More Related Content Similar to 「オープンソース」と「ライセンス」 Similar to 「オープンソース」と「ライセンス」 (20) More from Jun Nogata (13) 「オープンソース」と「ライセンス」2. 注意
●
著作権関係の話をしますが、
野方は法律の専門家ではな
いので具体的な事例の判断
はできません。
●
わからない事や間違ってい
ることは、どんどん指摘して
ください。
●
ツッコミ大歓迎。みんなで知
識を深めましょう。
2 姫路IT系勉強会 2012/03/17
3. 今回取り上げる範囲
●
オープンソース ( ソフトウェア ) とは
●
著作権について
●
ライセンスという考え方
●
代表的なオープンソースライセンスを見る
– GNU General Public License
– BSD(Berkeley Software Distribution) License
– Creative Commons License
●
まとめ
3 姫路IT系勉強会 2012/03/17
4. オープンソース ( ソフトウェア )
Open Source Initiative: http://www.opensource.org/ より
Open Source Initiative: http://www.opensource.org/ より
4 姫路IT系勉強会 2012/03/17
5. オープンソースというと…
ソフトウェアとコミュティ、2つの側面があります
オープンソース
ソフトウェア 開発体制
「オープンソースの定義」に合致し バザール方式の開発や
たライセンスを適用した コミュティ
ソフトウェア
今回扱うのはこっち!
5 姫路IT系勉強会 2012/03/17
6. オープンソースソフトウェア (OSS) とは
●
オープンソースを推進するために設立された
Open Source Initiative(OSI) が定めた「オープン
ソースの定義」 に合致し認定したライセンスを適
用したソフトウェア。
– 「オープンソースの定義」はDebian Free Software
Guideline を元に作成された。
●
「オープンソース」という言葉は1998 年に
Netscape 社がソースを公開する際に作った造語
– 「オープンソース」はOSI の商標です。
6 姫路IT系勉強会 2012/03/17
7. オープンソースの定義 ( 要約 )
1. 自由な再配布ができること
2. ソースコードを入手できること
3. 派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適用できること
4. 差分情報の配布を認める場合には、同一性の保持を要求してもか
まわない
5. 個人やグループを差別しないこと
6. 適用領域に基づいた差別をしないこと
7. 再配布において追加ライセンスを必要としないこと
8. 特定製品に依存しないこと
9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しないこと
10.技術的な中立を保っていること
オープンソース -- Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AA%E3%83%BC
オープンソース Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AA%E3%83%BC
%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9&oldid=38710440
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7 姫路IT系勉強会 2012/03/17
8. オープンソースソフトウェアによくある誤解
●
オープンソースって無料ソフトでしょ ?
●
オープンソースって著作権無いんでしょ ?
●
オープンソースって道楽で作っているんでしょ ?
すべてNO!
8 姫路IT系勉強会 2012/03/17
9. オープンソースソフトウエアの誤解の答え
●
オープンソースソフトウェアにお金は関係あり
ません。
– 販売もできますし無償でも配布しても構いません。
●
オープンソースソフトウェアは著作権を放棄し
ていません。
– 著作権がないとライセンスが成立しません。
●
オープンソースソフトウェアは個人でも企業で
も開発しています。
9 姫路IT系勉強会 2012/03/17
11. 著作権とは
●
著作権とは「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に
属するものを思想又は感情を創作的に表現した
物 ( 著作物 ) 」に対し、創作した人( 著作者 ) が独
占かつ排他的に利用できる権利。( 無形財産権 )
●
著作権は創作した時点で自動的に発生する。
●
著作権は著作者の死後 50 年まで存続する。
11 姫路IT系勉強会 2012/03/17
13. 知的財産権
著作権
著作権
著作権・著作者隣接権
著作権・著作者隣接権
知的財産権 産業財産権
産業財産権
知的財産権 特許権・実用新案権・意匠権・商標権
特許権・実用新案権・意匠権・商標権
その他
その他
回路配置利用権・育成者権(種苗法)・営業秘密など(不正競争防止法)
回路配置利用権・育成者権(種苗法)・営業秘密など(不正競争防止法)
文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 著作権制度の解説資料 | 知的財産権について:
文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 著作権制度の解説資料 | 知的財産権について:
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/chitekizaisanken.html
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/chitekizaisanken.html
13 姫路IT系勉強会 2012/03/17
14. 著作権の中身
著作権
著作権
著作者人格権
著作者人格権 著作財産権
著作財産権
著作者としての権利。譲渡不可。
著作者としての権利。譲渡不可。 財産権としての権利。譲渡可。
財産権としての権利。譲渡可。
公表権, 氏名表示権, 同一性保持権 複製権, 貸与権, 翻訳・翻案権など
14 姫路IT系勉強会 2012/03/17
16. ライセンスとは
●
それなしでは違反することに対して許可を与え
ること。
●
著作権でいうと
– 著作権を持った人 ( ライセンサー ) が、それを使用し
たい人 ( ライセンシー ) に使用方法や金額などの条
件を定め使用を許諾する契約
16 姫路IT系勉強会 2012/03/17
17. つまりこんな感じ
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \
/ \ / \ よくぞこの勉強会にきた
/ ⌒ ⌒ \ この作品を使う権利を許諾しよう
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / ☆
/ヽ、--ー、__,-‐´ \─/
/ > ヽ▼●▼<\ ||ー、.
