2. 発表者
§ 中島倫明(Tomoaki Nakajima) @irix_jp
o ⽇本OpenStackユーザ会 ボードメンバー(初代会⻑ 2013-2015)
o 東京⼤学 ⾮常勤講師(S1/S2 ⽉曜 2限)
o 国⽴情報学研究所/TOPSE 講師
o ⼀般社団法⼈クラウド利⽤促進機構 技術アドバイザー
o 連載「@IT OpenStack超⼊⾨」
ü http://www.atmarkit.co.jp/ait/subtop/features/kwd/openstack.html
2
4. The World Runs on OpenStack
§ 全体的に落ち着いた雰囲気のサミット
o 北⽶では導⼊ラッシュが⼀段落
o アーリーアダプターへの導⼊が⼀巡して、レイトマジョリティ
への普及にフェーズが移っている。
§ ⼀巡したことで、改めて⾒えてきたOpenStackのメ
リット等が強調された。
4
9. 本⽇取り上げる事例
§ Banco Santander (⾦融)
§ Sky UK (メディア)
§ China Mobile (通信)
§ Folksam (保険)
§ Postal Savings Bank of China (⾦融)
§ Naturalis Biodiversity Center (研究)
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10. サンタンデール銀⾏
§ ヨーロッパ最⼤級の銀⾏
o 本拠地スペイン
o 従業員数20万⼈
o 1600万のデジタルクライアント
o ヨーロッパ、北⽶、南⽶、アジア圏に展開
§ 競争の激化と収益率の低下に直⾯
o 顧客要望の多様化
o シャドーバンキング等の新しい競合
o 取り組みを素早く、より安く⾏う必要がある。
§ 競争が激化する中で新しいビジネスモデルの確⽴とコスト削減にはITは
必要不可⽋
§ このデジタルトランスフォーメーションの過程で、クラウド、ビッグ
データ、API、モバイルといった技術がOpenStack上で提供された。
10https://www.youtube.com/watch?v=3FFTetNKBXg
11. サンタンデール銀⾏
§ 2014年からクラウドの取り組みを開始
§ プライベートクラウド基盤にOpenStackを採⽤
o ⽬的・ポイント
ü セルフサービス機能を持ったクラウド環境をオンプレ構築するため
ü 特定ワークロード(データ解析)を移⾏するため
ü クラウド技術の理解のため
§ 1000以上のコンピュートノード
§ 4つのリージョン(ES, UK, MX, BR)
§ 1.8PBのデータを解析(cloudera, sahara)
o クレジットカードのリスク分析、カードスコアリング、マネーロンダリン
グ、不正⾏為の分析など
§ 2016年にスペインのデータサイエンティストアワードを受賞
11https://www.youtube.com/watch?v=3FFTetNKBXg
12. Sky UK
§ EU有数のエンターテイメント企業
o 従業員30,000⼈
ü 英国、ドイツ、イタリア
o 2200万⼈の加⼊者(主に衛星放送)
o 衛星放送以外にも様々なサービスを提供
ü インターネットプロバイダー
ü 電話サービス
ü オンラインTV
ü パブリックWiFi
ü オンラインストア
ü ビデオオンデマンド
ü チケット販売 など
12https://www.youtube.com/watch?v=vW-KWx5RWkI
https://www.youtube.com/watch?v=PiiuDMRsY14
13. Sky UK
§ 多数のサービスを⽀える3000⼈の開発者
o セットトップボックスのブロードキャスト処理
o オンライン広告販売
o オンラインショップ など
§ これらのサービスを各国の複数の環境へ展開
o 単⼀の⽅法(API)で処理できる仕組みが欲しかった
o 従来は異なる環境への、別々の⼿段でのディプロイが必要だった
§ OpenStackを選択
o ポイント
ü Software Defined Datacenter/Network/Storage
ü マルチテナント
ü コスト
13https://www.youtube.com/watch?v=vW-KWx5RWkI
https://www.youtube.com/watch?v=PiiuDMRsY14
14. Sky UK
§ OpenStack環境
o 2つのデータセンター
ü 4つのリージョン
ü 7000コア、400TB Ceph Storage
ü Icehouse → Kilo → (Liberty) → Mitaka
§ 80以上のプロジェクト(テナント)
o 本番、開発、ステージング
o 400⼈以上のユーザー、100個のアプリケーションが稼働
o Heat & Ansible
o オートスケールを利⽤
§ その他
o バージョンアップで困ったこと、ユーザーサポートでのFAQにつ
いて発表
14https://www.youtube.com/watch?v=vW-KWx5RWkI
https://www.youtube.com/watch?v=PiiuDMRsY14
15. China Mobile
§ 契約者8億⼈
§ 世界最⼤のモバイルキャリア
§ Superuser Award受賞
o 複数クラスタで10,000ノードを運⽤
o OpenStack 上でアプリケーションのリリースサイ
クルを半年から⼀ヶ⽉に短縮
§ 個別セッションでは1000ノードを超えるクラ
スターのノウハウを発表
15https://www.youtube.com/watch?v=YrEkBa4aiyQ
https://www.youtube.com/watch?v=m_nZQNkll0w
16. China Mobile
§ パブリッククラウド
o 広州 1000ノード
o 北京 1000ノード
§ プライベートクラウド
o 6000ノード (3000 x2)中国北部と北東部
o 2017年稼働開始
o ⽚⽅の3000ノードはIronicで管理されている。
16https://www.youtube.com/watch?v=YrEkBa4aiyQ
https://www.youtube.com/watch?v=m_nZQNkll0w
