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モータードライバー
基本と応用
豊田高専Aチーム 回路(OB) 3I 川上 輝
1
モータードライバ(MD)とは何か?
 モーターを駆動するうえで必ず必要となる部品です。
 よく燃えます。
MD…Motor Driver
2
MD’S HARDWARE(1) ~最小構成~
 最も基本的な構成はモーターとスイッチング素子で構成されたものです。
 スイッチング素子とは
 トランジスタ(NPN, PNP)
 MOSFET
 IGBT
 リレー
ちなみにこの回路は単方向しか
制御できないので実用的ではありません。
3
補足 FET と トランジスタの比較
 比較
 バイポーラトランジスタ…ベース電流に応じて流れる電流が決まる。
 大電流を流すにはベースにも大きな電流を流さなければならない。
 MOSFET …ゲート電圧に応じて流れる電圧が決まる。
 大電流を流す時はゲート電圧を掛けるだけでいいので電流は不要である。
 モータードライバーの出力段にはMOSFETが向いている。
4
MD’S HARDWARE(3) ~構成ユニット~
 通常のモータードライバーはHalf Bridgeを複数組み合わせて構成させま
す。
 短絡モードにしてはいけない。
 出力を変化させるときに短絡モードに移行する恐れがある。
 Cf. デッドタイム
入力’H’ 入力’L’ 出力
L L 開放
L H H
H L L
H H 短絡
入出力関係
5
MD’S HARDWARE(4) ~構成~
 モーターの種類によって使用するHalf Bridge の数が異なる。
 Half-Bridgeの数だけ配線が増える。
モータの種類 個数
DCモーター 2
ブラシレスDCモーター 3
ステッピングモーター 4* 6
MD’S HARDWARE(5) ~MDの種類~
 Half Bridgeの出力段をどう構成するかでMDの種類が決まる。
 混合型MD
 回路設計が容易
 制御周期を上げにくい
 フルN型MD
 回路設計が少し困難
(回路の規模が約二倍になる)
 制御周期を上げやすい
7
MD’S HARDWARE(6) ~ブートストラップ~
 FETはゲートソース間の電位差が閾値(4V程度)のときつながる。
 つまり(電源+閾値)の電圧を作る必要がある。→昇圧
 ブートストラップ回路を使うと容易に昇圧できる。
 ただし最大出力が(頑張っても)最大値の95%程度になる。
次のページで回路例を示します。
8
MD’S HARDWARE(7) ~ドライバ回路~
9
MD’S HARDWARE(8) ~ドライバーIC~
 基本的にトランジスタや抵抗だけでは回路が複雑化する。
→ヒューマンエラーの増加・製作時間の増加・重くなる
 小型化する方法として専用のICが存在する。
 利点
 小型化できヒューマンエラーを減らすことができる。
 欠点
 販売中止になった場合、回路を作れなくなる。
次のページに回路を示します。
10
MD’S HARDWARE(9) ~ドライバーIC回路~
11
MD’S HARDWARE(X) ~回路まとめ~
 Full-N型MD
 制御周期を上げやすい。(比較的貫通しにくい)
 ブートストラップ回路を使うことで比較的容易に昇圧できる。
 規模が大きくなり設計が困難
→Driver ICを使うことで混合型MDと同規模で設計できる。
0
1
2
3
4
5
部品数
ICなし ICあり
1/2
12
MDU’S DESIGN (1) ~方針~
 MDは一つの部品である。
 外部への依存(配線)は最小限にするべきである。
 配線順序等があってはならない。
 今後の拡張性を考える必要がある。
 仕様に余裕を持たせる必要がある。
 エンコーダとか電流センサーとか
13
MDU’S DESIGN (2) ~構成~
 MDを制御するには
 メインマイコンから直接制御
 MDボード上にマイコンを載せ間接制御 →Motor Driver Unit方式
Driver
PWM
Module
Transmit
マイコン
PWM
Controller
Driver
Motor Driver BoardMain Board
Progra
m
Transmit
Progra
m
PWM
Modul
e
直接制御
間接制御
14
MDU’S DESIGN(3) ~隠蔽化~
 利点
 マイコンを用いることでカプセル化を実現できる。…後述
 外部配線を減らすことができる。
→断線・配線不良のリスクを減らすことができる。
 欠点
 部品点数が増える。
 通信をしなければならない。
条件:4つモーターを使い電源に4ピン必要
