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誰も教えてくれなかったカルテの書き方

  1. 1. 1 誰も教えてくれなかった カルテの書き方 名古屋市立大学病院 シニアレジデント 林紘太郎 医学部5年生用講義資料 Version: 1.1.0 (April 10, 2015)
  2. 2. 自己紹介 ‣ 名古屋市立大学卒→名古屋市立大学病院で研修 ‣ シニアレジデント1年目=卒後3年目(?) ‣ 趣味:カメラ,旅行 ‣ 好きな被写体:風景,人物,猫 2
  3. 3. 3 カルテとは何か? POS/POMRとは何か? RIMEモデルとは何か? SOAP形式とは何か? 1 2 3 4 本日の内容
  4. 4. その前に… ‣ 実際にカルテを書いてみよう! (医療面接のロールプレイ 15分) 4
  5. 5. 息切れを主訴に受診した75歳男性. 5 息切れを主訴に受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医で投薬を 受けHbA1c 6%前後で推移していた.2014年12月に血尿を契機に膀胱癌を指摘さ れ12月18日に膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した. 普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩 行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内を動くだけでも息切 れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが増 悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし, ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医からテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍 96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結 膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野でwheezeを 聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮腫 なし.WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈血ガス(room air) でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.心電図 は洞調律.胸部単純X線写真で両肺の過膨張,滴状心を認め,右下肺野にair bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色で多数のグラム陽性双球菌 を認める. 出典:「カルテはこう書け!」より改変
  6. 6. 検査所見 6 血液検査 静脈血ガス(room air) WBC 12800/μL LDH 219IU/L pH 7.396 Hb 13.5g/dL CK 61 IU/L PaCO2 68.3Torr PLT 15.5万/μL CRP 10.17mg/dL PaO2 48.5Torr TP 7.9g/dL BUN 11.1mg/dL HCO3- 29.0mEq/L alb 3.7g/dL Cre 0.61mg/dL Na 138mEq/L AST 30IU/L Glc 157mg/dL K 4.1mEq/L ALT 17IU/L HbA1c 6.6% Cl 98mEq/L 【身体情報】 身長157cm,体重43kg,やせ型. 【バイタルサイン】 意識清明 体温 38.0℃,脈拍 96回/分,血圧 129/67mmHg, 呼吸数 24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分)
  7. 7. 検査所見 7 胸部単純X線写真 心電図(II誘導) 喀痰グラム染色
  8. 8. カルテ記載例 8 ‣ 上手に書けました か? ‣ 本当にそれでOK? ‣ そもそも学校では 誰も教えてくれない <S> 【主訴】呼吸苦 【現病歴】 数年前から労作時呼吸苦あり 昨日から発熱・呼吸苦が出現. 【既往歴】 糖尿病,膀胱癌 <O> 【身体所見】 BT 37.9℃, RR 24, SpO2 93% 両下肺野にてwheezeあり. 【検査所見】 炎症反応高値,CO2貯留あり, Xpにて右下肺野に肺炎像あり. <A> #肺炎の疑い <P> 抗生物質による治療を行う.
