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20160320 BLE4.2勉強会 MakerLab Nagoya
- 4. Bluetooth Low Energyの基本
• 数ある超低消費電力無線通信技術の1つ
• コイン型電池で年単位の無線通信が可能
• 利用場面: 心拍計など(1秒に数バイト)
• 通信相手: Bluetoothブランド、iPhoneによる普及
• つながるための構成要素
• 無線: パケットをやり取りする部分 (物理層、リンク層)
• 利用: 意味あるデータをやり取りする部分 (ATT/GATT)
• 所有: セキュリティ・マネージメント (認証、認可)
- 7. Bluetooth Low Energy
• Bluetooth 3.0とは物理層から異なる技術
• 超低消費電力無線通信
• コイン型電池1つで年単位の無線通信
• 電池交換不要、使い捨て、低コスト、ウェアブル、スマートフォン向き
• 無線通信のタイミングを合わせることで、消費電力極小
• 2.4GHzのプロセッサの消費電力を想像してみて
• ストリーミングではなく、イベントドリブン的なデータ通信
• 低頻度(1秒に1~50回)、1パケットで少量のデータ(20バイトくらい)
• レイテンシは20ミリ秒以下、データレートは 5 ~ 10 kバイト/秒 以下
• 通信距離、 最大で 50メートル くらい
- 11. 余談 : 通信の工夫
• チャネルごとに
• 送信、受信をおこなう
• チャネルを切り替える
• 何回か応答がなければ、切断
パケット
t受信
t
ペリフェラル
セントラル 返信
受信
- 13. ものの、モデル化の考え方(1/2)
• オブジェクト指向
• もの、のデータベースには何があるか
• 外界の情報: 気温、湿度…
• 制御指示: 冷暖房モード、設定温度
• 内部状態: コンプレッサ出力、風量出力
• データベースだけか?
• 機能: もの、が持つ機能
• ふるまい(プロファイル): もの、と操作
するもの、が織りなす
外気温
運転モード
コンプレッサ出力
・
・
エアコン
エアコン
センサー
外気温、湿度
制御とメカ
運転モード
コンプレッサ
アラート
ブザー、音声
点灯、表示器
- 14. ものの、モデル化の考え方(2/2)
• この世に、エアコン、なんてない
• 人間から見たエアコン
• 家庭用、ビル用空調、自動車のエアコン
• かならずしもない機能、オプション指定?
• 構成要素が異なる、機種ごとにモデル化?
• エアコン、は人間の思い込みであり錯覚
• ネットワークから見たエアコン
• 構成要素でモデル化
• BLEでのモデル化
• 独立した、分割不可能(アトミック)な機能単位
外気温
運転モード
コンプレッサ出力
・
・
エアコン
エアコン
センサー
外気温、湿度
制御とメカ
運転モード
コンプレッサ
アラート
ブザー、音声
点灯、表示器
- 15. サービスとキャラクタリスティクス
• サービス
• キャラクタリスティクスの集合
• アトミックな機能の単位
• キャラクタリスティクス
• データ
• 読み書き
• 変更の通知 (通知取得をONにすれば)
• オプショナルなキャラクタリスティクス
• 書き込み = 運転指示
• 内部状態 = 読み込みのみ
• アラートレベル:ある程度抽象的
エアコンという、データベース
外環境のセンサーサービス
室内気温
室内湿度
室外機気温
冷暖房機のサービス
運転モード
コンプレッサ出力
アラートレベル
アラートのON/OFF
アラートサービス
- 16. セキュリティマネージャ
• セキュリティ: プライバシーの保護、所有や利用の権利を守る
• ペアリング、ボンディング。この2つは別のこと
• ペアリング: 暗号化に必要な鍵を交換すること
• ボンディングをしていれば、暗号化の鍵を保存して接続状態を復元できる
• すぐつながって、すぐ使える。デバイス間で接続を許す (PINコード、NFC)
• 共有鍵方式、公開鍵方式
• 4.0は共有鍵、4.1以降で公開鍵
• セキュリティマネージャはホスト側にある
• ソフトウェア的に実装できる
• ハードウェア実装ではない
- 17. BLEのまとめ• 数ある超低消費電力無線技術の1つ
• 通信相手はiPhone, アプリ開発可能、カスタム・プロファイル
• 多種多様なハードウェアを表現
• 電池交換の問題, 機能と振る舞いの分離、カスタムを許容する
• ユーザ体験
• ブロードキャスト、バックグラウンドモード、iBeacon
• 共存を許す (L2CAP Connection Oriented Channels)
• GATT(サービス)
• HomeKit
• IPv6対応の何か
• スマホ1つと、ルータを組み合わせて、が共存できる
• 物理層はハードウェア、ならば多様性があるならそれでいいじゃない
www.digikey.jp/ja/articles/techzone/2011/dec/bluetooth-goes-ultra-low-power
- 20. アプセサリ
• Application + Accessory = Appcessory
• iOSアプリ、ウェブ・アプリ… ハード単体ではないのは、あきら
か
• 何がアプリケーションなのか?
