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第43回  TokyoWebMining
@sanoche16
1
名前:@sanoche16
職業:コンサルタント
得意:マーケティングサイエンス
好き:R,  Python,  Linux,  PHP,  Ruby
2
本⽇日の発表に含まれる内容はすべて個⼈人の
⾒見見解であり、必ずしも所属団体の⾒見見解では
ありません。
3
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
4
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
5
PDCA
サイクル
6
多岐に渡って、より精度度の⾼高い分析・予測が求められている
セグメンテー
ション
ポジショニング
ターゲティング
マーケティング戦略略と戦術
考
慮
事
項
求
め
ら
れ
る
分
析
手
法
製品
(Product)
価格
(Price)
流流通
(Place)
販促
(Promotion)
•  市場・顧客の
細分化
?  顧客はどの単位で
分けるべきか
?  マーケティング施
策の単位を作成
•  優先セグメン
トを明確化
?  収益性の⾼高いセグ
メントはどれか
?  今後成⻑⾧長するセグ
メントはどれか
•  売るべき商
品・サービ
スの明確化
?  どんな商品が
求められてい
るか
•  提供価格の
決定・原価
の管理理
?  いくらで商品
を売るべきか
?  どこまで質を
⾼高めるべきか
•  チャネルの
選定
?  どこで商品を
売るべきか
•  販促活動に
よる売上拡
⼤大
?  誰にコストを
かけるべきか
?  いくらまでコ
ストをかける
べきか
クラスター分析
アソシエー
ション分析
回帰分析
離散選択モデル
階層ベイズ
(LTV計測)
時系列分析
因子分析
主成分分析
コレスポンデ
ンス分析
MDS 回帰分析
ニューラル
ネットワーク
決定木
項目反応
理論
最適化
※分析手法は様々なシーンで活用できるため、よく利用される観点で一例
を示した
7
単純な⼿手法によるモデリング
• 線形回帰分析により特定の商品の購買確
率率率を予測
• 投⼊入変数として、年年齢、最終購買⽇日、年年
間購買回数を利利⽤用
分析結果と問題点
• 良良いと予測された顧客は説明変数の最⼤大
(or  最⼩小)の値を持つ顧客になってしまう
➔  本来は優先すべきではない顧客を優先
してしまう
顧客 年齢
最終
購買日
年間購買
回数
新商品
購買有無
Aさん 24歳 14/12/01 15階 有
Bさん 42歳 15/02/06 12階 無
Cさん 36歳 15/01/10 9階 有
… … … … …
顧客 年齢
最終
購買日
年間購買
回数
予測購買
確率
Xさん 2歳 14/02/27 42階 89%
Yさん 4歳 14/02/25 28階 88%
Zさん 4歳 14/02/26 29階 88%
… … … … …
4.3
2.6
5.3
0
1
2
3
4
5
6
年齢 最終購買日 年間購買回数
標準化偏回帰係数
線形回帰分析
予測確率高
8
説明変数を多い場合はかなり不安定なモデルとなってしまう
※1)  http://escience.anu.edu.au/lecture/cg/Spline/printCG.en.html
3次スプライン B-‐‑‒スプライン ガウス型基底関数
基底変換を⽤用いたアプローチ
3次スプライン関数の式:
推定するパラメータベクトル
Ø  利利⽤用する説明変数は1つ
Ø  推定するパラメータは数⼗十
にもなる
※1
9
頻度度主義でのアプローチ
データ数:0
•  情報は⼀一切切なし
ベイズ統計を⽤用いたアプローチ
•  事前分布を更更新
•  分散が⼩小さくなり、推定値の確
からしさを分布で表現
データ数:1
データ数:2
•  データはたまたま取れた値のみ
利利⽤用できる
•  データの広がり(=分散)は
分からない
•  事前分布を設定
•  (無情報事前分布や勘と経験か
ら)
•  標本分散を利利⽤用して⺟母分散を推
定可能
•  但し、2つのデータの近さからの
み推定される(=不不安定)
•  事前分布を更更新
•  分散が⼩小さくなり、推定値の確
からしさを分布で表現
事前分布を更新 事前分布を更新
