ゲームシナリオ構成論
http://www.slideshare.net/nyaakobayashi/ss-12559078
用に作成した、『天空の城ラピュタ』のエピソード構成表。
ラピュタがきちんと三幕構成で出来ているのがわかります。
ゲームシナリオ構成論にも書いた件ですが、『ラピュタ』の三幕構成はしっかりしていて、これがテーマをきちんと支えているんだけど、おそらく宮崎さんが最初に志していた「血沸き肉躍る冒険映画」よりはもっと対象年齢が上がってしまった理由も、この構成をみるとよくわかります。
それはミッドポイントが、「二人の主人公がラピュタに向かう決心をする」というところにあります。もし本来通り「伝説の浮島・ラピュタを舞台に冒険映画」を描きたかったのならば、このミッドポイントは「二人の主人公がラピュタに到着する」のほうがふさわしい。
つまりこの映画は、我々の世界とも繋がるパズー達が普段生きている常識的な世界に、お伽話の世界の島である「ラピュタ」を登場させるのにものすごく時間がかかっているということです。これが、ひょうたん島だったらいきなりあればいいのですが、ラピュタはそこを丁寧に描いたぶんだけ、テーマが子ども向きではなく大人向きになってしまったともいえます。
三幕構成のチェックは、このようにエピソードの配置を変えてみることで、どこを切り詰めて、逆にどこを膨らませるべきか、わかるところにあります。エピソードの配置によって、伝えられるテーマが大幅に変わってしまうということも面白いところでしょう。