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「この国に必要な複合システム(System of Systems)の
システム科学アプローチ」
~事例を中心にしたシステム・ダイナミクスの解説~
(社)日本経営工学会関西支部平成23年度第1回事例研究会
平成23年7月9日(土) 14:00~17:00
株式会社 オージス総研
ビジネスイノベーションセンター
明神 知
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内容
はじめに
システムのシステム問題(System of Systems)
システムズ・アプローチ
システム・ダイナミクス(SD)とは
システム・ダイナミクスの事例
百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ)
おわりに
参考資料
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3
はじめに
「この国に必要な複合システム(System of Systems)
のシステム科学アプローチ」
東日本大震災と原発、政治の混沌と問題山積の日本です。
これらの問題は因果関係が複合した、
「System of Systems」です。
この「複雑性」と「ダイナミクス」を分析するシステム科学ア
プローチの代表的な道具がシステム・ダイナミクス(SD)で
す。
事例を中心にしたシステム・ダイナミクスの解説
私達が提唱する「百年アーキテクチャ」整備に至るITアーキ
テクチャ成熟度ステージアップのプロセス構造分析にSDを
利用した事例などを通してSDを理解していただきます。
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4
システムのシステム問題 System of Systems
かつてないほどの「相互依存」の時代を生きている
2008年の金融危機、今年の東日本大震災と原発、製造サ
プライチェーンの分断。
複雑に相互に依存した問題に「ワークハード」では限界
「チームの協働」と「やる気と集合知」を活用する「ワークスマ
ーター」へ
System of Systemsとは
人、技術、組織から成る独立して動くグループがあり、それ
らが連携して、効率的に「毎日のオペレーション」「計画イベ
ント」「大事故」といった緊急事態に対応するような場合に
System of Systemsが存在しており、その対応が求められる
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5
真のSystem of Systemsは、
1.構成要素のオペレーション独立
2.構成要素の管理独立
3.進化論(発展)的開発
4.緊急(突発的)行動が特徴で、個別対応では限界がある
5.地理的分散
地域、州、州間の「System of Systems」
米国国土安全保障省
The System of Systems Approach for Interoperable Communications
http://p.tl/l60x 相互運用コンテナ(ガバナンス、実行手続き、技術、ト
レーニング、用途)で関係付ける
スマートグリッドの相互運用標準フレームワークとロードマップ
(NSIT) http://sapiens.revues.org/1011
http://p.tl/tR52
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システムズ・アプローチ
1.日本の科学と技術 「ものつくり敗戦」
木村英紀、ものつくり敗戦 「匠の呪縛が」日本を衰退させる、2009
•日本は国家として「統合の失調」に陥っていないか
•専門分化する応用工学を横断的に扱う人工物の科学が弱い
•科学技術と呼んで科学と技術の区別もしない日本
•科学といえば自然を対象とするサイエンス
•ものづくりの技術に集中、システム個々の要素を磨くいて「道具を機械化」して
システム全体の性能を向上させ続けた
•自然を対象にして科学が発見した法則を技術が取り込んで道具に利用するな
かで、さらに新しい現象の解明が必要になってきた
•大量生産と大量消費という技術が生み出した「複雑さ」「不確実性」とそれらを
克服するための「情報」を扱う「人工物を対象とする科学」の必要性が生まれた
•この「人工物を対象とする科学」の成果は、第三の科学革命とも呼ばれる1930
年代から第二次世界大戦終結に至る期間に次々と誕生した(上記)
•第三の科学革命によって機械は複数の要素が有機的に連携する「システム」と
なり、見えないものを見て、関係を追う技術が発展して、対象が際限なく複雑化
オージス総研 WEBマガジン 「「正念場の日本に必要な、エンタープライズ・アーキテクト(グランドデザイナー)」」
http://www.ogis-ri.co.jp/rad/webmaga/rwm20110402.html
1931年:ブッシュの部分解析機
1932年:ブリュンによる回路理論の数学化
1932年:ヘイゼンのサーボ機構の理論
1936年:チューリングの機械計算のモデル
1939年:オペレーションズ・リサーチの実施
1944年:ノイマンのゲーム理論
1945年:ボードのフィードバックの理論
1946年:最初の汎用デジタル計算機ENIAC
1948年:シャノンの通信理論
1948年:ウィーナーのサイバネスティックス
1949年:最初のプログラム内蔵式計算機EDSAC
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システムズ・アプローチ
2.システムズ・アプローチとは
要素還元法によって個別に調べてその機能を足し合わせただけでは、全体の機能を
説明できない、すなわち、要素の機能だけでなく、要素と要素との関係性まで含めて足
し合わさないと全体の機能を説明できないことが指摘され、システム論が現れました。
同じ動きは制御工学においてもあり、例えばウィナー(Norbert Wiener)により著された
サイバネティックスはその代表例として挙げることができます。
対象に関らず問題の解決に向かってこのようにアプローチするやり方は、“システム
ズ・アプローチ”と呼ばれています。システムズ・アプローチは、“複数の要素が、秩序を
維持するための前提条件を互いに供給し合う関係を、筋道を立てて論理的に、手順を
追って把握する、体系的で秩序だったアプローチ”と定義することができます。
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システムズ・アプローチ
3.システムズ・シンキング
要素間の因果関係を把握し、その構造から各要素の特徴的な振る舞いを分析する手
法。特にフィードバック構造に注目することが多い。
MITスローン・スクールのフォレスター(J.W.Forrester)教授が1956年に創案したシス
テム・ダイナミックスもシステムズ・アプローチとして分類されます。このシステム・ダイ
ナミックスは様々な名前で呼ばれてきました。Industrial Dynamics 、Urban Dynamics 、
World Dynamics 、BusinessDynamics などです。これらを総称してシステム・ダイナミッ
クスと呼んでいます。
話は少々ややこしいのですが、このシステム・ダイナミックスの中には、定性モデルを
取り扱う方法論であるSystems Thinking(システムズ・シンキング)と定量モデルを取り
扱うSystem Dynamics(システム・ダイナミックス)とがあります。
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私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち
道路が渋滞するなら、道幅を増やそう。
道路を拡張すれば→走りやすくなる
走りやすくなれば→渋滞は解消する
渋滞問題への典型的な対処
(道路をつくり拡張すればよいはず)
ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、
道路を作ればさらに自動車が増えた、
システムズ・アプローチ
3.システムズ・シンキング
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渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる
渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は
道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると
自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり
さらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことに
•障害物設置による誘導
•混雑税による調整
•公共交通の魅力アップ
なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?—小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方 (東洋経済)
システムズ・アプローチ
3.システムズ・シンキング
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システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵
•今日の問題は昨日の解決策から起きている
•目の前の問題だけではなく、全体像を
•人を責めない、自分を責めない
•問題のパターンは、構造が生み出している
構造を変えない限り問題は解決しない
•解決策は、問題の近くにあるとは限らない
「レバレッジ・ポイント」を見抜く
「てこ」のように、小さな力で大きく動かせる介入ポイント
•全体像を考える
•長期と短期のバランスを取る
•動き、複雑性、相互依存というシステムの3つの性質を理解する
•測定可能データと測定不可能データの両方を考慮に入れる
•自分自身もシステムに影響を与えていることに留意する
システムズ・アプローチ
3.システムズ・シンキング
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システムズ・シンシンキングの表現方法
システムズ・アプローチ
3.システムズ・シンキング
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物事をシステムとしての全体像でとらえ、要素間のフィードバック構造をモデル化し、
問題の原因解析や解決策を探るためにシミュレーションを行うことで、実社会に存在
するさまざまな問題の効果的な解決を図る技法と適用技術。
“自動制御工学”と“経営学”とを起源とし、物理学、生物学、あるいは社会システムの
複雑な動特性を理解して管理するために用いる。方法論としては情報のフィードバック
と相互的あるいは循環的な因果関係に基づく考え方を用いている。
■ 因果関係の表現
生産すれば在庫は溜まる。販売すれば在庫は減る。
■ フィードバックの表現
在庫が増えれば、生産を減らす。在庫が減って品切れが発生すれば、生産を増やす。
■ 遅れの表現
物に関する遅れ:
材料が入荷しても製造は一度にはできない。製品は少しずつ出荷される。
情報に関する遅れ:
成功した。でも噂は少しずつしか伝わらないから。直ぐにはブランドが確立しない。
システム・ダイナミクス
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レベルとレート
ダイアグラムでは
Rate
Rate
Level
Level
Rate
出る量
Rate
入る量 ∫ t
t + ∆t
(入る量 - 出る量)dt
システム内の「遅れ」は、ストック・アンド・フローによって起きる。ストック・アンド・フローの現象は、システムに時間的な「遅
れ」、すなわち、慣性と時間履歴を与える。また、混乱を増幅したり減衰したりする働きもある。
システム・ダイナミクスの基本(ストックアンドフロー図)
システム・ダイナミクス
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システム・ダイナミクスの事例
1.米国の初等・中等教育におけるST/SD教育
Hopkins, P. L. “Simulating Hamlet in the Classroom”, System Dynamics Review V8 N1, Winter 1992
主人公であるハムレットの行動を
突き動かす内部の感情の高まりの
様子を視覚化し、時間経過で理解することや、
もし違った時代背景に置かれた場合、
あるいは判断基準が違っていたら、
主人公のハムレットの行動や運命はどう変
わったかといった想定で、人間の持つ普遍的な面や
時代的・環境的に変わる面などを深く理解することができるようになっている。
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システム・ダイナミクスの事例
1.米国の初等・中等教育におけるST/SD教育
Hopkins, P. L. “Simulating Hamlet in the Classroom”,
System Dynamics Review V8 N1, Winter 1992
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チェルノブイリ原発の教訓 (黒鉛減速型原子炉)
システム・ダイナミクスの事例
Lessons from the Chernobyl Nuclear Power Plant Accident for the Design of Organizational Improvement Initiatives,2005 System Dynamics Review
http://www.systemdynamics.org/conferences/2005/proceed/papers/SALGE184.pdf
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チェルノブイリ原発の教訓 (通常運転と水蒸気爆発のシミュレーション)
システム・ダイナミクスの事例
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チェルノブイリ原発の教訓
(災害時の混乱した行動)
システム・ダイナミクスの事例
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Designing Information Systems with System Dunamics A C2 example
概要
Corey Lofdahl,Designing Information Systems with System Dunamics A C2 example,2005
http://p.tl/tRfe
「空軍指令制御システムを例にした、SDによるシステム設計」
指令制御システム全体設計の初期段階でSDを使ってシス
テム要件を見出しデザイン上の問題をクリアにしておくことを提
案している
1.SDの指令制御システムデザインへの適用概要
2.空軍オペレーションセンターF2T2EA事例
3.従来のEAプラニングとの対比と補完関係
4.実践的、テクニカルステップについて
システム・ダイナミクスの事例
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Early C2 System Simulation Process
•最初の検討はラフスケッチやPPTが中心で、定量的な分析は挑戦であった
•本提案ではデザイン初期に定量的にこなれたシミュレーションを行う
1.ハイレベルのシステム図
2.センサ、決定、オペレータから成るF2T2EAのSDシミュレーション
3.ある初期値と前提での結果
ここでの目標はシミュレーションの完全化ではなくて、時間遷移や処理要件の迅速な決定
→年単位でなくて週単位の決定→調達、予算化、システム利用に大いに有効
システム・ダイナミクスの事例
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Detailed F2T2EA Architecture(センサー、オペレーション部)
F2T2EA:空軍オペレーションセンターのfind, fix, track, target, engage, assess
•パフォーマンスと有効性が検討できる、システムのビジュアルで分析的検討ができる
•システムアーキテクチャとは別の検討ができる、分析的なGAPアナリシスができる
•「System of Systems」のクイックアナリシス→複雑な複合システムの全体分析
•投資家、予算化への説得力
システム・ダイナミクスの事例
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System Dynamics Simulation (Base Run Output)
ストックストックストックストック
フローフローフローフロー
総合評価総合評価総合評価総合評価
3の「標的化されたターゲット」が、他の
変数がボトルネックとなって増加している
ことを示している
システム・ダイナミクスの事例
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System Dynamics Simulation (Increased Operator Run)
要員を増加させて再実行すると、ボトル
ネックは解消されて3の「標的化された
ターゲット」が抑制されたが、4の「戦闘要
員」が単調増加している
システム・ダイナミクスの事例
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System Dynamics Simulation (Sensor Reallocation Run)
センサー資源を再配置して、標的探索か
ら標的損害評価能力を増やした。単調
増加はなくなりシステム上の問題は解決
された。
システム・ダイナミクスの事例
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Enterprise Architecture Planning and System Dynamics Models
•SDは」抽象的で全体として目的に適うものかを見極め、EAPはシステム化の詳細を獲得する
•EAPは「木」を見て、SDは「森」を見る
•スターマンの言う複雑さの「詳細」をEAPで、「動的」をSDでカバー
システム・ダイナミクスの事例
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Complementary EAP and SD Models
•EAPとSDを相補的に組み合わせる
•SDによるGapアナリシス、要件開発と評価は税金の無駄を省く
システム・ダイナミクスの事例
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Cappadocia. NEXT 21 DynamicArchitecture
モデルベースIT投資マネジメントによる百年アーキテクチャ構築
~システムダイナミックスによる
IT投資マネジメント構造分析~
百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ)
•IT投資は単独で投資しても効果は薄く、ITを有効活用できる組織や文化が確立していないと経営に貢献するに至らない
•多くの先進企業調査からITアーキテクチャの成熟度をステップを踏んで高めないとITを使いこなせないことが明らかになっている
•筆者らはIT投資を百年スパンで考え、しっかりシンプルに作って使い続けるITを「百年アーキテクチャ」と銘打ち、
ITガバナンスや業務システム基盤整備など各種サービスを提供している
•経営に貢献する「百年アーキテクチャ」構築プロセスの内部構造を、システムダイナミックスによって明らかにするとともに
モデルベースIT投資マネジメントによって着実に構築していくプロセスを提案する
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百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ
~~~~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~
KCI
百年アーキテクチャ
指標 柔軟性頑健性
建築アナロジー建築アナロジー建築アナロジー建築アナロジー
・メタボリズム
・プロセス・プランニング
・モジュラー・プランニング
・オープンシステム
・スケルトン・インフィル
・超線形設計プロセス論
・秩序創発システム
生物アナロジー生物アナロジー生物アナロジー生物アナロジー
・自律分散
・DNA複製
・動的平衡
たんぱく質、細胞膜
経営経営経営経営
技術技術技術技術
DynamicStatic Robust Adaptive
適応・学習・再生
ビジネス
データ
アプリ
技術
リアルタイム経営管理
BAM・ダッシュボード
サービス利用
PaaS・HaaS
ベンダー非依存
OSS
自動生成
MDA・形式化
最遅固定
実行時バインド
④ビジネスの④ビジネスの④ビジネスの④ビジネスの
モジュール化モジュール化モジュール化モジュール化
変化に対応するビジネス
②ITの標準化②ITの標準化②ITの標準化②ITの標準化
しっかり・シンプル
外部活用
⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化
ビジネス変化に適応する
アダプティブIT
③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの
標準化標準化標準化標準化
組織成熟度
コア集中
Googleアーキテクチャ
既存データ検索型開発
プロセス
標準化
技術標準
①百年アーキテクチャに向けた気付き ②ITの標準化(しっかり、シンプルに作り、アウトソース活用で維持費を下げる) ③ビジネスプロセス
の標準化(組織成熟度の獲得) ④ビジネスのモジュール化(変化に対応するビジネス) ⑤ITの適応再生化(ビジネス変化に適応するアダプ
ティブITへ) Key Centurial architecture Indicator (KCI)を高める!
