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Poがuxデザインをする上で何を指標にしてきたか
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英明 伊藤
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シン・UX 2017 ~プロダクトマネージャー・プロダクトオーナーにとってのUXのイマとミライ~ 2017/01/21(土)
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Poがuxデザインをする上で何を指標にしてきたか
1.
POがUXデザインをする上で 何を指標にしてきたか 株式会社ヴァル研究所 伊藤英明 シン・UX 2017
~プロダクトマネージャー・プロダクトオーナーにとってのUXのイマとミライ~ 2017/1/21
2.
アジェンダ • 自己紹介 • PO、UXデザイナーとして関わったサービス 「RODEM」について •
プロジェクト内での役割と責任範囲 • HCDプロセスと顧客開発モデル • いくつかの判断ポイントと判断指標 • まとめ
3.
自己紹介 • 株式会社ヴァル研究所 Business Development
Dept. UXデザイナー • 自社のメイン商材である の技術を ベースにした新規事業開発の仕事をしています ※その為、若干スタートアップ寄りの話になります • 経歴的には、デザイナー → ユーザビリティエン ジニア → UXデザイナー
4.
前置き:RODEMの現在の姿
5.
前置き:RODEMの現在の姿 • ユーザーはカレンダーに予定を入れるだけ 普段と同じように打合せの予定を カレンダーに登録
6.
前置き:RODEMの現在の姿 普段と同じように打合せの予定を カレンダーに登録 目的地までの経路や出発時刻を計算 移動予定をスケジュールに追加登録する • システムが移動予定が算出して登録
7.
前置き:RODEMの現在の姿 • 算出されたデータを使って交通費精算ができる
8.
本登壇の趣旨 • このサービスはなぜこういう形になったのか • 開発の中でどういう判断ポイントがあったのか •
これがどのように決まっていったのかを振り返り ながら話します • 様々な場面で「判断すること」を求められるPOの 助けになる知見を持って帰っていただきたい
9.
プロジェクト内での自分の役割 • UXデザイナーとして ユーザー目線に立った機能、仕様等の検討 ユーザーへの価値提供に責任を持つ • POとして サービス開発の舵取り チームへの説明責任 サービスのスケールに責任を持つ
10.
HCDプロセス • システムを使いやすくするためにユーザの立場や 視点に立って設計を行うためのプロセス
11.
HCDプロセス • システムを使いやすくするためにユーザの立場や 視点に立って設計を行うためのプロセス 使われる 現場を確認 お試し案 を作る 何が必要か 考える 使えるかを チェック
12.
HCDプロセス • 仮説構築と仮説検証を繰り返すプロセスでもある
13.
顧客開発モデル • 4つのステップで顧客不在リスクの低減を図る 経営プロセス 「顧客発見」 ニーズの発見 「顧客実証」 有償販売と 拡張性の確認 探索フェーズ 実行フェーズ 「顧客開拓」 市場参入 需要開拓 「組織構築」 本格販売 ピボット(軌道修正)
14.
顧客開発モデル • ビジネスモデル仮説を立てる • Problem/Solution
Fitの検証 • Product/Market Fitを実証
15.
判断の指標としてのP/Sfit、P/Mfit • Problem/Solution Fit 存在する課題と、適切なソリューションが一致して いる状態 →課題解決方法が合っているか? →その機能はユーザーにとって必要なものか? •
Product/Market Fit 良い市場を狙っていて、その市場を満足させること ができる製品を持っている状態 →その製品は需要のある売れる製品か?
16.
ビジネスモデル仮説を立てる • 各種キャンバスを用いる
17.
Problem/Solution Fitの検証 • ターゲットとするユーザの課題に関する仮説と、 その課題を解決するソリューションの仮説を検証 •
その製品、サービスは「誰のどのような問題を どのように解決するのか?」を明らかに • これが”MVPの要件定義”となる
18.
MVPとは Build-Measure-Learnのフィードバックループ1周を回せる 『必要最低限の労力』+『最低限の実装時間』バージョンの 製品」
19.
Product/Market Fitを実証 • MVPを開発してアーリーアダプター顧客に実際に 販売 •
実際にMVPをもってSIer、販売代理店、エンド ユーザーへ販売を持ちかける • 新規顧客の獲得と既存顧客の維持ができるか (ビジネスモデルとして成立するか)を確認
20.
両プロセスモデルのハイブリッド
21.
幾つかの判断ポイント • 開発初期のピボット • MVPによる検証時:入力UIの選択 •
検証を終えて:スマホアプリを公開しない • リリース直前:コンセプト再定義
22.
開発初期のピボット • 当初は「交通費精算作業の効率化」を目的にした ソリューションの開発を目指していた • 想定課題は「精算時の面倒事」であった •
ビジネスマンの実態を知るためにインタビューを 実施
23.
開発初期のピボット • 当初、想定していた精算時の課題は感じられてい るものの、すでに仕方のないこととして受け入れ られている面 • 外出に関わる活動の中で、何度も経路を検索して いるという実態が明らかになった 計画時:移動の予定、所要時間を確認するために検索 当日
:具体的な出発時間を決めるために検索 移動時:乗る電車を確認するために検索 精算時:使った経路にかかった運賃を調べるために検索
24.
