⽬の学⽣をすると学ぶこと
の楽しさがさらに広がる
• ⾃分のスキルが拡張していく感
覚がある
• ⼊学したときの⾼揚感
• コースを修了したときの達成感
• 研究室の⼈たちがすごく尊敬で
きる
• コロナの時代でいい⾯が増幅さ
れている感覚がある
• 学⽣を⽀援する体制になってい
る
• ⻑く考える機会に満ちている
• ⾒えていない,認識できていな
い地平線を⾒たい
• ⾃分をバージョンアップしたい
47
49. ムーアの法則(古いパラダイム)
Figure 1.1 Growth in processor performance over 40 years. This chart plots program performance relative to the VAX 11/780 as measured by the SPEC integer benchmarks
(see Section 1.8). Prior to the mid-1980s, about 22% per year, or every 3.5 years. 52% starting in 1986, or every 2 years, In 2003 the end of Dennard scaling 23% per year until
2011, or every 3.5 years. From 2011 to 2015, less than 12%, or every 8 years. Since 2015, the end of Moore’s Law, 3.5% per year, or every 20 years!
Computer Architecture, A Quantitative Approach: By John Hennessy David Patterson, 6th Edition, 2017
50
51. NVM ‒ Non-Volatile Memory
• 不揮発性メモリ
• メモリの電源を切っても情報を記録している
• ストレージのパラダイムが変わる
• 速い揮発性のメモリと遅い不揮発性のディスクという階層
• 速い不揮発性のメモリと遅い超⼤規模なアーカイブという階層
53