アジャイル経営
SOA・再利用
組織成熟度
ディジタル組織
ITガバナンスITガバナンスITガバナンスITガバナンス
しっかり・シンプルに作って
維持費を下げる
成熟度が上がれば
アジャイル開発
自律分散型
①気付き①気付き①気付き①気付き
個別最適
コスト・スピード問題
クラウド
仮想化
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アーキテクチャ成熟度モデル
MIT Sloan のCenter for Information Systems Research (CISR)
が、1995年から2006年にかけて 456 の企業を研究調査した結
果をまとめたもので、企業がSOAを導入成果を得るために、次
の4つのステージを順にステップアップしていく必要があるとし
ている。
· Stage 1 - Business Silos
· Stage 2 - Standardized Technology
· Stage 3 - Optimized Core
· Stage 4 - Business Modularity
· (Stage 5 – Dynamic Venturing)
Enterprise Architecture as Strategy(EAAS)
百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ)
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アーキテクチャ成熟度モデル
ステージアップとともにIT価値が高まる
個別業務のため個別業務のため個別業務のため個別業務のため
ののののIT投資投資投資投資
個別アプリから個別アプリから個別アプリから個別アプリから
共通インフラ共通インフラ共通インフラ共通インフラ
投資へ投資へ投資へ投資へ
ITコストはStage1より
15%減少
個別IT 標準化で
コストダウン
企業
全体視点
企業レベル企業レベル企業レベル企業レベル
システムシステムシステムシステム
共通データへ共通データへ共通データへ共通データへ
戦略視点
戦略的戦略的戦略的戦略的IT投資へ投資へ投資へ投資へ
ハード・ハード・ハード・ハード・OS・・・・DB
技術を全社的に統一技術を全社的に統一技術を全社的に統一技術を全社的に統一
ビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセス
の標準化の標準化の標準化の標準化
ビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセス
サポート技術のサポート技術のサポート技術のサポート技術の
モジュール化モジュール化モジュール化モジュール化アーキテクチャ委員会
による現場とIT部門の合意
一定のガバナンスのもと
IT部門とビジネス部門との
緊密な連携
IT部門とビジネス部門の境界線はなくなり
IT部門が共有サービス化?
ステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響する
強く強く強く強く (強みの形成)(強みの形成)(強みの形成)(強みの形成)
安く安く安く安く (コストダウン)(コストダウン)(コストダウン)(コストダウン)
誰でも (業務基盤の形成)
どこでも (プラグイン)
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アーキテクチャの発展段階とITの役割アーキテクチャの発展段階とITの役割
各ステージの学習要求
32
ステージ名称 Business Silos
業務別サイロ型
Standardized Technology
ITの標準化
Optimized Core
ビジネスプロセスの標準化
Business Modularity
ビジネスのモジュール化
ITの役割 ローカルなITアプリケーションの
提供
標準技術
プラットフォームの提供
全社的に標準化されたプロセス
やデータの提供
プラグ&プレイ型ビジネス・プロ
セス・モジュールの提供
ビジネス目標 ローカルビジネスの収益向上 ITコストの削減 事業運営のコスト削減と
品質向上
市場投入のスピード、戦略的な
俊敏性の獲得
予算の優先順位 個々のアプリケーション 共有インフラサービス エンタープライズ・アプリケーショ
ン
再利用可能なビジネス・プロセ
ス
鍵となるマネジメント能
力
ITを使った変更管理 標準仕様の設計とアップデート、
共有サービスへの投資
中核的なエンタープライズプロセ
スの定義と評価
再利用可能なビジネス・プロセ
スの管理
アプリ定義者 ローカルのビジネス部門責任者 IT部門とビジネス部門の責任者 上級幹部とプロセス責任者 IT部門、ビジネス部門の責任者
(または業界リーダー)
ITガバナンス主要テー
マ
価値の評価と伝達 ローカル/地域/グローバル責任
範囲の明確化
プロジェクト優先順位をアーキテ
クチャの目標と一致させること
ビジネス・モジュールの定義、調
達、投資
戦略的意味 ローカル/機能の最適化 ITの効率化 事業運営の効率化 戦略的俊敏性の獲得
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アーキテクチャ成熟度別IT投資
33
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 34
アーキテクチャ成熟度によるフレキシビリティシフト
34
事業部門は、
技術標準に従うために
技術選択の自由度が下がる
技術制約のもとに80%のソリューション
に留まることでローカルフレキシビリティ
が下がる
技術標準によって技術的な複雑度を下
げ、導入期間を短縮するのでグローバ
ルフレキシビリティが上がる
データが透過的になるとともに
プロセスが比較可能になり
予測できるようになる
ローカルマネージャはコアビジネスプロ
セスとこれを担う要員やシステムへの
自由裁量権を失う
企業全体のデータとプロセスの標準が
ローカル意思決定パタンを妨げ、共同
購買のような全社最適プロセスがロー
カルには最適でない場合も発生する。
コアプロセス・データ・技術の強固な基
盤のうえにローカルにもグローバルにも
ビジネスモジュールをプラグ&プレイで
き、モジュール化されたインタフェースは
導入時間を短縮し両方のフレキシビリ
ティを上げる
事業部門マネージャはビジネスと
ITに関する100%の権限を持つ
ともすれば精緻で複雑多様な仕様となる
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百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて
百年百年百年百年
(指標)(指標)(指標)(指標)
ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(#1#1#1#1)))) 技術の標準化技術の標準化技術の標準化技術の標準化
((((#2#2#2#2))))
最適化されたコア(最適化されたコア(最適化されたコア(最適化されたコア(#3#3#3#3)))) ビジネスビジネスビジネスビジネス
モジュラー型(モジュラー型(モジュラー型(モジュラー型(#4#4#4#4))))
BA
ビジネス
ローカル事業ROI
ローカル機能最適化
ローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティ
全社標準プロセス率全社標準プロセス率全社標準プロセス率全社標準プロセス率
業務実行効率・コスト・品質
全社コアプロセス定義とモニタリング
率、企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの
一体化率一体化率一体化率一体化率
業務効率業務効率業務効率業務効率、顧客関係性顧客関係性顧客関係性顧客関係性
製品リーダーシップ製品リーダーシップ製品リーダーシップ製品リーダーシップ
戦略的迅速性(上市速度)
ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率(
プラグインプレイ)プラグインプレイ)プラグインプレイ)プラグインプレイ)
グローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティ
企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスとITITITITの一の一の一の一
体化率体化率体化率体化率
DA
データ
共通データ費用率(11%) 共通データ費用率(14%) 全社標準データ率全社標準データ率全社標準データ率全社標準データ率
共通データ費用率(17%)
共通データ費用率(18%)
AA
アプリケー
ション
個別アプリ費用率(36%)
全社アプリ費用率(18%)
個別アプリ充足率個別アプリ充足率個別アプリ充足率個別アプリ充足率
ローカル業務リーダー要件定
義率
個別アプリ費用率(25%)
全社アプリ費用率(21%)
シェアドサービス投資率
ITと業務リーダー要件定義率
個別アプリ費用率(16%)
全社アプリ費用率(32%)
全社アプリ開発率全社アプリ開発率全社アプリ開発率全社アプリ開発率
上級管理職とプロセスリーダー要件
定義率
個別アプリ費用率(15%)
全社アプリ費用率(34%)
ITと業務ないし業界リーダー要件
定義率
TA
情報システ
ム基盤
共通インフラ費用率(35%)
アウトソースによるコスト削減
額
共通インフラ費用率(40%)
アウトソースによるリスク削減額、
全社技術標準採用率全社技術標準採用率全社技術標準採用率全社技術標準採用率
技術基盤共有率技術基盤共有率技術基盤共有率技術基盤共有率
共通インフラ費用率(35%)
アウトソースによるプロセス改革数
共通インフラ費用率(33%)
アウトソースによる迅速性改善数
標準インタフェース率標準インタフェース率標準インタフェース率標準インタフェース率
マネジメン
ト・インフラ
IT予算IT予算IT予算IT予算100100100100
ローカルローカルローカルローカル////機能の最適化機能の最適化機能の最適化機能の最適化
技術による変更管理
モニタリング&コミュニケーシ
ョン
IT予算IT予算IT予算IT予算85(85(85(85(15%15%15%15%減減減減))))
ITITITITコストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率
デザインと更新の標準化費用率、
ローカル/リージョン/グローバル
責任の確立
IT予算IT予算IT予算IT予算75(75(75(75(25%25%25%25%減減減減))))
戦略的戦略的戦略的戦略的ITITITIT投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率、プ
ロジェクト優先順とアーキテクチャの
目的との整合性確保
IT予算IT予算IT予算IT予算120120120120
戦略的迅速性戦略的迅速性戦略的迅速性戦略的迅速性
業務モジュールの定義、ソーシン
グと予算化
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EAASの因果ループ図
・(L1)個別投資→複雑度増加ループ:個別投資によって業務とシステムが複雑になりITコストが大きくなりさらに個別投資が増える(構造劣化の悪循環)
・(L2)個別投資→ローカルフレキシビリティ増加ループ:個別投資によってローカルフレキシビリティが高まり顧客増加・ITコスト増で個別投資が
さらに必要になる(個別最適に安住)
・(L3)IT標準化コストダウンループ:悪循環ループを脱却するために「ITコスト増加危機意識」によって組織内コミュニケーションがはじまりIT標準化が進む(ステージ2へ)
・(L4)グローバル&ローカルフレキシビリティ両立好循環ループ:組織内コミュニケーションが広がり、顧客数が増え、外部コミュニケーションが始まると外部対応のために
モジュール化度が高まりグローバルフレキシビリティとローカルフレキシビリティがともに増えていく(ステージ3、4へ)
顧顧顧
業業・・・・・・複複複
IIコ・コ
ググググググググ・ググ
・テ
コココグコ
・・確確
イイグイ標
準グレグ
組組組ココココ
ケグ・ケイ
モモコググ
化複
共共デグデ
整整グレグ
外外ココココ
ケグ・ケイ
個個・・
・・投投
全全・・
・・投投
共共イイグ
イ投投
共共デグ
デ投投
ググロググググ・ググ・テ
個個投投複複複個個(L1)
個個投投ググロググググ・ググ・テ個個(L2)
IIコ・コ個個増
機機機
-
-
-
-
---
II標準化コ・コココイ(L3)
グググググ&ググロググググ・ググ・テ両確両両両ググコ(L4)
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 37
EAASのSDモデル
顧顧顧
業業・・・・・・複複複
IIコ・コ
ググググググググ・ググ
・テ
コココグコ
・・確確
イイグイ標
準グレグ
組組組ココココ
ケグ・ケイ
モモコググ
化複
+
+
+
IIコ・コ個個増
機機機
+
共共デグデ
整整グレグ
外外ココココ
ケグ・ケイ
業業ググリ機機
業業ググコ
ググレグ
個個・・
・・投投
率・グテグ
+
全全・・
・・投投
率・グテグ
共共イイグ
イ投投率
・グテグ
共共デグ
デ投投率
・グテグ
モモコグ<
グ化複>
+
コココグコ・<
・確確>
共共デ<
グデ整整
グレグ>
顧顧顧< >
<Time>
TD1
<Time>
<Time>
<Time>
TD2
TD3
TD4 TD5
TD8
TD12
TD9
主主主主1
主主主主2
主主主主3
主主主主4
TD10
TD7
TD6
TD11
TD13
TD14
主主主主6
主主主主7
イイグイ<
標準グレ
グ>
主主主主5
どどどど化・・グモ1-3影影
複複化 ・イコグ化
顧顧顧顧顧顧
コ・コ個個
コ・コ減減
外部化
外外外外化
増機コ・コ
グレグ
誰どど化
II標準化
組外外外化
ココココケグ・ケイ・
イイイ(縦へ)
ググロググググ・ググ・テ
ググログ(
損損)
ググログ(
獲獲)
制制
自自複獲獲
<Time>
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 38
EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果
顧顧顧
業業・・・・・・複複複
IIコ・コ
ググググググググ・ググ
・テ
コココグコ
・・確確
イイグイ標
準グレグ
組組組ココココ
ケグ・ケイ
モモコググ
化複
+
+
+
IIコ・コ個個増
機機機
+
共共デグデ
整整グレグ
外外ココココ
ケグ・ケイ
業業ググリ機機
業業ググコ
ググレグ
個個・・
・・投投
率・グテグ
+
全全・・
・・投投
率・グテグ
共共イイグ
イ投投率
・グテグ
共共デグ
デ投投率
・グテグ
モモコグ<
グ化複>
+
コココグコ・<
・確確>
共共デ<
グデ整整
グレグ>
顧顧顧< >
<Time>
TD1
<Time>
<Time>
<Time>
TD2
TD3
TD4 TD5
TD8
TD12
TD9
主主主主1
主主主主2
主主主主3
主主主主4
TD10
TD7
TD6
TD11
TD13
TD14
主主主主6
主主主主7
イイグイ<
標準グレ
グ>
主主主主5
どどどど化・・グモ1-3影影
複複化 ・イコグ化
顧顧顧顧顧顧
コ・コ個個
コ・コ減減
外部化
外外外外化
増機コ・コ
グレグ
誰どど化
II標準化
組外外外化
ココココケグ・ケイ・
イイイ(縦へ)
ググロググググ・ググ・テ
ググログ(
損損)
ググログ(
獲獲)
制制
自自複獲獲
<Time>
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 39
EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果
Optimized SD for EAAS
100
75
50
25
0
4 4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4 4 4 4
4
4
4
4
3
3
3
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
年Time ( )
Dmnl
ググググググググ・ググ・テ グググググ ググロググググ・ググ・テ: Target & 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
ググググググググ・ググ・テ : EAAS SD Model 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
ググロググググ・ググ・テ グググググ ググロググググ・ググ・テ: Target & 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
ググロググググ・ググ・テ : EAAS SD Model 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4
グローバル&ローカル
フレキシビリティがともにEAASの
イメージパタンに近似できた
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 40
Optimized SD for EAAS
100
75
50
25
0
9
9
9
9
9
9
9
9
9
8
8
8
8
8 8 8 8 8
7
7
7
7
7
7
7 7 7
6 6
6
6
6
6
6 6
6 6
5 5 5 5 5 5 5
5 5 54 4 4 4 4 4 4 4 4 4
3 3 3 3 3 3 3
3
3 3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
年Time ( )
Dmnl
イイグイ標準グレグ : EAAS SD Model 1 1 1
コココグコ・・確確 : EAAS SD Model 2 2
モモコググ化複 : EAAS SD Model 3 3 3
共共デグデ整整グレグ : EAAS SD Model 4 4
外外ココココケグ・ケイ : EAAS SD Model 5 5 5
業業・・・・・・複複複 : EAAS SD Model 6 6
組組組ココココケグ・ケイ : EAAS SD Model 7 7
顧顧顧 : EAAS SD Model 8 8 8
IIコ・コ : EAAS SD Model 9 9 9
6
7
8
9
1
2
3
4
5
1
2
6
9
7
35
4
8
EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果
・業務システム複雑度とITコス
トは個別投資で最初増加する
もののインフラ標準、コアプロ
セス整備、組織内コミュニケー
ションの増加とともに抑制され
ていく
・外部コミュニケーションととも
にモジュール化が進む