17. China Mobile
§ アーキテクチャ(パブリック)
o 600 コンピュート
o 115 ブロックストレージ
o 115 オブジェクトストレージ
o 各ノードは6NIC搭載
ü 2枚セットでBonding
ü MGMT、Service(Business)、Storage
o Cinder バックエンド → Sheepdog
o Glance バックエンド → Ceph
o HAProxy, KeepAlive, LVS, Galera
o Multi AZ → NVF, BigData, etc
o Multi AG → Windows / Linux (ライセンス集約)
o 広州・北京はそれぞれでシングルリージョン運⽤
17https://www.youtube.com/watch?v=YrEkBa4aiyQ
https://www.youtube.com/watch?v=m_nZQNkll0w
18. China Mobile
§ Ansibleでディプロイ
o ⼀部⼿動を残したセミオートマチック
§ 複数のバージョンが混在
o Kilo & Mitaka
§ チューニング
o インフラレベル
o ミドルウェアレベル
o OpenStackレベル
18https://www.youtube.com/watch?v=YrEkBa4aiyQ
https://www.youtube.com/watch?v=m_nZQNkll0w
19. Folksam
§ スウェーデンの主要保険会社
o 1908年創業
o 従業員数4000名
o 最⻑の契約は130年
o IT部⾨
ü 600名
ü 1200のインスタンス上で800のアプリケーション
ü 50のグループ
ü 年間60〜70のプロジェクト
ü 内製開発(Cobol, Java, .NET, 他多数)
ü メインフレーム
19https://www.youtube.com/watch?v=O6Is_1fPxM4
20. Folksam
§ プロジェクトの最重要課題
o 全⾏程の⾃動化
§ 次期アプリケーションアーキテクチャのコンセプトは「SBA」を
参考
o Space Based Architechrure
o https://en.wikipedia.org/wiki/Space-based_architecture
§ インフラの持ち⽅は「⾃社構築」を選択
o パブリッククラウドはデータの取扱いが難しい(おそらく法律の問題)
o ⾃分たちのサービスは⾃分たちのコントロール配下に置く必要があった
§ OpenStackを選択してPoCを開始
20https://www.youtube.com/watch?v=O6Is_1fPxM4
22. Folksam
§ PoCからの学び
o 当初の計画を変更し構築フェーズへ突⼊
§ 全て⾃社から⼀部を外部へ委託
o セキュリティやネットワーク周辺の複雑性
o インフラのメンテに膨⼤なコスト
o 時間を⾦で買う
o ⾃分たちが注⼒すべきはあくまでビジネスとマー
ケット
§ CICDの実現
o Ansible/Heat(予定:Ansible Tower/Cloudify)
22https://www.youtube.com/watch?v=O6Is_1fPxM4
25. Folksam
§ 実際やってみて
o 継続的に取り組んでいるが、今のところやりたいこ
とは実現できている
ü Iaas, Self-Service, CICD Chain
o プログラマブルな仕組みを学ぶことの重要性
o Fail Fast (全てがうまくいくわけではない)
o 組織の変化が重要
ü 70⼈の部隊を既存のルールから切り離して実⾏
o 今後はマルチクラウド、ハイブリッドクラウドを検
討していく
25https://www.youtube.com/watch?v=O6Is_1fPxM4
26. Postal Savings Bank of China
§ 中国屈指の⼤銀⾏
§ 郵政事業から郵便貯⾦を分離して誕⽣
§ インターネットとモバイルの普及で急速にビジ
ネス環境が変化
o 従来の窓⼝・⽀店スタイルのメリットが失われつつ
ある
o モバイル決済、少額ローン、オンラインバンクへ参
⼊
§ これらの基盤としてOpenStackを採⽤
26https://www.youtube.com/watch?v=K2f_FBVU2FA
28. ナチュラリス⽣物多様性センター
§ オランダの⾃然史博物館
o 4年前まで
ü Windowsオンリーの環境
ü VMwareによるシンプルなIT環境
ü ITは本業にとってあまり重要でない状態
ü しかしビジネス環境が変化し、研究者が多くの計算機リソース
を求めるようになった
o 2年前からOpenStackを導⼊し、研究者に開放
ü HPC⽤OpenStack 35ノード
ü バックアップ⽤OpenStack 14ノード
ü 少し古いOpenStack環境 18ノード(移⾏待ち)
ü 以前から残っている古いVMware環境
§ これらを⼀⼈で構築、運⽤、管理
28https://www.youtube.com/watch?v=TFrTJ_s3pGs
30. ナチュラリス⽣物多様性センター
§ ポイント
o リファレンス&デフォルトで使う
ü トリッキーなコンフィグを使わない
o 複雑な要件を排除する
ü OpenStackが複雑になる要因
v 共有ディスク、HA等
o 構築、管理を⾃動化する
ü API、Ansible等の活⽤
o サードパーティサポート
o 味⽅を作る
ü 新しい使い⽅に積極的で、広めてくれるユーザーが重要
30https://www.youtube.com/watch?v=TFrTJ_s3pGs
31. まとめ
§ 「The World Runs on OpenStack」の通り、
様々な環境でOpenStackが利⽤されている
o 超⼤規模なものから、⼩規模なものまで
o 複雑なものから、シンプルなものまで
o ⾦融から通信、製造業、研究機関まで
§ 単なる基盤構築から、その上で動く⾃動化、CICD
へと注⼒ポイントが移りつつある。
o Heat/Ansible等を使った⾃動化はもはや、やって当然の
レベルに。
§ 次回サミット
o 2017年5⽉ ボストン
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