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第5回 「痙攣,てんかん」

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聖路加国際病院救命救急センター
救急ジェネラルカンファレンス第5回「痙攣, てんかん」
当科を回っている研修医が作成しております。このスライドは多くの文献をもとに作成しておりますが、あくまで一個人の見解であり, 病院全体の方針や意見を反映するものではありません。臨床現場へのそのままの応用は厳に慎んでください。また、スライドをお読みの方が患者・患者関係者の場合は、本内容の利用の際には必ず主治医にご相談ください。なにかご不明な点がございましたら、コメントください。

Published in: Health & Medicine
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第5回 「痙攣,てんかん」

  1. 1. 救急ジェネラルカンファレンス第5回   痙攣,てんかん 聖路路加国際病院 救命救急センター Ver.2.0 (Last updated Sept.27.2015)
  2. 2. 本⽇日のお話 l  ⽇日本神経学会  てんかんガイドライン2012改訂版 l  てんかん国際分類ILAE1981&2010 l  成⼈人初発痙攣のReview Article. BMJ 2014 2014 Apr 15;348:g2470 l  成⼈人初発痙攣への抗てんかん薬投与について. Neurology 84 April 21, 2015 2
  3. 3. 痙攣・てんかん発作の定義 l Convulsion l Seizure l Epilepsy 3
  4. 4. 痙攣・てんかん発作の定義 l Convulsion(痙攣)=症候名 –  全⾝身または⼀一部の筋⾁肉の過剰収縮を⽰示す⽤用語 l Seizure l Epilepsy 4
  5. 5. 痙攣・てんかん発作の定義 l Convulsion(痙攣)=症候名 –  全⾝身または⼀一部の筋⾁肉の過剰収縮を⽰示す⽤用語 l Seizure(痙攣発作≒てんかん発作)  =症候名 –  脳波異異常に伴うてんかん発作という「状態」を⽰示す⽤用語 –  てんかん発作は「デジャブ」やミオクロニー収縮などの ⼩小さな症状から、強直間代性発作など派⼿手な症状まで多岐にわたる。 l Epilepsy 5
  6. 6. 痙攣・てんかん発作の定義 l Convulsion(痙攣)=症候名 –  全⾝身または⼀一部の筋⾁肉の過剰収縮を⽰示す⽤用語 l Seizure(痙攣発作≒てんかん発作)=症候名 –  脳波異異常に伴うてんかん発作という「状態」を⽰示す⽤用語 –  てんかん発作は「デジャブ」やミオクロニー収縮などの ⼩小さな症状から、強直間代性発作など派⼿手な症状まで多岐にわたる。 l Epilepsy(てんかん症候群)=診断名 –  てんかん発作 (Seizure) を2回以上繰り返すとepilepsyと定義される。 –  ⾼高リスク患者に関しては1回⽬目からてんかんの診断  Neurology 84 April 21, 2015 –  世界:有病率率率  1.1-2.2%  治療療中:0/8% 6
  7. 7. 発作型の分類(ILAE 1981) l  1981年年の国際分類が⼀一般的だが, 2010年年に変更更. 7    部分発作(Partial seizures)   –  脳のある⼀一部の過剰興奮によって誘発される発作 •  単純部分発作,  複雑部分発作,  ⼆二次性全般化    全般発作(Generalized seizures) –  脳全体に過剰興奮が及ぶ発作 •  ⽋欠神発作,  強直間代発作,  ミオクローヌス発作, 強直発作,  間代発作,  脱⼒力力発作
  8. 8. 発作型の分類(ILAE 2010) l  1981年年の国際分類が⼀一般的だが, 2010年年に変更更. 8    部分発作  → 焦点発作(focal seizures)   –  脳のある⼀一部の過剰興奮によって誘発される発作 •  意識識障害を伴う, 意識識障害を伴わない, ⼆二次性全般化    全般発作(Generalized seizures) –  脳全体に過剰興奮が及ぶ発作 •  ⽋欠神発作,  強直間代発作,  ミオクローヌス発作, 強直発作,  間代発作,  脱⼒力力発作