/ ヽ、 \ i |。| |/ ヽ (ニ、`ヽ.
.l ヽ l |。| | r-、y `ニ ノ \
l | |ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--' / オープナ /|
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______
/ ̄オプーナ/|  ̄|__」/_オープナ /| ̄|__,」___ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/オープナ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄|/ オプーナ /| / .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
17 姫路IT系勉強会 2012/03/17
18. オープンソースライセンスでいうと
●
著作権を持った人が、自由に利用してもらうため
の利用方法を定め、利用を許諾する契約
18 姫路IT系勉強会 2012/03/17
20. GNU General Public License
http://www.gnu.org/graphics/agnuhead.html より
20 姫路IT系勉強会 2012/03/17
21. GNU General Public License とは
●
GNU 一般公衆利用許諾契約書 (GNU General Public License)
●
フリー ( 自由な ) ソフトウェアのために作られたライセンス。
●
コピーレフト (Copyleft) である。
– 利用、改変、再配布が自由にできる/ 制限してはいけない。
– 再配布をする場合には元の情報も含める。
– 派生物に同じライセンスが適用される。
●
バージョンがあり最新バージョンは GPLv3
– GPLv2 と GPLv3 には互換性はない。
21 姫路IT系勉強会 2012/03/17
22. LGPL/Affero GPL
●
GNU 劣等一般公衆使用許諾契約書 (GNU Lesser General
Public License/LGPL)
– 当初、ライブラリなどを念頭に置かれて作られたライセンス。
– 動的なリンクで利用する場合はライセンスは伝播しない。
– 派生物もしくは静的なリンクで利用する場合は、リバースエンジニアリン
グの許可をしなければいけない。
●
GNU Affero General Public License
– Web サービスとして公開すると GPL が適用されない問題を念頭に置いて
作られたライセンス。
– Web サービスのユーザーもソースコードを入手できるようにしなければ
ならない。
– GPL3 の草案には入っていたが最終的には分離。
22 姫路IT系勉強会 2012/03/17
24. BSD License とは
●
BSD 系 UNIX でよく使われるシンプルなライセ
ンス。
●
著作権表示、条件一覧、免責事項を提示すればバ
イナリ、ソース問わず配布できる。
●
古い BSD ライセンス (4 項 BSD ライセンス ) に
あった 「謝辞を必ず入れなければいけない」 とい
う宣伝条項は正式に廃止されている。
24 姫路IT系勉強会 2012/03/17
25. GPL と BSD ライセンスどちらが良いのか
●
常に「公共」に置きたい/ コントロールしたいのであれば
GPL
– BSD ライセンスは緩いので良い。と言われますがBSD ライセ
ンスはタダ乗りされます。
●
面倒ならば BSD ライセンス
– 個人的にはそこまでなら Public Domain にしたほうが潔いと
思う。
●
派生物なら元のライセンスと同じにする
– BSD ライセンスの場合も元と同じライセンスにしたほうが扱
いやすい。
25 姫路IT系勉強会 2012/03/17
27. Creative Commons とは
●
ローレンス・レッシグをはじめサイバー法と知的財産
件の専門家らが発起人となり、 自由な文化の促進を目
指し 2001 年設立した非営利団体。
●
著作権において柔軟な作品利用を足すライセンス「ク
リエイティブ・コモンズライセンス」を定義し管理し
ている。
●
日本にはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンがあり
活動している。
27 姫路IT系勉強会 2012/03/17
28. Creative Commons License の特徴
●
