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Makeと半導体の過去と未来
秋田純一
金沢大学
2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Contents
自己紹介
コンピュータからIoTと集積回路の歴史
IoT時代の「道具」としての集積回路
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自己紹介
1970年、名古屋市生まれ
東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ)
金沢大(’98~’00・’04~)
公立はこだて未来大(’00~’04)
’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員
本業
(機能つき)イメージセンサ
「集積回路を作って使う」研究
※意外と、こういうバックグラウンドの
LSI/回路研究者は少ない?
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自己紹介(副業)
Maker、ハンダテラピスト
小4のころからはんだの煙で育つ
好きな半田はPb:Sn=40:60
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コンピュータからIoTと
集積回路の歴史
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ムーアの法則とコンピュータの歴史
DEC VAX(1976)
1MIPS
Cray-1 (1978)
100MIPS
MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数)
(世界最初のスーパーコンピュータ)
「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある
20000MIPS
10MIPS
100MIPS
20MIPS
20000MIPS
109MFLOPS
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集積回路(IC)の発明
US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce)
(1961)
US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby)
(1959)
電子回路を半導体(ケイ素=シリコン)に作り込んだもの
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ICの進化の歴史:Mooreの法則
ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm
傾き:×約1.5/年
年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった
※G.Moore (インテルの創業者の一人)
G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ
G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
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Mooreの法則のカラクリ:スケーリング
集積回路の部品(MOSトランジスタ)を、
より小さく作ると・・・?
寸法: 1/α
不純物濃度: α
電源電圧: 1/α
結論:いいことばかり
速度↑
消費電力↓
集積度(機能)↑
技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース
p-Si
S DG
n-Sin-Si
p-Si
S DG
n-Sin-Si
L
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MOSトランジスタの微細化の歴史
微細化するほど
メリットがある
=がんばって微細化
そろそろ「原子」が
見えてきている
「お金がからむと
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ref: 日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事
L=20nm(いま)
L=5nm(2020年ごろ予定)
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Mooreの法則の終焉?
Mooreの法則の近未来(現在)の不安要因
製造ばらつき(設計通りの形状にならない)
不純物ばらつき(電気特性が設計通りにならない)
トンネル効果(OFFにしたつもりが電子が通り抜ける)
ref: https://slideplayer.com/slide/7843454/
Si原子(直径0.2nm)
×50
=
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マイコン使用
部品点数=1
コスト:100円
発振回路(555)
部品点数=4
コスト:150円
Mooreの法則の効果:低価格化
コスト面:マイコン○(「もったいなくない」)
機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易)
while(1){
a = 1;
sleep(1);
a = 0;
sleep(1);
}
※さすがにPCではちょっと・・・
Mooreの法則の結果、コンピュータが「部品」になった例
昔のLチカ
今どきのLチカ
「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト
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IoT時代の「道具」としての
集積回路
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技術が「道具」になるステップ
開発/発明される
お店で買えるようになる
使い方が知られるようになる
みんなが使うようになる
それが「道具」となって、次のステップへ
プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも
プロ(詳しい人)しか使えない
アマ(詳しくない人)でも使える
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技術が生まれて「道具」になるまで
エリンギの例
1993年に日本へ
2003年ごろから一般化
↑10年かかって「道具」に
料理番組、調理例・・・
農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業
台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査
(生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より
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集積回路は「道具」か?
集積回路が「道具」になった面もある
マイコン、FPGA、SoC、・・・(システム構成要
素としての部品)
集積回路が「道具」でなくなった面もある
LSI設計・製造コストの高騰
シャトル製造サービス〜$1k
製造初期コスト(マスク)〜$1M
設計ツール 〜$1M
秘密保持契約(NDA) : Priceless
製造工場 〜$1G
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集積回路は「道具」になっているか?:調査
https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093
CMOS 0.18um 5Al
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 ここから!!?
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ガチすぎる。
 無駄遣い過ぎるだろw
 贅沢というかなんというか
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 (FPGAでは)いかんのか?