開発初期のピボット • 精算時の面倒事を解消するには計画時の課題まで 遡り解消する必要があることがわかった • ビジネスマンの外出に関わる「計画時」「移動 時」「精算時」の課題を解決するソリューション を提供することに決定
25.
ビジネスモデル仮説を立てる • 各種キャンバスを用いる
26.
Problem/Solution Fitの検証 課題 ソリューション 計画時 アポごとに訪問先の所在地、最寄り駅を 調べて経路を検索。移動時間を踏まえた スジューリングをしなくてはならないの が面倒 → スケジュール登録時に移動ルートも 自動で登録。 正確な計画立案をサポート。 移動時 当日の出発時間や乗る電車を決めるため に再度検索するのが面倒 → 移動中の乗換をリアルタイムアシス ト。急なアクシデントも迂回経路で サポート 精算時 精算のために日にちや経路を思い出した り、改めて検索しなくてはならないのが 面倒 → 交通費精算用の明細リストを自動で 作成することによる面倒な入力作業 からの解放 •
誰のどのような問題をどのように解決するのか?
27.
開発初期のピボット このポイントでの判断 UXデザイナーとして ユーザーに対してインタビューを実施、その実態から課題を 明らかにする MVPの要件定義となる「課題解決のためのソリューション」 を設定する POとして MVPの要件定義に沿った開発方針を決める
28.
MVPによる検証時:入力UIの選択 • まず、MVPでは ①:予定を入れる→移動予定が算出される ②:移動予定で精算データになる という体験価値の再現を目指した
29.
MVPによる検証時:入力UIの選択 • ①について、当初の予定ではアプリからの予定 登録を考えていた 打合せの予定を登録 自宅、会社から目的地までの経路や 出発時刻を計算。移動予定を一覧
30.
MVPによる検証時:入力UIの選択 • ユーザーの「既存の体験」を変えないことを重視 B向けサービスであることから、スイッチングコス トへの考慮もあった • ユーザーが普段から使っているカレンダーを予定 登録時の入力UIとすることに決定
31.
MVPによる検証時:入力UIの選択 このポイントでの判断 UXデザイナーとして ユーザーに提供する体験価値のコアが何であるかを見極め、 MVPとして必要な機能を決める POとして サービスのスケールを考えたとき、(ユーザーの価値を損ねる こと無く)どういう仕様であるべきなのか決める
32.
検証を終えて:スマホアプリを公開しない • MVPとしてのRODEMは「カレンダー&リマイン ダー&ナビゲーション&精算システムへのアダプ ター」だった
33.
検証を終えて:スマホアプリを公開しない • 主に「ナビゲーション」部分を担うものとして アプリを作った
34.
Problem/Solution Fitの検証 誰の、どのような問題を、どのように解決するのか? 課題 ソリューション 計画時 アポごとに訪問先の所在地、最寄り駅を 調べて経路を検索。移動時間を踏まえた スジューリングをしなくてはならないの が面倒 → スケジュール登録時に移動ルートも 自動で登録。 正確な計画立案をサポート。 移動時 当日の出発時間や乗る電車を決めるため に再度検索するのが面倒 → 移動中の乗換をリアルタイムアシス ト。急なアクシデントも迂回経路で サポート 精算時 精算のために日にちや経路を思い出した り、改めて検索しなくてはならないのが 面倒 → 交通費精算用の明細リストを自動で 作成することによる面倒な入力作業 からの解放 検証を終えて:スマホアプリを公開しない
35.
検証を終えて:スマホアプリを公開しない • 予定通りの行動はサポートできるが予定外の行動 に弱い • マップアプリを見たり、駅すぱあとで調べたほう がいいという場面が多い •
ピンポイントには駅すぱあともRODEMの競合で あったという事実 • 駅すぱあと(その他アプリ)からスマホの画面を 奪えない • 課題に対してソリューションがFitしていなかった
36.
検証を終えて:スマホアプリを公開しない このポイントでの判断 UXデザイナーとして MVPの利用状況を分析し、P/S fitの検証を行う POとして 現状のソリューションでは移動中の課題解決ができていない という事実を元に、アプリを公開しないという判断を下す
37.
リリース直前:コンセプト再定義 • スマホアプリを廃止したことで、RODEMという システムは完全に「サービスの裏方」になった
38.
リリース直前:コンセプト再定義 • 一定の形態を持たずに変幻自在に姿を変えながら ユーザーに寄り添い助ける存在というコンセプト を再定義
39.
リリース直前:コンセプト再定義 このポイントでの判断 UXデザイナーとして システム、サービスがユーザーへの価値提供を行える形を 模索しコンセプトに落とし込む POとして 他のサービスと戦うこと無く、共生関係においてビジネスが 成立する形を定義する
40.
まとめ • POは様々な場面で「判断すること」を求められる • ユーザーにとって何がいいのか •
サービスのスケールにとって何がいいのか • そのためにチームはどう動くべきなのか • その都度「P/Sfit」「P/Mfit」を指標をすることで 必要な判断ができた
41.
まとめ • 私が繰り返しのプロセスに拘る理由
42.
やってみなきゃわからんこともある t. Do or
do not. There is no try.」 (やってみるのではない
43.
仮説が信じられるものになるまで繰り返す ルーク「I don't believe
it.」(信じられません) ヨーダ「That is why you fail.」(だから失敗したのじゃ)
44.
ご静聴ありがとうございました。
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