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 41
EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果
Maximum payoff found at:
危機コストレベル = 40
業界リーダーレベル = 40
主効果比1 = 0.1
主効果比2 = 0.1
主効果比3 = 0.1
主効果比4 = 0.987143
主効果比5 = 0.970044
主効果比6 = 0.8
主効果比7 = 0.1
コミュニケーションスイッチ(縦へ) = 80
TD8 = 0.1
TD4 = 0.1
TD5 = 0.10597
TD6 = 5
TD7 = 0.1
TD9 = 0.116619
TD3 = 12.3054
TD1 = 0.1
TD10 = 0.1
TD12 = 0.357871
TD13 = 0.117216
TD14 = 2.71289
TD2 = 8.49752
*TD11 = 0.660417
Simulations = 3223
Pass = 3
Payoff = -0.126429
Initial point of search
危機コストレベル = 40
業界リーダーレベル = 40
主効果比1 = 0.8
主効果比2 = 0.8
主効果比3 = 0.8
主効果比4 = 0.8
主効果比5 = 0.8
主効果比6 = 0.8
主効果比7 = 0.8
コミュニケーションスイッチ(縦へ) = 40
TD8 = 0.1
TD4 = 0.1
TD5 = 0.1
TD6 = 0.1
TD7 = 0.1
TD9 = 0.1
TD3 = 0.1
TD1 = 0.1
TD10 = 0.1
TD11 = 0.1
TD12 = 0.1
TD13 = 0.1
TD14 = 0.1
TD2 = 0.1
Simulations = 1
Pass = 0
Payoff = -1488.95
・ローカルフレキシビリティの最適化が困難
・いったん下げるのはIT標準とコアプロセス確立
・投資テーブル値より外部コミュニケーション
によるモジュール化アップでローカルフレキシ
ビリティを上げるタイミングを合わせている
(コミュニケーションスイッチ)
・時間遅れは顧客数増加遅れ、ITコスト削減遅れ
を大きくさせ
・主効果比は投資テーブルの影響を下げる方向へ
・顧客数、業務・システム複雑度は調整の余地あり
投資率よりも組織内コミュニケー
ションや外部コミュニケーションと
いった組織的要因によって成熟
度が上がっている
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 42
百年アーキテクチャ
個別最適 IT
[[第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ]]
[[第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ]]
[[第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ]]
[[第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ]]
インフラ標準化
でコストダウン
企業全体視点で
業務・システム
標準化
グローバル
で戦える俊
敏な経営
業務最適化支援
運用基盤構築
支援
ビジネス・アプリ
構築支援
基盤ホスティングサービス
IT投資マネジメント/ガバナンス構築
開発標準化支援
SOA移行支援
ビジネス最適化
支援
投資効果可視化
IT基盤標準化支援
百年アーキテクチャを支えるメニュー 一覧百年アーキテクチャを支えるメニュー 一覧※※11
100100100100年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム
年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム
年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム
年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム
SOA Drive Kit ~OSS※2活用プラットフォーム
クラウド・インテグレーション
支援※3
百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)
をベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へ
それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 43
おわりに
問題をシステムとして捉え、個々のシステムを連携して考える「System of Systems
」の有力なツールとしてシステムズ・アプローチの代表的かつ強力なシステム・ダイ
ナミクス(SD)の事例を紹介しながら、その概要を解説した。
日本および世界の現代の問題は、個々のシステムが相互に複雑に絡み合った「複
雑性」、「不確実性」、「ダイナミック」という特性を持っている。
「System of Systems」の特徴は、個別に分解して個々の部品の精度や信頼性を上
げても全体としての性能を保証できないことである。
「System of Systems」の安全性、緊急対応、品質や性能といったことは全体をシス
テムとして捉えて構造的にアプローチすることが必要である。
このような特徴を持つ「System of Systems」の問題を分析して、全体の動作が要件
に合致するのかハイレベルでの検証を行ってから、個々の要素の詳細設計に入るこ
とが有用である。
対象とする問題の規模やレベルに応じて問題の範囲を決めて、STによる分析とSD
による検証をはじめていただきたい。
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 44
SDツール
Ps Studio
http://www.powersim.com/ 販売代理店:POSY
http://www.posy.co.jp/mail-list.htm SD関連情報のMLの申込み窓口
http://www.posy.co.jp/IntroductionPsStudio.pdf システム・ダイナミックスの概要を理解していただくことに焦点を当てています。
テキストの前半では、システム・ダイナミックスそのものの解説と共に、ビジネスにおけるシステム的な考え方の適用について説明しています。
モデリングとシミュレーションに関しては、Studioについて初心者の方が、フリーの評価版のツールを扱いながら、その操作法を理解できるように説明を
進めています。
Vensim
http://www.vensim.com/ 販売代理店:日本未来研究センター
http://www.muratopia.org/JFRC/sd/Workshop.html
http://www.muratopia.org/JFRC/sd.html Vensim解説
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 45
SD参考資料
1.ビジネスダイナミクス(BD)
(1)MIT
・本家本元のMITコースです。毎年開催されてますが応募者が多くこの時期では
もう満員かも。私も1年待って2008年に受講しました。
http://mitsloan.mit.edu/execed/coursedetails.php?id=752
・スターマン先生の定番教科書BDのサイト(モデルなどダウンロードできます)
http://www.mhhe.com/business/opsci/sterman/
(2)翻訳(定量的シミュレーションを除く:
スターマン先生は定量的仮説検証を重視されていますが)
システム思考—複雑な問題の解決技法
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492532633?ie=UTF8&tag...
(3)日本での活用
・同志社大学ビジネススクール(山口先生のコースで教科書として使っています)
http://bs.doshisha.ac.jp/modules/teacher8/index.php?id=17
・システム思考トレーニング(定量的シミュレーションを除く)
http://change-agent.jp/
2.システム・ダイナミクス
2.1 国際システムダイナミックス学会
http://www.systemdynamics.org/
・2009年の国際会議概要(今年は3月に韓国)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsd/meeting/9-914-SDS%20Albuquerq...
2.2 日本
(1)システムダイナミックス学会日本支部(JSD)
http://www.j-s-d.jp/
(2)同志社大学ビジネススクール
・山口先生がグローバルMBAでGreen MBAコースを主催されます
http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/k_yamaguchi.html
http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/syllabus/pdf/Green_MBA...
・日本未来研究センター(SD解説などの資料が豊富。SDツールのVensimの代理店)
http://www.muratopia.org/JFRC/sd.html
(3)POSY
SDツールのPowersimの代理店でもありモデルも含めて多数の資料を公開
http://www.posy.co.jp/
3.入門書
・システム・シンキング入門 (日経文庫) (新書) システム・ダイナミクスまで全体を俯
瞰するのによい
・入門! システム思考 (講談社現代新書) (新書) よみものとしてのシステム思考入門
・なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?—小さな力で大きく動かす!システム
思考の上手な使い方 (単行本)
スターマンのモデル入っておりシステム思考の読みものとして優れている、おすすめ
・ものつくり敗戦—「匠の呪縛」が日本を衰退させる (日経プレミアシリーズ) (新書)
なぜ日本で人工物の科学(システム科学)が定着しないか警鐘の書。制御工学の恩師の
著書です。
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 46
SD参考資料
(1)同志社大学ビジネススクール 山口薫教授
・Green MBA
環境問題をモデリングして、その対策を継続可能な収益を生むビジネスモデルを考えていこうというコースをはじめています。
http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/syllabus/pdf/Green_MBA...
・財務三表のモデル
簿記の貸し方借り方で覚えるのでなく企業活動の結果がどのように財務3表にあらわされるのか構造的に理解できます。
ビジネススクールの学生にはSDで企業の有価証券報告書をあらわし、企業戦略と財務三表をつなぎ、新たなビジネスモデルの検証を行っています。
http://www.muratopia.org/JFRC/sd/documents/SD%20Workshop3...
・石炭廃材による土壌改良ビジネスモデル
オーストラリアの石炭を日本で火力発電に利用した後の廃材をオーストラリアに戻して土壌改良に使って植物の成長が改善されることから
環境対策の事業モデルを考えて事業利益を生み出す条件を確認している。
http://anzsys07.unitec.ac.nz/presentations/anzsys07-yamag... http://www.isce.edu/ISCE_Group_Site/web-content/ISCE_Even...
(2)ビジネスゲーム
・炭酸ガス排出予測及び削減交渉ゲーム
地球温暖化の将来予測が、地球シミュレータモデルのようにスパコンを用いないでも遜色ない精度で簡単にでき、しかも温暖化の一因である炭酸ガスの削減交渉を
国連等の国際政治の場で行う場合を想定しながら、プレーヤー自らが交渉に参加しその成果を即座に確認出来るというシミュレーションゲームです
http://forio.com/simulation/climate-development/index.htm
・グリーンIT
MITスターマン先生のモデルに基づくザンクト・ペルテン大学の「Green Dynamics」がIDCのGreen IT アワード2008を受賞
しています。データセンターの低炭素化をアピールするもの。
http://green-dynamics.t-systems.de/?xmlUrl=xml/default_en...
・医療システム改革シミュレーションゲーム(HealthBound)
SDコンサルタントと米政府の医療行政の担当者が共同で開発したもので、公正さや費用の効率性等の観点から現行の米国に於ける医療システムを改革するための方策を
シミュレーションしながら考察できるようになっており、すでに病院や、医療行政担当者で広く利用されはじめている。
http://www.systemdynamics.org/conferences/2009/proceed/pa...
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MIT Sloan Executive Education
Business Dynamics
~複雑なビジネス課題の
MITアプローチによる評価と解決~
2008年 6月16~20日
LIFE
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BD2008 サマリ
講義・ワークショップ講義・ワークショップ講義・ワークショップ講義・ワークショップ
1.ビールゲーム
・初体験チーム、経験チームの違い?
・結果解説(スパイク、振動、サイクル)
2.イントロ
SARS感染のSDモデル
3.VensimによるST、SD基礎
4.SDモデリング手法
・因果関係図、加速ループ、平衡ループ
・ストック&フロー
・ワークショップ
(問題定義、変数リスト、
参照パタン、ループ、戦略立案)
5.基調講義
・Forrester(SDの起源、児童教育)
・Peter Senge(システム原型、食料問題)
6.フライトシミュレータ
・プロジェクトマネジメント
・エアラインケーススタディ(People Express)
7.SDコンサル事例
・GMの緊急サービスOnStar
教育の特徴教育の特徴教育の特徴教育の特徴
1.講義、Gワークショップ
2.フライトシミュレータ
3.ゲーム手法
4.メンタルモデル(ビデオ、漫画)
ゴリラ、道案内、自動車セールス
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参加者22カ国68名
人数 国 所属
1 オマーン 不動産会社役員
3 スウェーデン 組織変革コンサル会社(役員、シニアコンサル)、Arkivator技術者、Ericson無線アナリスト
2 サウジアラビア 電子政府・IT・通信省事業開発専門官、証券取引所
5 ドイツ SAP(エンタープライズSOA適用プログラムグローバル上級副社長)、シスコ専務、BTC AGシニアコンサル、Julius Glatz CEO、
KonstantinFelixPrinzConsultingプリンシパル、
2 スペイン 改革コンサル(Altran)、Autonoma大学助教授
22 アメリカ(官学)10 陸軍(West Pointアカデミー教授、 助教授)、海軍(PM/SE、展開戦略本部役員、作戦本部ディレクタ、海軍研究所シニアオフィサー)、ワ
シントン地下鉄シニアPM、ロチェスター工科大学助教授、UCサンジエゴ(IT&BPM担当役員)、商務省海外貿易計画評価ディレクター
アメリカ(民間)12 ボーイング(製造・技師、Mgr、シニア技師)、PFCエネルギーシニアアナリシスト、AllltelコミュニケーションズMgr、グラマン企業戦略役員、
セールスフォース戦略顧客担当VP、MerrimackPharmaceuticalsCMO、NXPセミコンダクター日本支社Mgr、WhiteheadInstitute財務担当
役員、VanguardGroup6シグママスターブラックベルト、TribuneWorldwideプリンシパル
2 オーストラリア ニューカッスル市議会(グループMGR・戦略計画開発、市民サービスGMgr)
2 カナダ 空軍兵站役員、Tomar財務担当VP、Tomar財務担当役員
1 フランス Boston Scientific(ビジネスプロセス改革Mgr)
1 デンマーク XPonCard製品マーケティング責任者
1 ベネズエラ PDVSA(国営石油公社)戦略計画アドバイザー
1 イタリア トリノ工科大学準教授
3 メキシコ ケロッグITビジネスパートナー、メキシコ工科大学(CIO、原子力工学教授)、GFMTextiles役員、
1 オーストリア T-SytemsVP
1 オランダ HPトランスフォーメーションMgr
4 ブラジル PromonLogicalis技術者、GradusManegementConsultants VP、TechBizCTO、Bradesco基金CIO
1 中国 InfocastCEO
1 スイス Alstormプロジェクトディレクタ
1 ジャマイカ Fiscal ServiceSE専務
1 南アフリカ アクセンチュア・シニアMgr
1 ギリシャ ThenamarisShipManegement役員
1 日本 オージス総研
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・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ Expand the boundaries of your mental models
・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ Focus in feedback & system structure
・批判を排せ・批判を排せ・批判を排せ・批判を排せ Reject blame
・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て Seek out multiple points of view
・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、 Develop your technical skills and your skills in dialog,