  9. 9. Seizureの初回発作様式  (n=1,942) 単純部分発作 複雑部分発作 ⼆二次性全般化発作 ⽋欠神発作 ミオクローヌス発作 強直性痙攣 強直間代性痙攣 脱⼒力力発作 点頭てんかん 分類不不能 ⼆二次性全般化 24.0% 単純部分 9.5% ⽋欠神 8.1% ミオクローヌス 3.1% 複雑部分 13.6% 強直間代性 23.0% 分類不不能 16.7% 9Epilepsia.2001 Apr;42(4):464-75
  10. 10. Seizureの原因疾患 Arch Neurol.2010 Aug:67(8):931-40 抗てんかん薬が不不⼗十分 脳⾎血管障害 代謝性疾患 急性頭蓋内感染症 低酸素脳症 アルコール乱⽤用 頭部外傷 薬剤過量量・中毒 脳腫瘍 特発性 脳⾎血管障害 10-40% 抗てんかん薬 容量量不不⼗十分 10-20% 代謝性疾患 5-15% 頭蓋内感染 0-10% 1 0 頭部外傷 10% 脳腫瘍 10%
  11. 11. 50歳以上のEpilepsyの原因  (n=130) Epileptic Disord.2005 Jun;7(2):91-5 1 1 脳⾎血管障害 頭部外傷 脳腫瘍 頭蓋内感染症 その他 特発性 脳腫瘍 11% 脳⾎血管障害 51% 頭部外傷 13% 特発性 22%
  12. 12. 痙攣発作の治療療 1 2
  13. 13. てんかん重積発作  Status Epilepticus ⽇日本神経学会ガイドライン2012改訂版 ②痙攣を⽌止める l 1分以内に⽌止まることが多い l 低酸素脳症を防ぐ ①ABCの安定化 l 焦らない!Aを安定させれば⾃自然に⽌止まることが多い. l サクション,  バックバルブマスク,  モニター,  薬剤を⽤用意 l ⼿手⾜足持つ⼈人,  酸素投与,  バイタル,  ライン確保,  下顎挙上 l VFが原因で痙攣が起こることもあるのでモニター装着
  14. 14. ABCの安定化 静脈路路確保,  気道確保,  酸素投与 静脈確保可 まずは,低⾎血糖を否定 塩酸チアミン(VitB1)100mg静注後,  ブドウ糖50ml静注   ジアゼパム静注 10mgを5mg/分で緩徐に静注  (5分後に10mg追加可) ホスフェニトイン初期投与 22.5mg/kgを3mg/kg/minまたは 150mg/minのいずれかを超えない速度度で静注 鎮静薬を使⽤用,  挿管を検討 チオペンタール  3-5mg/kgで静注,3-5mg/kg/hで点滴 プロポフォール  1-2mg/kgで静注,2-5mg/kg/hで点滴 その他,  ミダゾラムやチアミトールを検討   脳波モニタリングと全⾝身⿇麻酔 けいれん持続 けいれん消失 ホスフェニトイン維持投与 5-7.5mg/kg/day  静注 1⽇日1回または分割投与 (初回投与から12時間以上後) 静脈確保不不可 ジアゼパム注腸10−30mg or ミダゾラム⼝口腔,⿐鼻腔投与10mg その他の選択肢 l ミダゾラム0.1-0.3mg/kg静注 ミダゾラム0.05-0.4mg/kg/h持続 l フェノバルビタール15-20mg/kg 50-75mg/minで静注 ※  ジアゼパム  (ホリゾン®10mg/2ml/A),  ホスフェニトイン(ホストイン®750mg/10ml/A),  ミダゾラム(ドルミカム®10mg/2ml/A),     フェノバルビタール  (ノーベルバール®250mg/V),  チオペンタール(ラボナール®300mg/12ml),  プロポフォール(ディプリバン®100mg/10ml) 原因精査,  神経内科コンサルト ⽇日本神経学会ガイドライン2012改訂版
  15. 15. 痙攣発作の原因検索索 1 5
  16. 16. 原因精査の⼿手順 1.  てんかん性痙攣と失神性痙攣 2.  急性症候性発作とてんかん症候群 3.  初発てんかんに対する予防的治療療
  17. 17.   1. てんかん性痙攣  or 失神性痙攣 l 失神性痙攣は, Syncopal Convulsionと呼ばれる. l 鑑別疾患が異異なり,  その後のアプローチが変化. ①  てんかんによる痙攣→主に中枢性疾患 ②  失神による痙攣→主に循環器疾患 l 問診,  ⾝身体所⾒見見,  検査所⾒見見より総合的に判断. ①てんかんによる痙攣発作  なのか, ②失神による痙攣発作  なのか考える.
