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とある制作会社の目次索引作成技法
- 4. お話の柱
● 目次と索引 の過去・現在の
制作手法比較
● 「正確性」と「即応性」の
両立の追求
● より良い制作のための
相互理解と提案
- 5. 自己紹介
● 武藤 健志 (MUTO Kenshi)
@kmuto
● 株式会社トップスタジオ 執行役員
–編集
–自動組版設計・DTP
– プログラミング
– ネットワーク管理
– 福利厚生
– etc...
- 6. 索引作成手法
● パターンA: ゲラにペンで
マーカーを付けて、
後はお任せ
● パターンB: Excelファイル
やテキストファイルで作る
– B-1. とりあえず項目とページを
並べて、後はお任せ
– B-2. 読みで整列済み。
そのまま貼り付けられる
- 9. 問題点
● 文責があるのは編集者なのに、DTPオペ
レータが逐一、文字入力している
● 単語に読みをいちいち入れないと、
整列できない
● 並べ替え・ノンブル順序付け・見出しの
挿入といったほとんどが人力
● 検証・照合手段が人力以外ない
● 再校→念校、あるいは改訂で、ノンブル
が変わると追従作業に疲弊
- 15. 問題点(再掲)
● 文責があるのは編集者なのに、DTPオペ
レータが逐一、文字入力している
● 単語に読みをいちいち入れないと、
整列できない
● 並べ替え・ノンブル順序付け・見出しの
挿入といったほとんどが人力
● 検証・照合手段が人力以外ない
● 再校→念校、あるいは改訂で、ノンブル
が変わると追従作業に疲弊
- 18. 索引テキストファイル(1)
●ノンブル TAB 索引項目
の列挙
– 1行あたり1ノンブル、1索引項目
– なるべくノンブル順に並べておくとよい
2 情報セキュリティ
2 機密性
2 完全性
2 可用性
3 可用性
3 セキュリティレベル
...
- 20. 索引テキストファイル(3)
● 2レベル、3レベル索引は <<>>
で区切る
– ノンブル TAB 親索引<<>>子索引
– ノンブル TAB 親索引<<>>子索引<<>>孫索引
情報セキュリティ............2
ポリシー................... 6
2 情報セキュリティ
…
6 情報セキュリティ<<>>ポリシー
…
- 21. 索引テキストファイル(4)
● 索引項目の読みは通常、辞書探索で解決
● 人名・地名、専門用語、文脈で読みが
分かれる文字(例:偽[ぎ/にせ])等は、
3列目に読みを指定可能
– ノンブル TAB 索引項目 TAB 読み
– ノンブル TAB 親索引<<>>子索引 TAB
親読み<<>>子読み
16 平文 ひらぶん
✕ へいぶん、ひらふみ
◯ ひらぶん
- 22. 索引テキスト
コメント行
# 1章ファイルの例
2 情報セキュリティ
2 機密性
2 完全性
2 可用性
3 可用性
3 セキュリティレベル
3 セキュリティホール
3 脆弱性
...
6 情報セキュリティポリシー
6 情報セキュリティ<<>>ポリシー
...
10 クォータ
11 リードオンリーでマウント
11 マウント<<>>リードオンリー
...
13 侵入検知システム
# 2章
16 暗号
16 平文 ひらぶん
16 シーザー暗号
17 アルゴリズム
17 鍵
17 暗号<<>>鍵
ノンブルと索引項目のペアをタブで区切る
2レベル索引
読みの明示指定
- 23. # 1章増減追従
2 情報セキュリティ
2 機密性
2 完全性
2 可用性
3 可用性
3 セキュリティレベル
3 セキュリティホール
3 脆弱性
...
6 情報セキュリティポリシー
6 情報セキュリティ<<>>ポリシー
...
10 クォータ
11 リードオンリーでマウント
11 マウント<<>>リードオンリー
...