メディアでの使用を中心に考えて作られたライセンス。
●
マークによる識別で法律の専門家でなくても何が許諾
されているかわかる。
●
国ごとの著作権法のもとで許諾内容を法的に担保する
ライセンス条項。
●
RDF による機械可読可能なメタデータ。
28 姫路IT系勉強会 2012/03/17
29. Creative Commons の基本的な使い方
4つの基準からなり、必須の「表示」 3つの基準の中から選択すると
と
自動的にライセンスが決定されます。
[表示] [継承] [改変禁止]
[非営利]
Share Alike No Derivative Works
Attribution Non Commercial
(必須) (選択) (選択)
(選択)
作者名を表示し 作った作品は同じ 営利目的に使用し 作品を
てください ライセンスにして ないでください 改変しないで
ください ください
29 姫路IT系勉強会 2012/03/17
30. Creative Commons License の種類
クリエイティブコモンズライセンスの組み合わせは6種類あります。
(組み合わせ的には6種類以上作れますが、廃止されました。)
一番厳しいものはBY-NC-ND。一番ゆるいものはBYになります
DFSGに合致するのはここまで
独占 共有
30 姫路IT系勉強会 2012/03/17
31. Creative Commons ライセンスまとめ
●
写真やイラスト、音楽などにライセンスを適用し
て配布するなら使いやすい。
– メディアに GPL を適用するとソースはどれなのかわ
からないし、GFDL は印刷物には使いづらい。
●
NC や ND の制限は、制限の範囲は決まっていな
いので適用する場合は注意すること。
32. まとめ
32 姫路IT系勉強会 2012/03/17
33. 独自ライセンスを利用する場合の問題
●
個々が法的に問題がないライセンスを書くこと
は、とてつもな労力が必要。
●
ソフトウェアを組み合わせて利用する場合、独自
のライセンスを利用していると整合性を取りづ
らい。
– 「ライセンスの衝突」が起こりやすくなる
33 姫路IT系勉強会 2012/03/17
34. オープンソースライセンスを利用する利点
●
法的に矛盾が少ないライセンスが利用できる。
– 問題点をはっきりさせやすい。
●
定型化されたライセンスを使うとライセンスを
読み直す手間が省け、ソフトウェアを組み合わせ
て利用しやすい。
34 姫路IT系勉強会 2012/03/17
35. 必要以上に怖がる必要はない
●
自分が作ったものではないソフトウェアを利用
する際に気をつけることは、プロプライエタリ
( 独占的な ) ソフトウェアであろうとオープン
ソースソフトウェアであろうと同じ。
– 商用ソフトウェアのライセンスは無視して使いませ
んよね ?
35 姫路IT系勉強会 2012/03/17
36. 最後に
●
オープンソースソフトウェアは著作権の上に成
り立っています。
●
有償 / 無償は関係ありません。
●
フリーは「自由」。
37. スライドで使用した写真
Creative Commons License Attribution 2.0 Generic
http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/deed.en
copy copy copy copy copy copy copy copy copy copy copy copy copy copy
http://www.flickr.com/photos/bettyx1138/1340848303/
Paula writes the diary
http://www.flickr.com/photos/adjourned/481925758/
Sing from above
http://www.flickr.com/photos/nanderson/20411754/
Fontaine Anderson Illustration
http://www.flickr.com/photos/decor8/2213226881/
Writing writing writing...
http://www.flickr.com/photos/dbdbrobot/140068142/
S.C. Drives License
http://www.flickr.com/photos/khawkins04/6191014619/
IXS_8095
http://www.flickr.com/photos/acme/3887508762/