スタートアップのCEOもおさえておきたい、ITインフラのセキュリティ対策　先生：高田智己

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今日のアジェンダ
Ⅰ. 法務チェックの視点
・　法務チェックの観点は、①適法性、②適用利用性、③非紛争性

Ⅱ.適法性チェック
・　どんな方法で調べれば良いか
・　クイズで学ぼう！

Ⅲ.適法利用性チェック
・　ユーザーの違法行為をどうやって防ぐか

Ⅳ.非紛争性チェック
・　紛争を抑制するための対策
-1-

先生からのお願い
特定の会社や特定のサービスに関するご質問に
ついてはお答えすることができない場合があるた
め、投稿される際は、配慮をしていただけると助か
ります！
-2-

ビジネスモデルの適法性の問題
刑事罰
逮捕
契約無効
将来の売上減
過去の売上の返金
紛争
ビジネスの停止
多大な弁護士費用
IPO、M&Aの
不可能
ビジネス継続
の不可能
ビジネスモデルが適法でないと・・・・
-3-

ビジネスモデルの法務チェックの視点
適法性
適法利用性
非紛争性
ビジネスモデルの法務チェックの視点は以下の通り。
-4-

適法性
どうやってビジネスモデルの適法性を調べる？
-5-
検索サイトでワード検索
他に同じビジネスをやっている会社の
有無を調べる。
弁護士にリサーチを頼む
似たようなビジネスモデルを行なってい
る他社のサイト（特に画面下）をチェック
他の会社がやっていないようなビジネスは要注意
但し、他の会社がやっていても必ずしも適法とは限らない
但し、そもそも、リサーチが必要なものだと思
わないと、調べようという意識が働かない。
　　勘を養うためにクイズで練習しましょう！

適法性　～　仲介型モデル
仲介型モデルについては、「仲介行為」について許認可等
が必要なものがあるので注意！
会社　＝　仲介行為
ユーザーA
ユーザーB
取引
Q　以下の取引は許認可なくできる？（会社が対価を受ける想定）
1. ユーザーAがユーザーBに資金を貸し付ける。
2. ユーザーAがユーザーBのためにシステムを開発する。
3. ユーザーAがユーザーBのためにマンションを賃貸する。
4. ユーザーAがユーザーBを雇用する。
5. ユーザーAがユーザーBのために交渉代行を行う。
6. ユーザーAがユーザーBのためにホテルの手配をする。
-6-

1. ユーザーAがユーザーBに資金を貸し付ける。
2. ユーザーAがユーザーBのためにシステムを開発する。
3.  ユーザーAがユーザーBのために
　　マンションを賃貸する。
金銭の賃借の媒介は「貸金業」
⇒登録必要　（貸金業法）
問題なし
建物の賃貸の媒介は「宅地建物取引業」
⇒免許必要　（宅建業法）
-7-

4. ユーザーAがユーザーBを雇用する。
5. ユーザーAがユーザーBのために交渉代行を行う。
6. ユーザーAがユーザーBのためにホテルの手配をする。
有料の雇用契約の斡旋は「有料職業紹介事業」
⇒許可必要（職業安定法）
単なる経済条件の交渉はOK、法律問題に関係
するものは弁護士法に抵触する（弁護士法）
運送等サービスの媒介は「旅行業」
⇒登録必要（旅行業法）
仲介行為に許認可が必要な場合があるので注意！
-8-

会社とは別に、ユーザーAの行為が許認可を必要とする
場合があるので注意
会社　＝　取引の場の提供
ユーザーA
ユーザーB
取引
Q　以下の取引は許認可なくできる？
（いずれもユーザーAが対価を受ける想定）
1. ユーザーAがユーザーBに投資のアドバイスをする。
2. ユーザーAがユーザーBを自宅に招いてご馳走する。
4. ユーザーAが空いている部屋にユーザーBを宿泊させる。
3.ユーザーAがユーザーBが作曲した音楽を音楽サイトに
アップロードしてあげる。
-9-