  18. 18. 問診    ⾝身体診察    ⾎血液検査(本⼈人と⽬目撃者)   てんかんらしさ:神経症状 l  頭痛振戦・既視感・気分変化など 失神らしさ:循環器症状 l  胸痛・動悸・呼吸困難・発汗・嘔気・めまいなど また,てんかん症候群であった場合, 発作型で治療療法が変わるため,  痙攣の状況が重要! l 右⼿手から全⾝身→焦点発作でありNarrow spectrum l 最初から全⾝身→全般発作でありBroad spectrum J Am Coll Cardiol.2002 Jul 3;40(1):142-8. The Lancet. 2015 Mar 7;385(9971):884-98.   1. てんかん性痙攣 or 失神性痙攣
  19. 19. J Am Coll Cardiol.2002 Jul 3;40(1):142-8  ERでしか⽬目撃者に問診できないことが多い! l  何度度⽬目?初発年年齢,  発作・発作型の変化,  推移,  最終発作 l  発作の頻度度,  状況,  誘因(光、過呼吸、睡眠) l  ⽚片側性・両側性,  どこから始まったか l  発作前・発作中・発作後の症状(意識識障害の程度度) l  持続時間,  外傷,  ⾆舌咬傷,  尿尿失禁 l  発作後の頭痛・筋⾁肉痛 l  発作と覚醒・睡眠の関係 l  ストレス,  睡眠状態,  直近の環境・精神的変化 l  既往歴,  抗てんかん薬のアドヒアランス l  家族歴,  てんかんに遺伝要素あり l  社会歴(アルコール、ドラッグ、常⽤用薬) 問診    ⾝身体診察    ⾎血液検査(本⼈人と⽬目撃者)     1. てんかん性痙攣 or 失神性痙攣
  20. 20. J Am Coll Cardiol.2002 Jul 3;40(1):142-8 てんかんによる痙攣発作を疑う⾝身体所⾒見見 l ⾆舌咬傷(LR+17),  頸部回旋(LR+14), 異異常体位  (LR+13) l 失禁,  失便便,  筋⾁肉痛など J Am Coll Cardiol.2002 Jul 3;40(1):142-8 問診    ⾝身体診察    ⾎血液検査(本⼈人と⽬目撃者)   合計点数  ≧1点  痙攣, < 1点  失神 点数 ⾆舌咬傷 混迷・異異常体位・四肢の痙攣様運動 情動的ストレスを伴う意識識消失 発作後昏睡 意識識消失後に頭部が⽚片⽅方に引っ張られる Déjà vuなどの前駆症状 失神感 ⻑⾧長時間の座位・⽴立立位での意識識消失 発作前の発汗 2点 1点 1点 1点 1点 1点 −2点 −2点 −2点 J Am Coll Cardiol 2002;40:142-8   1. てんかん性痙攣 or 失神性痙攣
  21. 21. J Am Coll Cardiol.2002 Jul 3;40(1):142-8 ⽬目撃者がいないor意識識障害のみで判然としない 場合,  採⾎血は痙攣発作の有無に有⽤用である. 検査項⽬目 解説 乳酸⇧ ≧2.5mmol/lは, 全般性けいれんで  LR+:25(3.5-173) アンモニア⇧ NH3⇧は, てんかん発作の68%に認められる. 平均7.8時間で, 250µg/dlから47µg/dlに低下する. プロラクチン⇧ てんかん発作後15-25分でピークを迎え, 1時間を超えると正常化する. CK⇧ CKは発作後3時間以内では22%しか上昇しないが, 3時間を超えると80%で上昇する. ⽩白⾎血球⇧ 問診    ⾝身体診察    ⾎血液検査(本⼈人と⽬目撃者)   Epilepsia 2011 Nov;52(11):2043-9  J Gen Intern Med :1991 sep-oct;6(5):408-412   1. てんかん性痙攣 or 失神性痙攣