対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ empathy,self-reflection
・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ Think globally , act locally
・高みを目指せ・高みを目指せ・高みを目指せ・高みを目指せ Aim high
Becoming a Systems Thinker
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補足
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オージス総研だけの組織ではなく、さくら情報システム、宇部情報システムか
らも参画を得た“グループシナジーを具現化するための組織”
グループ内を組織横断的に情報共有し、グループの持つ知的資産を
お客様の企業価値向上に繋げる
発足2年目2011年度、新たに19名の兼務者の仲間を迎え、総勢44名
専任8名のほかは全員兼務所属
ビジネスイノベーションセンターとは
ビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪で
イノベーションを実現イノベーションを実現イノベーションを実現イノベーションを実現
オージス
総研
さくら情報
システム
宇部情報
システム
ビジネス
イノベーション
センター
クラウドインテグレーショ
ンセンター
エンタープライズ
オープンソースセンター
アジャイル開発
センター
++++
お 客 様
IT
Capability
Buisiness
Capability
Innovation
顧客価値向上のためのデザイナー
イノベーションコーディネーター
エンタープライズアーキテクト
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8. 実行可能EA 考えられるモデリングテクニック
function modelling
interoperation modelling
function modelling
interoperation modelling
Value & Cost
Modelling
Enterprise
Modelling
Process
Mapping
Organisation
Structure
Modelling
Information
Modelling
Resource
Modelling
Value & Cost
Modelling
Enterprise
Modelling
Process
Mapping
Organisation
Structure
Modelling
Information
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Resource
Modelling
Enterprise
Modelling
Process
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Organisation
Structure
Modelling
Information
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Resource
Modelling
Role
Requirements
Modelling
Resource
Component
Modelling
Systems
Dynamics
Thinking
Simulation
Model
Conceptual
Design
In-
Context
DES
Modelling
Role
Requirements
Modelling
Resource
Component
Modelling
Systems
Dynamics
Thinking
Simulation
Model
Conceptual
Design
Role
Requirements
Modelling
Resource
Component
Modelling
Systems
Dynamics
Thinking
Simulation
Model
Conceptual
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In-
Context
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Modelling
OR
3-D
Simulation
Physical
Machine
Modelling
3-D
People
Ergo
3-D
Machine
Prog
OR
3-D
Simulation
Physical
Machine
Modelling
OR
3-D
Simulation
Physical
Machine
Modelling
3-D
People
Ergo
3-D
Machine
Prog
3-D
People
Ergo
3-D
Machine
Prog
unpredictable- constant flux
human-centred- increased variance
unpredictable- constant flux
human-centred- increased variance
structure modelling
requirements modelling
structure modelling
requirements modelling
increased abstraction increased detail
increased focus
increased abstraction increased detail
increased focusincreased focus
predictable- minimal variance
Increased automation
predictable- minimal variance
Increased automation
concept modelling
behaviour modelling
concept modellingconcept modelling
behaviour modellingbehaviour modelling
Candidate Modelling Techniques- with potential to satisfy this need複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える
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システム・ダイナッミクスの歴史
フォレスターとシステム・ダイナッミクスの歴史
システム・ダイナミクスは1950 年代なかばにマサチューセッツ工科大学のジェイ・W・フォレスター教授により開発された。
WHIRWIND I とSAGE
1947 年、MIT にデジタル・コンピュータ研究所が創設され、ジェイ・フォレスターがその責任者に任命された。
MIT として最初の汎用コンピュータ、WHIRLWIND I の製作と戦闘情報システムの制御のために、デジタル・コンピュータが有効であるかどうかの環境テストを行った。
MIT リンカーン研究所で、SAGE(Semi-Automatic Ground Environment)北米防衛コンピュータ・システムの開発責任者に。
システム・ダイナミックス
1956 年、フォレスターは、新規に創設されたMIT スローン経営大学院の教授に就任。企業の成功や失敗の核となる問題に対して、科学技術のバックグラウンドを生かし
て、工学及び経営学の共通言語としてシステム・ダイナッミクスを開発した。
1958 年、リチャード・ベネットが、最初のシステム・ダイナッミクス用コンピュータ言語であるSIMPLE(Simulation of Industrial Management Problems with Lots of
Equations)を完成させた。1959 年には、フィリス・フォクス、アレクサンダー・ピューが、SIMPLE を大幅に改良し、その後30 年以上に渡って標準言語の地位を保つことに
なる、DYNAMO(DYNAmic Models)の最初の版を完成させた。
1961 年、最初の著書、インダストリー・ダイナミックスを出版した。
アーバン・ダイナッミクス
ボストン市の前市長であったジョン・コリンズがMIT の都市問題の招聘教授に任命された。
コリンズはフォレスターの隣の部屋に引っ越してくることになり、2 人は隣人同士になった。2 人は、都市問題やシステム・ダイナッミクスがどのように都市問題に応用でき
るかを頻繁に話し合うことになった。
フォレスターとコリンズの共同作業は、アーバン・ダイナッミクスとして出版された。
ワールド・ダイナッミクス
1970 年、ジェイ・フォレスターは、スイスのベルンで開催されたローマ・クラブの会議に招待された。
ローマ・クラブは、「人類の窮境」と呼ばれる、将来発生するであろう地球規模の危機や、(再生可能資源、不可能な資源を問わず、汚染の改善も含め)地球の持つ能力と
、人口増加による需要の関係を解決するため構築された組織であった。
ベルンから帰国の飛行機の中で、フォレスターは、最初のシステム・ダイナッミクスによる世界規模の社会システム・モデルの原案を作り上げた。このモデルをフォレスタ
ーは、World1 と呼んだ。
米国に戻ったフォレスターは、World 1 モデルを改良し、MIT を訪れたローマ・クラブのメンバーにモデルを見せた。この改良されたモデルを、フォレスターはWorld 2 と呼
んだ。フォレスターは、このWorld 2 を、著書、「ワールド・ダイナッミクス」の中で紹介している。
「ワールド・ダイナッミクス」の結果を見て、ローマ・クラブはシステム・ダイナミクスを使ってさらに人類の窮境に関する研究を拡大するための資金を提供することを申し出
た。しかし、当時、フォレスターは、アーバン・ダイナッミクス・プロジェクトに専念することをコミットしていたため、彼自身はこのプロジェクトに参加できなかった。しかし、彼
の元で博士課程を終了した学生、デニス・メドーズをこの研究の責任者に推薦した。メドーズとその協力者によって完成されたモデルは、World 3 と呼ばれ、モデルとそ
の成果は「成長の限界」として出版された。
1991 年、「成長の限界」を執筆した著者のうちの3 人が、出版20 周年を記念して、内容を発展させることを企画した。その成果は「成長を超えて」という出版物となった。
この研究のために、リバイスされたシステム・ダイナミックス・モデルはWorld 3-91 と呼ばれている。
この「限界を超えて」では、最初の研究ではできなかった棒大な数値データを揃えてはいるが、「成長の限界」に示された内容は、「ワールド・ダイナッミクス」や「成長の限
界」で示された内容と一貫性を持っている。また、この「成長の限界」で、初期に世界モデルを紹介した本に対する反論や批判に対しても、注意深く反証がなされている。
システム・ダイナッミクス・ナショナル・モデルと初等・中等教育(K-12)
1980 年代、フォレスターの師ブラウン教授は、タスコンの教育委員会の教師にシステム・ダイナッミクスを紹介した。その結果、当初、ブラウン教授が教えた中学だけで
なく、学校区全体にシステム・ダイナッミクス教育が広がった。
今日、システム・ダイナミックスを部分的に取り入れているものも含め、システム・ダイナッミクス教育の教材は、シェクスピアから、経済、物理とさまざまな教科に広がっ
ている。また、学校区教育委員会自身もシステム・ダイナミックスを使って、学習する組織に変貌している。
© 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 55
典型的なシステムの型(システム原型)
1.目標のなし崩し目標のなし崩し目標のなし崩し目標のなし崩し(漂流する目標:Drafting Goals)
• 為せば成る為さねば成らぬ何事も(成らぬは人の為さぬなりけり: 米沢藩主上杉鷹山)• 歳寒(さいかん)) の松柏(しょうはく)、松柏の操
• 精神一到何事か成さざらん• 無い袖は振れぬ• 同床異夢The horse thinks one thing, and the person that saddles it another.
• 問うに落ちず語るに落ちるThe tongue is ever t n urning to the aching tooth.
目標達成のための行動をとるか、目標を下げるか。多くの場合目標が引き下げられる。そのため目標が低下し、状況は次第に悪化する。
2.問題の転嫁問題の転嫁問題の転嫁問題の転嫁(すり替え、Shifting the Burden)
• 急がば回れ• 楽あれば苦あり、苦あれば楽あり• 薬より養生• 無理は禁物• 喉元過ぎれば熱さを忘れる
• 木を見て森を見ずYou cannot see the woods for the trees.• 死馬の骨を買う
対症療法的解決策で症状が軽減されたり消滅したりするので、より根本的な解決から関心を遠ざけてしまうという副作用があることが多い。
3.成長の限界成長の限界成長の限界成長の限界(Limits to Success)
• おごる平家は久しからず• 勝って兜の緒を締めよ• 水泡に帰す• 好事魔多し• 自慢は知恵の行き止まりWho commends himself berates himself.
成功によってシステムが限界に近づき成長が減速する。成果が低下すると、最初の成長促進行動にますます集中してしまう傾向がある。
4.成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ(Success to the Successful)
• 先んずれば人を制す• 先手は万手• 機先を制する• 早い者勝ちFirst come, first served.• 泣きっ面に蜂• 弱り目に祟り目• 傷口に塩• 惚れた欲目
• 長いものには巻かれろ
成功しはじめると多くの資源を得られさらに成功が継続する可能性が高まる。成功を収めると競争相手から資源や機会を奪う。
5.逆効果の応急処置逆効果の応急処置逆効果の応急処置逆効果の応急処置(Fix That Fail)
• 一難去ってまた一難• 悪事千里を走る• 悪事、身にかえる• 身から出た錆• 自業自得• 過ぎたるは及ばざるがごとし• 薬も過ぎれば毒となる
応急措置的な解決策で一時的に問題の症状は緩和されるが、しばらくすると当初の問題症状が再発したり、前よりも悪化する。
6.共有地の悲劇共有地の悲劇共有地の悲劇共有地の悲劇(Tragedy of the Commons)
• 呉越同舟While the thunder lasted, two bad men were friends.• 同じ穴の貉Birds of a feather flock together.• 虻蜂取らず• 二兎を追う者は一兎をも得ず
全員が自分のために同じ行動をとった結果「共有地」に過大な負荷をかけてしまい、当事者全員の利益が減少してしまう。
7.成長と投資不足成長と投資不足成長と投資不足成長と投資不足(Growth and Underinvestment)
• 備えあれば憂いなし• 霜を履んで堅氷至る• 取らぬ狸の皮算用• 郷に入りては郷に従え• 泥棒を捕らえて(見て)縄を綯う
成長に必要な投資や資源が十分に得られなかったり、そのスピードにサービス提供能力が追いつかず成長が止まってしまう。
8.エスカレーションエスカレーションエスカレーションエスカレーション(Escalation)
• 目には目を歯には歯をAn eye for an eye, and a tooth for a tooth.• 隣の芝生は青い• 疑心、暗鬼を生ず• 血で血を洗うBlood will have blood.
脅威を認識した当事者Aの行動が、もう一方の当事者Bの脅威となりそれぞれが安心感を得ようと行動することが競争の拡張スパイラルとなる。
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システム原型
意図しない結末
副作用
対症療法
根本解決
制約
制限要因成果努力 目標
レベル
ギャップ
目標down
圧力
実際
レベル
是正
措置
問題
症状
応急
措置
成果
基準努力
成果
制限要因
生産
能力
投資
投資必要性
Aの成功
Bの成功
Aの資源 Bの資源
Bでなく
Aに配分
Aの行動 Bの行動
Aの結果 Bの結果
A脅威 B脅威
Bに対する
Aの位置 資源
制約
Aの利益
Bの利益
Aの行動
Bの行動
行動の
総量
行動の
利益
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システム原型の系図
出展 ピーター・センゲ他著,柴田昌治訳;「5つの能力」,日本経済新聞社
ピーター・センゲは「システム原型」を自転車の補助輪に
たとえている。解決すべき状況を理解するために、原型の
どれか一つを選んで、その原型に関する教訓を適用する
だけで良いと考えているのは不適切である。
①「システム思考」という創造的なプロセスはパターン当
てはめ「多項選択式」の問題ではない。
②標準モデルを自分で使えない人が、原型だけを扱おうと
することは危険である。
原型より強力で柔軟性に富む「因果ループ図」と「ストックアンドフロ
ー図」によって現実的には対応する必要がある。
1. 成長か調整か
2. 成長なら拡張循環の系図へ
3. 問題の調整や是正なら平衡循環へ
4. 現在の状況を突き止めたら、なぜ?
5. 「逆効果の応急処置」の真因は「問題の転嫁」
であることも多い
6. 「成長の限界」に関連して「成長と投資不足」
「共有地の悲劇」で新たな視点を発見することも
7. ループを加える、矢印を壊すといった介入点の
追加で戦略を追加する(レバレッジを考えて)
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Software Process Dynamics
Part 1 - Fundamentals
Chapter 1 - Introduction and Background
Chapter 2 - The Modeling Process with System Dynamics
Chapter 3 - Model Structures and Behavior for Software Processes
Part 2 – Applications and Future Directions
Introduction to Applications Chapters
Chapter 4 - People Applications
Chapter 5 - Process and Product Applications
Chapter 6 - Project and Organization Applications
Chapter 7 - Current and Future Directions.
