More Related Content Similar to ビジネスマン必見!キレイな提案書を作るためのデザインの基礎知識 (8) ビジネスマン必見!キレイな提案書を作るためのデザインの基礎知識3. 1-1 提案書をデザインする理由
提案書などのドキュメントをデザインすることで、
以下のようなメリットが得られます。
1 提案内容の理解を促進させる
2 心理的障壁を排除する
3 イメージを向上させる
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4. 1-2 提案書の目的とデザインの重要性
ただし、提案書の一番の目的は
提案内容をきちんと伝えること
デザインはそのための手段であって目的ではない。つまり
提案書のデザインには
時間をかけない方が望ましい
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5. 1-3 時間をかけず良いデザインにするための3つの「ない」
1 デザインを新たに考えない
デザインはできるだけ決まったパターンを使いまわす。
わかりやすくまとまっていれば、いつも同じデザインでよい。
2 相手に合わせてデザインしない
提案書は提案する会社のブランディングツール。
クライアントのイメージや色、デザインに合わせる必要はない。
3 かっこいい提案書を目指さない
提案書で目指すべきは、内容をわかりやすく伝えること。
表面的なデザインのかっこよさで勝負するのはやめよう。
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7. 2-1 色をきれいにまとめるための3原則
1 色数はできるだけ少なく
扱う色が増えるほどコントロールが難しくなる。
背景やイラストなどを除き、使う色は3色の基本色に抑える。
2 色の使い方を統一する
ページによって使う色を変えたりしない。
提案書を通して同じルールで使い続ける。
3 色に頼らない
強調したい箇所を色での表現にこだらない。
文字サイズの変更や太字で伝わるのなら色に頼らない。
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8. 2-2 基本色の決め方とルール化
ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーを決めて使いまわす。
この提案書の場合、以下の3色を基本カラーとしている。
また、使用比率を変えることで、メリハリがでてまとまりやすい。
(パーセント表示は感覚的な目安で、厳密なものではありません)
ベースカラー
主に文字に使う基本的な色(全体の約%50∼70%)
メインカラー
見出しや強調させたい箇所に使用(全体の約20%∼30%)
アクセントカラー
特に注目を集めたい箇所に資料(全体の約5%以下)
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11. 2-3 基本色以外の色の選び方③迷ったら無彩色
無彩色は、黒、白、グレーなど、色味を持たない色。
色味を持たないので、どんな色にも合う。
黒 濃いグレー グレー 薄いグレー 白
POINT!
真っ黒と真っ白はコントラストが強くなりすぎるため、一緒に使わない方がいい。
例えば、背景が白の時の文字色は黒ではなく、濃いグレーにすることで、柔らか
くスタイリッシュな印象になりやすい。
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12. 2-4 配色の改善例
同じレイアウトでも、配色を変えるだけで情報を伝えやすくできる。
改善前
1. 色を多用しすぎで、情報のプライオリティが分かりにくい。
2. 色にルールがなく、無意味にゴチャゴチャしている。
3. 色のトーンも統一されておらず、まとまりがない。
改善後
1. 色を3色(黒・青・オレンジ)と、その3色のグラデーショ
ンカラーだけでまとめた。
2. 一番伝えたいところにだけアクセントカラーを使った。
3. 文字の太さや大きさで情報のプライオリティを表現した。
サンプルの出典)厚生労働省「生活習慣病の発症・重症化予防」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/taikou03.ppt)
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13. 2-5 参考
配色のサンプルを紹介している書籍がいくつか出ている。
部署などで一冊置いておくと便利。
おすすめ
『配色イメージワーク』小林重順 著
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15. 3-1 レイアウトの3原則
1 統一する
周囲の余白、タイトルの位置、本文の開始位置、行間など、レイアウト
を構成する要素は必ず統一する。
2 揃える
位置を揃える、端を揃える、大きさを揃える。複数の要素は必ず揃えて
配置する。
3 流れを作る
目線が始まる左上を基準に、話の流れや言いたいことに合わせて情報を
順番に並べていく。
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16. 3-2 整列①
レイアウトは、要素をキレイに整列させることが基本。
人財の流動化加速 人財の流動化加速
人財の流動化加速 人財の流動化加速
広がる管理スパン 広がる管理スパン
社員の負荷増大
社員の負荷増大
× ボックスの大きさが揃ってない ○ ボックスの大きさを揃えた
× ボックスの位置が揃ってない ○ ボックスの位置を揃えた
× ボックス間の余白が揃ってない ○ ボックス間の余白を揃えた
× ボックス内の文字が揃ってない ○ ボックス内の文字を左揃えに統一
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17. 3-2 整列②
POINT!
