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ゼロから始めるサブスク生活
- 1. ゼロから始めるサブスク生活 端野 直史 開発推進部 共通基盤G KLab株式会社
- 3. 話すこと ✓ サブスクリプションとは ✓ サブスクリプションの捌き方 ✓ サブスクリプションの試練 ✓ その他機能について 3
- 4. 話すこと ✓ サブスクリプションとは ✓ サブスクリプションの捌き方 ✓ サブスクリプションの試練 ✓ その他機能について 4
- 6. ゲーム内でのサブスクリプション ✓ クエストで得られる経験値UP！ ✓ 一日一回ガチャ無料！ ✓ キャラクターのステータスが常にUP！ ✓ サブスクリプションNヶ月継続で豪華特典GET！ 自動継続により 定期的な収益 が見込めるためか、どのゲームでもコストパフォーマン スは高い傾向にあるようです。 6
- 8. 話すこと ✓ サブスクリプションとは ✓ サブスクリプションの捌き方 ✓ サブスクリプションの試練 ✓ 今後の機能 8
- 11. STEP1 11 iOS/Androidプラットフォーム アプリ利用者 （利用者 & 端末 + アプリ） サーバー キャスト
- 15. 利用者 ✕ プラットフォーム 15 ・特典を受け取り後アプリはPlatformに対し、付与処理まで完了したことを 伝える ・注意 - Googleではこの処理が不要となります サブスク特典もらったよ！ はーい
- 16. STEP1 まとめ 16 ● サブスクリプションではアプリ・サーバー、それぞれがPlatformと連携して処理を行 う必要がある ● サブスクの契約は利用者とPlatform間（iOS/Android）で行われる ○ アプリを端末からアンインストールした場合でも契約は継続され、自動更新にもアプリは関与せず Platform側で更新する
- 18. STEP2 18 ● 購入の導線を利用者に提供しましょう ● サブスクは消費型アイテムの購入より複雑であるため、問い合わせを受けそうな内 容は事前に購入前に目につく場所に記載しておくのがBESTです ○ ゲームによっては、サブスクで入会するコースに関して、Web上に専用ページを設けているケースな どもあります。
- 19. STEP2 19 ● 購入処理前に検証するものがあれば事前に終わらせておきましょう ○ 一度Platform側への支払いが終わると、アプリ側は利用者に返金する手段がない場合もあります （Appleなど） ○ 検証例・・・ ■ 未成年者に対しての月購入額上限を設けている場合 ■ 既に定期購入済みで、購入する必要がない場合
- 21. STEP3 21 ● アプリから受け取ったレシートは各Platformで提示されている方法で正しく検証しま しょう。 ○ Apple ■ 指定URLへBase64エンコードされたレシートとシークレット（iTunes Connectで確認できます） を渡す ○ Google ■ Google Play Developer APIの「purchases.subscriptions」リソースを利用する ● レシート情報内の購入時に発行されるトークンや、API利用のための鍵が必要となりま す
- 22. STEP3 22 ● Appleでは、レシート検証時に過去分を含むすべての定期購入情報を取得するか、 最新の一件を取得するか選択できる ○ 過去全ての定期購入情報をCurl等でサクッと検証APIを叩けば確認できるため、不具合調査時など に便利 ○ また、検証時に利用するBase64エンコードされたレシートは、契約回数が増えるに応じてサイズが 大きくなるので、取り扱いには注意が必要
- 23. STEP3 23 ● Googleで利用される「Google Play Developer API」には日毎のレート制限（200,000 回/日）があるため注意が必要。 ○ レート制限を意識し、APIの実行数（呼び出し）に注意すること ○ 対象のデベロッパーに紐づくアプリ全てに対しての上限である点に注意 ○ 必要最低限のAPI実行にしてもなお上限を超える場合は、Googleに相談しましょう
- 24. STEP3 24 ● 受け取った検証結果には購入情報の詳細が含まれるため、それらを参照して効果 を与えるべきか判断しましょう ○ 支払い済みか？（未払い状態のレシートなども存在します） ○ 有効期限内か？ ○ 既に付与したレシートじゃないか？（冪等性の担保） ○ など
- 25. STEP3 25 ● 検証に利用した「Base64エンコードされたレシート（Apple）」「購入時に発行された トークン（Google）」はデータベース等に保存しておきましょう ○ 両Platform，自動更新検知（STEP6で説明）の際に再度利用します。 ○ 不具合の調査などにも有用です。
- 27. STEP4 27 ● 検証をクリアしたレシートを元に定期購入の効果を与えます（購読状態にします） ○ ゲームによって大きく異なるため報酬内容をどう実装するかは今回触れません ○ 注意すべきものを次ページで紹介
