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楽天の プラットフォーム構築事例
~ ( 化)の取り組み~
令和元年 7月 5日
楽天株式会社
コーポレート情報技術部
内藤 しのぶ・山原 久範
2
アジェンダ
 会社紹介
 RPA導入経緯
 RPAツール選定
 ロボット構築実績の推移
 運用体制の紹介
 RPAの開発モデル
 RPAの定着に向けた取り組み
 今後の取り組み
3
楽天株式会社 コーポレート情報技術部
プロセス&プランニング課
内藤しのぶ
米国の大学・大学院を卒業後、
外資系コンサルティング会社に入社。
外資系生命保険会社を経て、
2009年に楽天株式会社入社。
楽天のクーポンサービス(ラ・クーポン)の立ち上げ、
基幹システムであるメンバーシップや、
楽天スーパーポイントの開発・運用を経験した後に、
現在のプロセス改善系業務に従事。
生産性改善の一環で、
RPAの立ち上げをリードすることとなり、現在に至る。
プロフィール
4
創業から22年
70以上の事業展開
世界30ヶ国・地域に広がるビジネス
世界12億超のグループサービス利用者数
グローバル年間流通総額 15.4兆円
会社紹介 楽天の事業展開
5
さまざまなサービスを、
メンバーシップを軸に結び付けることで、
独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成
会社紹介 楽天エコシステム
6
会社紹介 楽天の
それぞれのサービスをそれぞれのITチームが支えています。
社員数:およそ17,000名
内ITに携わっている社員数:およそ2,500名
(余談:世界70カ国・地域から人材が集まっています。)
7
サブタイトル: の取組みについて
300
400
500
600
700
800
900
2010/9 2011/9 2012/9 2013/9 2014/9 2015/9
ある社員のTOEICスコア
においても高い目標を…
1,000人月削減を目指します!
• 2010年から社内公用語英語化スタート
(Englishnization)
• ターゲットスコア800点
• 2018年3月末時点のTOEIC平均スコア
838.2点*
*2018年3月末時点
300点台のスコアが800点に!やればできることを証明?!
8
導入経緯 背景
2017年に、
Vision 2020 (中期経営戦略)を達成するために改善活動によって生産性を上げていこ
うという取り組みが全社的に展開されました。
その一環として、
新しいテクノロジー(AIやRPAなど)を活用し、付加価値の高いビジネスにシフトする、
という取り組みが始まりました。
[出典]2016アニュアルレポート
https://corp.rakuten.co.jp/investors/documents/annual.html
9
導入経緯 導入ステップ
年 年
調査
推進
組織
立ち上げ
パイロット
実施
プラット
フォーム
サービス
提供開始
サービス
ロンチ
ツール
選定 アサイン業務選定
組織
立ち上げ
10
ツール選定
非機能要件
製品 説明
ガバナンス ◎ 〇
標準機能で稼働状態 ユーザを集中管理できる
製品 は追加モジュール購入で実現可能
保守性 ◎ 〇
はデバッグが容易なためエンジニアの
親和性高い
再利用 ◎ 〇
はプログラミングにより多様なアプリ
ケーションを開発でき再利用が容易である。
開発難易度 〇 ◎ は製品 に比べ構築難易度は高い
ソース管理 ◎ 〇
純正機能で構成管理可能。製品 だと別ソリュー
ションとのインテグレーション必要。
※ 年 月時点の評価
ツールとして基本機能を比較したが と製品 に大差はなかった。
しかし 非機能面において評価が分かれ の採用を決定。
基本機能 ○ ○ 製品 は に非対応機能要件
製品
クライアント型
〇
〇
〇
◎
〇
×
コスト ◎ ×
開発環境数が多いため のライセンス体
系がよかった。×
11
プラットフォームの構築 ロボット構築実績の推移
は運用サイクルを回しつつ プロセス改善を行うことで ロボットの構築を達成。
0 1 3
6
9
23
31
45
63
67
79
101
0
50
100
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
プラットフォーム
ローンチ
ユーザとのコミュニケーションロ
スによるクレーム発生。
新プロセス
運用開始
初年度の は ロボット
12
現場担当からの報告
13
楽天株式会社 コーポレート情報技術部
プロセス&プランニング課
RPA導入推進グループ
山原 久範
国内の大学を卒業後、国内の大手ゲーム会社を経て
2000年に楽天株式会社に入社。
楽天ブックスの立ち上げ後、プロデューサーとして、
楽天ダイニング、楽天デリバリー等の新サービスを担当。
現在の部署(コーポレート情報技術部)への異動後は、
SharePointを用いた社内ポータルサイトの立ち上げなど
を担当し、2017年11月からRPA導入担当し現在に至る。
プロフィール
14
運用体制について
15
RPA推進体制 (発足当初)
当初は つのサブチームを運用していたが、①スキル不足、②リソース不足、③曖昧なロール
定義、④品質管理プロセスの形骸化などでプロジェクト遅延が発生するようになった。
① スキル不足
の経験が乏しいメンバーに
よる自動化後の業務プロセス定義、開発
② リソース不足