Appendices and References
Appendix A - Introduction to Statistics of Simulation
Appendix B - Annotated Bibliography
Appendix C - Provided Models
References
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スパイラル・ハイブリッド・プロセス
米国陸軍の次期コンバットシステムのような現場で迅速に変更できるAgileとプランドリブンの
ハイブリッド型開発プロセス:3チームサイクル
Increment N Baseline
Future Increment BaselinesRapid
Change
High
Assurance
Agile
Rebaselining for
Future Increments
Short, Stabilized
Development
of Increment N
V&V
of Increment N
Increment N Transition/O&M
Current V&V
Short
Development
Increments
Future V&V
Stable Development
Increments
Continuous V&V
ConcernsArtifacts
Deferrals
Foreseeable
Change (Plan)
ResourcesResources
Increment N Baseline
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Increments
Continuous V&V
ConcernsArtifacts
Deferrals
Foreseeable
Change (Plan)
ResourcesResources
Unforseeable Change
(Adapt)
延期
①①①①
②②②②
③③③③
Software Process Dynamics P235
①リーン(Agile)、②プランドリブン(計画的開発)、 ③スタビライズド開発(安定的開発)
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required capabilities developed capabilities V & V'ed capabilities
field issues
development rate V & V rate
development team
capability changes
capability volatility
rate
non deferrable capability
change rate
to current increment
deferred capability
change rate
to successive increments
field issue rate
field issue delay
V &V team
average change analysis effort
volatility trends
agile rebaselining team
change deferral %
V & V productivity
development team
allocation rate
V & V team
allocation rate
agile rebaselining team
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construction effort EAC construction schedule EAC
baseline effort baseline schedule
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①①①①
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プレゼン版「この国に必要な複合システム(Systemof systems)のシステム

  • 1. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 「この国に必要な複合システム(System of Systems)の システム科学アプローチ」 ~事例を中心にしたシステム・ダイナミクスの解説~ (社)日本経営工学会関西支部平成23年度第1回事例研究会 平成23年7月9日(土) 14:00~17:00 株式会社 オージス総研 ビジネスイノベーションセンター 明神 知
  • 2. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 2 内容 はじめに システムのシステム問題(System of Systems) システムズ・アプローチ システム・ダイナミクス(SD)とは システム・ダイナミクスの事例 百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ) おわりに 参考資料
  • 3. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 3 3 はじめに 「この国に必要な複合システム(System of Systems) のシステム科学アプローチ」 東日本大震災と原発、政治の混沌と問題山積の日本です。 これらの問題は因果関係が複合した、 「System of Systems」です。 この「複雑性」と「ダイナミクス」を分析するシステム科学ア プローチの代表的な道具がシステム・ダイナミクス(SD)で す。 事例を中心にしたシステム・ダイナミクスの解説 私達が提唱する「百年アーキテクチャ」整備に至るITアーキ テクチャ成熟度ステージアップのプロセス構造分析にSDを 利用した事例などを通してSDを理解していただきます。
  • 4. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 4 4 システムのシステム問題 System of Systems かつてないほどの「相互依存」の時代を生きている 2008年の金融危機、今年の東日本大震災と原発、製造サ プライチェーンの分断。 複雑に相互に依存した問題に「ワークハード」では限界 「チームの協働」と「やる気と集合知」を活用する「ワークスマ ーター」へ System of Systemsとは 人、技術、組織から成る独立して動くグループがあり、それ らが連携して、効率的に「毎日のオペレーション」「計画イベ ント」「大事故」といった緊急事態に対応するような場合に System of Systemsが存在しており、その対応が求められる
  • 5. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 5 5 真のSystem of Systemsは、 1.構成要素のオペレーション独立 2.構成要素の管理独立 3.進化論(発展)的開発 4.緊急(突発的)行動が特徴で、個別対応では限界がある 5.地理的分散 地域、州、州間の「System of Systems」 米国国土安全保障省 The System of Systems Approach for Interoperable Communications http://p.tl/l60x 相互運用コンテナ(ガバナンス、実行手続き、技術、ト レーニング、用途)で関係付ける スマートグリッドの相互運用標準フレームワークとロードマップ (NSIT) http://sapiens.revues.org/1011 http://p.tl/tR52
  • 6. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 6 システムズ・アプローチ 1.日本の科学と技術 「ものつくり敗戦」 木村英紀、ものつくり敗戦 「匠の呪縛が」日本を衰退させる、2009 •日本は国家として「統合の失調」に陥っていないか •専門分化する応用工学を横断的に扱う人工物の科学が弱い •科学技術と呼んで科学と技術の区別もしない日本 •科学といえば自然を対象とするサイエンス •ものづくりの技術に集中、システム個々の要素を磨くいて「道具を機械化」して システム全体の性能を向上させ続けた •自然を対象にして科学が発見した法則を技術が取り込んで道具に利用するな かで、さらに新しい現象の解明が必要になってきた •大量生産と大量消費という技術が生み出した「複雑さ」「不確実性」とそれらを 克服するための「情報」を扱う「人工物を対象とする科学」の必要性が生まれた •この「人工物を対象とする科学」の成果は、第三の科学革命とも呼ばれる1930 年代から第二次世界大戦終結に至る期間に次々と誕生した(上記) •第三の科学革命によって機械は複数の要素が有機的に連携する「システム」と なり、見えないものを見て、関係を追う技術が発展して、対象が際限なく複雑化 オージス総研 WEBマガジン 「「正念場の日本に必要な、エンタープライズ・アーキテクト(グランドデザイナー)」」 http://www.ogis-ri.co.jp/rad/webmaga/rwm20110402.html 1931年:ブッシュの部分解析機 1932年:ブリュンによる回路理論の数学化 1932年:ヘイゼンのサーボ機構の理論 1936年:チューリングの機械計算のモデル 1939年:オペレーションズ・リサーチの実施 1944年:ノイマンのゲーム理論 1945年:ボードのフィードバックの理論 1946年:最初の汎用デジタル計算機ENIAC 1948年:シャノンの通信理論 1948年:ウィーナーのサイバネスティックス 1949年:最初のプログラム内蔵式計算機EDSAC
  • 7. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 7 システムズ・アプローチ 2.システムズ・アプローチとは 要素還元法によって個別に調べてその機能を足し合わせただけでは、全体の機能を 説明できない、すなわち、要素の機能だけでなく、要素と要素との関係性まで含めて足 し合わさないと全体の機能を説明できないことが指摘され、システム論が現れました。 同じ動きは制御工学においてもあり、例えばウィナー(Norbert Wiener)により著された サイバネティックスはその代表例として挙げることができます。 対象に関らず問題の解決に向かってこのようにアプローチするやり方は、“システム ズ・アプローチ”と呼ばれています。システムズ・アプローチは、“複数の要素が、秩序を 維持するための前提条件を互いに供給し合う関係を、筋道を立てて論理的に、手順を 追って把握する、体系的で秩序だったアプローチ”と定義することができます。
  • 8. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 8 システムズ・アプローチ 3.システムズ・シンキング 要素間の因果関係を把握し、その構造から各要素の特徴的な振る舞いを分析する手 法。特にフィードバック構造に注目することが多い。 MITスローン・スクールのフォレスター(J.W.Forrester)教授が1956年に創案したシス テム・ダイナミックスもシステムズ・アプローチとして分類されます。このシステム・ダイ ナミックスは様々な名前で呼ばれてきました。Industrial Dynamics 、Urban Dynamics 、 World Dynamics 、BusinessDynamics などです。これらを総称してシステム・ダイナミッ クスと呼んでいます。 話は少々ややこしいのですが、このシステム・ダイナミックスの中には、定性モデルを 取り扱う方法論であるSystems Thinking(システムズ・シンキング)と定量モデルを取り 扱うSystem Dynamics(システム・ダイナミックス)とがあります。
  • 9. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 9 私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち私たちは直線的に考えがち 道路が渋滞するなら、道幅を増やそう。 道路を拡張すれば→走りやすくなる 走りやすくなれば→渋滞は解消する 渋滞問題への典型的な対処 (道路をつくり拡張すればよいはず) ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、ところが渋滞は解消されず、、、 道路を作ればさらに自動車が増えた、 システムズ・アプローチ 3.システムズ・シンキング
  • 10. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 10 渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる渋滞緩和にはさまざまな介入点が見つかる 渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は渋滞問題の構造は 道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると道路を作り拡張すると 自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり自動車通勤の魅力が高まり さらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことにさらに渋滞を引き起こすことに •障害物設置による誘導 •混雑税による調整 •公共交通の魅力アップ なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?—小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方 (東洋経済) システムズ・アプローチ 3.システムズ・シンキング
  • 11. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 11 システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵システムズ・シンキングの知恵 •今日の問題は昨日の解決策から起きている •目の前の問題だけではなく、全体像を •人を責めない、自分を責めない •問題のパターンは、構造が生み出している 構造を変えない限り問題は解決しない •解決策は、問題の近くにあるとは限らない 「レバレッジ・ポイント」を見抜く 「てこ」のように、小さな力で大きく動かせる介入ポイント •全体像を考える •長期と短期のバランスを取る •動き、複雑性、相互依存というシステムの3つの性質を理解する •測定可能データと測定不可能データの両方を考慮に入れる •自分自身もシステムに影響を与えていることに留意する システムズ・アプローチ 3.システムズ・シンキング
  • 12. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 12 システムズ・シンシンキングの表現方法 システムズ・アプローチ 3.システムズ・シンキング
  • 13. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 13 物事をシステムとしての全体像でとらえ、要素間のフィードバック構造をモデル化し、 問題の原因解析や解決策を探るためにシミュレーションを行うことで、実社会に存在 するさまざまな問題の効果的な解決を図る技法と適用技術。 “自動制御工学”と“経営学”とを起源とし、物理学、生物学、あるいは社会システムの 複雑な動特性を理解して管理するために用いる。方法論としては情報のフィードバック と相互的あるいは循環的な因果関係に基づく考え方を用いている。 ■ 因果関係の表現 生産すれば在庫は溜まる。販売すれば在庫は減る。 ■ フィードバックの表現 在庫が増えれば、生産を減らす。在庫が減って品切れが発生すれば、生産を増やす。 ■ 遅れの表現 物に関する遅れ: 材料が入荷しても製造は一度にはできない。製品は少しずつ出荷される。 情報に関する遅れ: 成功した。でも噂は少しずつしか伝わらないから。直ぐにはブランドが確立しない。 システム・ダイナミクス
  • 14. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 14 レベルとレート ダイアグラムでは Rate Rate Level Level Rate 出る量 Rate 入る量 ∫ t t + ∆t (入る量 - 出る量)dt システム内の「遅れ」は、ストック・アンド・フローによって起きる。ストック・アンド・フローの現象は、システムに時間的な「遅 れ」、すなわち、慣性と時間履歴を与える。また、混乱を増幅したり減衰したりする働きもある。 システム・ダイナミクスの基本(ストックアンドフロー図) システム・ダイナミクス
  • 15. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 15 システム・ダイナミクスの事例 1.米国の初等・中等教育におけるST/SD教育 Hopkins, P. L. “Simulating Hamlet in the Classroom”, System Dynamics Review V8 N1, Winter 1992 主人公であるハムレットの行動を 突き動かす内部の感情の高まりの 様子を視覚化し、時間経過で理解することや、 もし違った時代背景に置かれた場合、 あるいは判断基準が違っていたら、 主人公のハムレットの行動や運命はどう変 わったかといった想定で、人間の持つ普遍的な面や 時代的・環境的に変わる面などを深く理解することができるようになっている。
  • 16. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 16 システム・ダイナミクスの事例 1.米国の初等・中等教育におけるST/SD教育 Hopkins, P. L. “Simulating Hamlet in the Classroom”, System Dynamics Review V8 N1, Winter 1992
  • 17. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 17 チェルノブイリ原発の教訓 (黒鉛減速型原子炉) システム・ダイナミクスの事例 Lessons from the Chernobyl Nuclear Power Plant Accident for the Design of Organizational Improvement Initiatives,2005 System Dynamics Review http://www.systemdynamics.org/conferences/2005/proceed/papers/SALGE184.pdf
  • 18. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 18 チェルノブイリ原発の教訓 (通常運転と水蒸気爆発のシミュレーション) システム・ダイナミクスの事例
  • 19. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 19 チェルノブイリ原発の教訓 (災害時の混乱した行動) システム・ダイナミクスの事例
  • 20. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 20 Designing Information Systems with System Dunamics A C2 example 概要 Corey Lofdahl,Designing Information Systems with System Dunamics A C2 example,2005 http://p.tl/tRfe 「空軍指令制御システムを例にした、SDによるシステム設計」 指令制御システム全体設計の初期段階でSDを使ってシス テム要件を見出しデザイン上の問題をクリアにしておくことを提 案している 1.SDの指令制御システムデザインへの適用概要 2.空軍オペレーションセンターF2T2EA事例 3.従来のEAプラニングとの対比と補完関係 4.実践的、テクニカルステップについて システム・ダイナミクスの事例
  • 21. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 21 Early C2 System Simulation Process •最初の検討はラフスケッチやPPTが中心で、定量的な分析は挑戦であった •本提案ではデザイン初期に定量的にこなれたシミュレーションを行う 1.ハイレベルのシステム図 2.センサ、決定、オペレータから成るF2T2EAのSDシミュレーション 3.ある初期値と前提での結果 ここでの目標はシミュレーションの完全化ではなくて、時間遷移や処理要件の迅速な決定 →年単位でなくて週単位の決定→調達、予算化、システム利用に大いに有効 システム・ダイナミクスの事例
  • 22. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 22 Detailed F2T2EA Architecture(センサー、オペレーション部) F2T2EA:空軍オペレーションセンターのfind, fix, track, target, engage, assess •パフォーマンスと有効性が検討できる、システムのビジュアルで分析的検討ができる •システムアーキテクチャとは別の検討ができる、分析的なGAPアナリシスができる •「System of Systems」のクイックアナリシス→複雑な複合システムの全体分析 •投資家、予算化への説得力 システム・ダイナミクスの事例
  • 23. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 23 System Dynamics Simulation (Base Run Output) ストックストックストックストック フローフローフローフロー 総合評価総合評価総合評価総合評価 3の「標的化されたターゲット」が、他の 変数がボトルネックとなって増加している ことを示している システム・ダイナミクスの事例