直接制御:AH, AL, BH, BLのパルス信号線
間接制御:D+, D- の共有差動通信線 (RS485)
0
10
20
30
間接制御 直接制御
配線数
6割減
15
補足 カプセル化とは
 オブジェクト指向で使われる手法である。
 基本的に
 必要な情報(本質)を公開する。
 変更するべきでないところは公開しない。
 保守性が向上する。
 例として
 モーター → 出力(%)のみ公開し実現の方法を公開しない。
 照明 → 明るさ(%)のみ公開し実現の方法を公開しない。
16
MDU’S DESIGN (4) ~通信形態~
 通信形態
 スター型 (1対1) … 相互通信が容易
 リング型 (円状につなげたもの)
 バス型 … 最も配線量が少ない。
17
MDU’S DESIGN (5) ~通信規格~
通信規格を分類すると
 電気的トロポジ
 差動通信 …ノイズ耐性が高まるが信号線が倍になる。
 シングルエンド通信 …信号線の本数は少ないが基板外での通信が困難
 オープンコレクター通信…信号線の本数は極めて少ないがノイズにもすごく弱
い。
 デフォルトのプロトコルの有無
 同期の有無
18
MDU’S DESIGN (6) ~通信規格表~
方式 直接制
御
Uart RS422 RS485 SPI I2C CAN
配線数 X ◎(2,4) ◎(2,4) ◎(2,4) △(3+) ◎(2) ◎(2)
電気トロポジ シ シ サ サ シ オ サ
ドライバー なし なし あり あり なし なし あり
入手性 - - ○ ○ - - △
接続性 △ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △
自由度 ◎ ○ ○ ○ ○ △ △--
通信トロポジ スター スター
(バス)
スター バス/
MSバス
MSバス MSバ
ス
バス
19
MDU’S DESIGN (7) ~通信まとめ~
 MDの通信に向いているのはバス型の通信規格である。
 デバイスを識別するためにアドレスを設定しなければならない。
 差動通信が望ましい。
 ただしドライバーICが必要になる。
 パソコンとの接続性が高いほうが良い。
 ある程度有名な規格が望ましい。
FT232HやFT2232を使えば
Uart,SPI,I2C,JTAGの利用ができる。
+Driver ICでRS-485,RS-422も可。
20
FIN
 ご清聴ありがとうございました。
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MDの基本と応用について

  • 3. MD’S HARDWARE(1) ~最小構成~  最も基本的な構成はモーターとスイッチング素子で構成されたものです。  スイッチング素子とは  トランジスタ(NPN, PNP)  MOSFET  IGBT  リレー ちなみにこの回路は単方向しか 制御できないので実用的ではありません。 3
  • 4. 補足 FET と トランジスタの比較  比較  バイポーラトランジスタ…ベース電流に応じて流れる電流が決まる。  大電流を流すにはベースにも大きな電流を流さなければならない。  MOSFET …ゲート電圧に応じて流れる電圧が決まる。  大電流を流す時はゲート電圧を掛けるだけでいいので電流は不要である。  モータードライバーの出力段にはMOSFETが向いている。 4
  • 5. MD’S HARDWARE(3) ~構成ユニット~  通常のモータードライバーはHalf Bridgeを複数組み合わせて構成させま す。  短絡モードにしてはいけない。  出力を変化させるときに短絡モードに移行する恐れがある。  Cf. デッドタイム 入力’H’ 入力’L’ 出力 L L 開放 L H H H L L H H 短絡 入出力関係 5
  • 6. MD’S HARDWARE(4) ~構成~  モーターの種類によって使用するHalf Bridge の数が異なる。  Half-Bridgeの数だけ配線が増える。 モータの種類 個数 DCモーター 2 ブラシレスDCモーター 3 ステッピングモーター 4* 6
  • 7. MD’S HARDWARE(5) ~MDの種類~  Half Bridgeの出力段をどう構成するかでMDの種類が決まる。  混合型MD  回路設計が容易  制御周期を上げにくい  フルN型MD  回路設計が少し困難 (回路の規模が約二倍になる)  制御周期を上げやすい 7
  • 8. MD’S HARDWARE(6) ~ブートストラップ~  FETはゲートソース間の電位差が閾値(4V程度)のときつながる。  つまり(電源+閾値)の電圧を作る必要がある。→昇圧  ブートストラップ回路を使うと容易に昇圧できる。  ただし最大出力が(頑張っても)最大値の95%程度になる。 次のページで回路例を示します。 8