  22. 22.   2. 急性症候性発作とてんかん症候群 l ERではまず  急性症候性発作  を鑑別・治療療! – 急性の全⾝身性・代謝性・中毒性・中枢神経 疾患と時間的に密接に関連して起こる発作 – 急性疾患であり,  死亡率率率が⾼高い l 慢性疾患であるてんかん症候群とは区別. ⽇日本神経学会ガイドライン2010
  23. 23. 代謝障害による急性症候性発作 –  けいれん発作患者において, 下記のcutoffを満たす時は, 急性症候性発作を疑うが,  ⼗十分なデータはなく, より特異異的なstudyが求められている. 検査項⽬目 カットオフ値 ⾎血糖 36mg/dL以下 450mg/dL以上 ⾎血清Na 115mg/dL以下 ⾎血清Ca 5.0mg/dL以下 ⾎血清Mg 0.8mg/dL以下 尿尿素窒素 100mg/dL以上 クレアチニン 10.0mg/dL以上 Arch Neurol.2010 Aug:67(8):931-40 2. 失神性痙攣急性症候性発作とてんかん症候群
  24. 24.   3. 初発痙攣に対する予防的治療療 l 抗てんかん薬  Anti-Epilepsy Drug (AED) l 従来, 2回⽬目の発作以降降にAED開始を推奨 ⽇日本神経学会ガイドライン ↓ ⽶米国神経学会  Neurology 84 April 21,2015 てんかん初発発作の治療療に関する新たなガイドライン
  25. 25. てんかん初発発作の新ガイドライン 3. 初発痙攣に対する予防的治療療
  26. 26. 成⼈人の初回発作後, 2年年以内の 再発作リスクが21-45%と最も⾼高い 3. 初発痙攣に対する予防的治療療
  27. 27. 成⼈人の初回発作後, 2年年以内の再発作リスクが 21-45%と最も⾼高い 再発作リスクが⾼高い因⼦子 (1)頭部外傷 (2)脳卒中 (3)脳腫瘍など脳疾患歴 (4)てんかんの徴候を⽰示す脳波(EEG) 初回発作直後の抗てんかん薬による迅速治療療で再 発リスクは低減可能だが、⻑⾧長期改善や発作消失に 影響する可能性は低い。 抗てんかん薬により7%-31%で副作⽤用が起こりや すく,主に軽度度で可逆的なものである 今後の精査を含め,神経内科への通院が推奨される. 患者に伝えるべきこと 3. 初発痙攣に対する予防的治療療
  28. 28. 痙攣疑い てんかん症候群疑う 急性症候性発作 •  初発ならばAED適応は   ⾼高リスクの時に考慮される •  再発ならばAED適応有 •  治療療済なら今後の精査につき   通院歴や内服薬の詳細な聴取 初発か再発か ⼼心因性発作 過呼吸 脳腫瘍 脳卒中 急性中毒 急性腎不不全 頭蓋外傷 Etc… てんかん性痙攣?失神? 問診(⽬目撃者) ⾝身体診察 ⾎血液検査 頭部CT 失神 Syncopal Convulsion てんかん性痙攣疑う 既に⽌止まっている 今起きている! 原因検索索と外傷検索索 てんかん重積状態の治療療 ABCD→ホリゾン®→ホストイン®→挿管鎮静 循環器疾患を除外

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