  9. 9. 9 カルテとは何か? POS/POMRとは何か? RIMEモデルとは何か? SOAP形式とは何か? 1 2 3 4 本日の内容
  10. 10. カルテとは何か? ‣ ドイツ語で「カード」を意味する「Karte」に由来 英語では「medical record」「chart」など ‣ 医師法に規定 医師法第24条1項に、医師は患者を診療したら遅滞なく 「経過を記録すること」が義務づけられており,これを 「診療録」としている.また,2項で記録後最低5年間は 保存することが義務づけられている(wikipedia) ‣ 単なる診療のメモではない 10
  11. 11. カルテは何のために書くのか? ‣ 日々の記録 ‣ 診療のプロセスを助ける ‣ チーム医療のため ‣ 臨床研究の資料 ‣ 公文書として医療訴訟の証拠にも ‣ 良いカルテを書こう! 11
  12. 12. 良いカルテの条件とは? ‣ 正しい日本語で書く 接続詞や「てにをは」の使い方,文の長さや配列が適切 ‣ 簡潔 個人的な思いや診断や方針に関連しない情報などがない ‣ フォーマット(型)に沿う 日記やメモではなく,所定の位置に適切な情報がある 12
  13. 13. フォーマットに沿ったカルテの利点 ‣ 1)業務効率の改善 ‣ 2)診断推論能力の習得 ‣ 3)多職種連携に活きる ‣ 4)トラブルが減る 13
  14. 14. フォーマットに沿ったカルテの利点 ‣ 1)業務効率の改善 型通りに書けばいいので,書く前に考える必要がない。 また,整理された情報は後で閲覧・検索しやすいため, 速やかに現状や全体像を把握できる。カギはSOAP形式に おけるS欄・O欄の書き方。 ‣ 2)診断推論能力の習得 診断推論の論理的考え方に沿って記載することによって, 毎日カルテを書くだけで自然と診断能力が身につく。 特に問題リストを含めたA欄をきちんと書くべし。 14
  15. 15. フォーマットに沿ったカルテの利点 ‣ 3)多職種連携に活きる コメディカルが読んでも現状・今後の方針を理解できるた め,関係者全員が主体的に治療にかかわることができる。 P欄が乏しいと,こうはいかない。 ‣ 4)トラブルが減る 情報収集や計画のチェックリストにもなるため,漏れや忘 れが減り,判断ミスによる患者への不利益を予防できる。 万が一,訴訟などに発展したときにも強力な証拠となる。 15
  16. 16. では、どんなフォーマットが良い? ‣ 「POS」の考え方に基づいた 「SOAP形式」のカルテが推奨される 16
  17. 17. 17 カルテとは何か? POS/POMRとは何か? RIMEモデルとは何か? SOAP形式とは何か? 1 2 3 4 本日の内容
  18. 18. POS/POMRとは ‣ POS(Problem-oriented system) 日本語では「問題志向型診療システム」 ‣ POMR(Problem-oriented medical records) 日本語では「問題志向型診療録」 ‣ 米国で発祥 Lawlence L Weed先生が考案.ハーバード大学で採用され たことから全米に広がった ‣ 日本でも普及 電子カルテの普及に伴い、標準的で科学的な診療録の記載 法としてPOS/POMRが急速に普及 18
  19. 19. 「問題志向型」とは? ‣ 旧来の診療録では 主治医が患者を見て自分で立てた仮説にあう事柄を記載し, 仮説に合わないことや重要でないと思ったことは記載しな い=「疾患志向型」 ‣ POS/POMRでは 患者の抱えている問題ごとに「プロブレム」を立案し、解 決していく過程を記載する=「問題志向型」 ‣ 「患者中心の医療」の精神に基づく 患者がさんが今困っていることは,これから病気として顕 在化してくるものかもしれない… 19
  20. 20. 要するに何が特徴? ‣ 患者ごとに「プロブレムリスト」を作成し,それ に則って診療を行う ‣ 例えば先ほどの 「息切れを主訴に受診した75歳男性」ならば <A> 【プロブレムリスト】 #1.糖尿病 #2.COPD #3.膀胱癌 #4. 急性肺炎 というように… もっと詳しく知りたい人は後で質問してくださいね. 20
  21. 21. プロブレムリストの作り方 21 #1. プロブレム① #2. プロブレム② #3. プロブレム③ 病歴や身体所見から,「病気」がいくつあるか考える
  22. 22. これからが本題 22
  23. 23. 23 カルテとは何か? POS/POMRとは何か? RIMEモデルとは何か? SOAP形式とは何か? 1 2 3 4 本日の内容
  24. 24. SOAP形式とは 24 Subjective, Objective, Assessment, Planの頭文字を 取ったもの; 現在の電子カルテの標準的な形式 Subjective Objective Assessment Plan 主観情報.主訴,現病歴,既往歴,その他が含まれる. 客観情報.身体所見,検査所見が含まれる. アセスメント=評価. プロブレムリストもここに含まれる. プラン=計画. いつ,誰が,何を行うのか具体的に記す.
