5. ソフトウェア品質シンポジウム2012 併設チュートリアル 配布資料
4.スクラム : 最も普及したアジャイル・チーム・マネジメントの枠組み
スクラムはアジャイルのチームマネジメントのフレームワークとして、現在、最も普及し
ている手法です。90年代前半に、ジェフ・サザーランドとケン・シュウェイバーによって
作られ、96年に発表されました。この両名もアジャイルマニフェストの策定に参加してい
ます。スクラムは技術的なプラクティスを一切削ぎ落とし、チーム・マネジメントに
フォーカスしたプラクティスのみを残した フレームワーク としました。その結果、様々
な分野/プロダクトで利用可能な汎用性を持っています。
また、スクラムが参考にした論文の一つに、 日本人の竹内弘高・野中郁次郎の The
New New Product Development Game (1986) があります。これはホンダやキャノ
ン、富士ゼロックスの新製品開発の事例を研究したものです。従来の開発工程をフェーズ
毎に明確に区切るプロセスに対し、開発工程をオーバーラップさせ、全体を1チームとし
て作業を進める過程を採用していました。竹内と野中は論文中でその過程をラグビーの
「スクラム」と表現しました。
The New New Product Development Game Hirotaka Takeuchi, Ikujiro Nonaka (1986)