  • 24. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 24 System Dynamics Simulation (Increased Operator Run) 要員を増加させて再実行すると、ボトル ネックは解消されて3の「標的化された ターゲット」が抑制されたが、4の「戦闘要 員」が単調増加している システム・ダイナミクスの事例
  • 25. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 25 System Dynamics Simulation (Sensor Reallocation Run) センサー資源を再配置して、標的探索か ら標的損害評価能力を増やした。単調 増加はなくなりシステム上の問題は解決 された。 システム・ダイナミクスの事例
  • 26. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 26 Enterprise Architecture Planning and System Dynamics Models •SDは」抽象的で全体として目的に適うものかを見極め、EAPはシステム化の詳細を獲得する •EAPは「木」を見て、SDは「森」を見る •スターマンの言う複雑さの「詳細」をEAPで、「動的」をSDでカバー システム・ダイナミクスの事例
  • 27. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 27 Complementary EAP and SD Models •EAPとSDを相補的に組み合わせる •SDによるGapアナリシス、要件開発と評価は税金の無駄を省く システム・ダイナミクスの事例
  • 28. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 28 Cappadocia. NEXT 21 DynamicArchitecture モデルベースIT投資マネジメントによる百年アーキテクチャ構築 ~システムダイナミックスによる IT投資マネジメント構造分析~ 百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ) •IT投資は単独で投資しても効果は薄く、ITを有効活用できる組織や文化が確立していないと経営に貢献するに至らない •多くの先進企業調査からITアーキテクチャの成熟度をステップを踏んで高めないとITを使いこなせないことが明らかになっている •筆者らはIT投資を百年スパンで考え、しっかりシンプルに作って使い続けるITを「百年アーキテクチャ」と銘打ち、 ITガバナンスや業務システム基盤整備など各種サービスを提供している •経営に貢献する「百年アーキテクチャ」構築プロセスの内部構造を、システムダイナミックスによって明らかにするとともに モデルベースIT投資マネジメントによって着実に構築していくプロセスを提案する
  • 29. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 29 百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ百年アーキテクチャ ~~~~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~アーキテクチャ成熟度のスパイラルアップ~ KCI 百年アーキテクチャ 指標 柔軟性頑健性 建築アナロジー建築アナロジー建築アナロジー建築アナロジー ・メタボリズム ・プロセス・プランニング ・モジュラー・プランニング ・オープンシステム ・スケルトン・インフィル ・超線形設計プロセス論 ・秩序創発システム 生物アナロジー生物アナロジー生物アナロジー生物アナロジー ・自律分散 ・DNA複製 ・動的平衡 たんぱく質、細胞膜 経営経営経営経営 技術技術技術技術 DynamicStatic Robust Adaptive 適応・学習・再生 ビジネス データ アプリ 技術 リアルタイム経営管理 BAM・ダッシュボード サービス利用 PaaS・HaaS ベンダー非依存 OSS 自動生成 MDA・形式化 最遅固定 実行時バインド ④ビジネスの④ビジネスの④ビジネスの④ビジネスの モジュール化モジュール化モジュール化モジュール化 変化に対応するビジネス ②ITの標準化②ITの標準化②ITの標準化②ITの標準化 しっかり・シンプル 外部活用 ⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化⑤ITの適応再生化 ビジネス変化に適応する アダプティブIT ③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの③ビジネスプロセスの 標準化標準化標準化標準化 組織成熟度 コア集中 Googleアーキテクチャ 既存データ検索型開発 プロセス 標準化 技術標準 ①百年アーキテクチャに向けた気付き ②ITの標準化(しっかり、シンプルに作り、アウトソース活用で維持費を下げる) ③ビジネスプロセス の標準化(組織成熟度の獲得) ④ビジネスのモジュール化(変化に対応するビジネス) ⑤ITの適応再生化(ビジネス変化に適応するアダプ ティブITへ) Key Centurial architecture Indicator (KCI)を高める! アジャイル経営 SOA・再利用 組織成熟度 ディジタル組織 ITガバナンスITガバナンスITガバナンスITガバナンス しっかり・シンプルに作って 維持費を下げる 成熟度が上がれば アジャイル開発 自律分散型 ①気付き①気付き①気付き①気付き 個別最適 コスト・スピード問題 クラウド 仮想化
  • 30. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 30 アーキテクチャ成熟度モデル MIT Sloan のCenter for Information Systems Research (CISR) が、1995年から2006年にかけて 456 の企業を研究調査した結 果をまとめたもので、企業がSOAを導入成果を得るために、次 の4つのステージを順にステップアップしていく必要があるとし ている。 · Stage 1 - Business Silos · Stage 2 - Standardized Technology · Stage 3 - Optimized Core · Stage 4 - Business Modularity · (Stage 5 – Dynamic Venturing) Enterprise Architecture as Strategy(EAAS) 百年アーキテクチャにおけるSD(事例、デモ)
  • 31. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 31 アーキテクチャ成熟度モデル ステージアップとともにIT価値が高まる 個別業務のため個別業務のため個別業務のため個別業務のため ののののIT投資投資投資投資 個別アプリから個別アプリから個別アプリから個別アプリから 共通インフラ共通インフラ共通インフラ共通インフラ 投資へ投資へ投資へ投資へ ITコストはStage1より 15%減少 個別IT 標準化で コストダウン 企業 全体視点 企業レベル企業レベル企業レベル企業レベル システムシステムシステムシステム 共通データへ共通データへ共通データへ共通データへ 戦略視点 戦略的戦略的戦略的戦略的IT投資へ投資へ投資へ投資へ ハード・ハード・ハード・ハード・OS・・・・DB 技術を全社的に統一技術を全社的に統一技術を全社的に統一技術を全社的に統一 ビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセス の標準化の標準化の標準化の標準化 ビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセスビジネス・プロセス サポート技術のサポート技術のサポート技術のサポート技術の モジュール化モジュール化モジュール化モジュール化アーキテクチャ委員会 による現場とIT部門の合意 一定のガバナンスのもと IT部門とビジネス部門との 緊密な連携 IT部門とビジネス部門の境界線はなくなり IT部門が共有サービス化? ステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響するステージ間の移行には、技術、プロセス、そして何よりも社員の文化が深く影響する 強く強く強く強く (強みの形成)(強みの形成)(強みの形成)(強みの形成) 安く安く安く安く (コストダウン)(コストダウン)(コストダウン)(コストダウン) 誰でも (業務基盤の形成) どこでも (プラグイン)
  • 32. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 32 アーキテクチャの発展段階とITの役割アーキテクチャの発展段階とITの役割 各ステージの学習要求 32 ステージ名称 Business Silos 業務別サイロ型 Standardized Technology ITの標準化 Optimized Core ビジネスプロセスの標準化 Business Modularity ビジネスのモジュール化 ITの役割 ローカルなITアプリケーションの 提供 標準技術 プラットフォームの提供 全社的に標準化されたプロセス やデータの提供 プラグ&プレイ型ビジネス・プロ セス・モジュールの提供 ビジネス目標 ローカルビジネスの収益向上 ITコストの削減 事業運営のコスト削減と 品質向上 市場投入のスピード、戦略的な 俊敏性の獲得 予算の優先順位 個々のアプリケーション 共有インフラサービス エンタープライズ・アプリケーショ ン 再利用可能なビジネス・プロセ ス 鍵となるマネジメント能 力 ITを使った変更管理 標準仕様の設計とアップデート、 共有サービスへの投資 中核的なエンタープライズプロセ スの定義と評価 再利用可能なビジネス・プロセ スの管理 アプリ定義者 ローカルのビジネス部門責任者 IT部門とビジネス部門の責任者 上級幹部とプロセス責任者 IT部門、ビジネス部門の責任者 (または業界リーダー) ITガバナンス主要テー マ 価値の評価と伝達 ローカル/地域/グローバル責任 範囲の明確化 プロジェクト優先順位をアーキテ クチャの目標と一致させること ビジネス・モジュールの定義、調 達、投資 戦略的意味 ローカル/機能の最適化 ITの効率化 事業運営の効率化 戦略的俊敏性の獲得
  • 33. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 33 アーキテクチャ成熟度別IT投資 33
  • 34. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 34 アーキテクチャ成熟度によるフレキシビリティシフト 34 事業部門は、 技術標準に従うために 技術選択の自由度が下がる 技術制約のもとに80%のソリューション に留まることでローカルフレキシビリティ が下がる 技術標準によって技術的な複雑度を下 げ、導入期間を短縮するのでグローバ ルフレキシビリティが上がる データが透過的になるとともに プロセスが比較可能になり 予測できるようになる ローカルマネージャはコアビジネスプロ セスとこれを担う要員やシステムへの 自由裁量権を失う 企業全体のデータとプロセスの標準が ローカル意思決定パタンを妨げ、共同 購買のような全社最適プロセスがロー カルには最適でない場合も発生する。 コアプロセス・データ・技術の強固な基 盤のうえにローカルにもグローバルにも ビジネスモジュールをプラグ&プレイで き、モジュール化されたインタフェースは 導入時間を短縮し両方のフレキシビリ ティを上げる 事業部門マネージャはビジネスと ITに関する100%の権限を持つ ともすれば精緻で複雑多様な仕様となる
  • 35. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 35 百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて百年アーキテクチャ構築に向けて 百年百年百年百年 (指標)(指標)(指標)(指標) ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(ビジネスサイロ(#1#1#1#1)))) 技術の標準化技術の標準化技術の標準化技術の標準化 ((((#2#2#2#2)))) 最適化されたコア(最適化されたコア(最適化されたコア(最適化されたコア(#3#3#3#3)))) ビジネスビジネスビジネスビジネス モジュラー型(モジュラー型(モジュラー型(モジュラー型(#4#4#4#4)))) BA ビジネス ローカル事業ROI ローカル機能最適化 ローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティローカルフレキシビリティ 全社標準プロセス率全社標準プロセス率全社標準プロセス率全社標準プロセス率 業務実行効率・コスト・品質 全社コアプロセス定義とモニタリング 率、企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの企業レベルのプロセスとデータの 一体化率一体化率一体化率一体化率 業務効率業務効率業務効率業務効率、顧客関係性顧客関係性顧客関係性顧客関係性 製品リーダーシップ製品リーダーシップ製品リーダーシップ製品リーダーシップ 戦略的迅速性(上市速度) ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率(ビジネスプロセス再利用部品率( プラグインプレイ)プラグインプレイ)プラグインプレイ)プラグインプレイ) グローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティグローバルフレキシビリティ 企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスと企業レベルのビジネスとITITITITの一の一の一の一 体化率体化率体化率体化率 DA データ 共通データ費用率(11%) 共通データ費用率(14%) 全社標準データ率全社標準データ率全社標準データ率全社標準データ率 共通データ費用率(17%) 共通データ費用率(18%) AA アプリケー ション 個別アプリ費用率(36%) 全社アプリ費用率(18%) 個別アプリ充足率個別アプリ充足率個別アプリ充足率個別アプリ充足率 ローカル業務リーダー要件定 義率 個別アプリ費用率(25%) 全社アプリ費用率(21%) シェアドサービス投資率 ITと業務リーダー要件定義率 個別アプリ費用率(16%) 全社アプリ費用率(32%) 全社アプリ開発率全社アプリ開発率全社アプリ開発率全社アプリ開発率 上級管理職とプロセスリーダー要件 定義率 個別アプリ費用率(15%) 全社アプリ費用率(34%) ITと業務ないし業界リーダー要件 定義率 TA 情報システ ム基盤 共通インフラ費用率(35%) アウトソースによるコスト削減 額 共通インフラ費用率(40%) アウトソースによるリスク削減額、 全社技術標準採用率全社技術標準採用率全社技術標準採用率全社技術標準採用率 技術基盤共有率技術基盤共有率技術基盤共有率技術基盤共有率 共通インフラ費用率(35%) アウトソースによるプロセス改革数 共通インフラ費用率(33%) アウトソースによる迅速性改善数 標準インタフェース率標準インタフェース率標準インタフェース率標準インタフェース率 マネジメン ト・インフラ IT予算IT予算IT予算IT予算100100100100 ローカルローカルローカルローカル////機能の最適化機能の最適化機能の最適化機能の最適化 技術による変更管理 モニタリング&コミュニケーシ ョン IT予算IT予算IT予算IT予算85(85(85(85(15%15%15%15%減減減減)))) ITITITITコストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率コストダウン、ITの効率 デザインと更新の標準化費用率、 ローカル/リージョン/グローバル 責任の確立 IT予算IT予算IT予算IT予算75(75(75(75(25%25%25%25%減減減減)))) 戦略的戦略的戦略的戦略的ITITITIT投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率投資率、業務実行効率、プ ロジェクト優先順とアーキテクチャの 目的との整合性確保 IT予算IT予算IT予算IT予算120120120120 戦略的迅速性戦略的迅速性戦略的迅速性戦略的迅速性 業務モジュールの定義、ソーシン グと予算化
  • 36. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 36 EAASの因果ループ図 ・(L1)個別投資→複雑度増加ループ:個別投資によって業務とシステムが複雑になりITコストが大きくなりさらに個別投資が増える(構造劣化の悪循環) ・(L2)個別投資→ローカルフレキシビリティ増加ループ:個別投資によってローカルフレキシビリティが高まり顧客増加・ITコスト増で個別投資が さらに必要になる(個別最適に安住) ・(L3)IT標準化コストダウンループ:悪循環ループを脱却するために「ITコスト増加危機意識」によって組織内コミュニケーションがはじまりIT標準化が進む(ステージ2へ) ・(L4)グローバル&ローカルフレキシビリティ両立好循環ループ:組織内コミュニケーションが広がり、顧客数が増え、外部コミュニケーションが始まると外部対応のために モジュール化度が高まりグローバルフレキシビリティとローカルフレキシビリティがともに増えていく(ステージ3、4へ) 顧顧顧 業業・・・・・・複複複 IIコ・コ ググググググググ・ググ ・テ コココグコ ・・確確 イイグイ標 準グレグ 組組組ココココ ケグ・ケイ モモコググ 化複 共共デグデ 整整グレグ 外外ココココ ケグ・ケイ 個個・・ ・・投投 全全・・ ・・投投 共共イイグ イ投投 共共デグ デ投投 ググロググググ・ググ・テ 個個投投複複複個個(L1) 個個投投ググロググググ・ググ・テ個個(L2) IIコ・コ個個増 機機機 - - - - --- II標準化コ・コココイ(L3) グググググ&ググロググググ・ググ・テ両確両両両ググコ(L4)
  • 37. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 37 EAASのSDモデル 顧顧顧 業業・・・・・・複複複 IIコ・コ ググググググググ・ググ ・テ コココグコ ・・確確 イイグイ標 準グレグ 組組組ココココ ケグ・ケイ モモコググ 化複 + + + IIコ・コ個個増 機機機 + 共共デグデ 整整グレグ 外外ココココ ケグ・ケイ 業業ググリ機機 業業ググコ ググレグ 個個・・ ・・投投 率・グテグ + 全全・・ ・・投投 率・グテグ 共共イイグ イ投投率 ・グテグ 共共デグ デ投投率 ・グテグ モモコグ< グ化複> + コココグコ・< ・確確> 共共デ< グデ整整 グレグ> 顧顧顧< > <Time> TD1 <Time> <Time> <Time> TD2 TD3 TD4 TD5 TD8 TD12 TD9 主主主主1 主主主主2 主主主主3 主主主主4 TD10 TD7 TD6 TD11 TD13 TD14 主主主主6 主主主主7 イイグイ< 標準グレ グ> 主主主主5 どどどど化・・グモ1-3影影 複複化 ・イコグ化 顧顧顧顧顧顧 コ・コ個個 コ・コ減減 外部化 外外外外化 増機コ・コ グレグ 誰どど化 II標準化 組外外外化 ココココケグ・ケイ・ イイイ(縦へ) ググロググググ・ググ・テ ググログ( 損損) ググログ( 獲獲) 制制 自自複獲獲 <Time>
  • 38. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 38 EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果 顧顧顧 業業・・・・・・複複複 IIコ・コ ググググググググ・ググ ・テ コココグコ ・・確確 イイグイ標 準グレグ 組組組ココココ ケグ・ケイ モモコググ 化複 + + + IIコ・コ個個増 機機機 + 共共デグデ 整整グレグ 外外ココココ ケグ・ケイ 業業ググリ機機 業業ググコ ググレグ 個個・・ ・・投投 率・グテグ + 全全・・ ・・投投 率・グテグ 共共イイグ イ投投率 ・グテグ 共共デグ デ投投率 ・グテグ モモコグ< グ化複> + コココグコ・< ・確確> 共共デ< グデ整整 グレグ> 顧顧顧< > <Time> TD1 <Time> <Time> <Time> TD2 TD3 TD4 TD5 TD8 TD12 TD9 主主主主1 主主主主2 主主主主3 主主主主4 TD10 TD7 TD6 TD11 TD13 TD14 主主主主6 主主主主7 イイグイ< 標準グレ グ> 主主主主5 どどどど化・・グモ1-3影影 複複化 ・イコグ化 顧顧顧顧顧顧 コ・コ個個 コ・コ減減 外部化 外外外外化 増機コ・コ グレグ 誰どど化 II標準化 組外外外化 ココココケグ・ケイ・ イイイ(縦へ) ググロググググ・ググ・テ ググログ( 損損) ググログ( 獲獲) 制制 自自複獲獲 <Time>
  • 39. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 39 EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果 Optimized SD for EAAS 100 75 50 25 0 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 年Time ( ) Dmnl ググググググググ・ググ・テ グググググ ググロググググ・ググ・テ: Target & 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ググググググググ・ググ・テ : EAAS SD Model 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 ググロググググ・ググ・テ グググググ ググロググググ・ググ・テ: Target & 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 ググロググググ・ググ・テ : EAAS SD Model 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 グローバル&ローカル フレキシビリティがともにEAASの イメージパタンに近似できた
