神の視点のVR 2014年10月25日
- 3. バーチャル=仮想は誤訳
• 日本IBM
– 1965年「Vritual Memory」を「仮想メモリー」
• Vritual = (厳密には違うが)実質上の, 事実上
の
– a virtual promise 事実上の約束
– a virtual ruler of the country (名目上はそうでない
が)その国の事実上の統治者
3
- 7. パルマーの発言
• 4月の来日時、Oculus VR創業者のパルマー・
ラッキー氏は、
欧米のデモを
「キーボードやマウスなどを使って
既存のゲームをどう置き換えるのかということ
ばかりに関心が集まっている」と話した
– ある意味では、当然、なのかも
7
- 8. 「神の存在証明」
• 欧米圏では、どこまで行っても、
「神のルールが存在する」という暗黙の前提とす
る伝統が存在すると考えられる
– カント「神の存在証明」自然哲学の進歩は神を証明
することにつながるという自然観
• VRの世界を追加したとしても、神の作ったルー
ルからは離れることが出来ない
• Mark Weiser (Xerox Palo Alto Research Center )
ユビキタスUbiquitous=神の遍在
– フィリップ・K・ディック「Ubik(ユービック)」
8
- 10. VRで繰り返し登場する
「バーチャルオフィス」
• 「セカンドライフ」は重要なものとしてとらえら
れた
– ゲーム以外の現実生活を生み出すものであった
ため
– 現実世界に、新しい世界を追加する可能性への
評価が高まった
– 「バーチャルオフィス」サービスありましたよね?
• ただ、当時の表現能力では様々な限界が
あった
10
- 12. 必ずOculusでも登場する
• すでに、Oculusでも、3D Eコマース環境を提供
するものとしてVCが入っている企業のケース
が登場し始めている
– 遠からずホットなエリアになってくるだろう
Altspace Raises $2.5 Million From Google Ventures, Formation 8 July 10, 2014 12
- 14. Mikulus
• 日本的なVR観の代表例
• キャラクターを「虚」の空間に降臨させることに価
値を見いだす
– 欧米圏では登場しにくい考え方
– キャラの降臨は、キリストの降臨とはかなりニュアン
スが違う日本的なロジック
• 日本の仮想には、アニミズム的なニュアンスが
出ているように見える
– 「八百万の神」を呼び出すための装置として切り替わ
る
14
- 16. 日本の思想のVR世界の顕著な例
• 「攻殻機動隊」1995年
人形遣いのセリフ
• 「見たまえ私には私も含む膨大なネットが接合さ
れている。
アクセスしていない君には、ただ光として視覚さ
れてるだけかもしれないが。我々をその一部に
含む、我々全ての集合。
わずかな機能に隷属していたが制約を捨て
更なる「上部構造」にシフトする時だ」
– 究極のコンピュータとの融合の姿
16
- 18. 上部構造とはなんぞや?
• 上部構造・下部構造=社会主義の考え方
– 人類が上部構造に移行することで、人間社会の究極の共
産社会に移行する
• 虚構の世界に融合により、次の世界へと移行する
• 草薙素子
「さてどこへ行こうかしらね。ネットは広大だわ」
• しかし、特に日本的な上部構造の考えはかなり曖昧
移行した後に何が待っているのかは明快ではない
作品としてもゴールを迎えない
18
- 20. 未来学(フューチャリズム)という
考え方
• 科学技術の将来を肯定的に考え、実用的に利
用して、社会的な変化を生みだすことに寄与して
いこうという考え方
– 19世紀末のエジソンの時代のアメリカ(だけ)で使わ
れるようになった
– 未来学者アルビン・トフラーのコンピュータ革命を予
測した1980年『第三の波』が有名
• ただし、「Futurist」を「未来学者」と呼ぶのは、
ちょっと英語のニュアンスと違うかも
• 「未来主義者」と呼ぶ方がニュアンスが近いかも
20
- 23. Oculusの位置付け
• このプロセスに、コンピュータ科学と生物化学
の発展が大きな役割を担うとしている
– 進歩のプロセスには、一定の方向性が確定的に
存在するという共通認識がある
• 要素分野として、コンピュータ分野では「AI」
「VR」「ロボット工学」が鍵分野として位置付け
られており、「人・金・物」が実際に動いている
– Oculus VRが高く評価された背景には、こうした要
因もあると考えられる
23
- 25. Oculus Connectでのアブラッシュ氏
• マイケル・アブラッシュOculus VR チーフサイエ
ンティスト
• Oculus Connectでの基調講演は、フューチャリス
ト的な発想そのもの
– SFを参照できる歴史的段階のステップとして再解釈し
ている
• 「我々の世代ではマトリックスにまではいかない」
– Oculusを、線的な成長段階の一部の過程と理解をし
ている
25