パワーポイントの整列機能を活用しよう。
選択したグループを 選択したグループを
上下左右、中央に揃える 等間隔に並べる
POINT!
中央揃えを使うと素人っぽく見える。多少スペースが空いても、文字は
左揃えに統一した方が美しくまとめやすい。
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18. 3-3 近接
情報のグルーピングは、情報同士の距離で表現する。
見出し 見出し
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
注意事項注意事項
注意事項注意事項
見出し 見出し
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
注意事項注意事項
注意事項注意事項
見出し 見出し
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
注意事項注意事項
注意事項注意事項
見出し、本文、注意事項が、全て同じ間隔で並ん 同じグループの情報は近くに接近させ、異なるグ
でいる。 ループの情報は遠くに離す。
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19. 3-4 余白
余白を広めに使うことで、レイアウトに圧迫感がなくなり、情報が目
に入ってきやすくなる。
見出し
見出し
本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文
見出し 見出し
本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文
文字が大きく力強いが、余白が少なく、仕切り 多少文字を小さくしても、余白が大きい方が見
線も文章の圧迫感を増幅させている。 やすく、文章が頭に入りやすい。
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20. 3-5 目線の流れ
目線は左斜め上から右斜め下に向かって流れる。そのため、
1 まずは左斜め上にページタイトルを置き、
2 次に導入文や一番言いたいことを配置し、
3 それに導かれるデータや結論を配置する
というのがレイアウトの王道パターン。
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23. 4-1 文字組みの3原則
1 書体は限定する
使う書体は1∼2種類、太さはそれぞれ2パターン程度に限定する。
2 文字サイズを統一する
基本で使う文字サイズを2∼4パターンぐらいに統一する。
3 使い方にルールを付ける
見出し、本文、説明文など、共通要素の書体や大きさを統一する。
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24. 4-2 書体選び
書体はできれば1種類、多くても2種類くらいに絞る。
Windowsであれば、以下の書体から選ぶと考えてよい。
MS Pゴシック MS P明朝
HGPゴシック HGP明朝
HGP創英角ゴシック
POINT!
明朝は上品、知的、女性的な印象を与えるのに適している。ただし本文に使うと
読みにくくなる傾向があるため、ゴシック系でまとめた方が無難。
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25. 4-3 文字の大きさとジャンプ率
見出し、本文、キャプションで大きさを変える。ジャンプ率(大きさ
の比率)を上げた方が、メリハリがついて分かりやすくなる。
見出し(14pt) 見出し(20pt)
本文本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文本文本文
本文本文本文本文本文本文(12pt)
本文本文本文本文本文(14pt)
キャプションキャプション(10pt)
キャプションキャプション(10pt)
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26. 4-4 文字の装飾
パワーポイントには装飾機能があるが、控え目に使用したほうがよい。
太字になる。タイトルや特に強調したい箇所など、限定的に使用すると
よい。もともと太い書体だと、文字が潰れることもあるので注意。
斜体になる。欧文で強調したい箇所に使うと効果的。日本語ではあまり印
象が変わらないため、使わない方がいい。
下線が付く。本文内の強調したい箇所に使うと効果的。ただし多用すると
文章が読みにくくなるので注意。
影が付く。印象の変化が微妙で、滲んだ印象になるだけのことも多いため、
使わない方がいい。
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27. 4-5 文字の改善例
文字の使い方をルール化するだけで、情報が伝わりやすくなる。
改善前
1. 3種類の書体が混在している。
2. 全ての文字の大きさが24ptでメリハリがない。
3. 文字の影や太字の使い方にルールがない。
改善後
1. 書体を全てMS Pゴシックで統一。
2. タイトル→見出し→小見出し→本文という流れで文字サイ
ズをそれぞれ変更。