• ハードウェアの形をしたサービス
• サービスを成り立たせる要素
• 人との繋がり, 自分の蓄積されたデータ
• ハードウェアは、理解できる”もの"であること
• 万歩計、メガネ、腕時計
• SFなどで、大昔の以前から言われていたはずの世界なのに
• アプせサリという単語は、BLEを使う中から生まれてきた
- 21. http://fun-iki.com
雰囲気メガネ
• ハードウェアの機能
• 入力: 加速度、照度(紫外線)、押しボタン
• 出力: LED、スピーカ
• ユーザから見た機能
• 通知同期、アプリ操作で光と音出力
• ハードウェアとしては、しょぼい
• 電池と価格、物理的な大きさ
• 一貫した概念
• “雰囲気”、外側にあるもの、感覚器
• 主語:自分、目的:感じ取る、状況:日常生活
• 目に見えない世界を感じ取る?
- 22. メガネ系デバイスを題材に
• ウエアラブルの無意味さ
• 日常的に装着、他人が見て不気味ではない
• メガネ、顔、人間の入出力センサに近い、装着習慣
• 高機能と付加価値と高価格
• 違う名詞は違うもの。大小で比較できるものではない
• ハードウェアとして、できることは、誰がやっても、おなじになる。コピーも容易
• ハードウェアから発想すれば、それはゴミですらない (100円ショップの商品)
• 会社のトップ直結で動かんと、意味がない
• 開発資金、方向性 (王様のアイディアではなく)。流通、販売網 (現実っぽさ)
• 正しい問題設定が全て
• 哲学、思想、なにをよしとするか、それが勝負な気がする
• 技術による囲い込みは、できない。現実の技術、BLE、作れるものは、電池と価格制約
• 正しい問題を設定して、方向とお金を与えれば、あとは頭のいいやつが、なんとかする
- 23. ハードウェアは正しくゴミになるべきである
• サービスとして、末端に見えるハードウェア
• 1年毎のモデルチェンジ -> サービス利用料を含む販売価格
• アカウントと紐づく蓄積データや人のつながり、利用し続ける理由
• ハードウェアの製造原価を販売価格の理由にしない商売
• iPhone。新製品にアカウント設定すれば数分で”自分のiPhone”に
• コピー可能なハードウェアから、コピー不可能なシステムな世界へ
• 技術での囲い込みは、不可能。ハードはコピー可能
• ネット側のクラウドと連携するハードウェア → クラウドはコピーできない
• 硬いセキュリティ
• コピーできないものが排他的な資源。ハードはコピーできる
- 25. ネット側から世界を動かす
• メガネの経験
• ネット側からのなにかで、人が動く。人が動く、つまり世界が動く。
• Google経路検索通りに移動
• 誰が考えても同じ結果になるものは、自動化
• 広告収益 = 人や会社の購買活動にちょっと影響を与えること
• 人の考え方、文化習慣まで変質させうる
• スマートホームとその現在の現実
• 30年前の亡霊に、つきあう義理はない。壁掛けテレビのように。
• わかりやすいデモの呪い、スマホで遠隔操作とか
• ネットから世界を動かす、ネットから世界が動かせているか
• 国の課題とその対処
• 少子高齢化、筋肉資源の減少 → 人工知能+動力 (車はアクチュエータ、自動運転)
• 働くことは、考えない筋肉資源になることになりそう、働いたら負けだと思う
• 人との直接サービスは、最後まで人が対応するものとして残る
• 人の時間という資源量。人口は増えないなら、その限られた資源の発掘と利用効率向上
- 28. IoTってなんぞ?