  • 10. MD’S HARDWARE(8) ~ドライバーIC~  基本的にトランジスタや抵抗だけでは回路が複雑化する。 →ヒューマンエラーの増加・製作時間の増加・重くなる  小型化する方法として専用のICが存在する。  利点  小型化できヒューマンエラーを減らすことができる。  欠点  販売中止になった場合、回路を作れなくなる。 次のページに回路を示します。 10
  • 12. MD’S HARDWARE(X) ~回路まとめ~  Full-N型MD  制御周期を上げやすい。(比較的貫通しにくい)  ブートストラップ回路を使うことで比較的容易に昇圧できる。  規模が大きくなり設計が困難 →Driver ICを使うことで混合型MDと同規模で設計できる。 0 1 2 3 4 5 部品数 ICなし ICあり 1/2 12
  • 13. MDU’S DESIGN (1) ~方針~  MDは一つの部品である。  外部への依存(配線)は最小限にするべきである。  配線順序等があってはならない。  今後の拡張性を考える必要がある。  仕様に余裕を持たせる必要がある。  エンコーダとか電流センサーとか 13
  • 14. MDU’S DESIGN (2) ~構成~  MDを制御するには  メインマイコンから直接制御  MDボード上にマイコンを載せ間接制御 →Motor Driver Unit方式 Driver PWM Module Transmit マイコン PWM Controller Driver Motor Driver BoardMain Board Progra m Transmit Progra m PWM Modul e 直接制御 間接制御 14
  • 15. MDU’S DESIGN(3) ~隠蔽化~  利点  マイコンを用いることでカプセル化を実現できる。…後述  外部配線を減らすことができる。 →断線・配線不良のリスクを減らすことができる。  欠点  部品点数が増える。  通信をしなければならない。 条件:4つモーターを使い電源に4ピン必要 直接制御:AH, AL, BH, BLのパルス信号線 間接制御:D+, D- の共有差動通信線 (RS485) 0 10 20 30 間接制御 直接制御 配線数 6割減 15
  • 16. 補足 カプセル化とは  オブジェクト指向で使われる手法である。  基本的に  必要な情報(本質)を公開する。  変更するべきでないところは公開しない。  保守性が向上する。  例として  モーター → 出力(%)のみ公開し実現の方法を公開しない。  照明 → 明るさ(%)のみ公開し実現の方法を公開しない。 16
  • 17. MDU’S DESIGN (4) ~通信形態~  通信形態  スター型 (1対1) … 相互通信が容易  リング型 (円状につなげたもの)  バス型 … 最も配線量が少ない。 17
  • 18. MDU’S DESIGN (5) ~通信規格~ 通信規格を分類すると  電気的トロポジ  差動通信 …ノイズ耐性が高まるが信号線が倍になる。  シングルエンド通信 …信号線の本数は少ないが基板外での通信が困難  オープンコレクター通信…信号線の本数は極めて少ないがノイズにもすごく弱 い。  デフォルトのプロトコルの有無  同期の有無 18
  • 19. MDU’S DESIGN (6) ~通信規格表~ 方式 直接制 御 Uart RS422 RS485 SPI I2C CAN 配線数 X ◎(2,4) ◎(2,4) ◎(2,4) △(3+) ◎(2) ◎(2) 電気トロポジ シ シ サ サ シ オ サ ドライバー なし なし あり あり なし なし あり 入手性 - - ○ ○ - - △ 接続性 △ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ 自由度 ◎ ○ ○ ○ ○ △ △-- 通信トロポジ スター スター (バス) スター バス/ MSバス MSバス MSバ ス バス 19
  • 20. MDU’S DESIGN (7) ~通信まとめ~  MDの通信に向いているのはバス型の通信規格である。  デバイスを識別するためにアドレスを設定しなければならない。  差動通信が望ましい。  ただしドライバーICが必要になる。  パソコンとの接続性が高いほうが良い。  ある程度有名な規格が望ましい。 FT232HやFT2232を使えば Uart,SPI,I2C,JTAGの利用ができる。 +Driver ICでRS-485,RS-422も可。 20