- 29. STEP4 29 ● 同一Platformアカウントで、複数のゲームアカウントで遊ぶユーザへの対処 ○ 当社では、ゲームアカウントとサブスクによる契約を紐付けて保存し、複数のゲームアカウントに購 読効果を与えない対応をいれています ■ Platformアカウントを他者に渡すような行為も想定してのものです ○ 利用者がPlatformに対し解約を要求し、購読効果が切れた時点でこの紐付けは無効としています ○ この仕様にする場合は、利用者が混乱しがちなので分かりやすい説明文を準備しましょう
- 31. STEP5 31 ● Platformによって方針が異なるため注意 ○ Apple ■ FinishTransaction処理を呼び出し、対象の購入トランザクションが完了したことを伝える必要 があります ○ Google ■ サブスクに関しては報告不要です。
- 32. STEP5 32 ● Googleに関しての注意点 ○ 本来Finishに相当する処理が存在することで未処理の購入（サーバーで失敗したなど）を判断でき、 アプリはPlatformに問い合わせて「未完了の購入ある、処理せねば」となる ○ Google サブスクリプションでは上記がないことで、未完了の購入があるか問い合わせると「正常に 報酬付与も終わった購読中のサブスクリプション」の情報まで取れてしまう ■ これを未完了か、完了か判断するための処理がないと、毎回サーバーに購入後の報酬付与 をリクエストする必要性が出てしまう。→ パフォーマンス的によろしくない
- 33. STEP5 33 ● Googleに関しての注意点 ○ 当社では、サーバーからアプリに対し「現在購読中のサブスクリプションの識別子」を渡すことで、 真に処理すべきものかどうかを判断している ■ 識別子には購入と一意に紐づくパラメータを利用します ● Apple ・・・ web_order_line_item_id ● Google ・・・ OrderID
- 35. STEP6 35 ● 契約の更新を知る方法 ○ 購入時にデータベース等に保存した「Base64エンコードされたレシート（Apple）」「購入時に発行され たトークン」を利用して、Platformに問い合わせる ○ Platformが提供している通知機能を利用して、更新時の通知を受け取る ○ アプリから自動更新されたレシートの情報を受け取る 現在当社で利用している方法になります。 有効期限が終わったタイミングで問い合わせ処理を行うようなバッチなどを準備しましょう。
- 36. STEP6 36 ● 契約の更新を知る方法 ○ 購入時にデータベース等に保存した「Base64エンコードされたレシート（Apple）」「購入時に発行され たトークン」を利用して、Platformに問い合わせる ○ Platformが提供している通知機能を利用して、更新時の通知を受け取る ○ アプリから自動更新されたレシートの情報を受け取る 私が実装していた当時は情報も少なかったですが状況は変わり、これからサブスク実装する人はこちらを おすすめします。（すみません、今回は詳細を説明しません）
- 37. STEP6 37 ● 契約の更新を知る方法 ○ 購入時にデータベース等に保存した「Base64エンコードされたレシート（Apple）」「購入時に発行され たトークン」を利用して、Platformに問い合わせる ○ Platformが提供している通知機能を利用して、更新時の通知を受け取る ○ アプリから自動更新されたレシートの情報を受け取る 現在当社でも利用している方法ですが、アプリを起動している必要があるため、売上を集計したいケース や購読効果によっては注意が必要です。
- 38. STEP6 38 ● 購入時にデータベース等に保存した情報を利用して、Platformに問い合わせる ○ 無駄に問い合わせないよう、対象は「購読の有効期限が切れている」ものを対象としてください （Google Play Developer APIにはレート制限がある） ○ 1契約毎に 1s 〜 2s ほど時間がかかるため、確認する間隔は購読者数に応じて変更しましょう ○ 次のページで紹介される方法と、処理タイミングがぶつかる可能性がありますので、きちんとロック をかけたうえで処理しましょう
- 39. STEP6 39 ● アプリから自動更新されたレシートの情報を受け取る ○ 前述したとおり、アプリ起動時のみ可能な方法です ○ 自動更新されたものが未完了の購入としてPlatformから取得できます ○ 既にバッチによって検知済みの場合は、Finishのみを実施してください
- 41. STEP7 41 ● 有効期限を迎えたサブスクは主に以下の状態へ遷移します ○ 自動更新して新たな契約 ○ 解約状態 ○ 残高不足など、支払いの問題による保留状態 ○ 商品設定で猶予期間をONにした場合のみ猶予状態 ■ 猶予期間に関しては、当社での導入実績がないため今回はお話しません ※ Googleに関しては11月より仕様が変更され、更にパターンが増えてるので要注意