1. ユーザーAがユーザーBに投資のアドバイスをする。
2. ユーザーAがユーザーBを自宅に招いてご馳走する。
4. ユーザーAが空いている部屋にユーザーBを宿泊させる。
投資のアドバイスは「投資助言業」
⇒登録必要（金融商品取引法）
料理の提供は「飲食店営業」
⇒許可必要（食品衛生法）
宿泊サービスの提供は「旅館業」⇒許可必要（旅館業法）
3.ユーザーAがユーザーBが作曲した音楽を音楽サイトに
アップロードしてあげる。
問題なし
日常的に行っている行為でも、有償サービスに
すると許認可が必要な場合があるので注意！
-10-

適法性　～　景品の提供
「景品類」の定義
プレゼント等の提供は、「景品類」として景表法の適用を
受ける場合があるので注意！
①顧客誘引の手段として
②取引に付随して提供する
③経済上の利益
但し、正常な商慣習に照らして、
①値引き、②アフターサービス、③商品等に付随す
ると認められる経済上の利益は除外される。
-11-

総付景品の最高額の制限
懸賞による景品類の最高額及び総額の制限
懸賞による 
取引の価額
景品類限度額
(i)最高額
(ii)総額
5,000円未満
取引価額
の20倍
懸賞に係る
売上予定総額の2％
5,000円以上
10万円
※　(i)及び(ii)の両方の限度内でなければならない。
取引価額
景品類の最高額
1,000円未満
200円
1,000円以上
取引価額の10分の2
①
②
景品類の最高額の制限
-12-

-13-
Q　以下の行為は景表法に抵触する？
1.商品Ａ（１０００円）を１０個買ってくれた人を対象に、
　もれなく３０００円のキャッシュバックを行なう

2. SNS上で情報をシェアしてくれたユーザーAに対し、
　 2000円のクーポンを提供する

-14-
1.商品Ａ（１０００円）を１０個買ってくれた人を対象に、
　もれなく３０００円のキャッシュバックを行なう

2. SNS上で情報をシェアしてくれたユーザーに対し、
　 2000円のクーポンを提供する
取引通念上妥当と認められる基準に従い、支払った代金の割
戻しを行うことは、値引と認められる経済上の利益に該当する
⇒景品規制の適用対象とはならない
ユーザーは金銭を支払うことなくクーポンを入手できるため、
取引に付随するものではない。
⇒景品規制の適用対象とはならない（いわゆるオープン懸賞）

適法性　～　コンプガチャ
「カード合わせ/絵合わせ」の方法を用いた懸賞による景
品類の提供は、射幸心をあおるものとして全面的に禁止
されている。（いわゆる“コンプガチャ” ）
二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符
票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを
提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提
供は、してはならない。（告示「懸賞による景品
類の提供に関する事項の制限」第5項）
-15-

次の場合は、「カード合わせ/絵合わせ」として禁止される
か？
Q
①
ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。Aカード２
枚及びBカード２枚を集めたら、特定アイテムがもらえる。
ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。Aカード
２枚でアイテムAがもらえ、Bカード3枚で、アイテムBが
もらえる。

ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。A:1ポイ
ント、B:2ポイント、C：3ポイントで計算して、15ポイントに
なったら特定アイテムがもらえる。
②
③
-16-

①
ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。Aカード２
枚及びBカード２枚を集めたら、特定アイテムがもらえる。
ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。Aカード
２枚でアイテムAがもらえ、Bカード3枚で、アイテムBが
もらえる。

ガチャをすると、A、B、Cのいずれかが当たる。A:1ポイ
ント、B:2ポイント、C：3ポイントで計算して、15ポイントに
なったら特定アイテムがもらえる。
②
③
-17-
「カード合わせ/絵合わせ」の定義にあたるのでアウト
②も③も「異なる種類の符票の特定の組合せ」
ではないのでOK

適法性　～　他社のビジネスモデル等の模倣
Q　他社のアプリと同じような機能を有するアプリを作
　　成する予定。つぎのうち何に気を付けるべき？
機能
ソースコード
デザイン
サービス名/ロゴ
-18-
①
②
③
④

