お客様目線のPDCA

(C) Yamaha Music Japan Co., Ltd. All Rights Reserved.
お客様目線のPDCA
株式会社ヤマハミュージックジャパン
カスタマーサポート部お客様コミュニケーションセンター
平井大生
2020年12月1日

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ヤマハミュージックジャパン概要

お客様コミュニケーションセンター
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平井大生は何しにヤマハに入ったの？

学生時代知人より「V50(シンセサイザー)の使い方がわからない」と相談を受ける
→使いやすい楽器作りを決意
1992年ヤマハ株式会社入社
電子楽器の開発部門に配属され、主に電子楽器の組込みソフトウェア開発担当
並行して有志とともにパソコン通信「NIFTY-Serve」上で
オンライン・メーカー・サポートに従事
2000年コンピューターミュージック関連商品の企画、プロデュース担当
2004年 WEBサービスの事業推進部門に異動
2006年楽器インフォメーションセンター(お客様コミュニケーションセンターの前身)に異動
スタインバーグ・インフォメーションセンター設立
2013年ヤマハミュージックジャパン設立と同時に出向
以来、お客様コミュニケーションセンターセンター長
平井大生略歴

お話する「お客様目線のPDCA」
モノづくりのお客様目線
サポート部門のドキュメントに対する

モノづくりのお客様目線

Plan・・・商品企画フェーズ

企画中、開発中、発表前の製品をリアルなお客様にお見せすることは（原則）行わない
予め、お客様や製品の使われ方をよく理解しておく
(お客様のお話をよく伺う、自らがユーザーとして体験する)
お客様になりきった使われ方のシミュレーション
お客様の代わりに職業ミュージシャンによるモックアップや試作品の評価
開発部時代のお客様目線追求

事情により、途中から製品開発に参加
脳内シミュレーションをしてみたら、企画コンセプトどおりの音楽が作れない！
→仕様追加を提言
→頑張って説得したら、最終的には提言以上に仕様が膨れ上がった！！
→発売後、某ミュージシャンがその機能のことを「最高！」と雑誌でレビュー
開発部時代のお客様目線追求の一例

「音を繰り返す」は「ドラム・ロール」に似てるから「ロール」機能と命名。
新規機能の命名実例
新しい機能なので新しい名前こそが本来は正しい。けれど、全く知らない言葉は伝わらない。

Do・・・製品出荷・発売

Check・・・お客様からのフィードバック

サポート部門に入って知ったお客様目線

製品上にボリューム大小方向の表記なし。取扱説明書にも記載なし。
サポート現場にはテプラを貼り付けた製品があった

グラフィックの向き、回路設計が違っていたら、取扱説明書不要の分かりやすい製品だったかも
反省と考察

「操作パネル」では伝わらない？
サポート現場の取扱説明書はメモだらけ

企業用語とお客様感覚のズレ
ヤマハ定義は
「操作パネルの左側」
お客様に通じるのは
「鍵盤の左側」

サポート現場の取扱説明書はメモだらけ

「誤記」は品質問題として確認次第レポート
「分かりにくい」を伝達するプロセスがない
• 不定期に担当者同士のコミュニケーションが時々あるけれど、、、
• 伝えたとしても、コスト制限（＝ページ数制限）で反映しきれない
サポート現場から取扱説明書へのFB反省点

Plan段階でのお客様目線シミュレート、偏りを避けたエバレーションをしたい
Doで市場へ
Check段階でお客様の評価を取得
Action段階が大切
Action実行者にお客様の評価を届ける
Action実行者はお客様の評価を取りに行く
お客様目線のPDCA 考察

サポート部門のドキュメントに対する

Plan段階・・・お客様からのお問合せがトリガー
• 回答メール内容検討
• Web FAQ（よくあるお問合せ）コンテンツの企画
Do・・・回答メール作成＆送信
FAQコンテンツの作成＆公開
Check・・・アンケート回答
Action・・・アンケート分析、改善方針検討＆共有
サポート部門のドキュメントPDCA

メールサポート品質評価依頼アンケート
ｘｘｘｘ様
ヤマハ製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
お問い合わせの件、ｘｘｘｘｘｘ
以上、何卒よろしくお願いいたします。
今後ともヤマハ製品をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
♪♪♪ アンケートご協力のお願い ♪♪♪
ヤマハ楽器・音響製品に格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
より充実したサービスを提供するため、皆様のご意見をいただきたくアンケートにご協力をお願いいたします。
・ヤマハ楽器・音響製品のサポートに関するアンケート
http://jp.yamaha.com/sss
※所要時間は3分程度です。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
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株式会社ヤマハミュージックジャパン
お客様コミュニケーションセンター
オーディオ・ビジュアル機器ご相談窓口

