2018年9月8日の2018年 社会情報学会(SSI)学会大会シンポジウムの趣旨説明スライド

1. 1
AIが“媒介”する社会
2018年 社会情報学会(SSI)学会大会 シンポジウム 2018.09.08
司会・コーディネーター:
河島茂生(青山学院女子短期大学，理化学研究所AIPセンター)
14:15〜14:25 【企画趣旨説明】河島茂生(同上)
14:25〜15:55 【報告】(各報告30分間)
［倫理］
久木田水生(名古屋大学)
［法・政策］
成原慧(九州大学)
［情報技術］
反中望(リクルートテクノロジーズ)
15:55〜16:10 【休憩】
16:10〜17:15 【パネル・ディスカッション】

2. 【企画趣旨説明】
AIが”媒介”する社会
河島茂生(青山学院女子短期大学，理化学研究所AIPセンター)

3. 3
AIの第3次ブーム
図1 人工知能に関する新聞記事の推移

4. 4
AI開発の方向性
 人間と同様，もしくは人間を上回る知能の開発
 人間の活動を補助し拡張する技術の開発
AIが「メディア」として機能し，人材採用や貸付，金融，保険，
交通，顧客対応などにかかわっている。IA(Intelligence
Amplifier)の方向性に近い。
AIのもつパターン・マッティングは，コミュニケーションの流
れのなかにすでに組み込まれており，今後さらに多様な社会に
おいて活用されていくと予想される。
人間の能力をまねるテクノロジーの開発であり，汎用人工知能
の開発，シンギュラリティ論，超知能論に結びつく流れ。
✓

5. 5
AI
 広義＝(1)コンピュータ技術
 狭義＝(2)機械学習(最狭義には深層学習)
(3)シンギュラリティや超知能をもたらす未来の技術
・・・・・
機械学習
コンピュータ技術
未来の
技術
A.チューリングは，人間のあらゆる論
理的思考を0/1のパターン変換に落と
し込んだ機械としてコンピュータをモ
デル化したため，コンピュータそのも
のがAIであるともいえる。
また，AIという語は，2013年以降の
第3次ブームを引き起こした深層学習
を中心とする機械学習を指す場合もあ
れば，シンギュラリティを引き起こす，
まだ存在していない技術について言及
される場合もある。
今回のシンポジウムでは，(1)(2)を念
頭に議論を行う。

6. 6
多様な分野で利活用されるAI
 移動: 自動運転車
 観光: 自動翻訳
 介護: ケアロボット，ロボットスーツ
 教育: 個別の学習状況に応じたコンテンツ，離学者予測
 医療: 医療診断の補助
 人事評価・採用: HR Tech(Human Resource Technology)
 金融: 融資
・・・・・
法・政策倫理
情報技術
(フロントエンド
)

7. 7
AI×倫理
 個人の尊厳と公平な社会
 スコア社会による個人の連鎖的排除
 人生を左右しかねない場面(採用・人事評価・与信等)でのAI活用
 直接身体に危害が加えられかねない機械(自動運転車等) のありかた
 AIの透明性およびアカウンタビリティ
AIシステム
民族や肌の色，宗教，
出身国，年齢，性別，
婚姻関係の有無，公
的扶助を受けた理由
など(参考:ECOA)
AIシステムの利活用の状況を鑑
み，事前に判断に組み込んでは
ならない変数を変更していく。
例: 顔貌

8. 8
AI×法・政策
 AIの開発および利活用の方向性を定める政策
・AIネットワーク社会推進会議「AI開発ガイドライン案」
・同「AI利活用原則案」
・HOUSE OF LORDS Select Committee on Artificial
Intelligence”AI in the UK:ready, willing and able?”
・中国国務院「次世代人工知能技術発展計画」
・・・・・
 AIを使った政策展開
・保育所入所の選考業務(さいたま市)
・保健指導のモデル立案(筑波大学・茨城県常総市や新潟県
見附市など)
・政策提言プロセスの一部にAI技術(京都大学・日立製作所)

9. 9
AI×情報技術(フロントエンド)
 AIを使ったユーザ・インターフェース設計
・画像認識: 画像検索，投稿画像のチェック，画像のタグづけ
文章とともに画像をチェックすることで，ポルノや暴力，テロなどのコンテ
ンツの投稿を防いだり，自殺を匂わせる投稿を自動で抽出する。alt属性を付
けていない画像でもタグ付けし，全盲の人でも内容を理解できるようにする。
・音声認識: 音声入力，AIスピーカー
・利用者ごとに調整されたインターフェース: レコメンデーショ
ン，フィルタリング
SNSでは，個々のユーザがどのような投稿に「いいね！」を押し，どのよう
なリンクにクリックしているかなどを計算し，その人のホーム画面に表示さ
れるコンテンツを予め選別している。
・高精度かつ高頻度なA/Bテスト