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確率ロボティクス第三回

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ベイズ推定の一般論。

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確率ロボティクス第三回

  1. 1. 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 第3回 上田隆一
  2. 2. 本日の内容 • 前回の補遺 – ジャイロを使ったデッドレコニングの修正の計算 – bel – 乱数の話 • センサ情報の扱い Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 2
  3. 3. ジャイロを使ったデッドレコニングの修正 の計算 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 3
  4. 4. パーティクルによるbelの表現 • belというのは形の定まらない関数 – belの値の大きいところに パーティクルが集まるようにして belを近似表現する • パーティクルからの確率の求め方 – 右の例: 空間X中にロボットが 存在する確率は、10個のうちの3個が X内にあるので30% – 実際のパーティクルは重みをパラメータ に持つので実際は重み付き平均 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 4
  5. 5. 乱数の実装 • かなりの個数の乱数を使うので、乱数が 一巡しないように気をつける – Linuxやその他UNIXベースのOSなら /dev/urandomを使って生成(一巡しない) • 標準正規分布は0〜1までの乱数を12個足して6を 引くと得られる(あくまで近似だけど) • 高速処理が必要な時は、ロボットを動かす前に 必要な個数の乱数を配列に入れて使う Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 5
  6. 6. センサ値の扱い • センサ(外界センサ): 環境の情報を 内界に取り込むためのもの • 取り込んだ情報を位置推定に反映すると 推定の不確かさが減る – どうやって? – 情報ってなんだろう? Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 6
  7. 7. 情報を位置情報へ反映する例 (人間の場合) • 問題 – 国内を放浪している兄から夜中に電話。居酒屋にいるら しく、酔っぱらいの関西訛りの声が聞こえる。 – 翌午前中、また電話。始発から普通列車で移動してきて、 着いた先でケンカに巻き込まれて拳銃で撃たれたが 軽傷とのこと。 – さて、お兄さんは何県にいるでしょうか? いくつか候補をあげてみましょう。 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 7
  8. 8. この例のポイント • 位置情報とは直接関係ない情報から、 位置がなんとなく推定できる/推定してしまう – 正しい時もあるし、間違いの時もある • 我々はなぜ位置情報を推定できるのか – 「言葉の訛り」、「拳銃」という言葉に対する イメージ(ある種の偏見)から特定の県への変換を行っている • 本日の内容: (同じかどうかは分からないが)このような 変換をロボットに実装 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 8
  9. 9. ベイズ推定 • 先ほどの例と関連していそうな枠組みの一つ • ベイズの公式(離散) – A: 推定したい物事 – B: 入ってきた情報 – L(A|B): 尤度 • Bが観測された場合にAがどれだけ尤もらしいか表す値 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 9
  10. 10. 尤度関数 L • 例えばこういうもの – L(大阪府 | 関西訛り) = a – L(千葉県 | 関西訛り) = 0.1a – 確率ではない。比が大切 – P(千葉県) = P(大阪府) = 0.5としてベイズの公式で P(千葉県|関西訛り)とP(大阪府|関西訛り)を 求めてみましょう • aは消えるはず Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 10
  11. 11. センサと尤度関数 • 距離センサの値から尤度関数を作る – 尤度 L(x|d) の値を決める • 条件 – センサの値には標準偏差 s/x で 正規分布に従うばらつき Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 11
  12. 12. • 答え Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 12
  13. 13. 尤度を使った信念の更新 • これまでの信念と尤度の掛け算となる – 信念分布は狭くなる(より確信した状態) Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 13
  14. 14. パーティクルを用いた計算 • 尤度 L(パーティクルの姿勢|センサ値) を 各パーティクルの重みにかけて正規化 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 14
  15. 15. 計算してみましょう Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 15 • 全方向移動ロボットの位置推定 – 状態変数: x, y – パーティクルを右図のように100mm間隔で置く – 重みの初期値は1/16 • ロボットは距離センサを所持 – 最大100mmの誤差がランダムに発生 – それ以上は絶対に間違えない • このロボットが壁を計測したら、 ロボットの中心から260mmでした。 パーティクルの重みの重心はどこ? • 他、センサの誤差の統計的性質が異なる 場合についても計算してみましょう – 誤差が正規分布に従う場合等
  16. 16. 実世界でのセンサ値の扱い • センサ値の取り扱う際には厄介な 問題がいくつか存在 • 距離センサで起こる問題の例 – センサ固有の値の揺らぎ以外にも誤差要因 • 人が横切る • 他、なんでしょう? – センサ値が互いに独立していない Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 16
  17. 17. 「距離センサの前を人が横切る問題」 • 距離センサの先に動く障害物が横切ったり、 留まったりすることが想定される環境 – 計測値には(壁を計測していると仮定するなら) 大きな誤差 – 誤差の統計的な性質はほとんどの場合、不明 – どんな対策があるでしょうか? Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 17
  18. 18. 考えられる対策 • 別のセンサで移動体を認識して壁と区別 – 移動体がいるときは計測値を位置推定に使わない • 尤度関数に移動体の存在を盛り込む • 他 – リセット等(後日) Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 18
  19. 19. 移動体を考慮した尤度関数の例 • d(距離)の値は、移動体で異常に小さくなり得る – dが小さくても壁から遠いかもしれない – dが大きければ壁から遠い – 面倒な時は正規分布の側を垂線にすることも Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 19
  20. 20. • 利点 – どれだけ移動体がいても悪影響はない • 欠点 – 尤度関数を広くとると信念の更新が緩やかにな る – 計測対象の多くない環境では 信念が収束しないかもしれない – 逆にセンサ値が実際より遠い値を出すことが ある場合には使えないかもしれない Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 20
  21. 21. センサ値の独立性 • 続けて得られたセンサ値の誤差は、 独立していない場合がほとんど – 例 • 距離センサで同じところを二回計測したら、 どちらの計測値にも壁の傷の影響で同じ誤差が • Aさんが明日雨だと言った。Aさんと仲の良いBさんも 明日雨だと言った。Bさんの情報に価値はあるか? • 互いに独立していない情報をbelに反映すること は、同じ尤度を二回かけるのと同じこと • 対策はあるか? Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 21
  22. 22. 考えられる対策 • 続けて入ってくるセンサ情報を適度に間引く – 時間が遠いセンサ情報ほど独立性が高いという仮定 • 何度ベイズの公式を適用してもbelが 収束しないように尤度関数を設定 – さっきの「計算してみましょう」の例は、収束しない例 – 尤度が正規分布だと収束 • どちらの対策も有効な場合とそうでない場合 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 22
  23. 23. まとめ • 尤度の実装は雑音の統計的な性質を 考慮しつつも、最終的には実装者の判断 – ロボットの信念は実装によって異なってくる Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 23
  24. 24. 次回 • 具体的な実装例 Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 24
  25. 25. 早く終わった場合の問題 • 想定 – A室、B室二つの部屋がある閉鎖空間 – 中にいる人は自分がA,Bどっちにいるか分からない – 猫が住んでいて、 A室には1/3、B室には2/3 の確率でいる • 乱数で猫をAとBの間で 移動させて、ずっとA室に いる人がA室に自分がいると いう確信を持っていく過程を 計算してみましょう Oct. 7, 2015 確率ロボティクスと移動ロボットの行動生成 25

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