- 42. STEP7 42 ● 自動更新して新たな契約 ○ 新たなレシートがPlatformから返却されるので、レシート情報を元に購読状態を継続します ○ 継続報酬を導入する場合はこのタイミングで継続数を増やします
- 43. STEP7 43 ● 解約状態 ○ ユーザが解約（自動更新をOFF）した場合を指します ○ レシート情報が更新されているので、その情報を頼りに購読状態を解消します ○ 以降自動更新は走らないので、バッチでの確認対象から外しましょう
- 44. STEP7 44 ● 残高不足など、支払いの問題による保留状態 ○ カード情報の不備だけでなく、iTunesカード等によるチャージ額が不足した場合などに発生します （割と多く発生する） ○ 保留状態中に利用者が支払情報を正したり、再チャージした場合は自動更新が復活するためバッ チによる監視対象として残しましょう
- 45. STEP7 45 ● まとめ ○ 各ステータスに応じて正しく処理しましょう ○ ステータスの判定は各Platformが提示しているドキュメントを頼りに実装しましょう ○ 各Platformが明記していないパラメータの利用方法はやめておきましょう ■ いつPlatform側でパラメータの形を変えるかわからないため ■ 例えば：GoogleのOrderID ● GPA.xxxx → GPA.xxxx..0 → GPA.xxxx..1 → GPA.xxxx..2 ● 一見自動更新した回数が取れそうだが、Googleが明記していない以上フォーマットは 保証されたものではありません
- 46. 捌き方の紹介 まとめ 46 ● アプリ ○ 購入のための動線を作る ○ Platformへ購入リクエスト ○ Platformへ完了リクエスト（iOSのみ） ● サーバー ○ レシート検証 ○ 定期購入による効果の付与 & 購入状態に応じた処理の実装 ○ バッチでの定期的な定期購入の状態確認
- 47. 捌き方の紹介 まとめ 47 ● すべての情報を書くには時間が足りないため、メイン部分のみを紹介させていただきました。 ● 今回書ききれてないものもあり、驚くほどに多くのレシートパターン・Platformごとの違いが存在する サブスクでは、検証時や実装時にPlatformの挙動・レシートの状態などを細かくドキュメント化して残 しておくことをオススメします（見落としを失くすため、一人が専任みたいな状態は作らないこと） ● また、Platformに依存する機能であるため、Platformの更新情報を常にキャッチできる体制を作って おきましょう
- 48. 話すこと ✓ サブスクリプションとは ✓ サブスクリプションの捌き方 ✓ サブスクリプションの試練 ✓ その他機能について 48
- 50. テスト環境 50 Apple / Googleはサブスクテストのためにテスト環境を用意してくれています。 以下のオードブルを添えて。 ● 本番相当の動きを再現しづらい ● とにもかくにも安定していない なお、テスト環境ではテストしやすいよう購読期間が短くなります。 （本番 1ヶ月 → テスト 5分）
- 56. どうする？ 56 「お客様、有効期限は各プラットフォームで定められたものに準拠しております」 私にはそう伝えることが精一杯だった ※ 日本時間でも翌月同日になるように調整しようとしたけど無謀すぎた
- 58. どうする？ 58 公式リファレンスを穴が開くほどに見よ 日本語版だと情報が古かったり間違えたりしているので注意 英語こそが世界共通語である 英語版に切り替えて「日本語に翻訳」をポチりである（私は）
- 60. 話すこと ✓ サブスクリプションとは ✓ サブスクリプションの捌き方 ✓ サブスクリプションの試練 ✓ その他機能について 60
- 61. その他機能について 61 ● グレード ○ サブスク商品にグレードという概念をあたえます。 ■ 例：梅コース・竹コース・松コースのような形で販売できる ○ 詳細はまたいずれ・・・ ● お試し価格・無料トライアル ○ 指定期間だけ、お試し価格 or 無料でサブスクを提供する機能 ○ 購読ユーザを獲得するためには有効だが、Platformアカウントを使い回すと永遠恩恵を受けれてし まうため、工夫が必要となる
- 62. いかがだったでしょうか？ 拙い発表内容ではありましたが、この発表によって すこしでも、サブスクリプションやPlatformが関係する機能に興味を持っていただけたら幸いです。 要望があれば、もう少し深い内容の発表もさせていただきます。 なかなかに厄介な機能ではありますが、その分やり甲斐もあり、自身の成長にもつながります。 皆さんも前向きに新しいものに手を出し、開発者ライフを満喫していきましょう。 62
- 63. 最後に・・・ 当時の私は既存のものに対する改修や運用がメインであったため 「新機能としてサブスクリプションを導入する」 という当社で初の機能を担当すると聞いた際は心躍らせました。 苦労もありましたが、結果このように皆さんに向けて発表することも出来ました。 今後も世界と自分をワクワクさせるため、積極的にチャレンジしていきたいと思っています。 更に面白いものを実装して、またこうして登壇できる日を迎えれるよう精進してまいります。 63