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ウォーターフォールとアジャイルのフェアな比較
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Yoshitaka Kawashima
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おもにエンタープライズの開発において「アジャイルってどうなの?」という方への説明資料です。
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ウォーターフォールとアジャイルのフェアな比較
1.
ウォーターフォールとアジャイルの フェアな比較 kawasima
2.
アジャイルとは何か?
3.
アジャイルマニフェスト プロセスやツールよりも個人と対話を、 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、 契約交渉よりも顧客との協調を、 計画に従うことよりも変化への対応を、 価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを 認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。 http://www.agilemanifesto.org/iso/ja/
4.
分かりやすい喩え ウォーターフォール アジャイル ホールケーキとして作る 必要に応じてカットケーキを作る
5.
アジャイル開発の 実際の進め方 (rascal-scheme) https://github.com/kawasima/rascal-scheme
6.
体制 プロダクトマネージャ ● 要求を実装可能なストーリーに変換する。 ● チームがスムーズに実装できるレベルまで、ストーリーを理解させる。 チーム ● スプリント(2〜4週間)で実装するストーリーをコミットし完遂する。 ● スプリント期間は、外部からの開発進捗の妨げを排除する。 (スクラムマスターの仕事) ● タスクの見積りはチームで行い、各タスクの完了責任はチームで持つ。 (クライアント) ● 要求をとりまとめ、開発サイドに伝達する。 ※ストーリーとは、実装可能な仕様の塊。通常、機能一覧の1行に該当する。
7.
権限の7つのレベル マネージャとして意思決定するTell 意思決定について説得するSell 意思決定する前にチームに相談するConsult チームと一緒に意思決定するAgree チームが意思決定する前にアドバイスするAdvice チームが意思決定した後にフィードバックを求めるInquire チームの意思決定に何も影響を与えないDelegate
8.
権限レベルを決める ストーリーの内容 Tell Sell Consult
Agree Advice Inquire Delegate ストーリーの中の 内部仕様 PM Team Client PM スプリントに含める ストーリー PM Team PM Client … ストーリー全体計画 Client PM
9.
全体スプリント計画 Sprint1(8/16〜8/29) Sprint2(8/30〜9/12) Sprint N(mm/dd〜mm/dd) ● 顧客の検索ができるようにする ● 顧客のデータを登録できるようにする ● … プロダクトバックログ スプリントバックログ システムに要求される機能を分解し、ストーリーとしてプロダクトバックログに積む。 ストーリーの優先順位をつけ、だいたいの見積りをし、スプリントバックログに割り振る。
10.
スプリント計画MTG プロダクトマネージャ チーム Sprint N(mm/dd〜mm/dd) ● スプリントでの総開発量の決定 ● ストーリーの見積り ● ストーリーのタスク分解 ● ストーリーの内容説明 ● ストーリーの詳細なスコープ決定
11.
スプリントレビュー チーム ● スプリントの成果をデモ プロダクトマネージャ (クライアント) ● 指摘をバックログに反映する
12.
QCDに沿ってアジャイル開発の メリデメを考える
13.
コスト ● 結果として無駄なものを作らなくて済む可能性があ り、当初の概算よりコストを抑えることができるかも しれない Pros Cons ● タイムボックス分割の分のオーバーヘッドがかかる。 ● 大量生産可能なものに適用してもオーバーヘッドが上 乗せされるだけである。
14.
品質 ● タイムボックスごとにテストがされるので、必然的に 品質は高くなる傾向にある。 Pros Cons ● デグレを防ぐために、回帰テストが必要になる。 (コストへのインパクト)
15.
納期 ● フィジビリティを確認しながら、開発を進められるの で、実現が難しい機能がクリティカルパスになって、 設計・プログラミング工程で遅延が発生するという 事態を防ぐことができる。 Pros Cons ● 基本的にはコスト・品質を固定して、納期とスコープト レードオフをコントロールしていくプロセスなので、ス コープの調整が前提になっていないと、納期は守れな い。
16.
マネジメントの違い ウォーターフォール アジャイ ル Quality Cost Delivery Scope 固定 コントローラブル 固定 コントローラブル 固定
コントローラブル (大量に積んだバッファでやりくり) (納期とスコープのトレードオフを やりくりする) 固定 固定
17.
体制 ウォーターフォール アジャイル 時間 人数 時間 人数
18.
体制 ● 最初から同じメンバーなので、立ち上げのコストが 少ない。 ● 同じプロジェクトに継続してたずさわるので、学習 効果が期待できる Pros Cons ● 特になし
19.
FAQ
20.
Q. スキルの高い人でチーム組まないとできないの? A. そういうことはない。 しかし、タイムボックス分割のオーバーヘッドを最小化する ためにはプロダクトマネージャには高いスキルが要求される。
21.
Q. ドキュメント書かないので、保守フェーズで苦労するって聞いた。 A. ドキュメント書く、書かないの話はアジャイルとは関係ない。 設計書などは、コードを書いた後で作ることができるので、 手戻りがなくドキュメンテーションの効率がよくなる効果はある。
22.
Q. ミッションクリティカルなシステムなので品質が心配だが… A. スタートアップ起業文化で成長してきたのメソッドなので、 品質に対する意識が低そうな印象があるのは事実だが、 品質保証プロセスに何の違いもない。 デグレのリスク増など、留意 すべき点を間違えなければ、 ミッションクリティカルで使え ないということはない。
23.
まとめ
24.
● 同じものを同じメンバーで作るのであれば、ウォー ターフォール、アジャイルに大きな違いはない。 最終的に出来上がるものが違うから、プロセスを選び分ける ● プロジェクトの特性による向き不向きがある。 – 向いているものは… ● ビジネスの成功に必要な機能を誰も明言できないもの ● 技術的に実現可能性が見えていないもの ● 納期の制約がないもの
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