• ちょっとdisってみましょう (憎しみに嘘はないだろうから)
• 今は誰も欲しがらない、何か
• 接続形態: 人~人の次へ、もの~インターネット
• 排他的資源: 通信インフラは整備、技術的差別要素はない、アカウント
• どんつまりからの発想
• 既存インフラ企業の売り込み営業
• 人と人から、人と(ぼんやりとした)ものの連携
• 今使える技術からの発想
• 業務効率改善ツール
• 既存市場に食い込む試行錯誤
• ウェブ黎明期: e-コマース、旅行代理店業
- 35. アプセサリ
• Application + Accessory = Appcessory
• iOSアプリ、ウェブ・アプリ… ハード単体ではないのは、あきらか
• 何がアプリケーションなのか?
• ソーシャルメディアを通じた繋がり
• 蓄積したデータ
• 人間のそばにある何かの魅力の1つは、時間が鍵であろうと
• その個人の(時間をかけて蓄積した)データ
• 人脈も時間をかけて蓄積した関係性だよな
• サービス利用者全体のデータ(から統計で得られる何か)
• サービス全体の通算利用時間に比例するよね
• 理解できる”もの"であること
• 万歩計、フィットネス体験から入るのは、いいよな
- 36. データの見えざる手: ウエアラブルセンサ
が明かす人間・組織・社会の法則
• 矢野和男 (著)
• http://www.amazon.co.jp/gp/product/47942
20685/
• https://www.facebook.com/yano.labo
• 東工大 知能システム科学専攻
• http://www.dis.titech.ac.jp/special/yano.htm
l
• 一見して価値がわからないデータ群から意味
を引き出す
• BLEデバイスでできることは同じ。強みは普
及率。絶対にほしい差別化付加価値の要素
Editor's Notes
- もちろん、通信にも電力消費を小さくする工夫が入っています。回路の消費電力は2つ、高周波回路を動かしているとき、マイコン(プログラムを実行する小さい中央処理回路)を動かした時、です。
この回路自体の消費電力を劇的に下げる魔法の技術はありません。そんな魔法があったら、インテルのCPUは電池1本で動いてるはずです。
ですから、”いかに動く時間を短くするか”、”動かなくていい時間は電源を食わないように眠らせるか”、が工夫になります。
あるチャネルでペリフェラルとセントラルとの通信を見てみます。
接続した時点で、セントラルとペリフェラルは、どのタイミングで、どのチャネルで、通信のやりとりをするかを、示し合わせています。
決まった時間になれば、セントラルは受信待機をします。ペリフェラルは(送信すべきデータがあれば)パケットを送信し、セントラルはそれに返信します。
このように、タイミングを合わせて、受信/送信をしたら直ちに眠る、ことでBTLEの超低消費電力が実現できているわけです。
そして、応答がなければ切断とみなす、という割り切りの良さも良い工夫です。常時接続していることにこだわると、切断したら、本当に切れたか確認したり、再接続しようとしたりと、複雑な仕組みが入ってきます。
これは講習うは回路とマイコンの処理時間を増やします。BTLEは、応答がなければ切断、またアドバタイズメントパケットを送ってくるだろう、というシンプルかつ必要十分なしくみです。
チェックポイント
□ BTLEの超低消費電力は、素早く送信/受信、素早く眠る、ことで実現しています
□ 応答がなければ切断とみなす、割り切ったシンプルな設計です