  25. 25. S(Subjective)に何を書くか (1)【主訴】 (2)【現病歴】 (3)【既往歴】 (4)【その他】 大きく分けてこの4つ 25
  26. 26. (1)【主訴】 ‣ 患者側の視点で今回の主題を明確にする ‣ 基本的に「医学用語」に置き換える (1’)【受診理由】も併記 ‣ 特に,本人が困っていない場合や,本人と周囲の 問題意識が異なる場合に重要 26 見通しを良くする為,詳細に入る前にまず全体像を明確にする.
  27. 27. (2)【現病歴】 ‣ 経過 診断上最も価値の高い「時間経過」を明確にする. 医師が知った順番ではなく,患者に起きた順番に記載 ‣ 症状解析 「痛みのOPQRST」「TLQQSFA」などで詳述 ‣ Review of systems(ROS) 鑑別にかかわる臓器系に絞って記載 ‣ ナラティブ 「かきかえ」=解釈,期待,感情,影響 など 27 病気が発生してから現在に至るまでの出来事すべてを記載する.
  28. 28. (3)【既往歴】 ‣ 今も活動性のある疾患 病状や治療内容,かかりつけ医なども併記 ‣ 過去に治癒した疾患 発症時期と治癒時期,後遺症の有無などを併記。 手術歴,輸血歴,アレルギー歴,妊娠・出産歴も ‣ (3’)【服薬歴】 医原性の問題を検討しやすくため,併存症・既往症と独立 して記載 28 生まれてから現在に至るまでの,既に確定している疾患の情報.
  29. 29. (4)【その他】 【家族歴】 ‣ 同様の症状の近親者だけでなく, 同居家族・キーパーソンも記載 入院の適応や退院の目標を設定する上で重要 【生活歴】 ‣ 嗜好品:飲酒・喫煙など ‣ 生活習慣:食事・運動,排泄状況など ‣ 社会歴:職業,交友関係,居住地・家屋など 29
  30. 30. O(Objective)に何を書くか (5)【身体所見】 (6)【検査所見】 30
  31. 31. (5)【身体所見】 ‣ 全身状態 パッと見の重篤感・ABCの評価 ‣ バイタルサイン 意識,体温,脈拍,血圧,呼吸数,SpO2 重症度・病態判断に必須 ‣ 全身診察 頭頸部→胸部→腹部→背部→四肢→皮膚など 頭の先からつま先まで網羅 31 医療者が,現時点で直接観察した身体診察の結果 ※ABC=airway, breathing, circulation
  32. 32. (6)【検査結果】 ‣ 検体検査 血液検査(血算・生化学・凝固・血ガス),尿検査など ‣ 生理検査 超音波検査,心電図等 ‣ 画像検査 胸部単純X線写真,CT等 ※サルも聴診器 32 その時点でわかっている検査結果 酸素,ルート,モニター,超音波,心電図,胸部単純X線 (救急外来で困った時はとりあえずこれをやっておく)
  33. 33. ちょっと休憩… 33
  34. 34. A(Assessment)に何を書くか (7)【問題リスト】 ‣ プロブレムリストとも SOAP形式のキモ (8)【評価・方針】 ‣ プロブレムごとに評価, 鑑別診断と方針を記す 34
  35. 35. A(Assessment)に何を書くか 【問題リスト】 #1.急性冠症候群,#2.ショック,#3.糖尿病 【評価】 #1.急性冠症候群 (プロブレム名) 多重する心血管リスクを認める患者の,30分以上持続する 胸部絞扼感.心電図異常と心筋逸脱酵素上昇を伴い,急性 冠症候群(ACS)の基準に合致する.(brief summary) 鑑別診断としては心膜心筋炎,たこつぼ型心筋症,心筋以外 からの酵素逸脱が挙げられるが,諸検査の結果からその可能 性は低いと考える. ACSの評価目的で心臓カテーテル検査は速やかに行うので, この結果をみて診断を確定し,ACSであれば引き続き治療を 行う。(方針) 35
  36. 36. P(Plan)に何を書くか (9)【計画】 ‣ 診断プラン 検査の日時や,いつ・どうなるまで経過観察か記載 ‣ 治療プラン 具体的な薬品名や用法・用量も明確に記載 ‣ 説明プラン Informed consentの内容や生活習慣の改善など 36
  37. 37. もう少し! 37
  38. 38. 38 カルテとは何か? POS/POMRとは何か? RIMEモデルとは何か? SOAP形式とは何か? 1 2 3 4 本日の内容
  39. 39. RIMEモデルとは 39 Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を 取ったもの;研修医の発達段階を表す Level 2 Level 3 Level 1 Top Level Reporter (情報を正しく報告できる) Interpreter (情報を自分で考えて適切に判断できる) Manager (自分で考えた判断に基づいて実際に行動できる) Educator (判断や行動原理について他の人に教えられる)
