Slides for Open Source Conference Kyoto 2012 work shop

1. オープンソースのGISソフト
FOSS4Gと
OSGeo財団のご紹介
OSGeo財団日本支部
中川貴滋

2. 本セッションの対象
次のうち、何れかに該当する方
• GIS、FOSS4Gという単語を聞いた事が無い。
• 位置／地理情報を使ったアプリやサービスに興味がある
けど、何から始めればいいか分からない。
• OSSコミュニティで何かをやってみたいが、それが何か
が分からない。

3. こういう事を話します
• OSGeoとは
• FOSS4Gとは
• いろいろなソフトウェア
• 超アクティブ、超柔軟、超本気な OSGeo.jp
– 参加しやすいコミュニティ作りのヒント

4. タイムテーブルを見て驚きました
OSGeo財団日本支部
エバンジェリスト？！
いやあ、これはしっかりやらんと....

5. 自己紹介
名前 : 中川貴滋（なかがわたかしげ）
仕事 : 文系プログラマ。古地図、イラスト地図関連のシス
テムの開発をしています。以前は、オープンソースGIS
を扱う会社にいました。
OSGeoとの関わり : 2008年頃から日本支部の個人会員に。
今年の3月から同支部の運営委になりました。新米で
す。

6. まず は
The Open Source Geospatial Foundation
の略で、
オーエスジオ
と読みます。

7. は
Open Source のGeospatial ソフトウェ
ア
の開発・利用促進の為に活動してい
る、
国際非営利組織です。

8. そしてこの、
Open Source のGeospatial ソフトウェ
ア
を我々は、こう呼んでいます。

9. フォスフォージー
FOSS4G
Free andOpen Source Software for
Geospatial
「自由」なオープンソースの地理空間情報ソフト
ウェア
=
GISソフトウェア

10. GISって？
• Geographic Information Systems の略。
• 国土交通省国土地理院
“地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ（空
間データ）を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析
や迅速な判断を可能にする技術である。”
- http://www.gsi.go.jp/GIS/whatisgis.html
• GISポータルサイト
“位置や空間に関する様々な情報を、コンピュータを用いて重ね合
わせ、情報の分析・解析をおこなったり、情報を視覚的に表示させ
るシステムです。”
- http://www.gis.go.jp/contents/whatisgis.html
• 日本建設情報総合センター
“文字や数字、画像などを地図と結びつけて、コンピュータ上に再
現し、位置や場所からさまざまな情報を統合したり、分析したり、
分かりやすく地図表現したりすることができる仕組み”
- http://www.gis.jacic.or.jp/gis/gakushu/whatisgis/whatisgis1.html

11. よーしパ
条件は、 パ、
１．主要道路から１km以
内
テーマ
つまりGISソフト パーク
２．起伏が少ない 作っちゃ
ウェアとは... うぞ！
３．自然林でない地域
デジタル化した事
物の位置や形状
（空間的広がり）
の情報を使って、
情報を検索・分析
したり、結果を視
覚化したりする為
のソフトウェア
ここだ！
画像:
大阪市立大学web講座 「GRASSを用いた地理情報システム入門（第１回）」 より
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/~masumoto/vuniv2000/gis01.html

12. FOSS4Gってソフトがある訳じゃないん
です
一口にFOSS4Gといっても、
• ファイル／データの入出力やフォーマット変換
• 地理データの作成
• データベース
• 地図の作成や表示スタイルの編集
• 地図画像や地理データのWeb配信
• 地図クライアント
などなど、多種多様なものがあり、開発主体はそれぞれ異
なる。

13. • バラバラに存在していたFOSS4Gコミュニティを束ねる、コ
ミュニティ。
• 毎年秋にカンファレンスを開催。
2006 ローザンヌ
2007 ヴィクトリア
2008 ケープタウン
2009 シドニー
2010 バルセロナ
2011 デンバー

14. OSGeoのプロジェクト
Web Mapping Geospatial Libraries
deegree FDO
geomajas GDAL/OGR
GeoMoose
GEOS
GeoServer
Mapbender
GeoTools
MapBuilder MetaCRS
MapFish OSSIM
MapGuide Open Source PostGIS
MapServer rasdaman
OpenLayers
Zoo Metadata Catalog
GeoNetwork
Desktop Applications
GRASS GIS
Quantum GIS Other Projects
gvSIG Public Geospatial Data
Opticks Education and Curriculum