u  マーケティングの領領域では、現在も⾮非常に多くの統計的
⼿手法を⽤用いた分析が求められている
–  きちんとしたモデリングにはそれなりの柔軟性が必要
u  柔軟なモデリングを⾏行行うためには必要なパラメータはか
なり多くなってしまう
–  パラメータが多くても安定的なモデルの構築が必要になる
u  ベイジアンモデリングを利利⽤用することで、安定的かつ柔
軟なモデリングを⾏行行うことが可能になる
–  事前分布を設定することで、スパースなデータに対しても安定
的なモデリングが可能になる
10
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
11
12
時点の変化に関わる影響
ü  週末になったので、来客数が増加
した
ü  夏になったので、来客数が増加し
た
特定時点での要因による影響
ü  割引を実施したので、来客数が増
加した
ü  たまたま⾬雨が降降ったので、来客数
が増加した
あるレストランの⽇日別来店者数
割引実施
週末
13
あるレストランの⽇日別来店者数
観測値:実際に取得されたデータ
トレンド:観測値から特定時点の要因を排除した潜在的な値
•  トレンドの変化を抽出することで時点の変化に関わる影響を分析
•  トレンドと観測値を⽤用いて、特定時点での要因による影響を分析
14
具体例例
q  以下の3つの条件を満たす形で変化するデータについて考える
1.  時点の変化に伴う変化量量は、1時点前の変化量量と同様となる傾向がある
2.  時点の変化に伴って⼀一定のノイズが発⽣生する
3.  実際の観測に伴って⼀一定のノイズが発⽣生する
•  t時点における変動している変数をµtと置
く
•  (仮定1から)µtは、µt-µt-1=µt-1-µt-2を満た
す µt=2µt-1-µt-2
•  (仮定2から)ノイズをvtのN(0, σ1
2)に従
う正規分布とする(更新ノイズ)
•  t時点における観測値をytと置く
•  (仮定3から)ノイズをwtのN(0,  σ2
2)に
従う正規分布とする(観測ノイズ)
時点の変化に関わる影響 特定時点での要因による影響
µt-2
µtµt-1
yt-2
yt-1
yt
ytはyt-1からの影響は受けず、µtからの影響のみ受けるトレンド
15
時点の変化に関わる影響 特定時点での要因による影響
ベクトル・行列で表現
一般化
システムモデル 観測モデル
状態ベクトル
線形ガウス状態空間モデル
u  状態空間モデルでは、潜在変数を含む状態ベクトルを⽤用
いて時系列列データの分析を⾏行行う
–  時点の変化に伴って推移するトレンド成分を抽出することで、
トレンドの動きとトレンドと実測値の関係の分析が可能になる
u  線形ガウス状態空間モデルはシステムモデル・観測モデ
ルの2つにより構成される
–  システムモデルにより時点の変化による影響を分析
–  観測モデルに特定時点の要因による影響を分析
16
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
17
18
あるレストランの⽇日別来店者数
2nd week1st week
トレンドの週平均
トレンドの週平均
(月)
(火)
(水)
(木)
(土)
(金)
(日)
(月)
(火)
(水)
(木)
(土)
(金)
(日)
時点の変化に関わる曜日の影響のみをモデルとして表現
時点の変化の関係をシステムモデルに組み込んでいく
19
時点の変化に関わる影響 特定時点での要因による影響
曜日効果の取込
状態ベクトルを拡張することで、曜⽇日効果も表現できる
観測モデルへの反映
Ø  観測モデルはその時点の
成分以外は排除する
u  状態ベクトルに対して、1週間の和がゼロとなるような
成分を加えることで、曜⽇日効果を組込むことが可能
–  観測モデルでは、実測値に影響を与える成分をその時点のもの
に限定することで、時点の変化による影響と区別する
20
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
21
22
あるレストランの⽇日別来店者数
割引実施
時点の変化に関わらず一定の値を持つ成分を表現
⼀一定の値を持つ成分をシステムモデルに組み込み、割引効果を測定
割引の実施は、時点の変化とは無
関係に、特定の日のみ影響を与え
る
23
時点の変化に関わる影響 特定時点での要因による影響
時点によらない項の組込