  40. 40. RIMEモデルとは 40 Reporter, Interpreter, Manager, Educatorの頭文字を 取ったもの;研修医の発達段階を表す Reporter Interpreter Manager Educator 情報を正しく報告できる段階. SOAPのS・Oがしっかり書ける相当する. 情報を自分で考えて適切に判断を下せる段階. SOAPのAがしっかり書ける段階に相当する. 自分で下した判断に基づいて適切に行動できる段階. SOAPのPに相当する.いわゆるデキレジ. 自分の判断や行動原理を他の人に教えられる段階. ここまでできれば超研修医級!?
  41. 41. まずはReporterになる! ‣ 診断推論の根拠となるS・Oをちゃんと把握できて いないと,どうしてもアセスメントが突飛なもの になったり,プランも穴だらけになったりしがち です ‣ 背伸びせず,まずはReporterになってから次に行 きましょう 41
  42. 42. 42 Take Home message ‣ 良い医者は良いカルテから! ‣ SOAP形式にトライしよう! ‣ OPQRST/TLQQSFAは覚えよう! ‣ 背伸びせず,まずはReporterになろう!
  43. 43. 43 参考資料
  44. 44. 44 カルテは こう書け! 総合プロブレム 方式 診療録の記載と プレゼンテーション のコツ 80ページと薄く読みやすい. 総合プロブレム方式の入門 編のような図書.会話形式, step by stepで進む.価格も 手頃(2800円+税) 総合プロムレム方式の元祖。 「カルテはこう書け!」では 物足りない人向け.会話形式 が苦手な人はいきなりこちら でもいいかもしれない. 診療録にまつわる法律や, S・Oの部分の書き方が書い てあるのが特徴.プレゼン テーションについても書い てあり,侮れない一冊. 参考資料
  45. 45. Name of Quotation’s Author 実は一番参考にしたのはこれ! 参考資料 45
  46. 46. 46 質問はありませんか?ご清聴ありがとうございました
  47. 47. よくある質問 47
  48. 48. OPQRST/TLQQSFAって何だっけ? 痛みのOPQRST ‣ Onset of the event(発症様式) ‣ Provocation or Palliation(増悪寛解因子) ‣ Quality of the pain(痛みの性状) ‣ Region and Radiation(痛みの場所と放散痛) ‣ Severity(重症度 - 10段階評価など) ‣ Time(時間経過による変化) バリエーション:PをPosition(場所)とする場合や, 「AAA」を追加し「OPQRST-AAA」とする場合もある ‣ Aggravation/alleviating factors(増悪寛解因子) ‣ Associated symptoms(随伴症状) ‣ Attributions/adaptations(思い当たる原因/症状への対処) 48 出典:Wikipedia.com
  49. 49. OPQRST/TLQQSFAって何だっけ? TLQQSFA ‣ Timing(時間) ‣ Location(部位) ‣ Quality(症状の質) ‣ Quantity(症状の強さ) ‣ Setting(状況) ‣ Factor(寛解増悪因子) ‣ Association(随伴症状) 49 出典:名古屋市立大学講義プリント
  50. 50. SとOをどう区別するか ‣ 身体所見も医師の主観を通して観察した所見 「Sは主観的情報,Oは客観的所見」という分類では混乱も ‣ 「誰が,いつとったか」という基準で区別する 50
  51. 51. SとOをどう区別するか ‣ S=「患者や家族,前医などの他人」から収集した 「過去から現在に至る」までの「間接的情報」で 「患者や家族の証言,前医の手紙やカルテに記載 された情報」と定義 ‣ O=「医師自身や,診察能力を把握している同僚」 が取った,「現時点」で「直接観察した所見」で 「診察時の身体所見と検査所見」と定義 51 ※前医の身体診察所見や検査結果などは過去のものであり, その精度も自らは保障できない=「間接的情報」
  52. 52. 自分自身のカルテの書き方は? <S> 【診察日時】 【情報源と信頼性】 【主訴】 【受診理由】 【現病歴】 ・時間経過 ・症状解析 ・ROS ・ナラティブ 52 【併存症】 【既往歴】 【服薬歴】 【アレルギー】 【家族歴】 ・誰と何人暮らし 【生活歴】 ・喫煙,飲酒 (1) (2) (3) (4) (0)
  53. 53. 自分自身のカルテの書き方は? <O> 【バイタルサイン】 ・意識 ・体温 ・脈拍数と血圧 ・呼吸数とSpO2 【身体所見】 ・全身状態(表情) ・頭頸部 ・胸部 ・腹部 ・背部 ・四肢 ・皮膚 53 【検体検査】 ・血液検査,尿検査 【生理検査】 ・心電図,エコー 【画像検査】 ・Xp, CT, MRI (5) (6)
  54. 54. 自分自身のカルテの書き方は? <A> 【問題リスト】 #1. 正式プロブレム① #2. 正式プロブレム② #3. 正式プロブレム③ #a. 暫定プロブレム① #b. 暫定プロブレム② #c. 暫定プロブレム③ 【評価・方針】 #1. brief summary 評価とその根拠 大まかな方針 54 <P> 【計画】 ・いつ ・誰が ・どのように ・何をするのか 具体的に書く (8) (9)