案件数増加に伴い開発リソース不足
③ 曖昧なロール定義
チーム間、チーム内のロールが曖昧でタス
ク間の引継ぎが出来ていなかった
④ 品質管理プロセスの形骸化
口頭で仕様説明、設計書の記載粒度も
属人化していた。
当初体制の課題
1 2 33 43 1
16
RPA推進体制 (現在)
推進体制は社員 名 協力会社 名 オンサイト 名 オフサイト 名 。
つのサブチーム で構成。
17
RPA開発モデルについて
18
開発モデル 開発モデル
・主にエンジニアリソースを持っていない部署を対象に
・コーポレート情報技術部のエンジニアリソースで
・ロボットを開発します。
・依頼元にはドキュメント作成などを担当いただきま
す。
・リクエストが多く待ち時間が発生することがあり、
・全てのリクエストにお応えできない場合があります。
間接部門 (人事/総務/経理 etc)向け 事業部門向け
・エンジニアリソースをお持ちの部署に
・BluePrismの開発環境を提供します。
・自部署のリソースでロボット開発を進めます。
・開発標準を定めたドキュメントを提供します。
・E-Learning や Hand-On研修 などの
・コンテンツも用意しています。
・開発者向けに「Devサポート」も提供します。
RPA開発モデル
19
RPA開発モデル
要件定義 設計 ロボット開発 テスト リリース 運用
コーポレート情報技術部主導
事業部主導 コーポレート情報技術部主導
リリース以降のタスクを
「コーポレート情報技術部」が担うことで
ロボットの品質向上と、統制管理が可能に
(野良ロボットの防止)
20
RPA開発モデル
要件定義 設計 ロボット開発 テスト リリース 運用
IPA Initial Process Analysis 初期プロセス分析
PDD Process Definition Document プロセス定義文書
FRQ Functional Requirement Questionnaire 機能要件分析
SDD Solution Design Document ソリューション設計文書
OID Operation Impact Document 運用上の影響に関する文書
PDI Process Design Instruction プロセス設計手順書
ODI Object Design Instruction オブジェクト設定手順書
21
RPA開発モデル(CoE)
コーポレート情報技術部メンバーのタスクをプロセスごとに見える化し,作業責任を明確化。
要件定義 設計 ロボット開発 テスト リリース 運用
凡例
22
RPA開発モデル(FED)
FEDモデルでは要件定義から開発・テストまでを事業部がメインで実施。RPAチームはリリー
ス以降をメインで担当。
要件定義 設計 ロボット開発 テスト リリース 運用
凡例
23
① ⑧② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
① 社内ポータルサイトからリクエスト登録
② 依頼元にヒアリングをして「IPA」を作成
③ RPAプロジェクト内で「IPA」をもとに、実施可否とスケジュール検討
④ ドキュメント作成
⑤ ドキュメントのレビュー
⑥ 開発
⑦ UAT(ユーザー受け入れテスト)
⑧ 本番環境へのリリース
依頼元タスク
CITDタスク
共通タスク
1w-2w 1w-3w 2w-4w
開発モデルの進め方
24
開発モデル フォーマット
1. Hearing Detail
Date YYYY/MM/DD
No. Participant Department Email Address Role
1 SME
2 Producer
2. Process Requirement
3. Exceptions and Referrals
4. Case Volumes and Process Metrics
No. Point of View Answer
1 Execution Frequency (per month) 20
2 Effort Required (in hours/time) 2
3 Number of Operators (in person) 3
4 Total Effort Required (in hours/month) 120
5. Proposed Blue Prism Solution
5.1 Prerequisites & Assumptions
6. Environment Considerations
7. Estimates
7.1 Delivery
7.2 Production Operation
8. Business Benefit Categories
9. Initial Process Analysis Summary
No. Factor Rating
1 Business Process Definition 1
2 Existing Operation Document 1
3 Subject Matter Expert 1
4 Business Process Change Frequency 1
5 Process Complexity 1
6 Host Application Technology 1
7 Host System Stability 1
8 Exception Handling 1
9 Resilience 1
10 Applications Constraints 1