13 侵入検知システム
# 2章
16 暗号
16 平文 ひらぶん
16 シーザー暗号
17 アルゴリズム
17 鍵
17 暗号<<>>鍵
改訂版で+10P分の
章が追加!アイェー!
# 1章
2 情報セキュリティ
2 機密性
2 完全性
2 可用性
3 可用性
3 セキュリティレベル
3 セキュリティホール
...
13 侵入検知システム
# 新2章
16 CentOS
16 YUM
18 useraddコマンド
18 passwdコマンド
19 ifupコマンド
…
23 netstatコマンド
# 新3章(旧2章)
26 暗号
26 平文 ひらぶん
26 シーザー暗号
27 アルゴリズム
27 鍵
27 暗号<<>>鍵
新しい索引を挿入
以降のノンブル値を
+10Pするだけで追従完了
- 25. 索引テキストファイルの作成
● テキストエディタ?
● Excel?
# 1章
2 情報セキュリティ
2 機密性
2 完全性
2 可用性
3 可用性
3 セキュリティレベル
3 セキュリティホール
3 脆弱性
6 情報セキュリティポリシー
6 情報セキュリティ<<>>ポリシー
...
- 28. 索引ゲートウェイ構成図
Ruby
プログラム
Web
サーバー
Ruby
プログラム
IPA辞書追加辞書
MeCab
(形態素解析)
mendex
(索引整列)
テキストエディタ,
Acrobat
索引
テキスト
ファイル
pdftk,
pdftotext,
grep
分割
テキストPDF
貼り付け用
索引
XML索引
読み対照表
PDF照合
OSSを組み合わせ、
Rubyプログラムで統合する
- 29. 今後の索引制作
● 索引はDTPデータとは別にテキストで持
ち、できるだけ編集者が一元管理する
● テキストエディタやExcelのほか、
Acrobatでも作成できる
● 過去の制作物も、DTPデータ(inddま
たはqxd)があれば
ほぼ逆方向変換で作成できる
– PDFだけだと、いろいろ厄介なことが…
- 32. Danger! It's a TRAP!
● InDesign目次機能では罠が多い
● InDesignにとっては
「文書構造? 知らんがな」
- 33. TRAP 1
● イレギュラーな見出し段落スタイルの
指定忘れ
– 「2行用スタイル」
– 「2桁番号用スタイル」
– 「付録スタイル」
– 「上アキ違いスタイル」...
● 当然、忘れたものは目次から欠落
● 採番されていない見出しは特に
見落としやすい
- 34. TRAP 2
● デザイン性のある見出しは、目次作成
に不幸を招く
● インラインフレームの見出し
– 「節」をインラインフレームで作り、「項」を
普通の段落スタイルで作ると、同じページの場合
1.1→1.2→1.1.1→1.1.2
という並びになる1.1 情報セキュリティとは
インラインフレーム
企業が持つ資産には「人(人材)」...
1.1.1 情報セキュリティの三大要素
インラインフレーム
- 35. TRAP 3
● 生成される目次は素朴
– 目次の段落スタイルや文字スタイルの表現で
なんとかするには限界が…
● 手でいじった箇所は、
目次を更新すると消失する
– 凝った目次を作ると
再作成のコストが高すぎる
– 人間が手で同期作業
- 37. 目次のミス予防策
● プログラムによるチェック→
デザインが不定なので困難
● 目次をテキスト化して、
索引ゲートウェイで確認?
– 目次の文字の誤りや、
ノンブル間違いを発見できる
● 今のところ、
“1つずつ目視確認”に優るものなし
(´・ω・`)ショボーン
- 39. まとめ
● 目次、索引ともに、ゲラには表れない
泥臭い舞台裏がある
● 100%機械に委ねることは今後もない
が、目視と人力のみに頼る作業を減らし
ていくことが、正確性と即応性の向上に
つながる
● 索引の作成手法は確立しつつある。索引
テキスト書式の採用により、索引の作
成・更新・照合・管理に改善を見込める