  • 40. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 40 Optimized SD for EAAS 100 75 50 25 0 9 9 9 9 9 9 9 9 9 8 8 8 8 8 8 8 8 8 7 7 7 7 7 7 7 7 7 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 5 5 5 5 5 5 5 5 5 54 4 4 4 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 年Time ( ) Dmnl イイグイ標準グレグ : EAAS SD Model 1 1 1 コココグコ・・確確 : EAAS SD Model 2 2 モモコググ化複 : EAAS SD Model 3 3 3 共共デグデ整整グレグ : EAAS SD Model 4 4 外外ココココケグ・ケイ : EAAS SD Model 5 5 5 業業・・・・・・複複複 : EAAS SD Model 6 6 組組組ココココケグ・ケイ : EAAS SD Model 7 7 顧顧顧 : EAAS SD Model 8 8 8 IIコ・コ : EAAS SD Model 9 9 9 6 7 8 9 1 2 3 4 5 1 2 6 9 7 35 4 8 EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果 ・業務システム複雑度とITコス トは個別投資で最初増加する もののインフラ標準、コアプロ セス整備、組織内コミュニケー ションの増加とともに抑制され ていく ・外部コミュニケーションととも にモジュール化が進む
  • 41. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 41 EAASのSDモデル案キャリブレーション(最適化)結果 Maximum payoff found at: 危機コストレベル = 40 業界リーダーレベル = 40 主効果比1 = 0.1 主効果比2 = 0.1 主効果比3 = 0.1 主効果比4 = 0.987143 主効果比5 = 0.970044 主効果比6 = 0.8 主効果比7 = 0.1 コミュニケーションスイッチ(縦へ) = 80 TD8 = 0.1 TD4 = 0.1 TD5 = 0.10597 TD6 = 5 TD7 = 0.1 TD9 = 0.116619 TD3 = 12.3054 TD1 = 0.1 TD10 = 0.1 TD12 = 0.357871 TD13 = 0.117216 TD14 = 2.71289 TD2 = 8.49752 *TD11 = 0.660417 Simulations = 3223 Pass = 3 Payoff = -0.126429 Initial point of search 危機コストレベル = 40 業界リーダーレベル = 40 主効果比1 = 0.8 主効果比2 = 0.8 主効果比3 = 0.8 主効果比4 = 0.8 主効果比5 = 0.8 主効果比6 = 0.8 主効果比7 = 0.8 コミュニケーションスイッチ(縦へ) = 40 TD8 = 0.1 TD4 = 0.1 TD5 = 0.1 TD6 = 0.1 TD7 = 0.1 TD9 = 0.1 TD3 = 0.1 TD1 = 0.1 TD10 = 0.1 TD11 = 0.1 TD12 = 0.1 TD13 = 0.1 TD14 = 0.1 TD2 = 0.1 Simulations = 1 Pass = 0 Payoff = -1488.95 ・ローカルフレキシビリティの最適化が困難 ・いったん下げるのはIT標準とコアプロセス確立 ・投資テーブル値より外部コミュニケーション によるモジュール化アップでローカルフレキシ ビリティを上げるタイミングを合わせている (コミュニケーションスイッチ) ・時間遅れは顧客数増加遅れ、ITコスト削減遅れ を大きくさせ ・主効果比は投資テーブルの影響を下げる方向へ ・顧客数、業務・システム複雑度は調整の余地あり 投資率よりも組織内コミュニケー ションや外部コミュニケーションと いった組織的要因によって成熟 度が上がっている
  • 42. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 42 百年アーキテクチャ 個別最適 IT [[第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ第1ステージ]] [[第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ第2ステージ]] [[第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ第3ステージ]] [[第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ第4ステージ]] インフラ標準化 でコストダウン 企業全体視点で 業務・システム 標準化 グローバル で戦える俊 敏な経営 業務最適化支援 運用基盤構築 支援 ビジネス・アプリ 構築支援 基盤ホスティングサービス IT投資マネジメント/ガバナンス構築 開発標準化支援 SOA移行支援 ビジネス最適化 支援 投資効果可視化 IT基盤標準化支援 百年アーキテクチャを支えるメニュー 一覧百年アーキテクチャを支えるメニュー 一覧※※11 100100100100年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム 年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム 年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム 年アーキテクチャが目指すもの。それは、俊敏な意思決定を可能にするITシステム SOA Drive Kit ~OSS※2活用プラットフォーム クラウド・インテグレーション 支援※3 百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ)百年アーキテクチャによってIT活用能力(ITケーパビリティ) をベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へをベースに組織として強く、安く、誰でも、どこでも戦える「俊敏な企業」へ それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。それにむかっていく組織学習のステップが4つのステージです。
  • 43. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 43 おわりに 問題をシステムとして捉え、個々のシステムを連携して考える「System of Systems 」の有力なツールとしてシステムズ・アプローチの代表的かつ強力なシステム・ダイ ナミクス(SD)の事例を紹介しながら、その概要を解説した。 日本および世界の現代の問題は、個々のシステムが相互に複雑に絡み合った「複 雑性」、「不確実性」、「ダイナミック」という特性を持っている。 「System of Systems」の特徴は、個別に分解して個々の部品の精度や信頼性を上 げても全体としての性能を保証できないことである。 「System of Systems」の安全性、緊急対応、品質や性能といったことは全体をシス テムとして捉えて構造的にアプローチすることが必要である。 このような特徴を持つ「System of Systems」の問題を分析して、全体の動作が要件 に合致するのかハイレベルでの検証を行ってから、個々の要素の詳細設計に入るこ とが有用である。 対象とする問題の規模やレベルに応じて問題の範囲を決めて、STによる分析とSD による検証をはじめていただきたい。
  • 44. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 44 SDツール Ps Studio http://www.powersim.com/ 販売代理店:POSY http://www.posy.co.jp/mail-list.htm SD関連情報のMLの申込み窓口 http://www.posy.co.jp/IntroductionPsStudio.pdf システム・ダイナミックスの概要を理解していただくことに焦点を当てています。 テキストの前半では、システム・ダイナミックスそのものの解説と共に、ビジネスにおけるシステム的な考え方の適用について説明しています。 モデリングとシミュレーションに関しては、Studioについて初心者の方が、フリーの評価版のツールを扱いながら、その操作法を理解できるように説明を 進めています。 Vensim http://www.vensim.com/ 販売代理店:日本未来研究センター http://www.muratopia.org/JFRC/sd/Workshop.html http://www.muratopia.org/JFRC/sd.html Vensim解説
  • 45. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 45 SD参考資料 1.ビジネスダイナミクス(BD) (1)MIT ・本家本元のMITコースです。毎年開催されてますが応募者が多くこの時期では もう満員かも。私も1年待って2008年に受講しました。 http://mitsloan.mit.edu/execed/coursedetails.php?id=752 ・スターマン先生の定番教科書BDのサイト(モデルなどダウンロードできます) http://www.mhhe.com/business/opsci/sterman/ (2)翻訳(定量的シミュレーションを除く: スターマン先生は定量的仮説検証を重視されていますが) システム思考—複雑な問題の解決技法 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492532633?ie=UTF8&tag... (3)日本での活用 ・同志社大学ビジネススクール(山口先生のコースで教科書として使っています) http://bs.doshisha.ac.jp/modules/teacher8/index.php?id=17 ・システム思考トレーニング(定量的シミュレーションを除く) http://change-agent.jp/ 2.システム・ダイナミクス 2.1 国際システムダイナミックス学会 http://www.systemdynamics.org/ ・2009年の国際会議概要(今年は3月に韓国) http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsd/meeting/9-914-SDS%20Albuquerq... 2.2 日本 (1)システムダイナミックス学会日本支部(JSD) http://www.j-s-d.jp/ (2)同志社大学ビジネススクール ・山口先生がグローバルMBAでGreen MBAコースを主催されます http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/k_yamaguchi.html http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/syllabus/pdf/Green_MBA... ・日本未来研究センター(SD解説などの資料が豊富。SDツールのVensimの代理店) http://www.muratopia.org/JFRC/sd.html (3)POSY SDツールのPowersimの代理店でもありモデルも含めて多数の資料を公開 http://www.posy.co.jp/ 3.入門書 ・システム・シンキング入門 (日経文庫) (新書) システム・ダイナミクスまで全体を俯 瞰するのによい ・入門! システム思考 (講談社現代新書) (新書) よみものとしてのシステム思考入門 ・なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?—小さな力で大きく動かす!システム 思考の上手な使い方 (単行本) スターマンのモデル入っておりシステム思考の読みものとして優れている、おすすめ ・ものつくり敗戦—「匠の呪縛」が日本を衰退させる (日経プレミアシリーズ) (新書) なぜ日本で人工物の科学(システム科学)が定着しないか警鐘の書。制御工学の恩師の 著書です。
  • 46. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 46 SD参考資料 (1)同志社大学ビジネススクール 山口薫教授 ・Green MBA 環境問題をモデリングして、その対策を継続可能な収益を生むビジネスモデルを考えていこうというコースをはじめています。 http://gmba.doshisha.ac.jp/faculty/syllabus/pdf/Green_MBA... ・財務三表のモデル 簿記の貸し方借り方で覚えるのでなく企業活動の結果がどのように財務3表にあらわされるのか構造的に理解できます。 ビジネススクールの学生にはSDで企業の有価証券報告書をあらわし、企業戦略と財務三表をつなぎ、新たなビジネスモデルの検証を行っています。 http://www.muratopia.org/JFRC/sd/documents/SD%20Workshop3... ・石炭廃材による土壌改良ビジネスモデル オーストラリアの石炭を日本で火力発電に利用した後の廃材をオーストラリアに戻して土壌改良に使って植物の成長が改善されることから 環境対策の事業モデルを考えて事業利益を生み出す条件を確認している。 http://anzsys07.unitec.ac.nz/presentations/anzsys07-yamag... http://www.isce.edu/ISCE_Group_Site/web-content/ISCE_Even... (2)ビジネスゲーム ・炭酸ガス排出予測及び削減交渉ゲーム 地球温暖化の将来予測が、地球シミュレータモデルのようにスパコンを用いないでも遜色ない精度で簡単にでき、しかも温暖化の一因である炭酸ガスの削減交渉を 国連等の国際政治の場で行う場合を想定しながら、プレーヤー自らが交渉に参加しその成果を即座に確認出来るというシミュレーションゲームです http://forio.com/simulation/climate-development/index.htm ・グリーンIT MITスターマン先生のモデルに基づくザンクト・ペルテン大学の「Green Dynamics」がIDCのGreen IT アワード2008を受賞 しています。データセンターの低炭素化をアピールするもの。 http://green-dynamics.t-systems.de/?xmlUrl=xml/default_en... ・医療システム改革シミュレーションゲーム(HealthBound) SDコンサルタントと米政府の医療行政の担当者が共同で開発したもので、公正さや費用の効率性等の観点から現行の米国に於ける医療システムを改革するための方策を シミュレーションしながら考察できるようになっており、すでに病院や、医療行政担当者で広く利用されはじめている。 http://www.systemdynamics.org/conferences/2009/proceed/pa...
  • 47. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 47 MIT Sloan Executive Education Business Dynamics ~複雑なビジネス課題の MITアプローチによる評価と解決~ 2008年 6月16~20日 LIFE
  • 48. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 48 BD2008 サマリ 講義・ワークショップ講義・ワークショップ講義・ワークショップ講義・ワークショップ 1.ビールゲーム ・初体験チーム、経験チームの違い? ・結果解説(スパイク、振動、サイクル) 2.イントロ SARS感染のSDモデル 3.VensimによるST、SD基礎 4.SDモデリング手法 ・因果関係図、加速ループ、平衡ループ ・ストック&フロー ・ワークショップ (問題定義、変数リスト、 参照パタン、ループ、戦略立案) 5.基調講義 ・Forrester(SDの起源、児童教育) ・Peter Senge(システム原型、食料問題) 6.フライトシミュレータ ・プロジェクトマネジメント ・エアラインケーススタディ(People Express) 7.SDコンサル事例 ・GMの緊急サービスOnStar 教育の特徴教育の特徴教育の特徴教育の特徴 1.講義、Gワークショップ 2.フライトシミュレータ 3.ゲーム手法 4.メンタルモデル(ビデオ、漫画) ゴリラ、道案内、自動車セールス
  • 49. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 49 参加者22カ国68名 人数 国 所属 1 オマーン 不動産会社役員 3 スウェーデン 組織変革コンサル会社(役員、シニアコンサル)、Arkivator技術者、Ericson無線アナリスト 2 サウジアラビア 電子政府・IT・通信省事業開発専門官、証券取引所 5 ドイツ SAP(エンタープライズSOA適用プログラムグローバル上級副社長)、シスコ専務、BTC AGシニアコンサル、Julius Glatz CEO、 KonstantinFelixPrinzConsultingプリンシパル、 2 スペイン 改革コンサル(Altran)、Autonoma大学助教授 22 アメリカ(官学)10 陸軍(West Pointアカデミー教授、 助教授)、海軍(PM/SE、展開戦略本部役員、作戦本部ディレクタ、海軍研究所シニアオフィサー)、ワ シントン地下鉄シニアPM、ロチェスター工科大学助教授、UCサンジエゴ(IT&BPM担当役員)、商務省海外貿易計画評価ディレクター アメリカ(民間)12 ボーイング(製造・技師、Mgr、シニア技師)、PFCエネルギーシニアアナリシスト、AllltelコミュニケーションズMgr、グラマン企業戦略役員、 セールスフォース戦略顧客担当VP、MerrimackPharmaceuticalsCMO、NXPセミコンダクター日本支社Mgr、WhiteheadInstitute財務担当 役員、VanguardGroup6シグママスターブラックベルト、TribuneWorldwideプリンシパル 2 オーストラリア ニューカッスル市議会(グループMGR・戦略計画開発、市民サービスGMgr) 2 カナダ 空軍兵站役員、Tomar財務担当VP、Tomar財務担当役員 1 フランス Boston Scientific(ビジネスプロセス改革Mgr) 1 デンマーク XPonCard製品マーケティング責任者 1 ベネズエラ PDVSA(国営石油公社)戦略計画アドバイザー 1 イタリア トリノ工科大学準教授 3 メキシコ ケロッグITビジネスパートナー、メキシコ工科大学(CIO、原子力工学教授)、GFMTextiles役員、 1 オーストリア T-SytemsVP 1 オランダ HPトランスフォーメーションMgr 4 ブラジル PromonLogicalis技術者、GradusManegementConsultants VP、TechBizCTO、Bradesco基金CIO 1 中国 InfocastCEO 1 スイス Alstormプロジェクトディレクタ 1 ジャマイカ Fiscal ServiceSE専務 1 南アフリカ アクセンチュア・シニアMgr 1 ギリシャ ThenamarisShipManegement役員 1 日本 オージス総研
  • 50. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 50 ・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ・メンタルモデルの境界を広げよ Expand the boundaries of your mental models ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ・フィードバックとシステム構造にフォーカスせよ Focus in feedback & system structure ・批判を排せ・批判を排せ・批判を排せ・批判を排せ Reject blame ・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て・マルチの視点を持て Seek out multiple points of view ・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、・テクニカルスキルを習得し、 Develop your technical skills and your skills in dialog, 対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ対話と感情移入と振返りのスキルを獲得せよ empathy,self-reflection ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ・グローバルに思考し、ローカルに行動せよ Think globally , act locally ・高みを目指せ・高みを目指せ・高みを目指せ・高みを目指せ Aim high Becoming a Systems Thinker
  • 51. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 51 補足