15. 代表的なものをご紹介

16. Web Mapping
（サーバ）

17. Web Mapping
ラスタファイル
ベクタファイル
承知し
ました
Web Mappingサーバ
データベース
京都周辺に
ズーム！
Web
N34.973984, E135.742409
ブラウ
〜 ザ
N34.993833, E135.776141
の地図画像を頼む！

18. Web Mapping
ラスタファイル
ベクタファイル
ブラウザからの要
求に応じ、地図画
承知し
ました 像を配信する
（画像でなくjson
やxml等のデータ
Web Mappingサーバ である事もある）
データベース
京都周辺に
ズーム！
Web
N34.973984, E135.742409
ブラウ
〜 ザ
N34.993833, E135.776141
の地図画像を頼む！

19. Web Mapping
Map Server
• 高速かつ安定したWeb Mappingサーバ
• オンデマンドで所定のスタイルの地図を描画する
• 凡例、スケールバー等の部品や、記号、線種、色等のき
め細かな設定により、リッチな地図表現が可能

20. Geo Server
• J2EEのWeb Mappingサーバ
• WMS、WFS、WCS、動的KMLといった豊富な配信形式
• キャッシュシステムを標準装備

21. Web Mapping
（クライアントサイド）

22. ラスタファイル
ベクタファイル
承知し
ました
Web Mappingサーバ
データベース
京都周辺に
ズーム！
Webブラウザで地図
を表示、操作出来る Web
様にするための
ブラウ
JavaScript ライブラリ N34.973984, E135.742409
〜 ザ
等 N34.993833, E135.776141
の地図画像を頼む！

23. Open Layers
• オープンソースでは最もよく使われているWeb Mapping
クライアントJavaScript ライブラリ
• 様々な地図サービスのデータを表示出来る

24. Desktop Application

25. Desktop Application
かつてはGISといえばこれだった。いまでも王道。
Google Earthの様な閲覧機能から、地理空間データの作成・編集、
高度な分析まで機能は様々。
新しい自販機
を追加っと
E地区の肥満
率があああ
あ！！！
データの作成・編集
分析、解析
A B C
D E

26. Quantum GIS
• 最も良く使われている汎用GISソフトウェア
• プラグインでの機能拡張が盛んに行われている
• 日本語化、及びマニュアルの翻訳が鋭意進行中

27. GRASS
• 学術研究レベルに使用される高機能な分析ツール

28. Geospatial Libraries

29. GDAL/OGR
• 様々な形式のGISファイルへの読み書きをラッピングするライブ
ラリ
• 多くのGISソフトウェアで使用されている
• C、C++、Perl、Python、VB6、Ruby、Java、C#、 .Net、R
• コマンドラインツールとしても使える
このへんで活
躍！
Web Mappingサーバ
デスクトップ 各種データ

30. Spatial Database

31. Spatial Database
ポイント、ポリライン、
ポリゴン等の図形データ
をカラム値として管理
「ある高速道路から50メートル以
内に建っている木造家屋」という
ような地理的な検索が、平易な
データベース SQL文で行える
SELECT * FROM 家屋
WHERE 距離(xx高速.ジオメトリ,家屋.ジオメトリ) > 50m
AND 家屋.種別 = ‘木造’

32. PostGIS
• PostgreSQLの空間拡張ライブラリ
• 空間インデックスで高速検索
• SVGやKML等のフォーマットで結果を返す事も出来る

33. Spatialite
• ファイルデータベースSQLiteの空間拡張ライブラリ
• 軽量、マルチプラットフォームなのでモバイルにも好相
性
• データを操作する為のGUIやCUIのツールも提供されてい
る

34. オープンソースで大丈夫なの？

35. 大丈夫
PostGIS MapServer
OpenLayers
PostGIS
実績があります

36. 商用のGISソフトウェア
• 一般的に、高価である場合が多い
• インストールの本数に制限がある
• 機能の改善や不具合については、ベンダーの対
応待ちになる

37. 商用のGISソフトウェア
• ベンダー独自の規格により、自由な組み合わせで利用出
来ない場合も
Web Mappingサーバ
デスクトップGIS
各種データ
Web
ブラウ
ザ
Web Mappingクライアント

