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Sex: Male
Age: 30--35
No Glasses
Sex: Male
Age: 20--25
Smile
映像解析における周辺要素
第60回データマイニング+WEB@東京
2017年10月28日
株式会社フューチャースタンダード
CAO 金田卓士
金田 卓士(@kndt84)
• 映像解析のプラットフォーム事業手が
けるフューチャースタンダードに所属
• 一休.com、ソフトバンク・テクノロ
ジー、VASILYを経て現職
• Maker Faire へ参加しており、今年は
VR戦車を出展しました
2/15
映像解析ビジネスの市場予測
US$4.3
US$5.2
US$6.6
US$9.3
US$14.9
US$25.6
2014 2015 2016 2017 2018 2019
出典: Statista, “Revenues from the computer vision artificial intelligence (AI)
market worldwide, from 2015 to 2019, by IT segment (in million U.S. dollars)”
グローバルにおける映像解析サービス市場予想
映像解析ビジネスの市場予測
スマートフォン普及に伴う映像センサーの小型・低価格化、通信環境の整備、深層学習によるアル
ゴリズム進化等により、映像解析市場は2019年には25.6億ドル規模に達すると予測されています。
CMOSカメラモジュール市場のトレンド予測
出典: Yole Developpement, “2015 Camera Module Industry Report”
3/15
ハードとソフトウェアの分離
スマホアプリ開発
音声入力アプリ開発
映像解析アプリ開発
?
ハードウェアを含めた
作り込みの必要
結果として高い
“ワープロ” ≠ “PC”
SDKの不在
映像解析市場の課題
今後、映像解析ではハードとソフトの分離が進むことが予想されるが、スマホや音声サービスと異
なり、映像を簡単に扱えるSDKが存在しないことが課題である。
4/15
技術パートナー
テクノロジー企業
 解析技術
 ハードウェア
 クラウド技術
大学・研究機関
技術提供
協力
レベニュー
シェア
サービス
提供
従量課金
月額課金
初期導入費
ユーザー
エンドユーザー
 小売店
 広告代理店
 インフラ事業者 など
開発パートナー
 SIer
 アプリ開発者 など
事業パートナー
 マーケティング会社
 イベント会社 など
弊社のビジネスモデル
技術パートナー企業から技術提供を受け、映像解析サービスをAPIやSDKとしてユーザーに提供。
収益を技術パートナーとレベニューシェアをすることで映像解析のエコシステムを構築。
5/15
開発に必要な全ての
環境を整備
最短の開発期間で安価に
製品・サービスを提供
開発者向け(プラットフォーム事業)
SDKをはじめ、自社のアイディアを形にするためにSCORERを
利用するケース
ユーザー向け(SI・受託事業)
弊社がデイバイスからクラウド環境まで、SIer / メーカーとし
て提供するケース
広告分野 小売・流通分野 工場分野 交通量調査
映像解析の応用例
6/15
7/15
広告効果検証
アドトラックにカメラを設置し、東京・大阪・福岡で通行人数を計測することで、潜在的な
広告のリーチ数を計測。
店舗設置案の提示 データの可視化 改善策の検討
 数値による可視化を行うことで、本部と店舗での認識・課題の共有、議論の共通言語を持つことが可能に
小売・流通分野
7/15
交通量調査
自治体と協力して電柱にカメラを設置し、その映像から交通量を自動で計測
8/15
工場に小型カメラを設置し、作業員の動線などを確認することで、改善点を抽出。現在、国内大
手空調機器メーカーの工場にて実証実験を行い、現在サービス化に向け開発中。
撮影動画サンプルイメージ
・・・
無線
LAN
保存用NASルーター
解析
クライアント
解析
結果
技術提供アルゴリズム
開発者
工場内動線解析
10/15
映像解析の基本
動画もしくはカメラ映像に対して、1フレームごとに何らかのアルゴリズムを実行し、その結果を
ログもしくはシグナルといった形で出力するのが映像解析の基本的な形である。
ログ
シグナル動画
カメラ
入力 出力解析
動画
11/15
映像解析プロジェクトの実行プロセス
• 目的とゴールの
明確化
• 法務リスクの把
握
• 通信要件の確認
• アルゴリズムの
選定
• アーキテクチャ
の決定
• 機器選定
• 撮影の事前告知
• カメラ設置
• 撮影の通知
• 出力ログの設計
• アルゴリズムの
実行
• ファインチュー
ニング
• ログの加工
• ログの可視化
• レポーティング
• 自動化に向けて
の開発
• 認識精度の評価
• 追加学習
ビジネス理解
アルゴリズム
選定
映像の
取得・撮影
解析の実行
解析ログの
可視化・分析
評価・展開
実際にビジネスとして映像解析プロジェクトを実施するためには、映像にアルゴリズムを適用する
以外にも様々なプロセスが必要になる。
プロジェクトの主な流れと実施項目
12/15
個人情報・プライバシーへの配慮
映像解析を実施する際の個人情報やプライバシーへの配慮に関しては、総務省より、「カメラ利