 俺はFPGAで我慢することにする
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 量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・
 アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
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小ロット・教育場面での集積回路
「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理
例:学部1年生にLSIを作らせる?
「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」
「ちゃんと動かすのは難しいぞ」
TATが長い(=チップが届くころには忘れている)
作れない→経験できない→学べない
スタートアップ企業で「チップを起こす」のは
ふつうは選択肢ではない
起こさなくても、買ってこれば大半のことができるのも事実
IoT時代= (尖った機能は)少量・多品種
SoCのうち、ソフトウエアで対応できない領域は
不向き(センサ、電源)(SoC=イニシャル費用が高額)
19
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「道具」としての集積回路
「ハード」=電子回路、プリント基板あたり
「集積回路(半導体チップ)」までは、なかなか
どうしても「今あるもの・使えるもの」を使う
カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・
新技術で、一気にパラダイムが変わることがある
「集積回路をつくれる」という道具
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Depth画像
※昔は「可能だが高価」
→Kinect後は「誰でも使える」
→ユーザインタフェース界の革命
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集積回路を「つくる」ためのハードル
設計CAD
市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ
製造方法
高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年)
NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ
ユーザ・コミュニティ
参入障壁:現状は専門家ばかり
“How”の専門家は多いが、”Why/What”は皆無
例:IoT時代のTrillion Sensor←経済的な方策(設置・運用)は?
例:エナジーハーベストで動く永久センサノード←いずれ故障する
※半導体業界の人気がないのは、
半導体業界の苦境、は原因ではないと思う
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「カスタムIC」ならではのことは?
実世界との界面
センサ、アクチュエータ(MEMS)
基本、物理法則に沿っていれば「何でもできる」
アナログ回路
超LowPower
カスタムマイコン
超ニッチなニーズ
特殊な電源IC、etc…
22
ref: https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/WORD/20090415/168824/
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LSIを道具にするために: MakeLSI:
情報収集・整理
フリーCADなど(けっこうある)
NDAフリーの設計ルール
仲間さがし
参加条件:特になし(アツい心)
けっこういる(150名程度)
プロ・経験者〜SWエンジニア〜主婦
http://ifdl.jp/make_lsi
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MakeLSI: まずはやってみた
2015年7月~(1~2回/年)
参加:
2015年:8人・9種類@2チップ(高専生~ギーク~元プロ)
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IP蓄積が異様に速い(オープンソース/Github)
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チップを「つくる」
(イメージ:近い将来)
設計する(GDS形式)
データをupload
チップが届く
cf: プリント基板
設計する(gerber形式)
Webからデータをupload
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MakeLSI: -チップ製造(近い将来)
ミニマルファブ
0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光
小ロット・短TAT(製造期間)のLSI製造
加工寸法:1umくらい
ムーアの法則→非先端プロセスでも十分な性能
設計ルールのNDA→λルールでオープンソース化?
5umルールでも十分(な人も多い)
「P板.com」並に・・・
「ミニマルCAD」も
進行中
あと数年で実用化?
http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
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1um?0.5in?いえいえ、けっこう使えます
1[um]/3Alプロセス・0.5inウエハに
Cortex-M0コアが4ショットは入る
カスタムなペリフェラル・アナログ・センサ・MEMS
の混載も(これが数万円&1週間@1個から)
※0.18[um]/3Alでの配置配線結果の
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拡大して作成
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LSIが道具になるとは・・・
『3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいの
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Makeと半導体の過去と未来

  • 1. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Makeと半導体の過去と未来 秋田純一 金沢大学
  • 2. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Contents 自己紹介 コンピュータからIoTと集積回路の歴史 IoT時代の「道具」としての集積回路
  • 3. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介 1970年、名古屋市生まれ 東大(VDEC)でPh.D(‘98)(イメージセンサ) 金沢大(’98~’00・’04~) 公立はこだて未来大(’00~’04) ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員 本業 (機能つき)イメージセンサ 「集積回路を作って使う」研究 ※意外と、こういうバックグラウンドの LSI/回路研究者は少ない?