適法性　～　他社のビジネスモデル等の模倣
Ａ①から④全部！
-19-

適法性　～　知的財産権の侵害
機能
ソースコード/デザイン
サービス名/ロゴ
特許権の侵害の有無をチェック
結果として、特許の対象機能を使用していれば特許侵害
専門家（弁理士）に相談する必要あり。
但し、出願済みだが公開されていない期間があるので注意
著作権の侵害の有無をチェック
結果として他のアプリのソースコードと似ていても著作権
侵害にはならない。
元となるソースコードに接することのない開発体制の整備
デザインについては、アクセスを否定することが困難
　⇒デザインは変えた方が安全
商標権の侵害の有無をチェック
結果として、類似商標を使用していれば商標侵害
専門家（弁理士）に相談する必要あり。
-20-

適法利用性
違法コンテンツのアップロード等、著
作権侵害
麻薬、盗品の売買
殺人その他の犯罪共同者の募集
出会い系的利用
名誉棄損、業務妨害的な書き込み
霊感商法等、不当な詐欺的取引へ
の利用
違法行為に利用される典型例
①
⑤
⑦
③
②
⑥
Q　違法行為に利用されると何が問題？
違法なステルスマーケティング
④
-21-

適法利用性
自社のサービスが違法行為に利用されると・・・
共犯（ほう助）としての刑事罰
共同不法行為として差止請求、損
害賠償請求
許認可/届出等が必要なビジネスとみなさ
れるリスク
仮に現時点で適法でも、規制する法律が制定
されるリスク
ブラックビジネスとみなされて取引の支障とな
るリスク
いわゆる“レピュテーション・リスク”
人材の採用への支障となるリスク
Q　適法利用性を高めるためには何をするべき？
-22-

適法利用性
適法利用性を高めるには・・・
違法行為の法的な排除可能性の確保
違法行為を放置せず、適切な対処を断行する。
利用規約における禁止の明示、登録取消その他
のペナルティー
違法行為の検知体制
違法行為をシステム的に検出する仕組み
通報制度
適時通告、違法な書き込みの削除、登録取消等
IPOの引受審査等では、違法行為を排除するための
①仕組み、②体制、③運用実績が問われるため、
これらについて説明できるようにしておくことが重要
-23-

非紛争性
Q　紛争に巻き込まれやすいビジネスモデルは？
-24-

非紛争性
紛争性が一般的に高いと考えられるビジネスモデル
サービス内容等が不明確なモデル
潜脱されやすいモデル
解約金等が頻繁に生じるモデル
パワーのある業界や大企業にとって脅威となるモデル
特許等が入り乱れている分野のモデル
Q　紛争に巻き込まれにくいようにするには何をするべき？
多大な損害が生じる可能性のあるモデル
匿名性が高いモデル
プラットフォーム依存型のモデル
商品/サービスに優劣をつけるモデル
ユーザー同士が現実に出会うモデル
-25-

非紛争性
紛争を抑制するための対応策
サービス内容等が不明確なモデル
潜脱されやすいモデル
アウトプットの定義の明確化、責任期間の制限
①潜脱の技術上のブロック
②調査権及びペナルティーの定め
匿名性が高いモデル
プラットフォーム依存型のモデル
商品/サービスに優劣をつけるモデル
①違法行為の禁止の明記
②削除、登録取消し等の運用
①根拠の明確性
②業務妨害にならないかの検討
①複数プラットフォームでの対応
②自社サイトでの対応
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非紛争性
紛争を抑制するための対応策
解約金等が頻繁に生じるモデル
①解約の予防
②解約金の算定根拠の合理性の確保
パワーのある業界や大企業にとって脅威となるモデル
特許等が入り乱れている分野のモデル
①弱みに付け込まれないように特に適法性に慎重に
②知的財産権でのプロテクト
弁理士等の専門家と早めに相談
多大な損害が生じる可能性のあるモデル
①損害賠償の限定（範囲の限定、期間の限定）②
保険の活用
ユーザー同士が現実に出会うモデル
①免責規定の明確化
②ユーザー同士の関与への不介入
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TEL：　03-3512-2531（代表）　
FAX：　 03-3237-2175
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「非紛争性」に関連して、
「炎上を防ぐためにはどのような対策をとれば良い
か」
を考えてみてください。
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