3. 影の装飾をなくし、見出しのみ太字で表現。
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29. 5-1 背景
よほどのこだわりがない限り、背景は白にする。
また、背景には画像を入れないほうがよい。
なぜなら・・・
1 白以外の背景は配色が難しい
新しい配色を考える時間を短縮する。
2 背景に画像を入れると読みにくい
背景画像という余計な情報が、本来伝えたい情報の邪魔をする。
3 背景がないと中身に注目されやすい
背景をデザインしないことで、提案の中身で勝負できる。
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30. 5-2 矩形
パワーポイントには矩形がいくつか用意されているが、
よく使うのは以下の3つと考えておこう。
行動重視の 行動重視の 行動重視の
アプローチ アプローチ アプローチ
四角に情報を入れることで、 柔らかい印象を与えるには、 意味づけを変えたい場合、
際立たせたり、注目させた 角丸を。角丸は小さい方が 円も利用できる。円の中の
りすることができる。 キレイにまとまる。 文字は中央揃えがよい。
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31. 5-3 線
用途に合わせて、線の太さやスタイルを意識して変える。
行動重視のアプローチ 行動重視のアプローチ
四角のブロックを目立たせたいのであれば、 情報を区切るためだけに使うのであれば、細
太い線で、色も変えるとよい。 く薄い色の線がよい。
行動重視のアプローチ 行動重視のアプローチ
参考情報のようにあまり重要でない情報は、 二重線などは、うまく使わないとうるさくな
点線などでさらに印象を弱める。 るので、デザインに自信がなければ使わない。
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32. 5-4 矢印
矢印の目的は、流れの説明であり、常に脇役。目立たせないように、
控え目にデザインしたほうがきれいにまとまりやすい。
POWER
UP!
A B A B
AからBへの変化を伝えるのに、矢印を 矢印を目立たせなくても、AからBへの
目立たせる必要はあるだろうか? 変化を伝えることは十分にできる。
POINT!
矢印の形は、提案書の中で一貫させることで、印象よくまとまりやすい。
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33. 5-5 写真・イラスト
1 必要なければ使わない
写真やイラストがなくても伝わるのなら、ない方がよい。
なんとなく寂しいから、という理由で使わない。
2 使うときは控え目に
飾りで入れるのであればできるだけ控えめに。
大きくしていいのは、大きな写真やイラストでないと伝わらない情報か、
クオリティの高い写真やイラストだけ。
3 原則はいつも同じ
写真やイラストにも、色やレイアウトの原則を適応する。
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34. 5-6 グラフ
グラフや表についても、無駄に多くの色を使ったり、必要のない装飾
をしない。デザインは際立たせたいところだけ、限定的に。
売 売
上 上
御社 A社 B社 C社 D社
御社 A社 B社 C社 D社
POINT!
パワーポイントやエクセルのグラフ生成ツールを使うときも、できるだけシンプ
ルなグラフにした方がうまくまとまりやすい。
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35. 5-7 表紙
デザインに自信がないのであれば、余計な装飾はしない。
表紙の好みで判断されないよう、シンプルにまとめた方が無難。
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37. 6-1 著者略歴
名前: 枌谷 力(そぎたに つとむ)
生年月日: 1972年11月7日
職業: 株式会社ベイジ(http://baigie.me ) 代表
クリエイティブディレクター/アートディレクター/デザイナー
略歴: 立教大学文学部史学科卒。1997年∼2001年まで株式会社NTTデータでICカード
システムの企画営業に従事した後、Web業界に転職。Webデザイナー/Web
ディレクターとして6年間制作会社でWebデザインやWebビジネスの提案業務に
携わる。2007年に独立。2010年に株式会社ベイジ設立。
デザインは制作会社におけるグラフィックデザインとWebデザインの実践で体得。
パワーポイントを使った提案書作りはNTTデータ時代から数えて約15年のキャリ
ア。提案書作りにおいては、デザインは装飾ではなく機能ととらえ、ビジネスに
繋がるところだけを無駄なく、効率よくデザインしていくのが信条。
SNS: Facebook: http://www.facebook.com/tsutomu.sogitani
Twitter: http://twitter.com/sogitani_baigie
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