  • 4. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介(副業) Maker、ハンダテラピスト 小4のころからはんだの煙で育つ 好きな半田はPb:Sn=40:60
  • 5. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータからIoTと 集積回路の歴史
  • 6. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ムーアの法則とコンピュータの歴史 DEC VAX(1976) 1MIPS Cray-1 (1978) 100MIPS MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数) (世界最初のスーパーコンピュータ) 「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある 20000MIPS 10MIPS 100MIPS 20MIPS 20000MIPS 109MFLOPS
  • 7. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路(IC)の発明 US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce) (1961) US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby) (1959) 電子回路を半導体(ケイ素=シリコン)に作り込んだもの
  • 8. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ICの進化の歴史:Mooreの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年 年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった ※G.Moore (インテルの創業者の一人) G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
  • 9. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のカラクリ:スケーリング 集積回路の部品(MOSトランジスタ)を、 より小さく作ると・・・? 寸法: 1/α 不純物濃度: α 電源電圧: 1/α 結論:いいことばかり 速度↑ 消費電力↓ 集積度(機能)↑ 技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース p-Si S DG n-Sin-Si p-Si S DG n-Sin-Si L
  • 10. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MOSトランジスタの微細化の歴史 微細化するほど メリットがある =がんばって微細化 そろそろ「原子」が 見えてきている 「お金がからむと 技術は進む」 ref: 日経BP Tech-On! 2009/03/30の記事 L=20nm(いま) L=5nm(2020年ごろ予定)
  • 11. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則の終焉? Mooreの法則の近未来(現在)の不安要因 製造ばらつき(設計通りの形状にならない) 不純物ばらつき(電気特性が設計通りにならない) トンネル効果(OFFにしたつもりが電子が通り抜ける) ref: https://slideplayer.com/slide/7843454/ Si原子(直径0.2nm) ×50 =
  • 12. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ マイコン使用 部品点数=1 コスト:100円 発振回路(555) 部品点数=4 コスト:150円 Mooreの法則の効果:低価格化 コスト面:マイコン○(「もったいなくない」) 機能面:マイコン○(多機能・仕様変更も容易) while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } ※さすがにPCではちょっと・・・ Mooreの法則の結果、コンピュータが「部品」になった例 昔のLチカ 今どきのLチカ 「LED点滅(Lチカ)」のパラダイムシフト
  • 13. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ IoT時代の「道具」としての 集積回路
  • 14. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になるステップ 開発/発明される お店で買えるようになる 使い方が知られるようになる みんなが使うようになる それが「道具」となって、次のステップへ プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも プロ(詳しい人)しか使えない アマ(詳しくない人)でも使える
  • 15. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が生まれて「道具」になるまで エリンギの例 1993年に日本へ 2003年ごろから一般化 ↑10年かかって「道具」に 料理番組、調理例・・・ 農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査 (生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より
  • 16. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路は「道具」か? 集積回路が「道具」になった面もある マイコン、FPGA、SoC、・・・(システム構成要 素としての部品) 集積回路が「道具」でなくなった面もある LSI設計・製造コストの高騰 シャトル製造サービス〜$1k 製造初期コスト(マスク)〜$1M 設計ツール 〜$1M 秘密保持契約(NDA) : Priceless 製造工場 〜$1G
  • 17. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路は「道具」になっているか?:調査 https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0 http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093 CMOS 0.18um 5Al 2.5mm x 2.5mm RingOSC x 1001 T-FF (Div)