  55. 55. 自分自身のこだわりポイントは? ‣ 他の人が読めるように書くこと. (たとえ学生や患者さんでも!) そのために ‣ 「てにをは」を抜かさない. ‣ 「にて」を連発しない. ‣ 略語や外来語は極力使わない. 55
  56. 56. 息切れを主訴に受診した75歳男性. 56 息切れを主訴に受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医で投薬を 受けHbA1c 6%前後で推移していた.2014年12月に血尿を契機に膀胱癌を指摘さ れ12月18日に膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した. 普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩 行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内を動くだけでも息切 れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが増 悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし, ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医からテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍 96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結 膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野でwheezeを 聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮腫 なし.WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc,157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈血ガス(room air) でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.心電図 は洞調律.胸部単純X線写真で両肺の過膨張,滴状心を認め,右下肺野にair bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色で多数のグラム陽性双球菌 を認める. 息切れにて受診した75歳男性. 息切れにて受診した75歳男性.20年前より糖尿病を指摘され,近医にて投薬を受 けHbA1c 6%前後で推移していた.2013年12月に血尿にて膀胱癌を指摘され12月 18日に当院にて膀胱鏡手術を受けた.1日20本×50年喫煙していたが以後禁煙した. 普段からたまに咳が出ていたが放置していた.数年前までは近所のスーパーまで歩 行できたが,労作時息切れが徐々に増悪し,ここ1年は自宅内にて動くだけでも息 切れがするようになった.2015年4月1日から39℃の発熱と悪寒が出現,息切れが 増悪し改善しないため4月2日に当院総合内科を受診した.旅行なし,庭仕事なし, ペット飼育なし,鳥と接触なし.咳嗽あり,喀痰は白色粘稠.鼻汁なし,咽頭痛な し.夜間呼吸苦なし.内服薬は近医にてテネリア錠(20)1T/朝のみ.飲酒なし.ア レルギー歴なし.身長157cm,体重43kg,やせ型.意識清明,体温37.9℃,脈拍 96回/分,血圧129/67mmHg,呼吸数24回/分,SpO2 93%(経鼻酸素1L/分).結 膜貧血黄染なし,口腔内やや乾燥,頸部リンパ節触知せず.両下肺野にてwheeze を聴取する.心音整,心雑音なし.腹部平坦・軟,圧痛なし.ばち指なし,下腿浮 腫なし.血液検査にてWBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万/μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L,CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc, 157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%.静脈 血ガス(room air)でpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.心電図は洞調律.胸部単純X線写真にて両肺の過膨張,滴状心を認め, 右下肺野にair bronchogramを伴う斑状影を認める.喀痰グラム染色にて多数のグ ラム陽性双球菌を認める.