11 Re-use of existing components 2
12 Test Data Availability 1
10. Initial Process Analysis Result
No. Point of View Value
1 推定製造原価 ¥1,058,532
2 ROI*1 3.74
Comment
現在の作業頻度や担当者数などの工数情報
計算式でROIを自動集計
25
優先順位の高くなる案件例
・会社として優先度の高い案件 (社長案件 / MNO案件)
・ROIやRPAにより削減工数が大きい案件
・横展開が見込まれる案件
優先順位の低くなる案件例
・着手済みとなっている同一部門からの依頼がある場合
・作業頻度が低い / ROIが低い / 削減工数が小さい案件
・作業に関するマニュアルが整備されていない案件
・作業担当者が不在の案件
・開発のための環境や、テストデータが存在していない案件
・RPA以外の方法 (例えばExcelのマクロ機能など)で自動化が可能な案件
開発モデルの案件選定
26
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
2w-4w 2w-4w
BluePrism環境提供
① RPAポータルサイトからリクエスト登録
② 開発者が Hands-On研修 に参加
③ BluePrism 開発環境提供
BluePrism環境提供 ロボット開発
開発モデルの進め方
ロボット開発
④ 開発環境にてロボット開発
④ ・VBOリクエスト / DEVサポート
⑤ 検証環境リリース (UAT実施)
⑥ 本番環境リリース
依頼元タスク
CITDタスク
27
開発モデルのサポート
製品説明会
Hands-On研修
Part 1
Hands-On研修
Part 2
E-Learning
Advance
Training
対象者 全員 開発者
開発者
(Seniorクラス)
提供方法 講習 E-Learning 社外研修
時間 1時間 3時間 3時間 30-40時間 80時間
コンテンツ RPA概要説明
開発者および開発関係者
Sandbox環境での実習
BluePrism開発の基礎知識習得 BluePrism社提供
・毎月1回開催
・20名前後が参加
・累計で200名近くが受講済み
・隔月で英語版も開催
28
Blue Prism User Community Meet Up
2018/10/22
@楽天本社
開発モデル 開発者表彰制度
29
開発環境を提供済み
BluePrismの開発に従事
開発モデルの現状
30
RPA定着に向けた取り組み
31
定着に向けた取組み
ヘルプデスクや
ポータルサイト
開設
開発標準ドキュメント
テンプレート提供
Workshop
社内表彰開催
トレーニング
コンテンツ開発
プロモーション
イベント開催
32
ポータルサイト
開発依頼
フォーム
研修で利用した
ドキュメント・
ビデオ動画
全グループスタッフが利用する「社内ポータルサイト」にRPAのポータルサイトを構築
33
様と共同でのプロモーション活動
2019/03/25 – 03/29
@楽天本社 社員食堂
34
様と共同でのプロモーション活動
販促チラシ5000枚を配布・合計16回のRPA説明会を開催
35
様と共同でのプロモーション活動
社内ポータルサイトを
RPAイベント(RPA Week)で
デザイン変更
36
プロモーションイベント効果
12
14
4
3
6
19
11
12
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
2018/10 2018/11 2018/12 2019/1 2019/2 2019/3 2019/4 2019/5
リクエスト停滞期
プロモーション開催
プロモーションイベント後 月平均15件 の CoEリクエスト が入るようになる
37
今後のプロモーション
地方拠点でのRPA説明会・開発者向け研修の開催
(まずは大阪と仙台で開催)
海外個社のRPA対応
38
今後の取り組み
39
今後の取り組み 高度なプラットフォームを目指して
サービス戦略
サービス設計
サービス移行サービス運用
継続的
サービス改善
サービス戦略
サービス設計
サービスリリース運用
改善活動
40
今後の取り組み 運用改善例
スケジューラ
目視監視
スケジューラ
自動監視
プロセス
運用
インドへ移管済
監視方法検証中
インドオペレーションセンターを活用した 24×365運用体制の実現
運用設計に基づい
たプロセス再実行
バックオフィスメイン バックオフィス+プロダクションサービス業務
平日 09:00 - 18:00 サポート 24時間 365日 サポート
41
今後の取り組み 共通利用可能なオブジェクト開発
汎用性の高いアクションをコーポレート情報技術部が収集して共通利用可能なライブラリとし
て提供することでロボット開発生産性向上に繋げる
共通ファンクションを活用
汎用性の高いアクション
を収集し共通ファンクション化
:開発ファンクション
凡例
:共通ファンクション
42
最後に
43
定常化した業務を自動化対象
名ばかり業務担当者に注意
ドキュメント作業は生命線
しっかり期待値コントロール
何事も慣れが必要
44
ご清聴ありがとうございました。
楽天のRPAプラットフォーム構築事例

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