  • 18. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LチカLSI動画:ニコ動でのコメント  こっから?  ニコ技界のTOKIO  ゲートの無駄遣い  ここから!!?  ひでえ、勿体ない使い方wwwww  マジかよ。レジストレベルの設計とか ガチすぎる。  無駄遣い過ぎるだろw  贅沢というかなんというか  え?まじでここからかよ」wwww」」  IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・  (FPGAでは)いかんのか?  俺はFPGAで我慢することにする  いや、そこまでは必要ないです  量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・  アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
  • 19. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 小ロット・教育場面での集積回路 「専用品」(カスタムLSI)は?:現状、無理 例:学部1年生にLSIを作らせる? 「高いんだぞ・・・」「失敗したらシャレにならんぞ」 「ちゃんと動かすのは難しいぞ」 TATが長い(=チップが届くころには忘れている) 作れない→経験できない→学べない スタートアップ企業で「チップを起こす」のは ふつうは選択肢ではない 起こさなくても、買ってこれば大半のことができるのも事実 IoT時代= (尖った機能は)少量・多品種 SoCのうち、ソフトウエアで対応できない領域は 不向き(センサ、電源)(SoC=イニシャル費用が高額) 19
  • 20. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「道具」としての集積回路 「ハード」=電子回路、プリント基板あたり 「集積回路(半導体チップ)」までは、なかなか どうしても「今あるもの・使えるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある 「集積回路をつくれる」という道具 =「いまできること」という発想の縛りから開放 Depth画像 ※昔は「可能だが高価」 →Kinect後は「誰でも使える」 →ユーザインタフェース界の革命
  • 21. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 集積回路を「つくる」ためのハードル 設計CAD 市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり “How”の専門家は多いが、”Why/What”は皆無 例:IoT時代のTrillion Sensor←経済的な方策(設置・運用)は? 例:エナジーハーベストで動く永久センサノード←いずれ故障する ※半導体業界の人気がないのは、 半導体業界の苦境、は原因ではないと思う
  • 22. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「カスタムIC」ならではのことは? 実世界との界面 センサ、アクチュエータ(MEMS) 基本、物理法則に沿っていれば「何でもできる」 アナログ回路 超LowPower カスタムマイコン 超ニッチなニーズ 特殊な電源IC、etc… 22 ref: https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/WORD/20090415/168824/
  • 23. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LSIを道具にするために: MakeLSI: 情報収集・整理 フリーCADなど(けっこうある) NDAフリーの設計ルール 仲間さがし 参加条件:特になし(アツい心) けっこういる(150名程度) プロ・経験者〜SWエンジニア〜主婦 http://ifdl.jp/make_lsi
  • 24. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MakeLSI: まずはやってみた 2015年7月~(1~2回/年) 参加: 2015年:8人・9種類@2チップ(高専生~ギーク~元プロ) 2016年:11人・13種類@2チップ(高専生~プロ~主婦) IP蓄積が異様に速い(オープンソース/Github) Linuxのような、オープンソース&分散型IP開発の可能性?
  • 25. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ チップを「つくる」 (イメージ:近い将来) 設計する(GDS形式) データをupload チップが届く cf: プリント基板 設計する(gerber形式) Webからデータをupload 基板が届く
  • 26. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MakeLSI: -チップ製造(近い将来) ミニマルファブ 0.5インチウエハ・局所クリーン化・DLP露光 小ロット・短TAT(製造期間)のLSI製造 加工寸法:1umくらい ムーアの法則→非先端プロセスでも十分な性能 設計ルールのNDA→λルールでオープンソース化? 5umルールでも十分(な人も多い) 「P板.com」並に・・・ 「ミニマルCAD」も 進行中 あと数年で実用化? http://unit.aist.go.jp/neri/mini-sys/fabsystem/minimalfab.html
  • 27. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 1um?0.5in?いえいえ、けっこう使えます 1[um]/3Alプロセス・0.5inウエハに Cortex-M0コアが4ショットは入る カスタムなペリフェラル・アナログ・センサ・MEMS の混載も(これが数万円&1週間@1個から) ※0.18[um]/3Alでの配置配線結果の レイアウトデータ(GDS)を1/0.18=28倍に 拡大して作成
  • 28. 2018/10/24 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ LSIが道具になるとは・・・ 『3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいの か」を問いかけているのです。』 あなたなら、何を作りますか? いまのうちから、考えておいても 損はないはず。