  57. 57. 75yo Male, CC: dyspnea 57 75yo Male, CC: dyspnea. HPI: 普段からたまにcoughが出ていたが放置.数年前 までは近所まで歩行できたが,dyspneaが徐々に増悪.2015年4月1日から39℃の feverとchillが出現,dyspneaが増悪し改善しないため4月2日に当科を受診.旅行 (-),庭仕事(-),ペット(-),鳥(-).cough (+),喀痰は白色粘稠.鼻汁(-),咽頭 痛(-).夜間呼吸苦(-).PMH: DM, bladder Ca. Meds: 近医にてテネリア. 喫煙:1日20本×50年,以後禁煙.飲酒(-).アレルギー(-).PE:身長157cm,体 重43kg,やせ型.cons. : alart,BT 37.9℃,HR 96回/分,BP 129/67mmHg, RR 24回/分,SpO2 93%(NC1L).conj. not anemic, not icteric,口腔内ややdry, 頸部LN触知せず.両下肺野でwheezeを聴取する.No M.腹部s&f,tenderness(- ).ばち指なし,edemaなし.L/D: WBC 7500/μL,Hb 13.5g/dL,PLT 15.5万 /μL,TP 7.9g/dL,alb 3.7g/dL,AST 30IU/L,ALT 17IU/L,LDH 219IU/L, CK 61 IU/L,CRP 10.17mg/dL,BUN 11.1mg/dL,Cre 0.61mg/dL,Glc, 157mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 98mEq/L,HbA1c 6.6%. Vgas(room air)にてpH 7.396,PaCO2 68.3Torr,PaO2 48.5Torr,HCO3- 29.0mEq/L.ECG: sinus.CXRにて両肺の過膨張,滴状心(+),右下肺野に斑状影 (+) air bronchogram(+).喀痰gram stainにて多数のGPCを認める. ‣ これはこれでかっこいい(?)ですが, 学生さんや患者さんには読めません.
  58. 58. 方針(A)と計画(P)はどう違う? 例えると… ‣ 「方針」は上司が「最近仕事も大変だったし, パーッと飲みに行って気晴らししよう!」という ような,考え・提案. ‣ 「計画」は,幹事が「4月16日19時から居酒屋 『萬々事々』で,『兼松』の名前で予約」という ような,参加者全員が共有しないと実行に支障が 出るような具体的な行動目標. 58
  59. 59. 本当に誰も教えてくれなかったの? ウソです。 タイトルは野口善令 先生の 「誰も教えてくれな かった診断学」から 取りました。 読んで損はない名著 です。 59
  60. 60. Enjoy everything! 60

Editor's Notes

  • <S/O>
     75歳男性.呼吸苦を主訴に来院.  
    <A>
    発熱と低酸素血症を認める.  肺炎,COPDの急性増悪のほかに心不全,喘息,心筋梗塞,肺塞栓,気胸などが鑑別に上がる.
     CURB65で1点(外来治療)A-DROP2点(外来または入院),適切な酸素投与と抗菌薬投与が必要

    <P>
    ・酸素は経鼻酸素2L/分で開始しSpO2 90-94%を目標に漸増する.
    ・肺炎球菌尿中抗原検査を追加.スパイロメトリーを行う.
    ・COPDに合併した市中肺炎であり,想定される微生物はS. pneumoniae, H. influenzae, Molaxella, Legionella, S. aureus(まれ)
    ・SanfordによればLVFX500mg po daily または CTRX 1g div daily + AZM 500mg daily for 3 days
  • ×