  • 52. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 52 オージス総研だけの組織ではなく、さくら情報システム、宇部情報システムか らも参画を得た“グループシナジーを具現化するための組織” グループ内を組織横断的に情報共有し、グループの持つ知的資産を お客様の企業価値向上に繋げる 発足2年目2011年度、新たに19名の兼務者の仲間を迎え、総勢44名 専任8名のほかは全員兼務所属 ビジネスイノベーションセンターとは ビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪でビジネスと技術の両輪で イノベーションを実現イノベーションを実現イノベーションを実現イノベーションを実現 オージス 総研 さくら情報 システム 宇部情報 システム ビジネス イノベーション センター クラウドインテグレーショ ンセンター エンタープライズ オープンソースセンター アジャイル開発 センター ++++ お 客 様 IT Capability Buisiness Capability Innovation 顧客価値向上のためのデザイナー イノベーションコーディネーター エンタープライズアーキテクト
  • 53. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 53 8. 実行可能EA 考えられるモデリングテクニック function modelling interoperation modelling function modelling interoperation modelling Value & Cost Modelling Enterprise Modelling Process Mapping Organisation Structure Modelling Information Modelling Resource Modelling Value & Cost Modelling Enterprise Modelling Process Mapping Organisation Structure Modelling Information Modelling Resource Modelling Enterprise Modelling Process Mapping Organisation Structure Modelling Information Modelling Resource Modelling Role Requirements Modelling Resource Component Modelling Systems Dynamics Thinking Simulation Model Conceptual Design In- Context DES Modelling Role Requirements Modelling Resource Component Modelling Systems Dynamics Thinking Simulation Model Conceptual Design Role Requirements Modelling Resource Component Modelling Systems Dynamics Thinking Simulation Model Conceptual Design In- Context DES Modelling OR 3-D Simulation Physical Machine Modelling 3-D People Ergo 3-D Machine Prog OR 3-D Simulation Physical Machine Modelling OR 3-D Simulation Physical Machine Modelling 3-D People Ergo 3-D Machine Prog 3-D People Ergo 3-D Machine Prog unpredictable- constant flux human-centred- increased variance unpredictable- constant flux human-centred- increased variance structure modelling requirements modelling structure modelling requirements modelling increased abstraction increased detail increased focus increased abstraction increased detail increased focusincreased focus predictable- minimal variance Increased automation predictable- minimal variance Increased automation concept modelling behaviour modelling concept modellingconcept modelling behaviour modellingbehaviour modelling Candidate Modelling Techniques- with potential to satisfy this need複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える複雑さに対応して変化に耐える
  • 54. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 54 システム・ダイナッミクスの歴史 フォレスターとシステム・ダイナッミクスの歴史 システム・ダイナミクスは1950 年代なかばにマサチューセッツ工科大学のジェイ・W・フォレスター教授により開発された。 WHIRWIND I とSAGE 1947 年、MIT にデジタル・コンピュータ研究所が創設され、ジェイ・フォレスターがその責任者に任命された。 MIT として最初の汎用コンピュータ、WHIRLWIND I の製作と戦闘情報システムの制御のために、デジタル・コンピュータが有効であるかどうかの環境テストを行った。 MIT リンカーン研究所で、SAGE(Semi-Automatic Ground Environment)北米防衛コンピュータ・システムの開発責任者に。 システム・ダイナミックス 1956 年、フォレスターは、新規に創設されたMIT スローン経営大学院の教授に就任。企業の成功や失敗の核となる問題に対して、科学技術のバックグラウンドを生かし て、工学及び経営学の共通言語としてシステム・ダイナッミクスを開発した。 1958 年、リチャード・ベネットが、最初のシステム・ダイナッミクス用コンピュータ言語であるSIMPLE(Simulation of Industrial Management Problems with Lots of Equations)を完成させた。1959 年には、フィリス・フォクス、アレクサンダー・ピューが、SIMPLE を大幅に改良し、その後30 年以上に渡って標準言語の地位を保つことに なる、DYNAMO(DYNAmic Models)の最初の版を完成させた。 1961 年、最初の著書、インダストリー・ダイナミックスを出版した。 アーバン・ダイナッミクス ボストン市の前市長であったジョン・コリンズがMIT の都市問題の招聘教授に任命された。 コリンズはフォレスターの隣の部屋に引っ越してくることになり、2 人は隣人同士になった。2 人は、都市問題やシステム・ダイナッミクスがどのように都市問題に応用でき るかを頻繁に話し合うことになった。 フォレスターとコリンズの共同作業は、アーバン・ダイナッミクスとして出版された。 ワールド・ダイナッミクス 1970 年、ジェイ・フォレスターは、スイスのベルンで開催されたローマ・クラブの会議に招待された。 ローマ・クラブは、「人類の窮境」と呼ばれる、将来発生するであろう地球規模の危機や、(再生可能資源、不可能な資源を問わず、汚染の改善も含め)地球の持つ能力と 、人口増加による需要の関係を解決するため構築された組織であった。 ベルンから帰国の飛行機の中で、フォレスターは、最初のシステム・ダイナッミクスによる世界規模の社会システム・モデルの原案を作り上げた。このモデルをフォレスタ ーは、World1 と呼んだ。 米国に戻ったフォレスターは、World 1 モデルを改良し、MIT を訪れたローマ・クラブのメンバーにモデルを見せた。この改良されたモデルを、フォレスターはWorld 2 と呼 んだ。フォレスターは、このWorld 2 を、著書、「ワールド・ダイナッミクス」の中で紹介している。 「ワールド・ダイナッミクス」の結果を見て、ローマ・クラブはシステム・ダイナミクスを使ってさらに人類の窮境に関する研究を拡大するための資金を提供することを申し出 た。しかし、当時、フォレスターは、アーバン・ダイナッミクス・プロジェクトに専念することをコミットしていたため、彼自身はこのプロジェクトに参加できなかった。しかし、彼 の元で博士課程を終了した学生、デニス・メドーズをこの研究の責任者に推薦した。メドーズとその協力者によって完成されたモデルは、World 3 と呼ばれ、モデルとそ の成果は「成長の限界」として出版された。 1991 年、「成長の限界」を執筆した著者のうちの3 人が、出版20 周年を記念して、内容を発展させることを企画した。その成果は「成長を超えて」という出版物となった。 この研究のために、リバイスされたシステム・ダイナミックス・モデルはWorld 3-91 と呼ばれている。 この「限界を超えて」では、最初の研究ではできなかった棒大な数値データを揃えてはいるが、「成長の限界」に示された内容は、「ワールド・ダイナッミクス」や「成長の限 界」で示された内容と一貫性を持っている。また、この「成長の限界」で、初期に世界モデルを紹介した本に対する反論や批判に対しても、注意深く反証がなされている。 システム・ダイナッミクス・ナショナル・モデルと初等・中等教育(K-12) 1980 年代、フォレスターの師ブラウン教授は、タスコンの教育委員会の教師にシステム・ダイナッミクスを紹介した。その結果、当初、ブラウン教授が教えた中学だけで なく、学校区全体にシステム・ダイナッミクス教育が広がった。 今日、システム・ダイナミックスを部分的に取り入れているものも含め、システム・ダイナッミクス教育の教材は、シェクスピアから、経済、物理とさまざまな教科に広がっ ている。また、学校区教育委員会自身もシステム・ダイナミックスを使って、学習する組織に変貌している。
  • 55. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 55 典型的なシステムの型(システム原型) 1.目標のなし崩し目標のなし崩し目標のなし崩し目標のなし崩し(漂流する目標:Drafting Goals) • 為せば成る為さねば成らぬ何事も(成らぬは人の為さぬなりけり: 米沢藩主上杉鷹山)• 歳寒(さいかん)) の松柏(しょうはく)、松柏の操 • 精神一到何事か成さざらん• 無い袖は振れぬ• 同床異夢The horse thinks one thing, and the person that saddles it another. • 問うに落ちず語るに落ちるThe tongue is ever t n urning to the aching tooth. 目標達成のための行動をとるか、目標を下げるか。多くの場合目標が引き下げられる。そのため目標が低下し、状況は次第に悪化する。 2.問題の転嫁問題の転嫁問題の転嫁問題の転嫁(すり替え、Shifting the Burden) • 急がば回れ• 楽あれば苦あり、苦あれば楽あり• 薬より養生• 無理は禁物• 喉元過ぎれば熱さを忘れる • 木を見て森を見ずYou cannot see the woods for the trees.• 死馬の骨を買う 対症療法的解決策で症状が軽減されたり消滅したりするので、より根本的な解決から関心を遠ざけてしまうという副作用があることが多い。 3.成長の限界成長の限界成長の限界成長の限界(Limits to Success) • おごる平家は久しからず• 勝って兜の緒を締めよ• 水泡に帰す• 好事魔多し• 自慢は知恵の行き止まりWho commends himself berates himself. 成功によってシステムが限界に近づき成長が減速する。成果が低下すると、最初の成長促進行動にますます集中してしまう傾向がある。 4.成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ成功が成功を呼ぶ(Success to the Successful) • 先んずれば人を制す• 先手は万手• 機先を制する• 早い者勝ちFirst come, first served.• 泣きっ面に蜂• 弱り目に祟り目• 傷口に塩• 惚れた欲目 • 長いものには巻かれろ 成功しはじめると多くの資源を得られさらに成功が継続する可能性が高まる。成功を収めると競争相手から資源や機会を奪う。 5.逆効果の応急処置逆効果の応急処置逆効果の応急処置逆効果の応急処置(Fix That Fail) • 一難去ってまた一難• 悪事千里を走る• 悪事、身にかえる• 身から出た錆• 自業自得• 過ぎたるは及ばざるがごとし• 薬も過ぎれば毒となる 応急措置的な解決策で一時的に問題の症状は緩和されるが、しばらくすると当初の問題症状が再発したり、前よりも悪化する。 6.共有地の悲劇共有地の悲劇共有地の悲劇共有地の悲劇(Tragedy of the Commons) • 呉越同舟While the thunder lasted, two bad men were friends.• 同じ穴の貉Birds of a feather flock together.• 虻蜂取らず• 二兎を追う者は一兎をも得ず 全員が自分のために同じ行動をとった結果「共有地」に過大な負荷をかけてしまい、当事者全員の利益が減少してしまう。 7.成長と投資不足成長と投資不足成長と投資不足成長と投資不足(Growth and Underinvestment) • 備えあれば憂いなし• 霜を履んで堅氷至る• 取らぬ狸の皮算用• 郷に入りては郷に従え• 泥棒を捕らえて(見て)縄を綯う 成長に必要な投資や資源が十分に得られなかったり、そのスピードにサービス提供能力が追いつかず成長が止まってしまう。 8.エスカレーションエスカレーションエスカレーションエスカレーション(Escalation) • 目には目を歯には歯をAn eye for an eye, and a tooth for a tooth.• 隣の芝生は青い• 疑心、暗鬼を生ず• 血で血を洗うBlood will have blood. 脅威を認識した当事者Aの行動が、もう一方の当事者Bの脅威となりそれぞれが安心感を得ようと行動することが競争の拡張スパイラルとなる。
  • 56. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 56 システム原型 意図しない結末 副作用 対症療法 根本解決 制約 制限要因成果努力 目標 レベル ギャップ 目標down 圧力 実際 レベル 是正 措置 問題 症状 応急 措置 成果 基準努力 成果 制限要因 生産 能力 投資 投資必要性 Aの成功 Bの成功 Aの資源 Bの資源 Bでなく Aに配分 Aの行動 Bの行動 Aの結果 Bの結果 A脅威 B脅威 Bに対する Aの位置 資源 制約 Aの利益 Bの利益 Aの行動 Bの行動 行動の 総量 行動の 利益
  • 57. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 57 システム原型の系図 出展 ピーター・センゲ他著,柴田昌治訳;「5つの能力」,日本経済新聞社 ピーター・センゲは「システム原型」を自転車の補助輪に たとえている。解決すべき状況を理解するために、原型の どれか一つを選んで、その原型に関する教訓を適用する だけで良いと考えているのは不適切である。 ①「システム思考」という創造的なプロセスはパターン当 てはめ「多項選択式」の問題ではない。 ②標準モデルを自分で使えない人が、原型だけを扱おうと することは危険である。 原型より強力で柔軟性に富む「因果ループ図」と「ストックアンドフロ ー図」によって現実的には対応する必要がある。 1. 成長か調整か 2. 成長なら拡張循環の系図へ 3. 問題の調整や是正なら平衡循環へ 4. 現在の状況を突き止めたら、なぜ? 5. 「逆効果の応急処置」の真因は「問題の転嫁」 であることも多い 6. 「成長の限界」に関連して「成長と投資不足」 「共有地の悲劇」で新たな視点を発見することも 7. ループを加える、矢印を壊すといった介入点の 追加で戦略を追加する(レバレッジを考えて)
  • 58. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 58 Software Process Dynamics Part 1 - Fundamentals Chapter 1 - Introduction and Background Chapter 2 - The Modeling Process with System Dynamics Chapter 3 - Model Structures and Behavior for Software Processes Part 2 – Applications and Future Directions Introduction to Applications Chapters Chapter 4 - People Applications Chapter 5 - Process and Product Applications Chapter 6 - Project and Organization Applications Chapter 7 - Current and Future Directions. Appendices and References Appendix A - Introduction to Statistics of Simulation Appendix B - Annotated Bibliography Appendix C - Provided Models References
  • 59. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 59 スパイラル・ハイブリッド・プロセス 米国陸軍の次期コンバットシステムのような現場で迅速に変更できるAgileとプランドリブンの ハイブリッド型開発プロセス:3チームサイクル Increment N Baseline Future Increment BaselinesRapid Change High Assurance Agile Rebaselining for Future Increments Short, Stabilized Development of Increment N V&V of Increment N Increment N Transition/O&M Current V&V Short Development Increments Future V&V Stable Development Increments Continuous V&V ConcernsArtifacts Deferrals Foreseeable Change (Plan) ResourcesResources Increment N Baseline Future Increment BaselinesRapid Change High Assurance Agile Rebaselining for Short, Stabilized Development of Increment N V&V of Increment N Increment N Transition/O&M Current V&V Short Development Increments Future V&V Stable Development Increments Continuous V&V ConcernsArtifacts Deferrals Foreseeable Change (Plan) ResourcesResources Unforseeable Change (Adapt) 延期 ①①①① ②②②② ③③③③ Software Process Dynamics P235 ①リーン(Agile)、②プランドリブン(計画的開発)、 ③スタビライズド開発(安定的開発)
  • 60. © 2011, OGIS-RI Co., Ltd. 60 required capabilities developed capabilities V & V'ed capabilities field issues development rate V & V rate development team capability changes capability volatility rate non deferrable capability change rate to current increment deferred capability change rate to successive increments field issue rate field issue delay V &V team average change analysis effort volatility trends agile rebaselining team change deferral % V & V productivity development team allocation rate V & V team allocation rate agile rebaselining team allocation rate construction effort EAC construction schedule EAC baseline effort baseline schedule current increment development productivity Agile Team Size スパイラル・ハイブリッド・プロセス ①①①① ②②②② ③③③③ ①リーン(Agile)、②プランドリブン(計画的開発)、 ③スタビライズド開発(安定的開発)