時点によらない成分を組込むことで、値引き効果も表現できる
観測モデルへの反映
ftはt時点の値引きの
有無を表すフラグ
u  マーケティング変数は、システムモデルで時点の変化を
排除することでモデルへの組み込みが可能
–  不不定期な割引など、周期性がないマーケティング施策に関する
変数は、時点の変化による影響がないようにモデルに組み込む
24
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
25
26
1期先予測とフィルタリングを⽤用いて状態ベクトルの分布を推定
概要
t-‐‑‒1時点までの実測値のデータを利利⽤用して、t期にお
けるxtの分布を考える
予測分布 フィルタ分布
分布
t時点まので実測値のデータを利利⽤用してt時点でのxt
の分布を考える
t-1のフィルタ分布
t-1の予測分布
i時点の状態
予測
予測
予測
フィルタリング
フィルタリング
i時点のデータ
を利用
27
過去を振り返って状態ベクトルを表現し、定性的な⽰示唆が得られる
i時点の状態
予測
予測
予測
フィルタリング
フィルタリング
i時点のデータ
を利用
固定区間平滑滑化アルゴリズム
ü  予測分布とフィルタ分布によりT時点までのデータを⽤用いてp(xT|yT)がわかってい
る
→  T-‐‑‒1から逐次的に状態ベクトルを求められる
フィルタ分布 予測分布
28
フィルタリング
q  逐次学習型の状態空間モデルにおけるパラメータ推定では、予測分布・フィルタリン
グ・平滑滑化を繰り返すことで、状態ベクトルを求めていく
•  線形ガウス状態空間モデルにおいて、利用
される
•  最小化する推定誤差にガウス分布を仮定
•  計算速度が速い
•  ⾮非線形の状態空間モデルに対応するフィ
ルタリングアルゴリズム
•  粒粒⼦子(パーティクル)を発⽣生させてノン
パラメトリックに最適解を求める
カルマンフィルタ パーティクルフィルタ
バッチ学習を行う際にはフィルタリングではなく、MCMCの利用も可能
u  Stanを⽤用いたMCMCでのパラメータ推定の例例は下記に完全版があ
ります(データもあります)
29
u  状態空間モデルでは、予測分布・フィルタ分布・平滑滑化
分布の3つを利利⽤用し、トレンドの推定・予測を⾏行行う
–  予測分布により⼀一期先の予測を⾏行行う
–  フィルタ分布に特定時点における状態ベクトルの分布を表現す
る
–  平滑滑化分布により以前の時点における状態ベクトルの分布を表
現する
u  カルマンフィルタを利利⽤用することで⾼高速な計算・オンラ
イン学習が可能
30
¡  マーケティングにおけるベイジアンモデリングの
必要性
¡  線形ガウス状態空間モデルの基本概念念
¡  線形ガウス状態空間モデルへの季節性変数の取込
¡  線形ガウス状態空間モデルへのマーケティング変
数の取込
¡  パラメータ推定と実装⽅方法
¡  おわりに・参考資料料
31
u  状態空間モデルとはシステムモデルと観測モデルを⽤用い
て、分析を⾏行行うメタモデル
–  システムモデルと観測モデルは⾃自由に設定できる
–  ⾮非線形のモデルを利利⽤用した場合は、パーティクルフィルタを利利
⽤用することで、状態ベクトルを求めることが可能
u  パラメータの推定は必ずしも逐次学習をする必要はない
–  バッチ処理理にはMCMCを⽤用いた推定が可能
32
u  状態空間モデルの概要
v  予測にいかす統計モデリングの基本  樋⼝口知之(2011)
v  データ同化⼊入⾨門  樋⼝口知之(2011)
v  時系列列解析⼊入⾨門  北北川源四郎郎(2005)
v  Rによるベイジアン動的線形モデル  G.ペトリス,  S.ペトローネ,  P.カンパニョー
リ,  和合  肇,  萩原  淳⼀一郎郎(2013)
u  状態空間モデルの活⽤用について
v  時系列列解析⼊入⾨門  北北川源四郎郎(2005)
u  その他
v  RStanで『予測にいかす統計モデリングの基本』の売上データの分析をトレース
してみた  berobero11(2013)
v  逐次モンテカルロ/(粒粒⼦子|パーティクル|モンテカルロ)フィルタを実装してみた  
teramonagi(2014)
33
ご静聴ありがとうございました。
34

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