38. FOSS4Gは
• オープンスタンダードなので組み合わせ自由！
◯ ◯
◯ ◯ Web Mappingサーバ
デスクトップGIS ◯ ◯
◯
各種データ
Web
ブラウ
ザ
Web Mappingクライアント

39. もちろんFOSS4Gは
「自由」に入手、利用出来るGISソフトウェア
• インストール
– どのPCに何回インストールしようと、制限を受けな
い
– ライセンス認証やキーが不要
• 複製
– コピーをしてもかまわない
• 改変・改良
– 機能が足りなければ、中身をいじくってもかまわな
い
• 配布する
– 誰にいくつ配布してもかまわない

40. 始めてみようかな？という方に
個人的に、これがおすすめで
す！

41. Leaflet
• 軽量なタイルベースのJavaScript Web Mappingクライアン
ト
• 洗練された表示エフェクトで、操作感が良い
• Google MapsライクなAPIでとても使いやすい
• OSGeoのプロジェクトではないですが...おすすめです

42. MapGuide Open Source
• サーバ、API、クライアントを含むオールインワンのWeb
Mappingプラットフォーム
• 手早くWeb Mappingサービスを展開出来る
• PHP、.Net、Java、JavaScriptの開発環境

43. だんだん好きになって行く
Web Mappingを例にすれば...
Google Maps APIで満足していた（地図はGoogle 提供の物だけ）
OpenLayersやLeafletを使ってみた（APIとデータは分離）
色んなデータを使ってみたい！
自分でも色んなデータや地図を作ってみた
い！
MapServer、GeoServer

44. すぐに始められます

45. でもなんだか難しそう...

46. 大丈夫
は、そんなあなたの為にあるんです！

47. ご紹介が遅くなりましたが....
は、OSGeo財団の日本における公式の支部。
本部と同じ、2006年に発足しました。

48. 毎年東京と大阪でカンファレンスを
開催
海外からのゲストをはじめ、第一線で活躍されている方々をお
招きして開かれる、フリー＆オープンソースGISの祭
典！

49. さらに、各FOSS4Gツールのスペシャリストによる
ワークショップも
絶好の入門チャンス！

50. 地域カンファレンスも開催

51. 日本語メーリングリスト
OSGeoJapan-discuss at lists.osgeo.org
http://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss
OSGeo（主に日本支部）に関する幅広いテーマを対象に、意
見、情報交換を行っています。
OSGeoJapan-announce at lists.osgeo.org
http://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-announce
OSGeo日本支部に関するアナウンスを行っています。
Japan_mapguide at lists.osgeo.org
http://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/japan_mapguide
MapGuide Open Sourceに関する情報交換を行います。
geoserver-jp at lists.osgeo.org
http://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/geoserver-jp
GeoServerに関する情報交換を行っています。

52. 書籍 - FOSS4G HANDBOOK
主要ソフトを紹介。地図データ、地理サービス一覧も収
録。
本日OSGeo.jpブースでも販売しています！

53. この
について、僕がときどき感じる事、
それは、

54. 「OSGeo.jpって、生きて
るな」

55. 生きているカンファレンスのポス
ター
２０１０ 鼻たれ坊主が

56. 生きているカンファレンスのポス
ター
２０１１ たくましく成長して

57. 生きているカンファレンスのポス
ター
２０１２ 一人前のエンジニアに

58. キャラクターたち
モラモラ(mola mola)
“① フグ目マンボウ科に属する魚マンボウの学名。
② マンボウのように、あせらず一つ一つの情報を
網羅( もーら)していくFOSS4Gの精神的指針。
③ 転じて、ジオな自由人の総称、生き様。”
地底人
どうやら影で日本を守ってくれて
いるらしい、アンダーグラウンド
のFOSS4Gの使い手たち。
カンファレンスでは進行を務める
ことも（？）

59. コミュニティの存在の確かさ。
変化／成長して行くストーリーやアウトプットがあっ
て、そこに「生きているように」存在している。
そういう印象を持ってもらう事が、OSSのコミュニティを
参加しやすいものにする上で、とても大事だと思うの
です。

60. 参加への障壁 – 不活発
「営業中かどうかわからない」お店に入るときの、あの感じ。
入りにくいですよね。
？
え...と...やって
ます...よね...？