FAQ上アンケート依頼

「表題の型番を前後を間違えて入力したにもかかわらず、また取付金具が別途あったにも係わらず記入
していなかったのに他社のような、そのような商品はありませんと返答されるのでは無く、入力ミスを想定し
て返答して頂いたことに感謝します。」
「自分の知りたい情報に加えて、なぜそのような現象が発生するのかや、現在の状況（アップデートや弾
き方により改善される）まで丁寧に記載して頂き、とても参考になりました。」
「・稼働日内での返信が早かった（連休があったので実際には数日待ったのだが）
・説明が分かりやすかった
・文章の入力（スペースの使い方）がとても見やすかった」
「暖かいお返事に感謝いたしております。」
メールサポート評価実例＜お褒め系＞
テクニカルライティング領域の評価
お客様の状況、お気持ちへの配慮の
が高評価につながる（手紙に近い？）

「説明も乏しく、かつ対策方法を提案されること無く、他部門を紹介されたため。
その他部門からは紹介元であるYAMAHAの他部門を紹介されて、堂々巡り（たらい回し）されたた
め。」
「顧客に対する対応が余りにも冷たすぎる。
対策方法のアドバイスもなし。アマチュア無線の妨害電波が入らない製品を作るべし。
今後はヤマハ製品は買わないし、このことを皆さんにも知らせたい。」
「明瞭な回答ではあるが、お客の満足度の点から言えば満たしていないし、今後満たそうという気概が感
じられないため。」
「杓子定規的な回答で、利用者の立場に立っていないため。」
メールサポート評価実例＜苦言系＞
お客様の状況、
お気持ちを無視している
（と解釈されると）低評価

「不安が解消されて、疑問点がクリアになった。」
「知りたいことの細かな部分まで知ることができ、しかも整理されていて分かり易い。
関連した疑問も表示されており、それによって新たな疑問も生まれ、しかもそれが調べ易く非常に有用。」
「すぐに意味が分かって、分かりやすい文章だった。」
「かゆい所に手が届くＱ＆Ａ。私が困っていたところをドンピシャ回答していただけてました。
電話問い合わせの煩わしさを考えると・・・大変助かりました。」
「正直に書いてあると感じます。」
FAQ評価実例＜お褒め系＞
内容の明快さが高評価につながる
（直ぐに手軽に答えを見つけたいニーズ）
一部、心情配慮も評価対象

「作った方はスマートフォンでみたことありますか？すごくみにくいですよ。」
「誤字、脱字がある」
「困ってサポートをお願いするユーザーの立場に立って回答してもらえていない様に感じられます。『これが
製品の仕様である』との突っぱねた回答でした。問題が解決しなくてもヤマハの製品に期待して購入した
者に少しでも『買ってよかった』と思えるような丁寧な対応が必要と思います。」
「わかりやすかった。が、端的すぎて初心者には難しいかな」
「初心者には、カタカナ表記に（）書きで和訳や図示で解説してもらえば助かる」
FAQ評価実例＜苦言系＞
「読みにくさ」は低評価に直結

月単位で評価
評価理由が分からないことも少なくない
非担当者の意見を聞いてみる
WEB解析により、流入検索語や
同時閲覧コンテンツなどから、
提供コンテンツとお客様のニーズの
ズレを推察
FAQ「役に立った」「役に立たなかった」分析実例

「役に立たない」評価が減った例
先に一般論を追加
元はヤマハの説明のみだった

「役に立たない」評価が減った例
これがヤマハ関係者の信じ続ける
オフィシャル回答
お客様評価を考察し続けた結果
「お手元のミニプラグのヘッドホンが
使えない」という悩みと判断

「役に立たない」を減らしたいと模索中の例
そんな初歩的な
チェックはしてるよ！
ぷんぷん
電話するなん
て面倒だよ！
ぷんぷん
お客様の心理を予想
修理ご相談センターの
対応履歴を分析し
大半を占める「修理料金」
の目安WEBコンテンツに
誘導
心情配慮の
言葉を追加
問合せもWEB誘導

[今回のサポートの対応を受けて、あなたはヤマハを親しいご友人やご家族にどの程度おすすめしたいと思
いますか。]
8;製品、サポートともに満足しているが、マニュアルをもう少し読みやすくして欲しい。具体的にはページ間
の移動（○ページ参照）が多いことと、ステータスランプの状態に関する記述が分散していて、読みづら
いと感じた。
あと、Web上のQ&Aで解決したがサラウンド設定は、マニュアル本文に記載すべき内容だと感じた。
アンケートに入るサポート以外への評価例
読まない人が増えているが、
読む人からは取扱説明書への期待は高い

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