活用ガイドブック」が公開されており、記載の配慮事項を尊守することが望ましい。ただし、あ
くまでガイドラインであることには留意が必要である。
ガイドブックの適用対象の概略図顔画像や顔特徴量の取得は個人情報とみなされる
参考:「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000009.html
13/15
映像解析のシステムアーキテクチャ
14/15
映像解析のアーキテクチャを考える際、基本的には下記の4方式があると考えています。
ハイブリッド型
クラウド型エッジ型
中間サーバー型
映像をネットワークを超えて送信し
クラウド側のサーバーで解析
ローカルNWでログに変換してから
ログのみクラウド側のサーバーへ送信
カメラ単体で解析
カメラの映像をローカルNW内で
サーバーに送信して解析
映像解析のシステムアーキテクチャ
エッジ型 中間サーバー型 クラウド型 ハイブリッド型
主な用途
• 異常検知
• ドローン
• 自動運転
• 動線分析
• 顔認証
• 滞留・混雑検知
• 交通量調査
• 地図利用
• 店舗解析
メリット
• 通信が必須でない
• レイテンシが小さい
• セキュリティリスク少な
い
• 通信が必須でない
• 既存設備を利用可能
• 重いアルゴリズムも利
用可能
• セキュリティリスク少
ない
• メンテナンスが用意
• 計算資源のスケールが
用意
• 通信帯域が小さい
• 個人情報リスク少ない
デメリット
• 計算資源が少ない
• 費用が高くなりがち
• 精度検証ができない
• 設置場所の確保必要
• 機器メンテナンス
• 通信帯域の圧迫
• 個人情報リスク有
• レイテンシがある
• 機器メンテナンス
• 精度検証ができない
機材の例
• Intel MOVIDIUS
• NVIDIA Jetson
• Raspberry Pi 3
• IPカメラ
• GPU搭載のサーバー
• クラウドのGPUインス
タンス
• エッジ型 or 中間サー
バー型の機器とクラウ
ドインスタンス
通信の必要性 ローカルNW ローカルNW 必須(帯域大) 必須(帯域小)
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映像解析の解析の構成を考える際は、通信要件、アルゴリズムの計算負荷、個人情報リスク等
を考慮して総合的に決定する必要がある。

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Editor's Notes

  1. よろしくお願い致します。フューチャースタンダードの ◯◯ともうします。 早速ですが、弊社のご紹介をさえて頂ければと思います。 最初に弊社のプロダクト / サービスのご紹介。そして、次に現状の弊社の事業について、そして最後に資金調達にかかるポイントについて、お話させて頂ければと思っています。
  2. 映像解析に関するソフトウェア、サービス市場は年率50%以上で成長する急成長市場です。
  3. しかし、弊社ではその市場の立ち上がりに際して、以下の2つの課題を解決する必要があると思っております。 1つめは「映像解析を簡単に使う、使いたいように使えるものが無い」という事です。映像解析は映像を取得し、解析し、結果を返すというプロセスを経ます。そのプロセスを行う為に、これまでは映像解析技術を持っている会社が サービスを作ろうとした場合、往々にしてはハードウェアを製造する必要がありました。それは、まさに映像の取得という部分において、簡単に使えるカメラ端末というのが無かったことがあります。様々なソフトウェアやミドルウェアを端末同士の相性などを気にしながら、開発をせざるえませんでした。その結果、特定の目的にカメラ端末を使ったりすることも多く、結果として非常に高価なものになりがちでした。 弊社では、この簡単に使える状態にカメラ端末を持っていく必要があると考えています。 2つめは、開発環境です。スマートフォンアプリを作るなら、アンドロイドやiOSのSDKを使います。音声入力であっても、今ではAlexaのkitを使います。 しかしながら、映像解析ではまだ、簡単にアプリケーションを作成するための開発環境が整備されておりません。OSSのアルゴリズムなどはありますが、 基準となる環境が無いため、イチから作り込む必要があることが、映像解析を利用したサービスやプロダクトの普及を妨げていると考えています。 そこで、
  4. 次に弊社の事業モデルについて、ご説明したいと思います。 大きく2つのセグメントにわけております。 1つは、B to B to B / Cに近い、開発者やメーカーさん向けに弊社が技術や端末を提供するモデル 2つめは、弊社がシステムやアプリケーションを開発して、提供するB to B / C向けの事業になります。 こちらは、SIer、受託と言った傾向がつよいモデルになります。 どちらもSCORER for RasPiやSDK活用することには変わりはありません。受託で開発した機能をSDKに応用したり相乗効果ある事業構造になっています。 ただ、やはりSI・受託系の案件については、時間的にも人員的にもコストがかかりますので、(それでも十分に短縮はされているのですが)、長期的にはプラットフォーム事業を収益の柱にするようにしていきたいと思っております。