61. 参加への障壁 – 機械的
判で押したように、マニュアル通りの情報を浴びせられ、
置いてけぼりに。
分かりにくい。もう一度聞くのも気が引ける....。
お味はAA、 当店のシステム
AB、エクスト はxxオプション
ラBBがござい となんちゃから
まして、なん ○○オプションと
ちゃらかん AAオプションが
ちゃら なんちゃらかん
ちゃら
そ、それで
いいです

62. 参加への障壁 – 形式的
本気じゃない。
これでは、なにを呼びかけられても応える気がしない。
ごゆっくり
どうぞー
ミ
本当にゆっくりしてい
ミ いのかな...

63. OSSコミュニティの本分
• 開発への参加
– 新機能の提供
– デバッグ
– ローカライズ
• ドキュメントの整備
• 技術情報の共有
– カンファレンス、ハンズオンの開催
– メーリングリスト
• 財政支援

64. そうした本分とは無関係ですが、ポスターやキャラクター
といった創作物もまた、
「OSGeo.jpがアクティブに、柔軟に、
本気で活動していることの証」
として機能し、参加しやすいコミュニティ作りに貢献して
いるのではないか、と思います。

65. それを実感できた出来事
FOSS4G Tokyo/Osaka 2009の準備が始まりだしたある日...
「プロモーション用の動画を作ります。
音楽を作ってもらえますか？」
「はい! （どんなのがいいかな ...）
「動画のテーマは『たべものとmola mola』で
す。
音楽は自由に作ってｗｗｗ」
「（えっ？
...ほんとに自由にしますよ.... ）」

66. 「FOSS4Gで超簡単」
FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで簡単
FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで超簡
単!
あなたの願いを お金は要らない
かなえてあげる やりたい放題
そのソフトを使ったら、すぐにで みんなの力を合わせ、作ったから
きる あなたの力も貸して欲しい
GISなら、FOSS4G
誰でもできる、あなたもできる
（語り） あなたは使う、みんなで使う
FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで簡単 FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで簡単
FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで超簡 FOSS4G、FOSS4G、FOSS4Gで超簡
単! 単!
超簡単、超簡単だ
FOSS4G!

68. この動画は東京と大阪のカンファレンスで何度も
流されました。
実はこのとき、
「やり過ぎた。皆さんに迷惑をかけてしまっ
た。」
「邪魔するだけで、貢献してないじゃないか。」
と、申し訳なさ、後ろめたさを感じながら会場に
いました。

69. さらにあろうことか、後日この動画の存在が、
OSGeo本体のメーリングリストにバラされてしま
いました。
そして、その反応は

70. “Simple and catchy...very well done. Everyone should try to attend
a FOSS4G event in Japan, they have a very vibrant community, and
they would love to have more international attendees at their events.
(their mailing list is at
http://lists.osgeo.org/mailman/listinfo/osgeojapan-discuss and yes you can
ask questions in english)”
みんなも
「シンプルで目を引く。とっても良くできている。
日本のFOSS4Gイベントに出るようにす
るべきだ。日本はとっても活気のあるコミュニティがある
し、海外からの参加者がもっと増えることを歓迎している。日本
のメーリングリストはこれで、英語で質問できるよ。」
MapServerの開発メインストリームメンバー
Jeff Mackenna 氏
訳:OSGeo.jp森代表のブログより

71. 無駄じゃなかった...
活発さをアピールできたん
だ！
ほっ

72. そんな事があって、それ以降も動画・音楽の作成を続けて
います。
コミュニティの楽しさをアピール =>多様な参加者の獲得
=>より楽しいコミュニティという正の循環を信じて...
そしてなにより、自分が楽しいから！

73. まとめ
• FOSS4Gは自由＆オープンスタンダード
– 用途＆規模に合わせて柔軟に使える
• OSGeo.jpはあなたのGeospatial Life（ジオ活）を
応援します
– ビギナーからギークまで
• OSSコミュニティは「生きてる」感が大事かも
– 活発さ、柔軟さ、本気度、そして楽しさをア
ピール

74. 最後に
あなたも、OSGeo.jpに参加しませんか！
いますぐ、http://www.osgeo.jpへ！
ココをクリック
本日は、OSGeo.jpブースでも入会受付を行っております。

75. ご清聴、ありがとうございました。